更新日:2024年3月25日

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目黒の地名 八雲(やくも)

「目黒の地名」は、「月刊めぐろ」(昭和55年8月号から昭和58年4月号)の掲載記事を再構成し編集したものです。

目黒の地名 八雲

八雲は、「やくも」と読み、「やぐも」のようには濁らない。この八雲という地名は、八雲二丁目にある素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祭る氷川神社と深くかかわっており、なかでも日本神話を抜きにしては語れない。

日本最古の歴史書、古事記によると、「神々に乱暴を働いたため、高天原(たかまがはら)を追われた素戔嗚尊(すさのおのみこと)は、出雲の国へ下った。そこには、胴体一つに首と尾が八つある八岐大蛇(やまたのおろち)が、毎年娘を食いにくるといわれ、大蛇に狙われた櫛名田姫(くしなだひめ)は泣き悲しんでいた。

櫛名田姫(くしなだひめ)を妻にしようとした素戔嗚尊(すさのおのみこと)は、一計を案じて、大蛇を酒で酔わせ、見事退治した。さて無事救出した櫛名田姫(くしなだひめ)との新居を須賀(すが)という所に構えた素戔嗚尊(すさのおのみこと)は、その宮を造るときに盛んに雲が立ち昇ったので、「八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を」(盛んにわき起こる雲が、八重の垣をめぐらしてくれる。新妻をこもらせるために、八重垣をめぐらすことよ。あのすばらしい八重垣よ)」と歌ったという。

氷川神社の剣の舞

毎年9月に同神社に奉納される「剣の舞(つるぎのまい)」は、この八岐大蛇(やまたのおろち)の物語を舞ったものである。素戔嗚尊(すさのおのみこと)が詠んだ「八雲立つ…」という歌は、日本最初の和歌といわれる。その最初の言葉である「八雲」が、同神社にちなんだ言葉として、今日、小学校名や町名に用いられている。

昭和39年7月、本区の住居表示制度の第一期実施地区として宮前町、大原町、衾町、芳窪町、中根町の一部が、東が丘一丁目から二丁目と八雲一丁目から五丁目となった。日本最初の和歌の言葉という「八雲」が、奇しくも本区の最初の住居表示名として、東が丘とともに名乗りをあげたわけである。

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