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更新日:2015年9月25日

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差別につながる戸籍の不正取得 (めぐろ区報 平成22年3月25日号に掲載した記事です)

平成22年3月

すでにお気づきのかたも多いと思いますが、現在発行されている運転免許証は、従来あった本籍の欄が空白になっています。これは、都内では19年から始まった運転免許証のICカード化に伴い、個人情報保護のために行われているものです。

本籍は、戸籍に記載されています。戸籍には本籍のほか、氏名、生年月日、親子・夫婦関係など、個人情報が記載されています。戸籍は従来、公開が原則で、だれでもが戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)などの交付請求ができることになっていました。

しかし、近年、不正取得した戸籍謄本などを使用し、他人名義で消費者金融から借り入れを行ったり、勝手に婚姻届を提出したりするという事件が発生していることから、20年に戸籍法が改正され、証明書の取得や婚姻などの届け出の際には必ず本人確認を行うことが義務づけられました。また、不正な手段により他人の戸籍謄本などを取得した場合には、新たな刑罰が科せられることになりました。

区では、こうした措置に加え、戸籍謄本などが不正に取得された場合に、取得された本人にその事実を知らせるという制度を設けています。この制度を設けるきっかけとなったのは、18年から19年にかけて起きた、行政書士による戸籍謄本などの不正請求事件でした。

この事件は、弁護士や行政書士など特定の業種に就く人は、第三者の戸籍謄本などを職務上請求できるという規定を悪用したもので、三重県内の行政書士が、請求理由を偽って不正取得した戸籍謄本などを、横浜市内の調査会社に大量に横流ししたというものでした。区でも数件の該当があり、不正取得されたご本人にこの事実をお知らせしました。

本人の知らないところでの不正な戸籍謄本などの取得は、そのこと自体がプライバシーの侵害に当たるだけでなく、身元調査に悪用され、同和地区出身者等が不当に差別的な扱いを受けるなど、人権侵害行為につながる恐れがあります。

このような身元調査をなくしていくためには、戸籍謄本などの不正取得を防いでいくとともに、私たち自身が差別意識や偏見に基づいた調査依頼をせず、調査自体に協力しないことが大切です。

お問い合わせ

人権政策課

ファクス:03-5722-9469

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