トップページ > くらし・手続き > 人権・男女共同参画 > 人権 > 心の輪 > 心の輪(人権に関する連載) 31年度 ・令和元年度 > 犯罪被害者への支援 何よりも周囲の理解が大切です (めぐろ区報 令和元年6月25日号に掲載した記事です)

更新日:2019年7月8日

ページID:475

ここから本文です。

犯罪被害者への支援 何よりも周囲の理解が大切です (めぐろ区報 令和元年6月25日号に掲載した記事です)

意図せずに傷つけることも

ある日突然、犯罪の被害に遭い、その事件の苦しみに懸命に耐えている人がいたとしたら、あなたはどんな声を掛けますか。

昨年10月に区が実施した人権に関する意識調査の結果によると、犯罪被害者とその家族への差別が現在の社会に「存在する」と回答した割合は、約82パーセントとなっています。

犯罪被害者やその家族は、周囲の偏見や、無責任なうわさ話、中傷などの二次的な被害に苦しむことがあります。

また、被害者等に対して何げなく発した「お気持ちはよく分かります」「もう忘れなさい」「自分だったら生きていられない」などの一言が、被害者等に「簡単に分かるわけがない」「一生忘れることなんかできない」「生きている私はおかしいのか」などといった気持ちを生じさせ、心をさらに傷つけ、苦しめてしまうこともあります。

見た目で分からない深い心の傷

犯罪に遭うと、日常生活に必要な判断力も奪われてしまうほどの衝撃を受けることがあり、見た目では分からないものです。犯罪被害を受ける前と変わらない様子に見えても、実は抱えているつらさや苦しみを誰にも相談できず、孤立感を深めているかもしれません。体調を崩し、心の健康を損なっていることも少なくありません。医療費の負担や就労が困難になったなどの理由により、経済的な問題に直面している可能性もあります。

当たり前の生活を取り戻すまで

被害者等が以前のような日常生活を取り戻すためには、つらい状況を周囲のかたが理解して、被害者等の声に耳を傾けることが必要です。一人では心の整理が難しい被害者等にとっては、寄り添って、一緒に考えてもらうだけでも、生活を取り戻す力になります。さらに、心の回復に向けた支援や、経済的な支援など、求めるものに応じた適切な相談先につなげていくことが大切です。

平成16年に犯罪被害者等基本法が成立し、権利利益の保護や支援が進められています。都では、被害者等への支援に関する条例制定を検討するなど、さらなる支援に向けた取り組みが進みつつあります。また、区や都には、人権相談などの窓口があります。

被害者等が周囲の無理解などで苦しめられることなく、早期に適切な支援を受けることができる社会を目指していきましょう。

お問い合わせ

人権政策課

ファクス:03-5722-9469