目黒区保健医療福祉計画 令和6(2024)年度から令和10(2028)年度 第1章 計画の概要 1 計画改定の背景 区では、平成18年2月に「目黒区保健医療福祉計画」を策定し、3年ごとの改定を経ながら、保健医療福祉施策を総合的に推進してきました。 我が国の人口は、平成20年をピークに減少に転じ、本格的な少子高齢化・人口減少時代を迎えようとしています。令和4年12月の「全世代型社会保障構築会議」の報告書は、目指すべき社会の将来的方向として、@「少子化・人口減少」の流れを変えるAこれからも続く「超高齢社会」に備えるB「地域の支え合い」を強める、の3点を示しました。各分野における改革の方向性の一つに「地域共生社会※」の実現を提示し、人と人、人と社会がつながる包摂的な社会の実現が必要とされています。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大や物価高騰などの社会経済状況の変化が、区民生活に様々な影響を及ぼし、経済的な困窮とともに、既存の制度では対応が困難な複雑化・複合化した課題を顕在化させています。その背景には、人と人とのつながりや、社会とのつながりが希薄になる孤独・孤立の状態があると考えられ、福祉分野の枠にとどまらない包括的な支援と包摂的な地域づくりを目指す「地域共生社会」の実現が一層求められています。 区では、包括的な相談支援体制を構築するため、「福祉の総合相談窓口(福祉のコンシェルジュ)」を設置して、関係機関と連携を図りながら相談者に寄り添い、断らない相談支援を行うとともに、社会福祉協議会に配置したコミュニティ・ソーシャルワーカー※が、アウトリーチ※を通じて地域の中で困難な課題を抱えた人と信頼関係を築き、伴走型の支援に取り組んできました。こうした取組を更に進め、本区ならではの包括的な支援体制を充実させることが重要な課題となっています。 令和3年3月に策定した新たな「目黒区基本構想」は、まちの将来像の考え方として「多様性が生かされ、誰一人取り残されることなく、安心して生き生きと自分らしく暮らし続けられる地域社会」を築いていくとし、こうした将来像を実現するための計画として令和4年3月に基本計画を策定しました。 本計画は、目黒区基本構想及び基本計画に沿って、引き続き「地域共生社会」の実現を目指すこととし、社会の変化と区民の多様な福祉ニーズを踏まえ、新たな課題に対応した内容に改定します。 2 計画の目的と位置づけ 保健医療福祉計画は、目黒区基本構想の下、目黒区基本計画の補助計画として位置づけ、高齢者、障害者、子どもなど、全ての区民を対象に保健医療福祉施策を総合的に推進するための基本となる計画です。 本計画は、社会福祉法第107条に定める地域福祉計画及び老人福祉法第20条の8に定める老人福祉計画の性格を併せ持つ計画であり、地域福祉計画は、社会福祉法の規定により、福祉の各分野に共通する事項を一体的に定めるものとされています。 加えて、今回の改定では、地域共生社会の実現に向けて包括的な支援体制の充実を図る「重層的支援体制整備事業実施計画」(社会福祉法第106条の5)と、成年後見制度の利用促進を中心に区民の権利擁護支援に取り組む「成年後見制度利用促進基本計画」(成年後見制度の利用の促進に関する法律第14条)の性格も併せ持つものものとします。 また、基本計画の補助計画である「介護保険事業計画」「障害者計画」「子ども総合計画」「健康めぐろ21」「生涯学習実施推進計画」「住生活マスタープラン」との整合を図るとともに、支え合いのまちづくりを基本理念に地域福祉課題に取り組む(社福)目黒区社会福祉協議会の「第三次目黒区地域福祉活動計画」及び「第四次目黒区社協発展・強化計画」とも整合を図っています。 本計画の具体化は、目黒区実施計画及び各年度の予算によるものとします。 3 計画の期間 本計画の期間は、令和6年度から10年度までの5年間とし、社会状況の変化や関連計画の改定等の状況を踏まえ、必要に応じて3年目の令和8年度に見直しを行います。 4 計画の進捗管理 本計画の進捗状況について、毎年度その実績を把握し、評価を行います。評価の結果は、区民に公表します。 5 計画とSDGs 持続可能な社会の実現に向け、平成27年(2015年)に開催された国連サミットにおいて「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。アジェンダには、「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」として、17のゴール・169のターゲットから構成された国際目標が定められています。令和12年(2030年)をその目標の達成年限として、「誰一人取り残さない、持続可能で多様性と包摂性のある社会」の実現を目指すとしており、これは、本計画が目指す「地域共生社会」の実現につながるものです。 本計画の基本理念や基本目標は、SDGsの目標1「貧困をなくそう」や、目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標11「住み続けられるまちづくりを」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」をはじめ、各目標と共通するものです。 ■SDGsの17のゴールの概要 ゴール1 貧困をなくそう (概要)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる ゴール2 飢餓をゼロに (概要)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する ゴール3 すべての人に健康と福祉を (概要)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する ゴール4 質の高い教育をみんなに (概要)すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する ゴール5 ジェンダー平等を実現しよう (概要)ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う ゴール6 安全な水とトイレを世界中に (概要)すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する ゴール7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに (概要)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する ゴール8 働き買いも経済成長も (概要)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する ゴール9 産業と技術革新の基盤をつくろう (概要)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る ゴール10 人や国の不平等をなくそう (概要)各国内及び各国間の不平等を是正する ゴール11 住み続けられるまちづくりを (概要)包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する ゴール12 つくる責任つかう責任 (概要)持続可能な生産消費形態を確保する ゴール13 気候変動に具体的な対策を (概要)気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる ゴール14 海の豊かさを守ろう (概要)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する ゴール15 陸の豊かさも守ろう (概要)陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する ゴール16 平和と公正をすべての人に (概要)持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する ゴール17 パートナーシップで目標を達成しよう (概要)持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する 出典:国連持続可能な開発サミット「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ(外務省仮訳)」 第2章 福祉を取り巻く目黒区の状況と社会の動き 1 目黒区の状況 人口と世帯の状況 区の将来推計では、高齢人口の比率が上昇する一方で、生産年齢人口の比率が低下し、令和22年(2040年)には高齢化率は28.6%に達して、その後も上昇する見込みです(図表1)。75歳以上の人口増加が、高齢化率を押し上げていくと予測しています。 世帯については、令和2年の国勢調査によると、男女とも25〜34歳の年代で単独世帯に属する人の割合が50%前後と最も高くなっています(図表2)。女性では、65歳以上から単独世帯に属する人の割合が上昇し、85歳以上で40%を超える状況です。 【図表1 年齢階層別人口と高齢化率の推移・推計】 〔資料〕推移は住民基本台帳(各年10月1日現在)、推計は目黒区人口・世帯数の予測【住民基本台帳ベース】(令和6年2月) 【図表2 世帯の種類・世帯の家族類型、年齢階級、男女別世帯人員の割合】 〔資料〕総務省「国勢調査」令和2年10月 【図表3 出生数と合計特殊出生率の推移】 〔資料〕厚生労働省「人口動態統計」、東京都保健医療局「人口動態統計年報(確定数)令和4年」 高齢者の状況 65歳以上の一人世帯数は年々増加し、令和4年には2万世帯を超えました(図表4)。区全体で上昇傾向にある高齢化率は、地区別の将来推計でも、いずれの地区も似たような上昇傾向を示しています(図表5)。 要介護・要支援の認定を受けた人は、年々増加しており、各認定者数に占める75歳以上の割合は、80%を超えています(図表6)。 【図表4 ひとり暮らし高齢者世帯数等】 〔資料〕住民基本台帳(各年10月1日現在) 【図表5 地区別高齢化率の推移・推計】 〔資料〕推移は住民基本台帳(各年10月1日現在)、推計は目黒区人口・世帯数の予測【住民基本台帳ベース】(令和6年2月) 【図表6 要介護・要支援認定者数の推移、及び各認定者数に占める75歳以上の割合の推移】 〔資料〕各年度末現在 障害のある人の状況 各手帳の交付者数や医療費助成認定数の推移を見ると、身体障害はほぼ横ばいですが、知的障害(愛の手帳交付者数)、精神障害、特殊疾病(難病)については、平成30年度以降、いずれも増加傾向にあります(図表7)。 【図表7 各手帳交付者数等の推移】 〔資料〕各年度末現在 【図表8 身体障害者手帳交付者の内訳(令和4年度)】 〔資料〕各年度末現在 生活保護の状況 生活保護受給者数及び保護率は、近年横ばいとなっていますが、平成26年度以降、微減傾向にあります(図表9)。世帯類型別では、単身高齢者が半数を超え、令和4年度では54.6%になっています。「高齢」、「傷病・障害」、「母子」の分類に属さない「その他」世帯のみが平成30年度以降、増加しています(図表10)。 【図表9 生活保護受給者数と保護率の推移】 ・生活保護受給者数は、各年度月平均。停止中の世帯を除く。 ・保護率は、被保護人員/人口(東京都の人口(推計)(毎年10月1日)東京都総務局)×1,000により算出。 〔資料〕東京都福祉行政・衛生行政統計(東京都福祉保健局) 【図表10 受給世帯の世帯類型の推移】 ・生活保護受給世帯数は、各年度月平均。停止中の世帯を除く。 〔資料〕目黒区生活保護業務統計 2 社会の動き 社会保障を取り巻く環境の変化と課題 我が国の人口は、平成20年をピークに減少に転じ、本格的な少子高齢化・人口減少時代を迎えようとしています。世帯規模の縮小化・単身世帯割合の増加などにより、家族や地域における支え合いの機能の低下が懸念され、地域では、新型コロナウイルス感染症の影響も受けて、人間関係が希薄化する中で、孤独・孤立の問題が顕在化してきました。 こうした状況のもと、「8050問題※」などの分野横断的な対応が求められる課題や、ひきこもり※やヤングケアラー※、様々な困難を抱える女性など、従来の対象者別の制度には合致しにくい制度の狭間にある課題が表面化してきています。 制度から人を見るのではなく、「その人の生活を支えるために何が必要か」という観点に立ち、人々がつながりを持ちながら安心して生活を送ることのできる「地域共生社会※」の実現を目指して、以下の法の制定・改正等が行われました。 法の制定・改正等 ■社会福祉法(改正) 〈平成29年改正、平成30年4月施行〉 地域福祉計画の策定、及び地域住民の抱える多様な課題を包括的に支援する体制の整備が区市町村の努力義務とされました。 〈令和2年改正、令和3年4月施行〉 区市町村による包括的な支援体制を整備するための施策を具体化する事業として、「重層的支援体制整備事業」が創設されました。この事業では、「相談支援」「参加支援」「地域づくりに向けた支援」の三つの支援が相互に重なり合いながら、区市町村全体の体制として本人・世帯に寄り添い、伴走する支援体制を構築・強化するものとされています。 ■孤独・孤立対策推進法(新法) 〈令和5年成立、令和6年4月1日施行〉 孤独・孤立に悩む人を誰一人取り残さない社会、相互に支え合い、人と人とのつながりが生まれる社会を目指して、新たな法律が制定されました。 この法律は、社会のあらゆる分野において孤独・孤立対策の推進を図ることが重要であること、当事者の立場に立って、その状況に応じて支援が継続的に行われること等を基本理念としています。 国・地方公共団体の責務を定めるとともに、孤独・孤立対策の重点計画の作成、相談支援の推進、関係者の連携・協働の促進等の基本的施策が示されました。また、推進体制として、地方公共団体に、関係機関等により構成される孤独・孤立対策地域協議会の設置に努めることを求めています。 ■困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(新法) 〈令和4年成立、令和6年4月1日施行〉 近年、女性をめぐる課題は生活困窮、性暴力、性犯罪被害、家庭関係破綻など複雑化・複合化しており、コロナ禍によりこうした課題が顕在化しました。「孤独・孤立対策」といった視点も含め、新たな女性支援強化が喫緊の課題となる中、新しい法律が制定されました。 同法は、基本理念に、女性の福祉の増進、多様な支援の包括的な提供体制の整備、民間団体との協働による早期からの切れ目のない支援、及び人権の擁護と男女平等の実現等を掲げています。 国・地方公共団体の責務を定めるとともに、地方公共団体は関係機関や民間団体などの関係者で構成する支援調整会議を組織するよう努めるものとされました。 ■共生社会の実現を推進するための認知症基本法(新法) 〈令和5年成立、令和6年1月1日施行〉 認知症に関する初めての法律が制定されました。 法律の目的は、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、認知症施策を総合的かつ計画的に推進すること、それにより、認知症の人を含めた国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会の実現を推進することとされています。 国及び地方公共団体が取り組む基本的施策として、@認知症の人に関する国民の理解の増進A認知症の人の生活におけるバリアフリー※化の推進B社会参加の機会の確保等C意思決定の支援及び権利利益の保護D保健医療サービス及び福祉サービスの提供体制の整備等などが掲げられています。 ■障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法(新法) (障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律) 〈令和4年成立、令和4年5月25日施行〉 全ての障害者が、あらゆる分野の活動に参加するためには、情報の十分な取得利用・円滑な意思疎通が極めて重要であることから、そのための施策を総合的に推進し、共生社会※の実現に資することを目的に新たな法律が制定されました。 法の基本理念には、施策の推進に当たり旨とすべき事項として、@障害の種類・程度に応じた手段を選択できるようにするA生活を営んでいる地域に関わらず等しく情報取得等ができるようにするB障害者でない者と同一内容の情報を同一時点で取得できるようにするC高度情報通信ネットワークの利用・情報通信技術の活用を通じて行う、ことを掲げています。 国・地方公共団体に施策の策定と実施の責務を課すとともに、事業者及び国民の努力を定めています。また、区市町村の障害者計画の策定・変更に当たっては、法律の趣旨を踏まえたものにすることとしています。 ■こども基本法(新法)■ 〈令和4年成立、令和5年4月1日施行〉 こども施策を総合的に推進するための新しい法律が制定されました。 この法律は、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人として等しく健やかに成長することができ、こどもの心身の状況、置かれている環境等に関わらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指すものです。 基本理念には、全てのこどもが@個人として尊重されることA適切に養育され、生活を保障され、愛され保護されること、教育を受ける機会が等しく与えられることB年齢及び発達の程度に応じ、意見を表明する機会・多様な社会的活動に参画する機会が確保され、意見の尊重、最善の利益が優先して考慮されること、等が掲げられています。 国・地方公共団体の責務、事業主・国民の努力について定めています。 ■全世代型社会保障の構築■ 〈令和4年12月16日、全世代型社会保障構築会議報告、同日に「全世代型社会保障の構築に向けた取組について」、全世代型社会保障構築本部決定〉 同報告は、目指すべき社会の将来的方向として、@「少子化・人口減少」の流れを変えるAこれからも続く「超高齢社会」に備えるB「地域の支え合い」を強める、の3点を示しています。その上で、以下の基本理念を掲げました。 @「将来世代」の安心を保障するA能力に応じて、全世代が支え合うB個人の幸福とともに、社会全体を幸福にするC制度を支える人材やサービス提供体制を重視するD社会保障のDXに積極的に取り組む 以上の基本的考え方に基づき、各分野における改革の方向性の一つに「地域共生社会」の実現を提示しています。今後更なる増加が見込まれる独居高齢者等を社会全体でどのように支えていくかが大きな課題であるとし、人と人、人と社会がつながる包摂的な社会の実現が必要としました。重層的支援体制の整備、ソーシャルワーカー等の確保・育成、多様な主体による地域づくりの推進等を具体的に取り組むべき課題としています。 第3章 計画の基本的な考え方 1 基本理念 「地域共生社会※」の実現に向けて、誰もが住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができるように、「個人の尊厳と人間性の尊重」を基盤とした、「自立生活の確立」、「健康寿命※の延伸」及び「地域の支え合いの推進」を基本理念とします。また、以下の基本的な考え方に沿って施策を推進します。 基本的な考え方 ・お互いの存在と人格を尊重し、多様な価値観を認め合って、誰もが平等に大切にされる地域社会をつくる。 ・誰もが生きがいと役割を持ち、自分らしく活躍できる地域社会をつくる。 ・誰もが暮らしの中で直面する様々な困難について身近な場で安心して相談ができ、その人に寄り添った包括的な支援を受けることができる仕組みを確立する。 ・誰もが自らの意思が尊重され、自立した生活を送ることができるよう、保健・医療・福祉などの担い手の確保・育成に努め、必要なサービスが切れ目なく総合的に提供されるようにする。 ・誰もが生涯にわたり健康で活力あふれる生活を送ることができるよう、ライフステージ※や心身の状態に応じた健康施策を推進する。 ・人と人、人と社会がつながり、互いに支え合いながら、誰もが孤立することなく安心して暮らすことができる地域社会を、区民と事業者、区が共に力を出し合ってつくる。 ・「支える側」「支えられる側」という関係を超えて、誰もが持つ力や個性を生かして地域づくりに参加するとともに、保健医療福祉に関する政策形成過程に参画する機会を充実する。 2 計画の体系 基本理念:誰もが住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができる地域共生社会の実現 基本目標1 地域共生社会の実現に向けた包括的な支援体制の充実 ・施策1 包括的相談支援体制の充実 ・施策2 地域における支え合いの推進 ・施策3 福祉教育の推進 目黒区重層的支援体制整備事業実施計画 基本目標2 誰もが安心して地域で暮らせる社会の推進 ・施策1 生活困窮者の自立支援の充実 ・施策2 住まいの確保 ・施策3 多様な生活課題への分野横断的な支援〈ひきこもり、ヤングケアラー等への支援〉 ・施策4 社会的孤立・孤独への対応 ・施策5 認知症施策の推進 ・施策6 災害時要配慮者支援の推進 ・施策7 権利擁護の推進 目黒区成年後見制度利用促進基本計画 基本目標3 地域包括ケアシステムの深化・推進 ・施策1 地域包括支援センターの機能強化 ・施策2 介護・福祉サービス基盤の整備と家族介護者への支援の充実 ・施策3 生活支援サービスの充実 ・施策4 在宅医療と介護・福祉の連携 ・施策5 介護・福祉人材の確保・定着・育成とサービスの質の向上 基本目標4 生涯現役社会・エイジレス社会の推進 ・施策1 介護予防・フレイル予防の推進 ・施策2 社会参加・居場所づくり・就労支援の推進 基本目標5 障害への理解促進・障害のある人への支援の充実 ・施策1 安心して暮らせる地域社会の実現 ・施策2 自分らしい生活ができる環境整備の推進 ・施策3 ライフステージや障害特性に応じた自立への支援の充実 基本目標6 子育て子育ちへの支援の充実 ・施策1 子どもの権利が尊重される環境の整備 ・施策2 妊娠期から青年期までの包括的な子育て家庭への支援 ・施策3 子どもの虐待を防止するための体制整備 ・施策4 多様な保育・教育の充実 ・施策5 子どもの安全な遊び場・放課後の居場所づくりの推進 基本目標7 健康で安心して暮らせる社会の推進 ・施策1 健康危機管理対策の充実 ・施策2 健康づくりの推進 ・施策3 地域保健医療体制の充実 ・施策4 安全で快適な生活環境の確保 3 施策・主な事業の見方 ・現状と課題 施策にかかわる区の現状と課題を記載しています。 ・主な取組 施策にかかわる主な取組を記載しています。 ・主な事業 施策にかかわる主な事業を記載しています。 ・主な事業の「種別」 各事業の種別を記載しています。   新規:新たに開始する事業(前計画以降に新たに開始した事業を含みます)   重点:重点的に取り組む事業   継続:継続して実施する事業 ・主な事業の「事業名、事業概要(担当課)」 事業名、事業概要、担当課を記載しています。 ・主な事業の「事業の実施状況(令和5年度)」 令和5年度の事業の実施状況を記載しています。 ・主な事業の「事業目標」 事業目標を前期・後期に分けて記載しています。 第4章 地域保健福祉を推進する基本目標、施策 基本目標1 地域共生社会の実現に向けた包括的な支援体制の充実 「地域共生社会」の理念は、高齢・介護、障害、子ども・子育て、生活困窮などの制度・分野の枠や「支える側」「支えられる側」という関係を超えて、人と人、人と社会がつながり、一人ひとりが生きがいと役割を持ち、助け合いながら暮らしていくことのできる、包摂的なコミュニティ、地域や社会をつくるという考え方です。 複雑化・複合化した課題や公的支援制度の狭間にある課題を抱えながら、必要な支援を受けられず、社会から孤立する傾向にある人を受け止め、適切な支援につなげられるように包括的な支援体制の更なる充実を目指します。 地域社会からの孤立を防ぐとともに生活の安定と自立を支援し、地域における暮らしの中での支え合い、多世代の交流や多様な活躍の機会と役割を生み出すなどの支援に取り組んでいきます。 施策一覧 施策1 包括的相談支援体制の充実 施策2 地域における支え合いの推進 施策3 福祉教育の推進 施策1 包括的相談支援体制の充実 現状と課題 ・ひきこもり※や8050問題※など、公的支援制度では対応しきれない「狭間」にある課題や複雑化・複合化した課題の解決に向け、包括的な相談支援体制を構築するため、「福祉の総合相談窓口(福祉のコンシェルジュ)」を設置して、関係機関と連携を図りながら相談者に寄り添い、断らない相談支援を行っています。 ・「福祉の総合相談窓口」では、「ふくしの相談」「くらしの相談」「住まいの相談」の三つの相談窓口を設置して、ワンストップ型の相談支援を行っています。 ・社会福祉協議会に配置したコミュニティ・ソーシャルワーカー※が、アウトリーチ※を通じて地域の中で困難な課題を抱えて孤立しがちな人と信頼関係を築き、専門機関につなげながら伴走型の支援に取り組んでいます。 ・福祉の総合相談では、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた令和2年度に経済的困窮に関する相談が急増し、既存の制度では対応が困難な課題が顕在化しています。経済的な支援だけでは解決できない複合的な課題を抱えている人が多く存在する実態があります。こうした課題を抱えた人への適切な支援のために、関係機関の連携強化、各相談支援機関の職員の資質・能力の向上が求められています。 ・誰にも相談できずに一人で抱え込む事例、急変時や制度の狭間の問題の相談先が分からない、対応の手順が見えないといった問題が生じています。支援を必要とする人が確実に相談につながるように、相談支援機関の積極的な周知と相談から支援に至る流れの見える化、福祉に関する区民の学習機会の提供が必要です。 ・目の前の困りごとが解決しても、地域社会から孤立している状態が続く場合もあります。本人と相談支援機関が継続的につながる仕組みづくりや複数の支援機関の調整を担う多機関協働の取組とともに、地域活動への参加支援、地域づくりなどの取組も必要です。 主な取組 ■重層的支援体制の整備 区がこれまで進めてきた包括的な支援体制を充実させるため、国が創設した重層的支援体制整備事業※を実施します。事業実施により、アウトリーチによる相談支援や多機関協働の機能強化を図るとともに、区民の地域社会への関心を高め、多様なつながりを生み出す地域づくりを進めていきます。 ■ワンストップ型の相談支援の充実 今後も、属性や世代を問わない包括的な相談支援を、福祉の総合相談窓口や区民に「身近な保健福祉の総合相談窓口」である地域包括支援センター※、コミュニティ・ソーシャルワーカー等を中心に、ワンストップ型で取り組みます。 相談者の困りごとの解決に向けて専門機関等に適切につなげるとともに、地域社会からの孤立を防ぐ伴走型の支援を行っていきます。 ■職員の資質・能力の向上 福祉の総合相談を担う機関だけでなく、最初に相談した窓口で、複合的な課題等を抱える人に対しても、その人の状況を的確に把握して、わかりやすく説明し、適切な支援につなげていくことが重要です。 各相談支援機関においてソーシャルワーク機能が発揮できるよう、区独自の人材育成プログラム等を活用して職員の資質及び能力の向上に取り組みます。また、民間の相談支援機関における人材育成を支援します。 ■相談支援の周知・区民の学習機会の提供 支援を必要とする人が確実に相談につながるように、「福祉の総合相談窓口」等の相談支援機関を積極的に周知します。SNSなど世代の特性に配慮した相談の手段や機会を提供しながら、「ここに相談すれば、必ず受け止め、一緒に考えてくれる」とPRし、相談先と相談からつながる支援やサービスの提供について具体的にイメージできるようにします。 あわせて、福祉や介護の制度、サービスの基礎知識を区民が日頃から身に付けられるように、地域の出前講座や学校での福祉教育、SNSの活用などにより、多世代の学びの場を広げていきます。 主な事業 (種別)新規・重点 (事業名)重層的支援体制整備事業 (事業概要)社会福祉法第106条の4に基づき、地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を構築し、個別支援と地域づくりへの支援の両面を通じて重層的な支援体制を整備します。「包括的相談支援」、「参加支援」、「地域づくり支援」、「アウトリーチ等を通じた継続的支援」及び「多機関協働」の5事業を一体的に実施します。*詳細は、事業実施計画 (担当課)健康福祉計画課、各課 (事業の実施状況(令和5年度))・3年度から5年度まで移行準備事業を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・6年度に事業開始 ・関係機関等との連携・協働を進め、事業の定着を図る ・事業評価を適宜行い、必要な改善を図る (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)福祉の総合相談支援の充実 (事業概要)複雑化・多様化した課題や、制度の「狭間」の課題に対応するため、「福祉の総合相談窓口」を開設しています。分野を超えて「断わらない相談支援」を行い、包括的相談支援体制を充実していきます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・福祉の総合相談窓口(福祉のコンシェルジュ)に、新たにひきこもり相談支援員を配置 (事業目標 前期(6〜8年度))・関係機関との連携強化 ・ひきこもり相談支援員の継続配置 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)コミュニティ・ソーシャルワーカーによる個別支援と地域づくりの推進 (事業概要)コミュニティ・ソーシャルワーカーを3年度に社会福祉協議会に配置。生活困窮、ひきこもり、ヤングケアラー※等の複雑化・複合化した課題を抱え、社会から孤立しがちな人に寄り添い、「断らない相談支援」「参加支援」「地域づくりに向けた支援」を進めます。 (担当課)健康福祉計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・コミュニティ・ソーシャルワーカーを増員して10名配置し、アウトリーチによる伴走型支援、地域への情報発信等を積極的に実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・アウトリーチによる課題の早期発見や継続的支援の実施 ・地域づくり、参加支援を通じた新たな居場所の創出 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)職員のソーシャルワーク能力の向上 (事業概要)障害や子育て、生活困窮などの相談支援機関及び区の関係所管職員が制度横断的な知識やアセスメント※力、調整力等を身に付け、ソーシャルワーク機能を向上するとともに、高い倫理観を保持できるよう職員研修を体系的に実施します。 (担当課)健康福祉計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・健康福祉部人材育成プログラム「飛躍」に基づき、研修を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・区職員向けの研修に加え、民間の相談支援機関職員を対象にした研修を実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)相談支援の積極的な周知と出前講座の実施 (事業概要)支援を必要とする人が相談につながるように、相談支援の窓口や支援の流れなどの積極的な周知に努めます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・地域包括支援センターの出張相談会及び出前講座の実施(各地区月2〜4回) ・相談支援窓口のリーフレット等を活用した周知 (事業目標 前期(6〜8年度))・出張相談会及び出前講座の拡充 ・SNS等を活用した周知 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 図表【福祉の総合相談「ふくしの相談」「くらしの相談」の新規・延べ件数の推移】 令和元年度(2019年度)  ふくしの相談 新規相談655件、継続相談620件、合計1275件  くらしの相談 新規相談522件、継続相談2417件、合計2939件 令和2年度(2020年度)  ふくしの相談 新規相談2346件、継続相談2458件、合計4804件  くらしの相談 新規相談3238件、継続相談12560件、合計15798件 令和3年度(2021年度)  ふくしの相談 新規相談875件、継続相談2711件、合計3586件  くらしの相談 新規相談965件、継続相談8571件、合計9536件 令和4年度(2022年度)  ふくしの相談 新規相談737件、継続相談2083件、合計2820件  くらしの相談 新規相談727件、継続相談5571件、合計6298件 コミュニティ・ソーシャルワーカー(CSW)の活動 区では、目黒区社会福祉協議会にコミュニティソーシャルワーク事業を委託しています。 コミュニティ・ソーシャルワーカー(CSW)は、日常生活上の困りごとや心配ごとを受け止め、様々な関係機関などにつなぐ活動をしています。積極的に本人のもとに出向き、情報を提供しながらその人の生活に寄り添った伴走型の支援を行います。地域の様々な困りごとに対して、関係機関・団体や行政と連携して総合的な相談支援(個別支援)を行い、地域活動への支援や新たな社会資源の創出につなげます。 個別支援と地域支援 個別支援相談…近所の人が心配、子育ての悩みを相談したい、どこに相談してよいか分からない、一人暮らしで近所に知り合いもいないので不安、など、小さな困りごとや心配ごとの相談を受けています。本人のもとへ訪問するだけでなく、様々な地域活動の場に出向き、区民の困りごとを受け止める機会を作っています。 地域支援相談…退職後に地域のために何かをしたい、特技や資格を生かしたいが、何から始めればよいか分からない、など、地域活動のきっかけを持ちにくい人に、丁寧な聞き取りと情報提供を行い、その人が望む地域とのつながりをつくれるよう支援します。 様々な機関との連携 行政の関係機関だけでなく、社会福祉法人やNPO法人、地域で活動する様々な団体との連携によって、地域の中で解決できる手立てを一緒に考えていきます。情報交換会などの会議や、実際の事業での共催や協力など、様々な方法で連携を図っています。 活動の周知 「ささえあいレポート」(年3〜4回発行)、区報、社協ホームページ、社協Facebook、チラシやカードの配付など、様々な媒体を通じてCSWの活動を紹介しています。 事例紹介 @ 体調を崩して生活も困窮していたAさんへの支援 Aさんを心配した隣人からCSWへ相談がありました。Aさんは経済的に困り、体調が悪かったのですが、福祉サービスの利用に拒否がありました。CSWは、Aさん宅への訪問を重ねて信頼関係を築き、お金のことを相談できる窓口を紹介、必要なサービスの利用につなげました。 A 親を亡くし、一人暮らしとなった障害のあるBさんへの支援 親が亡くなった後、Bさんの生活を支えるために、専門職が介入し福祉サービスの利用を進めていました。その一方で、近所には、Bさんが困った時に駆け込むお家や、気にかけてくれる方々がいました。CSWは専門職と近隣住民の橋渡し役として、情報を共有し見守りの協力関係を作っていくことで、地域の見守り体制を構築しました。 施策2 地域における支え合いの推進 現状と課題 ・高齢化や核家族化の進行、長引くコロナ禍の影響などにより、生活課題を抱えながら地域の中で孤立する傾向にある人の増加が見込まれ、地域における、つながりや支え合いの必要性はこれまで以上に高まっているといえます。 ・区内の5地区で、社会福祉協議会の生活支援コーディネーター※が地域の支え合い活動の資源の把握や住民の関係づくりを進めるとともに、住民主体で運営する地域の話し合い・連携の場である協議体※で、地域課題の共有、住民やボランティア等による生活支援サービスの創出に向けた取組が行われています。 ・民生委員・児童委員※が区民と行政、関係機関とのパイプ役として支援や保護につなげる活動を行うとともに、地域住民による見守り活動やボランティアグループによる交流サロン、子ども食堂や学習支援など、様々な支え合い活動が行われています。 ・コロナ禍でもオンラインを活用するなど工夫して活動が継続され、人と人との新たなつながり方が広がってきました。 ・地域における支え合いを推進していくためには、多くの住民が地域に暮らす様々な人々について関心を持ち、身近な地域を大切にしようと考えることが欠かせません。誰もが気軽に参加できる、また参加しようと思える地域の活動や場が身近にあることが大切です。 ・あわせて、そのような活動を支える多様な担い手の確保が重要であり、幅広い世代の参加やプロボノ※の活用などとともに、社会福祉法人や企業に地域の支え合い活動への参加を呼び掛けていくことも必要です。 主な取組 ■多様なつながりを生み出す地域づくり 区民の地域社会への関心を高め、多様なつながりを生み出す地域づくりを進めていきます。高齢者や子どもといった対象を限定しない、オンラインの活用も含めた、誰もが気軽に立ち寄れる居場所づくりや交流の機会の創出に取り組みます。また、そのような活動を行う団体等と連携・協働し、必要な支援を行っていきます。 地域活動の担い手も多様であることが必要です。緩やかな活動の担い手である見守りサポーターや認知症サポーター※の養成、個々の支援やグループ活動を積極的に担うボランティアとともに、プロボノの活用も含めた人材を確保し、様々な世代が様々な関わり方で活動に参加できるよう、社会福祉協議会や関係機関等と連携して取り組みます。また、高齢者や障害者、子ども、生活困窮者※などは、支援を受けるだけでなく、同時に地域社会の中で役割を持ち活躍する存在でもあります。「支える側」「支えられる側」という関係を超えた取組を推進していきます。 ■支え合いの仕組みの推進と活動の充実 見守りネットワーク※や、生活支援コーディネーターが関わる地域の話し合い・連携の場である5地区の協議体など、地域の支え合いの仕組みを効果的に推進していきます。その中で、地域住民が地域の生活課題を共有し、解決に向けて共に考え、活動できるよう環境を整備します。 生活支援コーディネーターはコミュニティ・ソーシャルワーカー※と兼務体制をとっています。生活課題を抱えた人への支援と地域課題の把握や活動の拠点づくりなどを有機的に結び付け、関係機関・団体・行政とも連携して、活動を充実させていきます。 また、区内の福祉施設や福祉事業所、企業などが地域の支え合いの仕組みに、更に参加し活動するよう呼びかけるとともに、必要な支援を行います。特に、社会福祉法人は、これまで培ってきた福祉サービスに関する専門性や地域の関係者とのネットワーク等を生かして、支え合い活動への貢献が期待されます。 主な事業 (種別)新規・重点 (事業名)重層的支援体制整備事業(再掲) (事業概要)社会福祉法第106条の4に基づき、地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を構築し、個別支援と地域づくりへの支援の両面を通じて重層的な支援体制を整備します。「包括的相談支援」、「参加支援」、「地域づくり支援」、「アウトリーチ等を通じた継続的支援」及び「多機関協働」の5事業を一体的に実施します。*詳細は、事業実施計画 (担当課)健康福祉計画課、各課 (事業の実施状況(令和5年度))・3年度から5年度まで移行準備事業を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・6年度に事業開始 ・関係機関等との連携・協働を進め、事業の定着を図る ・事業評価を適宜行い、必要な改善を図る (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)生活支援体制整備事業の効果的な推進 (事業概要)5地区の協議体が、地域住民への情報発信、住民による活動報告や意見交換の機会等を設けることで、支え合い活動の浸透を図っています。支援が必要な人を身近な住民が受け止め、専門職につなげる取組の広がりが期待されます。 (担当課)健康福祉計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・各地区の協議体による地域課題の共有及び生活支援サービスの創出、個別支援へのつなぎの広がり ・フォーラム開催等による区全体の課題共有と住民の知識・理解の向上 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・支援する人・される人の関係を超えた、交流の場づくりへの支援を図る (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)地域における見守り活動の推進 (事業概要)見守りネットワーク(見守りめぐねっと)における関係機関との連携強化を図るとともに、ボランティアによる高齢者見守り訪問事業、緩やかに地域を見守る見守りサポーターによる見守りの三つの見守り事業を実施し、地域における高齢者等の見守りを推進します。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・見守りネットワーク(見守りめぐねっと)の推進 ・高齢者見守り訪問事業の実施 ・見守りサポーター及び認知症サポーター養成講座の実施 ・高齢者見守り訓練の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・見守りネットワーク登録者の増(新規登録事業者数:年10件) ・見守りサポーター及び認知症サポーター養成講座の実施 ・高齢者見守り訓練の実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)新規 (事業名)社会福祉法人、団体、企業等による地域福祉活動の推進 (事業概要)社会福祉法人をはじめ地域活動団体やボランティアグループ、NPOなどが行う地域福祉活動を社会福祉協議会と連携して支援し、区全体として地域福祉を推進します。 (担当課)健康福祉計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・法人、団体間等の連携により実施 ・社会福祉法人連絡会において、活動の相談・紹介を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・活動PRへの支援を通じた多様な地域福祉活動の担い手の拡充 (事業目標 後期(9〜10年度))・実施 (種別)重点 (事業名)めぐろシニアいきいきポイント事業の推進 (事業概要)区内在住の高齢者が「いきいきサポーター」として登録し、社会貢献活動を行うことにより、区内共通商品券と交換できるポイントを取得する事業を推進することで、高齢者の生きがいづくり、健康増進及び介護予防を図るとともに、高齢者の社会参加を促します。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・活動場所:15か所 ・活動内容:4事業 ・ステップアップ研修 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・活動場所の拡大 ・ポイントの電子化の検討 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)民生委員・児童委員の地域福祉活動の推進 (事業概要)地域住民が抱える生活上の問題や高齢福祉、児童福祉などあらゆる分野の相談に応じ、助言や調査などを行っている民生委員・児童委員の福祉活動を支援し、地域づくりを推進していきます。また、民生児童委員協議会の定期的な開催により、行政等関係機関との連携強化を図ります。 (担当課)健康福祉計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・民生委員・児童委員による相談・助言・調査活動への支援 ・協議会の定期開催 ・行政等関係機関との協議 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 生活支援体制整備事業 地域づくりに地道に取り組む 安全安心に暮らすには地域のつながりが必要だと気付きながら、人付き合いの難しさなどから敬遠してしまう現実があります。それでも、地域づくりは必ず未来に生きると信じて、地道に活動に取り組んでいる方々がいます。 協議体と生活支援コーディネーター 区が目黒区社会福祉協議会に委託している生活支援体制整備事業では、区内5地区に協議体と生活支援コーディネーターを配置しています。協議体メンバーは、町会・自治会、住区住民会議、竹の子クラブ(旧名称:老人クラブ)、福祉施設、商店街などの関係者や民生委員・児童委員など。地域の課題や資源を把握し、支え合いを広げていくための方法や施策について話し合っています。生活支援コーディネーターは活動の調整役を担っています。ここでは、二つの協議体の取組を紹介します。 ★東部ふれあいフェスティバル 東部ふれあい協議会は令和元年度、地域の社会資源、相談機関、サービスなどについて住民に情報発信しようと「東部ふれあいフェスティバル」を開催しました。 しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2年間中止せざるを得ませんでした。「このままでは地域のつながりが更に希薄になってしまう」と危機感を抱いた協議体メンバーは再開を決断。令和4年11月、東部の活動団体、警察・消防、医療機関、福祉施設、児童館など約30団体に協力を仰ぎ再開を果たしました。子どもたちが楽しめるように、景品付きクイズや体験のコーナーを用意。未就学児から高齢者まで、多くの方が地域の情報に触れることができました。 令和5年度は、高齢、障害施設等がある「こぶしえん」(下目黒6丁目)で開催しました。協議体の座長は「訪れた住民の方々が直接言葉を交わし、地域の情報に触れ合ってもらえればと思います。人と人がつながっていくことが地域の支え合いには大切」と協議体の役割について話しています。 ★西部支え合い・いどばた会議 西部支え合いまち会議(にしまち会議)は、誰もが孤立せず安心して暮らせる地域をつくるため、支え合いのネットワークを広げる活動を続けています。その一つ、地区住民と共に語り合う「支え合い・いどばた会議」が令和5年10月、東根住区センターで開かれ、約50人が参加しました。会議は西部地区の全住区で開催され、今年度から2巡目に入りました。 今回のいどばた会議では、好きな食べ物について話したり、歌や体操をしたり、参加者の緊張をほぐした後、活動紹介、防災、住民交流などについて熱心に意見交換し、地域情報の共有が図られました。にしまち会議のメンバーは「今は点でも横のつながりを続けていけば、やがて面になっていく。誰もが暮らしやすい地域をつくっていくのが我々の役割ではないか」と、支え合いの仕組みづくりに地道に取り組んでいます。 施策3 福祉教育の推進 現状と課題 ・「福祉教育」は、福祉について関心を持ち、多様性を認め合い、福祉課題を自分たちの問題として認識して、解決に向けて行動する力を身に付けることを目的に行われる活動です。 ・現実には、障害や経済的な困窮、国籍、性的指向・性自認などに対する偏見と差別が依然として存在しており、インターネット上の誹謗・中傷等、社会の変化に伴い新たな人権問題も生じています。困難な生活課題を抱える人々に対する地域住民の無関心や偏見・差別が地域社会における疎外・排除をもたらし、当事者が生きづらさを増していく状況に陥るおそれがあります。 ・こうした状況を受け、偏見や差別、疎外や排除のない地域社会を形成するために、学校教育や社会教育、スポーツ等のイベントによる学び合いや交流が行われています。加えて、民生委員・児童委員※の活動、地域における見守りや認知症サポーター※等の活動、生活支援体制整備事業の協議体※の活動など、多くの地域福祉活動が行われ、多様な人々の相互理解が進められています。 ・これらの取組を通じて、更に、福祉や人権に関する知識と理解を深め、個性や違いを認め合う意識の醸成を図っていくことが必要です。 主な取組 ■共生社会に向けた福祉教育の推進 障害の有無や年齢、性のあり方、文化や言語等に関わらず、相互に違いや個性を認めて尊重し合える共生社会※を実現するために、福祉教育を一層推進していきます。障害や性的指向・性自認等への正しい知識を得て理解し、疎外することなく地域で共に生きていくために、行動する力を身に付ける学び合いの取組を進めます。 ■日常の中にある学び合い 福祉教育の基本は、日常の中にある様々な触れ合いや体験を通して、人権と多様性の尊重を実感し、福祉課題を学んでいくものです。学校では、引き続き、日常の学習や様々な体験を通して福祉課題への理解を深め、社会の一員として自主的に行動する姿勢を養うとともに、ボランティアティーチャーなどによる支援の技術を身に付ける学習の充実を図ります。 地域の福祉施設や活動団体などと連携し、オンラインの活用等実施方法を工夫しながら、多様な人々が集い、交流し学び合う機会を拡充していきます。また、当事者が地域で暮らす様子を自ら発信することも含め、懇談や対話の中で地域の福祉課題を共に考える機会の創出を目指します。 ■「受援力」を高める取組 社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)※の視点を持てるような啓発的な取組を地道に継続していく一方、助けを求めることができない人が、自らの抱える課題に気付きSOSを発信できるよう、援助を受け入れることを容認できる「受援力」を高める取組を進めていきます。 主な事業 (種別)重点 (事業名)障害者差別解消に向けた取組 (事業概要)区民を対象とした講演会の開催や、めぐろ区報などの広報媒体の活用等により障害者差別解消に向けた周知・啓発を図ります。また、職員一人ひとりが、障害のある人へ適切な対応を行うことができるよう、職員に対する定期的な研修を実施します。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・区民を対象とした講演会を開催(年1回) ・めぐろ区報で特集記事を掲載 ・全職員を対象とした研修を実施(年1回) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・興味関心を持って受講できるような講演会内容の検討・実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)「助けてと言える社会」づくり (事業概要)社会から孤立し助けを求めることができない人が、自らの課題に気づき、SOSを表明できる「助けてと言える社会」づくりを進め、援助を受け入れる力「受援力」の理解を深める啓発活動を行います。 (担当課)健康福祉計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・「受援力」について知り、理解を深めるための講演会を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・SNS等、多様なツールによる取組の周知 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)交流機会の推進 (事業概要)障害のある人の日頃の活動の表彰や、障害福祉施設等の活動紹介等を行うイベント(めぐろふれあいフェスティバル)の開催や、区立施設が主催するまつり等を通じて、障害のある人とない人が相互に理解を深めるための交流を促進します。 (担当課)障害施策推進課、障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・めぐろふれあいフェスティバルの開催 ・各区立施設等におけるまつりの開催 (事業目標 前期(6〜8年度))・前年度の実施状況を踏まえたイベント企画等についての見直し (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)スポーツを通じた相互理解の促進 (事業概要)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催によって得られた成果をレガシーとして活用し、障害者スポーツの推進につなげていきます。障害者スポーツを含め、スポーツを通じて優秀な成績を収めた区民や団体を表彰し、スポーツを奨励します。 (担当課)スポーツ振興課 (事業の実施状況(令和5年度))・区民交流ボッチャ大会等の実施 ・目黒区スポーツ表彰の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・次期策定のスポーツ推進計画で定める (事業目標 後期(9〜10年度))・次期策定のスポーツ推進計画で定める (種別)継続 (事業名)小中学校における福祉教育の推進 (事業概要)様々な体験を通して、福祉についての理解を深め、社会の一員としての実感や自主的に行動する態度を養うとともに、思いやりや共に生きる心を育てます。 (担当課)教育指導課 (事業の実施状況(令和5年度))・小学校第4学年児童に福祉体験学習ガイドブック「ともに生きる笑顔のまち」配布 ・福祉体験学習実施 ・「学校2020レガシー」で障害者理解の学習 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)学校・企業等での福祉学習の支援 (事業概要)目黒区社会福祉協議会が実施する、学校・企業等での福祉体験・ボランティア活動体験など、福祉学習の支援を行います。 (担当課)健康福祉計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・福祉体験学習の実施(車イス体験、高齢者疑似体験、手話体験、点字体験など、地域に暮らす人々の日常課題を体験) ・ボランティア活動体験の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)人権尊重を課題とした社会教育講座の実施 (事業概要)偏見や差別の根底にある知識不足を解消し、命の大切さや権利を守ることの必要性を学ぶ機会を提供します。人権課題の中から毎年取り上げるテーマを設定してバランスよく実施します。 (担当課)生涯学習課 (事業の実施状況(令和5年度))・社会教育講座を5講座以上実施 【5年度テーマの例】・「それ差別ですよ〜差別する心はどうして生まれるか?」、「見た目の基準って誰が決めるの?〜社会の中のルッキズム」 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 目黒区重層的支援体制整備事業実施計画 1 計画策定の背景と目的 (1)背景 少子高齢化が進展し単身世帯の増加や世帯規模の縮小が進むとともに、コロナ禍による地域の交流意識の希薄化、雇用情勢等の変化が、いわゆる8050問題※やダブルケア※、ひきこもり※、ヤングケアラー※など、従来の制度・分野の枠の中には当てはまりにくい、複雑化・複合化した課題を顕在化させています。 地域共生社会※の実現のため、令和2年6月の社会福祉法の改正により、包括的な支援体制の構築を進めるための方策として、令和3年4月に「重層的支援体制整備事業」が創設されました。 重層的支援体制整備事業は、区市町村において、地域住民の分野を横断する課題や、属性別に展開されてきた公的な制度では支援が難しい制度の狭間の課題などに対応するため、対象者の属性・世代を問わない相談・地域づくりを一体的に行う包括的な支援体制を整備し、全ての人に、「つながり・支え合い」のある地域をつくることを目指すものです。既存の相談支援や地域づくり支援の取組を生かし、制度間の連携を容易にすることにより、各分野間のスムーズな連携を促し、区市町村全体の支援機関・地域の関係者が相談を受け止め、つながり続ける支援体制を構築していくとされています。 (2)目的 区では、5地区に設置している地域包括支援センター※を属性を問わない「身近な保健福祉の総合相談窓口」に位置付け、平成31年4月には区の組織を再編し、福祉分野の相談支援の中核を担う福祉総合課を新設しました。同課に「福祉の総合相談窓口(福祉のコンシェルジュ)」を開設し、分野を超えた多様な課題の解決に向け、関係機関と連携を図りながら、相談者に寄り添い、断らない相談支援を行っています。こうした行政の総合相談窓口による包括的な支援とともに、令和3年4月から社会福祉協議会にコミュニティソーシャルワーク事業を委託し、同事業では、コミュニティ・ソーシャルワーカー※(以下、「CSW」という。)がアウトリーチ※により、潜在化している、支援を必要とする人々を地域の中から見つけ、その人を取り巻く環境に着目しながら、個別の生活に寄り添った伴走型の支援を行っています。 本区においては、令和3年度から5年度までの3年間、国の「重層的支援体制整備事業への移行準備事業」を実施し、事業の実施に向けて検討を進めてきました。 区がこれまで進めてきた包括的な支援体制をより充実させ、地域共生社会の実現を推進し、持続可能なものとすることを目的として、令和6年度から重層的支援体制整備事業を実施します。 2 計画の位置づけ 本実施計画は、社会福祉法第106条の5に基づき策定するものです。また、本実施計画の策定とあわせて改定する「保健医療福祉計画」、「障害者計画」、「介護保険事業計画」及び「健康めぐろ21」、「子ども総合計画」等、関係する各計画と整合を図ります。 3 重層的支援体制整備事業の概要 地域住民の複合化したニーズや制度の狭間にあるニーズに対応するため、「対象者の世代や属性を問わない相談支援」「多様な参加支援」「地域づくりに向けた支援」の三つを支援の柱として、それらを効果的・円滑に実施するため、「アウトリーチ等を通じた継続的支援」「多機関協働による支援」の機能を新たに加えて、これら5事業を一体的に実施します。 (事業名)包括的相談支援事業 (事業内容)・属性や世代を問わず、包括的に相談を受け止める ・支援機関がネットワークにより対応する ・複雑化・複合化した課題は適切に多機関協働事業につなぐ (事業名)参加支援事業 (事業内容)・社会とのつながりをつくるための支援を行う ・利用者のニーズを踏まえた丁寧なマッチングやメニューを作る ・本人への定着支援と受け入れ先の支援を行う (事業名)地域づくり事業 (事業内容)・世代や属性を超えて交流できる場や居場所を整備する ・交流・参加・学びの機会を生み出すために個別の活動や人をコーディネートする ・地域のプラットフォームの形成や地域における活動の活性化を図る (事業名)アウトリーチ等を通じた継続的支援事業 (事業内容)・支援が届いていない人に支援を届ける ・会議や関係機関とのネットワークの中から潜在的な相談者を見つける ・本人との信頼関係の構築に向けた支援に力点を置く (事業名)多機関協働事業 (事業内容)・区全体で包括的な相談支援体制を構築する ・重層的支援体制整備事業の中核を担う役割を果たす ・支援機関の役割分担を行う 4 令和6年度の実施内容 (1)取組の視点 重層的支援体制整備事業の実施に当たっては、本区におけるこれまでの取組の成果と強みを最大限生かしながら、各分野で従来から進めてきた支援を横断的かつ一体的に実施することで、誰一人取り残さない地域共生社会の実現に寄与する視点を持って取り組みます。 (2)事業 @ 重層的支援体制整備事業の対象とする事業一覧 (区分)包括的相談支援事業「福祉の総合相談」 (区事業)福祉の総合相談窓口(生活困窮者※自立支援事業を含む) (形態)直営 (区分)包括的相談支援事業「地域包括支援センターの運営」 (区事業)属性や世代を問わない包括的支援事業 (形態)委託 (区分)包括的相談支援事業「障害者相談支援」 (区事業)基幹相談支援センター※運営 (形態)委託 (区分)包括的相談支援事業「利用者支援」 (区事業)子ども・子育てに関する利用者支援事業 (形態)直営 (区事業)出産・子育て応援事業 (形態)直営 (区分)参加支援事業 (区事業)コミュニティソーシャルワーク事業 (形態)委託 (区分)地域づくり事業「地域介護予防活動支援」 (区事業)介護予防出前講座 (形態)直営 (区事業)介護予防講習会 (形態)直営 (区事業)シニア健康応援隊メンバー養成講座 (形態)直営 (区事業)シニア健康応援隊活動支援 (形態)直営 (区事業)めぐろシニアいきいきポイント事業 (形態)直営 (区分)地域づくり事業「生活支援体制整備」 (区事業)生活支援体制整備事業 (形態)直営・委託 (区分)地域づくり事業「障害者の地域生活支援」 (区事業)地域活動支援センター事業 (形態)民間 (区分)地域づくり事業「地域子育て支援拠点」 (区事業)子育てひろば事業 (形態)直営・民間 (区事業)地域子育て支援拠点事業 (形態)直営・委託 (区分)地域づくり事業「生活困窮者支援等のための地域づくり」 (区事業)コミュニティソーシャルワーク事業 (形態)委託 (区分)アウトリーチ等を通じた継続的支援事業 (区事業)コミュニティソーシャルワーク事業 (形態)委託 (区事業)ひきこもり支援推進事業 (形態)直営 (区事業)地域包括支援センターのアウトリーチ支援 (形態)委託 (区分)多機関協働事業 (区事業)多機関協働事業 (形態)直営・委託 A 対象事業の概要 ア 包括的相談支援事業 高齢・障害・子ども・生活困窮などの相談支援事業をはじめとした区民からの困りごとの相談を受ける各支援機関は、まずは、世帯が抱える課題を把握し、必要に応じて関係機関と積極的に連携し、包括的な相談支援を実施します。 (区分)福祉の総合相談 (区事業)福祉の総合相談窓口(生活困窮者自立支援事業を含む) (内容)ふくしの相談、くらしの相談、住まいの相談を一体的に実施し、複合的な課題や制度の狭間の課題に対応するワンストップ型の相談支援を実施する。 (区分)地域包括支援センターの運営 (区事業)包括的支援事業 (内容)5地区に設置し、保健師・看護師、社会福祉士、主任介護支援専門員等の専門職が高齢者、障害者、子ども、生活困窮者等、全ての区民を対象に包括的な相談支援を実施する。 (区分)障害者相談支援 (区事業)基幹相談支援センター運営 (内容)基幹相談支援センターにおいて、障害種別に関わらない総合的な相談支援事業所への後方支援、地域の相談支援体制の強化及び質の向上に関する業務や権利擁護・虐待防止の啓発等を行う。 (区分)利用者支援 (区事業)子ども・子育てに関する利用者支援事業 (内容)子ども(0歳から18歳未満)と子育てに関する総合相談窓口、広報・啓発活動及び出張相談等を行う。 (区事業)出産・子育て応援事業 (内容)妊娠届を提出した妊婦を対象に助産師等の専門職が面接を行い、妊婦の健康状態や生活状況を把握し、必要な情報提供や保健指導を行う。 イ 参加支援事業 複合課題を抱える要因には、地域社会とのつながりが希薄になり、社会的に孤立していることもあるため、包括的相談支援事業の実施とともに、地域社会とのつながりを築くことを支援します。また、課題に応じて必要な地域資源、居場所などへのつなぎや社会資源の創出などを行い、多様な社会参加の実現に取り組みます。 (区分)参加支援 (区事業)コミュニティソーシャルワーク事業 (内容)CSW等が地域アセスメント※(地域評価)を継続して行い、社会資源の把握に努め、本人やその世帯の状態に合わせた多様な参加支援を行う。 ウ 地域づくり事業 これまでの既存の高齢・障害・子ども・生活困窮における各分野の地域づくり支援の事業を連携させ、多様な主体が役割をもって参画でき、地域の中で誰もが排除されない包摂的な地域社会を形成していきます。 (区分)地域介護予防 (区事業)介護予防出前講座 (内容)地域で活動している高齢者のグループに専門家を派遣し、脳トレや栄養、口腔機能低下予防、運動機能向上等を学ぶ。 (区事業)介護予防講習会 (内容)介護予防事業受託事業者向けのスキルアップ研修を行う。 (区事業)シニア健康応援隊メンバー養成講座 (内容)めぐろ手ぬぐい体操を行うグループ活動を通じて、介護予防の普及啓発や地域の交流の場づくりを行う介護予防リーダーを養成する。 (区事業)シニア健康応援隊活動支援 (内容)めぐろ手ぬぐい体操を行う応援隊活動を支援する。 (区事業)めぐろシニアいきいきポイント事業 (内容)介護予防や社会参加の促進を目的に、高齢者による社会貢献活動等に対して区内共通商品券と交換可能なポイントを付与する。 (区分)生活支援体制整備 (区事業)生活支援体制整備事業 (内容)協議体※や生活支援コーディネーター※の活動により、多様な日常生活上の支援体制の充実・強化及び高齢者の社会参加の促進を一体的に図る。 (区分)障害者の地域生活支援 (区事業)地域活動支援センター事業 (内容)障害のある人に対し、創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進その他障害者(児)が自立した日常生活及び社会生活を営むために必要な支援を行う。 (区分)地域子育て支援拠点 (区事業)子育てひろば事業 (内容)親子で遊びながら親子同士の交流を図るとともに、子育ての不安感などを緩和するための相談を受ける。 (区事業)地域子育て支援拠点事業 (内容)乳幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所を設定し、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行うことにより、地域の子育て支援機能の充実を図る。 (区分)生活困窮者支援等のための地域づくり (区事業)コミュニティソーシャルワーク事業 (内容)CSW等による生活困窮者のための地域づくりに向けた支援を個別相談支援、参加支援及びアウトリーチ等を通じた継続的支援と連動して行い、地域の様々な福祉課題の解決につなげる。 エ アウトリーチ等を通じた継続的支援事業 自ら相談の窓口に行けない方などに対して、アウトリーチ等を通じて、本人との関係づくりを行い、適切な支援につなげ、継続的な相談支援を行います。 (区分)アウトリーチ等を通じた継続的支援 (区事業)コミュニティソーシャルワーク事業 (内容)CSW等が関係機関との連携やアウトリーチにより、個々の生活に寄り添った伴走型の支援など総合的な相談支援や調整を行い、課題解決を図る。 (区事業)ひきこもり支援推進事業 (内容)ひきこもり状態にある本人、家族が抱える悩みに寄り添いながら、伴走型の相談支援を行う。また、積極的なアウトリーチを行い、様々な関係機関と連携を図りながら支援を進める。 (区事業)地域包括支援センターのアウトリーチ支援 (内容)生活上の課題を抱えながらも、自ら相談や支援を求めることが困難な人に対し、訪問等を通じて、必要な情報提供や支援につながるための取組を積極的に行う。 オ 多機関協働事業 単独の支援関係機関では対応が難しい複雑化・複合化した支援ニーズがある事案の調整役を担い、重層的支援会議の開催等により支援関係機関の役割分担や支援の方向性を定め、包括的な支援体制を構築できるよう支援します。 5 事業を進める上での留意事項 重層的支援体制整備事業は新たな取組であり、引き続き整理を進める必要があります。令和6年度から事業を展開する中で、以下の課題を中心に整理・検討し、実務を進めながら事業を成熟させていきます。 (1)重層的支援会議、支援会議について ・既存の各個別支援会議との役割を整理します。(事案による各会議体の内容・活用手順、会議体間におけるプランの共有等) ・会議体の構成員、事案ごとの構成員の変更、開催の時期等、運用方法を整理します。 ■重層的支援会議 本人の同意のある事案(支援を希望する事案)について、支援関係機関間の役割分担・支援の方向性の共有を行い、支援プランの作成・協議等を行う。 ■支援会議 複合的課題等を抱えている可能性がある事案や、支援が必要であることが疑われるもの、本人の同意が得られていない事案について、会議の構成員に守秘義務を設け、情報の共有や日常生活を営むための支援・見守り等の必要な体制の検討を行う。 (2)多機関連携のための効率的な手法について ・多機関協働事業者と各支援機関の役割分担を整理します。 ・多機関連携の円滑化に向け、システムによる情報管理の必要性も含め、効率的な手法を検討します。 (3)社会福祉協議会との更なる連携の促進について ・多機関協働事業における行政と社会福祉協議会との役割について、社会福祉協議会の強みを最大限発揮できるよう、効果的な分担を検討します。 ・地域づくり支援、参加支援など各種事業の充実、多機関協働事業へのつなぎなど、効果的な運用を図ります。 (4)総合的な子ども家庭支援体制整備について ・区の「総合的な子ども家庭支援体制」の取組と整合を図りながら進めます。 ・こども家庭庁の創設、こども未来戦略方針の決定、こども大綱の策定など、財政面も含めて国の施策展開を注視しながら、区の対応を検討していきます。 基本目標2 誰もが安心して地域で暮らせる社会の推進 長引く新型コロナウイルス感染症の影響に加えて物価の高騰が続く中、経済的な困窮とともに、人々の社会参加の機会が減少し、地域とのつながりが保てなくなっている状況が多く見られます。 福祉の総合相談窓口を利用する人の世代や属性が広がり、ひきこもり※やヤングケアラー※などの課題が顕在化してきました。その背景には、誰にでも起こり得る孤独・孤立の状態があると考えられます。 様々な生活課題を抱える人々が安心して暮らしていけるよう、地域社会からの孤立や望まない孤独の状態に陥ることを防ぎ、生活の安定と自立を支援していきます。 個人の尊厳の尊重を基本に、多様性を認め、個々の人々に寄り添って、その人が持つ力を引き出していくことと、その人の環境である家庭や職場、地域社会が内包する課題の解消に向けて取り組みます。 施策一覧 施策1 生活困窮者の自立支援の充実 施策2 住まいの確保 施策3 多様な生活課題への分野横断的な支援(ひきこもり・ヤングケアラー等への支援) 施策4 社会的孤立・孤独への対応 施策5 認知症施策の推進 施策6 災害時要配慮者支援の推進 施策7 権利擁護の推進 施策1 生活困窮者の自立支援の充実 現状と課題 ・国は、生活に困窮するリスクの高い層の増加を背景として、生活保護に至る前の自立支援策の強化を図るとともに、生活保護から脱却した人が再び生活保護に至らないよう、生活保護制度の見直しを行い、生活困窮者自立支援法を制定しました。同法は、平成27年4月に施行され、平成30年の改正を経て、生活困窮者※の自立と尊厳の確保及び支援を通じた地域づくりを目指して、早期的・予防的観点に立ち、生活困窮者の包括的・継続的支援が行われてきました。 ・区では、生活困窮者の自立相談支援機関である「めぐろ くらしの相談窓口」を福祉総合課に設置し、同課の福祉の総合相談窓口において、生活上の困りごとの相談から生活困窮の早期把握に努め、関係機関と連携した就労支援や家計改善支援等の包括的な支援に取り組んでいます。併せて生活保護制度と生活困窮者自立支援制度を連携させた重層的な相談支援を行い、相談者が抱える生活課題に応じて、双方の相談窓口の調整・連携を図っており、生活困窮に関する相談の状況に応じて福祉総合課と生活福祉課が連携して生活保護受給につなげています。 ・生活保護受給者が抱える多様で複雑な課題に対応するため、平成17年より、自立支援プログラムが導入され、経済的給付に加え、福祉事務所が組織的に生活保護受給者の自立支援を行う制度への転換を目的として各種取組が行われてきました。 ・区では、区内の生活保護受給者の状況や自立の阻害要因に基づき、自立支援の具体的内容と手順を定めた自立支援プログラムとして、主に@就労支援、A健康管理支援、B高齢者支援、C次世代育成支援、D社会参加支援のプログラムを策定しています。 ・これらのプログラムの中から、個々の生活保護受給者に必要なプログラムを本人同意の上決定し、就労や医療等の専門機関やNPOなどと連携して、生活保護受給者が自らの自立のために行う活動を組織的に支援しています。 ・長引くコロナ禍や物価の高騰が、以前から生活困窮のおそれがあった人や脆弱な生活基盤のもと暮らしていた人々を顕在化させました。生活困窮者等が抱える複合的な課題をときほぐし、就労を含めた社会とのつながりの回復により生活の向上を図り、本人の自己肯定感を回復していくとともに、地域の活力、つながりを強めていくことが求められています。 主な取組 ■生活困窮者の自立と尊厳の確保に配慮した包括的な支援 生活困窮者が抱える課題は多種多様であり、孤立した状況の中で複合的な生活課題を抱えている場合が多いことが課題として挙げられます。「制度の狭間」に陥らないよう広く受け止め、生活困窮者の自立と尊厳の確保に配慮した包括的な支援策を講じ、伴走型の支援に対応できる体制整備を進めていきます。 ■福祉分野の枠にとどまらない多様な関係機関が緊密に連携した支援 今後の生活困窮者自立支援法等の見直しの動向を注視しながら、就労支援、家計改善支援、健康管理支援、貧困の連鎖を防止する子どもへの支援等、一人ひとりの課題に応じて、福祉分野の枠にとどまらない多様な関係機関が緊密に連携し、適切な支援を行っていきます。 ■生活困窮者自立支援事業と生活保護法に基づく支援事業との切れ目のない支援 双方の事業の一体的・効率的な事業の運営に努め、生活困窮者の自立意思や能力をはじめ個々の課題・目標に応じた伴走・寄り添い支援を進めていきます。 ■生活困窮者一人ひとりの状況に合わせた就労や社会参加の場の開拓 潜在化している生活困窮者を地域で早期に把握・発見し、自立相談支援機関又は生活保護相談窓口に適切につなぐために、関係機関や地域の団体、住民との連携を通じ、地域における課題を「見える化」して共有し、「顔の見える関係づくり」を進めていきます。 生活困窮者一人ひとりの状況に合わせた就労や社会参加の場の開拓を行い、生活困窮者が地域で孤立せず、「支えられる」だけでなく「支える」側に立つという視点からの取組も実施していきます。 ■早期的・予防的支援を含めた効果的な自立支援プログラムの実施 生活保護受給者に対しては、就労による経済的自立のみならず、心身の健康や社会的なつながり等を回復・維持する実効性の高い自立支援プログラムの展開により、自立の助長を進めていきます。 一人ひとりの意思を尊重しながら個々の課題に応じた援助方針を確立し、関係機関との着実な連携強化により自立支援を推進していきます。 図表【くらしの相談(生活困窮等に関する相談)相談件数の推移】 ・令和元年度(2019年度)新規受付522件、継続受付2417件、合計2939件 ・令和2年度(2020年度)新規受付3238件、継続受付12560件、合計15798件 ・令和3年度(2021年度)新規受付965件、継続受付8571件、合計9536件 ・令和4年度(2022年度)新規受付727件、継続受付5571件、合計6298件 図表【くらしの相談 相談内容の推移】(複数計上) ・収入・生活費 令和元年度294件、2年度1430件、3年度591件、4年度325件 ・住まい 令和元年度146件、2年度533件、3年度186件、4年度252件 ・家賃やローンの支払い 令和元年度146件、2年度2296件、3年度377件、4年度311件 ・仕事探し・就職 令和元年度102件、2年度260件、3年度141件、4年度97件 ・病気・健康・障害 令和元年度100件、2年度147件、3年度121件、4年度113件 ・税金・公共料金の支払い 令和元年度94件、2年度196件、3年度87件、4年度68件 ・家族関係 令和元年度50件、2年度42件、3年度30件、4年度34件 ・債務 令和元年度59件、2年度93件、3年度57件、4年度52件 ・食べるものがない 令和元年度14件、2年度16件、3年度12件、4年度12件 ・子育て 令和元年度12件、2年度8件、3年度16件、4年度11件 ・ひきこもり・不登校 令和元年度18件、2年度16件、3年度5件、4年度11件 ・介護 令和元年度19件、2年度18件、3年度16件、4年度12件 ・仕事上の不安・トラブル 令和元年度13件、2年度75件、3年度16件、4年度17件 主な事業 (種別)新規・重点 (事業名)重層的支援体制整備事業(再掲) (事業概要)生活困窮者等の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を構築し、個別支援と地域づくりへの支援の両面を通じて重層的な支援体制を整備します。「包括的相談支援」、「参加支援」、「地域づくり支援」、「アウトリーチ等を通じた継続的支援」及び「多機関協働」の5事業を一体的に実施します。*詳細は、事業実施計画 (担当課)健康福祉計画課、各課 (事業の実施状況(令和5年度))・3年度から5年度まで移行準備事業を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・6年度に事業開始 ・関係機関等との連携・協働を進め、事業の定着を図る ・事業評価を適宜行い、必要な改善を図る (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)生活困窮者自立支援事業と生活保護法に基づく支援事業との重層的な連携・促進 (事業概要)生活困窮者自立支援法に基づく自立支援事業と、生活保護法の自立支援プログラムに基づく支援事業を一体的・効率的に実施し、複合的な課題を抱える生活困窮者に寄り添った伴走型の支援を進めていきます。 (担当課)福祉総合課、生活福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・専門職及び委託事業者等との連携による支援の継続 (事業目標 前期(6〜8年度))・支援の充実・強化 (事業目標 後期(9〜10年度))・支援の充実・強化 (種別)継続 (事業名)次世代育成支援の充実 (事業概要)生活困窮世帯の「貧困の連鎖」を防止し、子どもの未来をひらくために、学習支援はもとより、居場所機能や訪問相談の充実、進学に向けた各種支援制度の利用促進のほか、保護者への育成相談や中途退学の防止に向けた取組を進めます。 (担当課)福祉総合課、生活福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・専門職及び委託事業者等との連携による支援の継続 (事業目標 前期(6〜8年度))・支援の充実・強化 (事業目標 後期(9〜10年度))・支援の充実・強化 (種別)継続 (事業名)健康管理支援の充実 (事業概要)健康上の課題を抱えている生活保護受給者の自立支援プログラムの一環として、精神障害や精神的疾患を有する人、生活習慣病※の重症化予防を要する人等に対して、課題に応じた支援を実施していきます。 (担当課)生活福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・専門職及び委託事業者等との連携による支援の継続 (事業目標 前期(6〜8年度))・支援の充実・強化 (事業目標 後期(9〜10年度))・支援の充実・強化 施策2 住まいの確保 現状と課題 ・住まいは、人が地域社会とのつながりを保ちながら生活していく拠点であり、その確保は、自立した生活を支える基本となるものです。高齢化の進展や家族構成の変化、コロナ禍での生活困窮者※の急増等、社会経済状況が大きく変化する中で、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう施策を進めていく必要があります。 ・低所得者や高齢者、障害者、ひとり親家庭など、住宅の確保に特に配慮を要する「住宅確保要配慮者※」は、自力で住まいを確保することが難しい場合があります。様々な支援による住まいの確保が必要であり、行政の関係部局、地域福祉団体及び不動産団体等による一体的な取組が求められる中、令和4年5月に「目黒区居住支援協議会」を設立し、福祉型の居住支援策を推進しています。 ・区では、令和4年4月から包括的な相談支援機関である福祉の総合相談窓口に住まいの相談員を配置し、生活支援と一体的に住まいの相談を行うことで、ワンストップ型の相談支援体制の充実を図っています。相談の大半を高齢者が占め、多くの高齢者が居住地域を変えずに安心して過ごしたいと希望しています。高齢者中心の支援という傾向がありますが、若い層への支援ニーズも高まってくると考えられ、支援対象を広くとらえた分野横断的な支援が求められています。 ・身体状況や経済状況などによる多様なニーズに応じて住まいを選択できるよう、高齢者福祉住宅の供給、都市型軽費老人ホームや障害者グループホーム※などの施設整備の支援を行うとともに、民間賃貸住宅の情報提供、家賃等債務保証料助成及び家賃助成等を行っています。 ・誰もが安心して暮らせる住宅セーフティネットの確保が求められています。住宅確保要配慮者が地域で安心して暮らし続けることができるよう、住生活マスタープランとの整合を図りながら、相談支援の充実とともに、高齢者福祉住宅、区営住宅を継続して提供していく必要があります。また、新たな住宅の確保については、区有施設の見直しの取組を踏まえ、既存の区有施設の大規模改修や建て替えの機会を捉えて、更なる拡充に努める必要があります。 主な取組 ■住宅確保の支援強化 福祉の総合相談窓口「福祉のコンシェルジュ」に配置した住まいの相談員を中心に生活支援と一体的な住まいの相談支援を充実させるとともに、物件同行、契約同行、転居支援などの事業を委託し、多角的なサポートを実施することで、住宅確保支援を強化します。 あわせて、居住支援協議会では、地域福祉や不動産の関係者、行政が連携して、居住支援に関する情報共有や住宅確保要配慮者に対する必要な支援策の検討・協議を行い、家主・不動産事業者へのセミナー等の開催により周知や啓発に努めます。 ■多様な世帯が安心して住み続けるための支援 高齢者世帯、障害者世帯、子育て世帯への家賃助成を継続し、住み慣れた地域で安心して住み続けられるように支援していきます。 ■福祉住宅・区営住宅等住まいの提供 高齢者、障害者、様々な理由で生活に困窮する家庭など、住宅の確保に特に配慮が必要な住宅確保要配慮者に対して、高齢者・障害者向け福祉住宅及び区営住宅を適切に確保し、提供していきます。 また、高齢者の身体状況、生活形態、経済状況等に応じた多様なニーズに応えるため、認知症高齢者グループホーム※や都市型軽費老人ホームの整備を進めます。 ■福祉施策と住宅施策との連携強化 高齢者世帯、障害者世帯及びひとり親世帯で自ら住宅を探すことが困難な世帯に対して、引き続き、民間賃貸住宅の情報提供、家賃等債務保証料の助成等を行うことにより、円滑な入居と居住の安定を図ります。 また、高齢者や障害者などが安心して住み続けられるよう、地域の見守りボランティアや見守りネットワーク※、地域包括支援センター※、社会福祉協議会等が連携した重層的な住宅セーフティネットを展開します。高齢者福祉住宅への入居者に対しては、ライフサポートアドバイザー(LSA)等を配置し、入居後の自立生活のための切れ目のない支援を行っていきます。 図表【福祉の総合相談窓口における住まいの相談件数(対象者別)】(令和4年度実績) ・障害者世帯 18件 ・高齢者単身世帯 75件 ・高齢者のみの世帯 19件 ・ひとり親世帯 3件 ・子育て世帯 2件 ・低所得者世帯 5件 ・外国人世帯 1件 ・その他世帯 11件 主な事業 (種別)新規 (事業名)住まいの相談及び住宅確保支援事業 (事業概要)住まいの相談と生活相談を一体的に行い、ワンストップ型相談支援体制の充実を図り、関係機関と調整しながら、住宅確保支援も行います。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・専門職及び委託事業者等による支援の継続 (事業目標 前期(6〜8年度))・支援の充実・強化(継続) (事業目標 後期(9〜10年度))・支援の充実・強化(継続) (種別)新規 (事業名)居住支援協議会の運営 (事業概要)「住宅確保要配慮者」に対して、地域福祉団体・不動産団体・行政が相互に連携し、福祉型居住支援を推進していきます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・居住支援協議会の開催 ・居住支援セミナーの実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)高齢者世帯等居住継続家賃助成 (事業概要)民間賃貸住宅に居住する高齢者世帯・障害者世帯に対して家賃の一部を助成します。 (担当課)住宅課 (事業の実施状況(令和5年度))・継続実施 ・4年度中に助成を受けた世帯:341世帯 (事業目標 前期(6〜8年度))・増加 (事業目標 後期(9〜10年度))・増加 (種別)継続 (事業名)ファミリー世帯家賃助成 (事業概要)区内民間賃貸住宅に居住するファミリー世帯(18歳未満の子を扶養している世帯)に対して、家賃の一部を助成します。 (担当課)住宅課 (事業の実施状況(令和5年度))・継続実施 ・4年度中に助成を受けた世帯:271世帯 (事業目標 前期(6〜8年度))・増加 (事業目標 後期(9〜10年度))・増加 (種別)継続 (事業名)高齢者福祉住宅の供給 (事業概要)住宅に困窮する高齢者が自立して地域で居住生活ができるよう、高齢者福祉住宅を提供していきます。新たな住宅の整備については、区有施設見直しの取組を踏まえ、大規模改修や建替え等の機会を捉えて、既存施設の転用等により整備を進めます。 (担当課)高齢福祉課、住宅課 (事業の実施状況(令和5年度))・高齢者福祉住宅の管理戸数 単身用208戸 世帯用24戸 計232戸 (事業目標 前期(6〜8年度))・既存施設の転用等による整備の検討 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)都市型軽費老人ホームの整備促進 (事業概要)自立した日常生活を営むことに不安があり、家族による援助を受けることが困難な高齢者に、低額な料金で入居でき、食事の提供、生活相談等のサービスを受けながら自立した生活を送ることができる住まいを提供するために、民間事業者による都市型軽費老人ホームの整備を支援します。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・2か所 定員計40人 (事業目標 前期(6〜8年度))・整備の検討 (事業目標 後期(9〜10年度))・整備の検討 (種別)重点 (事業名)障害者グループホームの整備促進 (事業概要)施設整備に要する費用の一部補助や、区有地を含む国公有地や空き家の活用などを検討し、障害者グループホームの整備を促進します。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・知的障害者グループホーム:15か所(総定員98名) ・精神障害者グループホーム:3か所(総定員22名) ・福祉ホーム:1か所(定員7名) (事業目標 前期(6〜8年度))・1か所の整備を支援 (事業目標 後期(9〜10年度))・1か所の整備を支援 (種別)重点 (事業名)認知症高齢者グループホームの整備促進 (事業概要)認知症高齢者が住み慣れた地域で生活が続けられるよう、民間事業者による認知症高齢者グループホームの整備を支援します。 (担当課)高齢福祉課、介護保険課 (事業の実施状況(令和5年度))・認知症高齢者グループホーム:14か所30ユニット (事業目標 前期(6〜8年度))・認知症高齢者グループホーム:6ユニット整備 (事業目標 後期(9〜10年度))・整備(第10期介護保険事業計画で定める) (種別)継続 (事業名)区内民間賃貸住宅の情報提供 (事業概要)区内に居住している高齢者世帯、障害者世帯及びひとり親世帯で区内民間賃貸住宅への転居を希望しながら自ら住宅を探すことが困難な世帯に対して、(公社)東京都宅地建物取引業協会第五ブロックの協力を得て住宅の情報提供を行います。 (担当課)住宅課 (事業の実施状況(令和5年度))・継続実施 ・情報提供16件(4年度) (事業目標 前期(6〜8年度))・増加 (事業目標 後期(9〜10年度))・増加 (種別)継続 (事業名)家賃等債務保証料助成 (事業概要)民間賃貸住宅の情報提供の対象者で、区が協定を結んだ保証会社又はそれ以外の保証会社を利用して、賃貸借契約を締結した場合に保証料を助成します。 (担当課)住宅課 (事業の実施状況(令和5年度))・継続実施 ・保証料助成3件(4年度) (事業目標 前期(6〜8年度))・増加 (事業目標 後期(9〜10年度))・増加 (種別)継続 (事業名)少額短期保険等の保険料等助成(高齢者等居住あんしん補助) (事業概要)民間賃貸住宅の情報提供の対象者として決定された高齢者世帯・障害者世帯で、区内に転居しその入居契約時に、少額短期保険等に加入した場合に保険料等を助成します。 (担当課)住宅課 (事業の実施状況(令和5年度))・継続実施 ・保険料助成2件(4年度) (事業目標 前期(6〜8年度))・増加 (事業目標 後期(9〜10年度))・増加 (種別)継続 (事業名)高齢者福祉住宅におけるライフサポートアドバイザー(LSA派遣型)への移行推進 (事業概要)高齢者福祉住宅において、入居者の生活相談、安否確認等を行い、地域の関係機関と連携を図りながら、住み慣れた地域で安心・安全な生活を提供するため、生活協力員からライフサポートアドバイザー(LSA)への移行を進めます。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・LSA配置住宅11住宅153戸 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 施策3 多様な生活課題への分野横断的な支援(ひきこもり・ヤングケアラー等への支援) 現状と課題 ・ひきこもり※、8050問題※、ヤングケアラー※などの複雑な生活課題を抱えながら必要な支援を受けられず、孤立する人や世帯が多く存在することが近年明らかになり、深刻な社会問題となっています。当事者や家族の生きづらさや生活上の困難は、個別性が極めて高く、既存の制度による対応だけでは支援が難しい場合もあります。 ・ひきこもりの要因は様々であり、相談・支援に結び付きにくい傾向がありますが、長期化すれば、心身の健康に深刻な影響が生じる場合もあります。令和4年11月の内閣府調査では、15〜64歳のひきこもり状態にある人は、全国で146万人いると推計されています。 ・区では、福祉総合課と保健所に「ひきこもり相談窓口」を置き、「断らない相談支援」を実施しています。相談窓口の周知とともに、社会福祉協議会、家族会と連携しながらアウトリーチ※に取り組んでおり、理解を深めるための講演会も開催しています。 ・ヤングケアラーは、子どもの年齢や成長の度合いに見合わない過度な家族ケアの負担を負うことで、本人の育ちや教育に影響があるにも関わらず、支援が必要であっても表面化しにくいという課題があります。令和2年度に国が全国の中学2年生と高校2年生を対象に実施した実態調査によると、中学2年生の5.7%、全日制高校2年生の4.1%が世話をしている家族が「いる」と回答しています。 ・ヤングケアラー支援については、ケア対象者を含む家族全体へのアプローチが必要であることから、区では、児童、福祉、介護、医療、教育等の関係機関が連携し、分野横断的な支援に取り組んでいます。また、関係機関の職員や区民等に向けた研修会を開催するとともに、パンフレット等を活用して、理解促進のための啓発に努めています。 ・教育委員会では、児童・生徒の長期欠席等に関する調査において、ヤングケアラーがその要因となっていないか確認するとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる面接、相談等の機会を活用しながらヤングケアラーの早期発見・対応に努めています。また、ヤングケアラーを含めた児童虐待の早期発見・対応、適切な支援方法等に関わる教職員研修を実施し、理解啓発にも取り組んでいます。 ・ヤングケアラーの支援対象は18歳未満ですが、それ以降もケアが続く場合があり、切れ目のない支援が必要です。18歳から概ね30歳までのケアラーは若者ケアラーと言われ、進学や就職など、この世代が抱える課題を踏まえた支援が必要となっています。 ・ひきこもりやヤングケアラーなどの支援においては、その実態の的確な把握に努めるとともに、今後も、できるだけ早い段階で必要な支援が届くように取り組むことが必要です。 主な取組 ひきこもりやヤングケアラーなどの複雑な生活課題を抱えた人や家族への支援を適切に行うために、相談窓口を広く周知するとともに積極的なアウトリーチを行い、相談を確実に受け止める取組を行います。様々な関係機関の連携を進め、複雑で多様な課題に対する専門的・重層的な支援体制を構築していきます。 当事者や家族が自らの抱える課題に気付き、SOSを発信できるよう援助を受け入れる「受援力」を高めることが必要です。SNS等を活用して、「人に頼ってもよい」「一緒に考えよう」とわかりやすい言葉で呼びかけ、相談窓口や支援策を具体的に伝えながら、つながり続けるための環境整備を進めていきます。 ■ひきこもりの状態にある人への支援 ひきこもりの相談窓口を広く周知し、オンライン相談を含めた相談支援体制の充実に取り組みます。当事者や家族との信頼関係を築きながら、継続的で伴走型の支援を行います。コミュニティ・ソーシャルワーカー※や支援団体、専門機関と連携し、本人が安心して過ごせる居場所と活躍できる場づくりに取り組むとともに、就労支援を含めた多様な社会参加の機会の確保や場づくりを進めます。 ■ヤングケアラーへの支援 児童、介護、福祉、医療、教育等の様々な分野の支援者の子どもの権利擁護の認識を向上させ、ヤングケアラーの早期発見と支援につなぐ取組を進めていきます。そのうえで、ヤングケアラーを支えるためには、親(家族)が抱える複合的な課題の解決に向けて、適切な福祉事業につなぐアプローチとともに、ヤングケアラーや家族に寄り添っていく姿勢が必要です。区として早期発見に努め、子ども自身と周りの大人の意識の変化をもたらし、必要な支援を行っていきます。 教育委員会では、家事、育児、介護等により登校できない状況を把握した場合は、関係機関と連携し、必要な支援が受けられるよう、丁寧に学校生活における児童・生徒の様子を把握するよう学校へ指導・助言をしていきます。 図表【ひきこもり状態になった主な理由】(複数回答) ・回答者 15から39歳 回答者144人、40から64歳 回答者86人 ・学校になじめなかったこと 15から39歳 12.5%、40から64歳 3.5% ・小学校時代の不登校 15から39歳 4.9%、40から64歳 0% ・中学校時代の不登校 15から39歳 18.1%、40から64歳 0% ・高校時代の不登校 15から39歳 9.0%、40から64歳 0% ・大学(専門学校、短期大学等を含む)時代の不登校 15から39歳 4.9%、40から64歳 0% ・受験に失敗したこと(高校・大学等) 15から39歳 1.4%、40から64歳 0% ・就職活動がうまくいかなかったこと 15から39歳 10.4%、40から64歳 7.0% ・職場になじめなかったこと 15から39歳 11.1%、40から64歳 8.1% ・人間関係がうまくいかなかったこと 15から39歳 20.8%、40から64歳 17.4% ・病気 15から39歳 11.8%、40から64歳 22.1% ・妊娠したこと 15から39歳 7.6%、40から64歳 1.2% ・退職したこと 15から39歳 21.5%、40から64歳 36.0% ・介護・看護を担うことになったこと 15から39歳 0.7%、40から64歳 7.0% ・新型コロナウイルス感染症が流行したこと 15から39歳 18.1%、40から64歳 19.8% ・その他 15から39歳 10.4%、40から64歳 12.8% ・特に理由はない 15から39歳 11.8%、40から64歳 9.3% ・わからない 15から39歳 7.6%、40から64歳 2.3% ・無回答 15から39歳 1.4%、40から64歳 1.2% 〔資料〕令和5年版厚生労働白書(内閣府「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)」)を基に目黒区にて作成 図表【ヤングケアラー 世話を必要としている家族】(複数回答) ・中学2年生(回答者319人) 父母23.5%、祖父母14.7%、きょうだい61.8%、その他3.8%、無回答9.4% ・全日制高校2年生(回答者307人) 父母29.6%、祖父母22.5%、きょうだい44.3%、その他5.5%、無回答8.8% ・定時制高校2年生相当(回答者31人) 父母35.5%、祖父母16.1%、きょうだい41.9%、その他12.9%、無回答9.7% ・通信制高校生(回答49人) 父母32.7%、祖父母22.4%、きょうだい42.9%、その他12.2%、無回答0.0% ・小学6年生(回答631人) 母親19.8%、父親13.2%、祖母10.3%、祖父5.5%、きょうだい71.0%、その他1.9%、無回答5.7% ・大学3年生(回答987人) 母親35.4%、父親20.5%、祖母32.8%、祖父17.2%、きょうだい26.5%、その他4.7%、無回答- 〔資料〕厚生労働省「ヤングケアラーの実態に関する調査研究報告書」(中学2年生・高校2年生は令和2年度、小学6年生・大学3年生は令和3年度の調査結果) 主な事業 (種別)新規・重点 (事業名)重層的支援体制整備事業(再掲) (事業概要)地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を構築し、個別支援と地域づくりへの支援の両面を通じて重層的な支援体制を整備します。「包括的相談支援」、「参加支援」、「地域づくり支援」、「アウトリーチ等を通じた継続的支援」及び「多機関協働」の5事業を一体的に実施します。*詳細は、事業実施計画 (担当課)健康福祉計画課、各課 (事業の実施状況(令和5年度))・3年度から5年度まで移行準備事業を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・6年度に事業開始 ・関係機関等との連携・協働を進め、事業の定着を図る ・事業評価を適宜行い、必要な改善を図る (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)ひきこもりの相談支援の充実 (事業概要)ひきこもりの相談窓口を広く周知するとともに、少しでも早い段階で相談につなげるよう相談支援体制の充実に努めます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・ひきこもり相談支援員の配置 ・ひきこもり相談専用ダイヤル開設 ・ひきこもり相談会の実施 ・オンライン相談の実施検討 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・オンライン相談の実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)ひきこもりへの理解を深めるための啓発と孤立を防ぐ地域づくり (事業概要)ひきこもりへの正しい理解の促進と適切なサポートが行えるよう、ひきこもり講演会を行います。また、家族会と連携し、孤立を防ぐための地域づくりに取り組みます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・ひきこもり講演会の開催 ・ひきこもりリーフレットの配布 ・ひきこもり家族会の支援 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・ひきこもりリーフレットの改定 ・居場所づくりの検討 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)新規 (事業名)ヤングケアラーについての啓発と支援の連携促進 (事業概要)ヤングケアラーへの理解の促進に取り組みます。また、ヤングケアラーの適切な支援につながるよう関係機関との連携を強化していきます。 (担当課)子ども家庭支援センター、各課 (事業の実施状況(令和5年度))・ヤングケアラー講演会等の開催 ・ヤングケアラー支援に向けた調査、研究 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・関係機関との連携強化と支援体制の構築 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 施策4 社会的孤立・孤独への対応 現状と課題 ・家庭や職場、地域で人々が関わり支え合う機会が減少し、生きづらさや孤独・孤立を感じている人が増えている傾向にあります。社会的なつながりが弱い人が抱える課題は、コロナ禍で、より深刻化しており、心身の健康に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。社会的孤立や望まない孤独は命に関わる問題であると考えられ、令和4年の全国の自殺者数は、小中高校生が過去最多となり、女性の自殺者は令和2年から4年まで3年連続で増加しました。 ・こうした状況を踏まえ、孤独・孤立対策の視点も含めた新たな女性支援の強化が喫緊の課題となり、令和4年に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が制定されました。翌5年には、「社会のあらゆる分野において孤独・孤立対策の推進を図ることが重要である」ことを基本理念に掲げた「孤独・孤立対策推進法」が制定され、いずれの法も官民の連携・協働の必要性を打ち出しており、ともに令和6年4月に施行されます。 ・区では、福祉の総合相談窓口を中心に分野を超えた包括的な相談支援に取り組んでいます。福祉総合課や地域包括支援センター※、子ども家庭支援センター※、社会福祉協議会などがアウトリーチ※により、課題を抱えながら孤立している人に寄り添った支援を行うとともに、見守りや居場所の確保などにも取り組んでいます。 ・自殺対策については、平成31年3月に「目黒区自殺対策計画」を策定し、正しい知識の啓発や相談支援、ゲートキーパー※の養成などを関係機関・団体・区民と連携して総合的に推進しています。 ・孤独・孤立の状態の中で生きづらさを感じている人々は、制度の狭間にある課題や複合的な課題を抱えている場合があります。適切な支援が行えるよう、関係機関・団体との連携強化や、職員のソーシャルワーク能力の向上などを図り、分野を超えた包括的な相談支援体制を充実させることが必要です。 主な取組 ■相談支援の積極的な周知 福祉の総合相談窓口などの相談支援機関を積極的に周知していきます。支援団体と連携し、SNS等オンラインも活用して「相談してもいい」「助けを求めてもいい」「一緒に考えよう」と呼びかけ、具体的な相談の流れや支援策をわかりやすく伝えていきます。 ■重層的な支援と支え合いの推進 地域包括支援センター職員やコミュニティ・ソーシャルワーカー※等を中心に、当事者や家族の意向に配慮したアウトリーチ型の支援を関係機関や団体との連携により重層的に取り組みます。あわせて、当事者が地域社会とつながる支え合いの地域づくりを一層進めていきます。 ■困難な問題を抱える女性への支援 女性が日常生活又は社会生活を営むに当たり、女性であることにより様々な困難な問題に直面することが多いことを踏まえ、幅広く継続的に、かつ支援対象者の立場に寄り添った相談支援を行っていきます。個々人が抱えている課題に応じた最適な支援を受けられるよう、福祉、保健医療、労働、住まい、教育、男女平等・共同参画等、広く関連する部門の連携を図ります。 ■生きることの包括的な支援としての自殺対策の推進 自殺の原因が健康問題や経済的な困窮、家庭や勤務に関する問題など多様かつ複合的であるため、区の関係課や関係機関によるネットワークを強化し、包括的な支援体制を充実させます。なかでも、自殺未遂者への支援に当たっては、医療機関との連携を強化していきます。 主な事業 (種別)重点 (事業名)相談支援の積極的な周知(再掲) (事業概要)支援を必要とする人が相談につながるように、積極的な周知に努めます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・福祉の総合相談窓口のリーフレットの配布 ・地域包括支援センターの出張相談会等での周知 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・リーフレットの改訂 ・SNSを活用した周知拡大 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)新規・重点 (事業名)孤独・孤立対策の推進 (事業概要)コミュニティ・ソーシャルワーカー等の専門職による関係機関の連携・協働を更に強化し、地域住民の気付きが個別支援につながるように地域の協議の場の整備や居場所づくりを進めます。制度の狭間に陥り社会的に孤立して孤独を抱え、相談できずにいる人の存在を地域から吸い上げアウトリーチ型の支援を行います。 (担当課)健康福祉計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・生活支援コーディネーター※や関係機関と連携した新たな居場所づくりや地域連携の充実 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・居場所づくりや参加支援のほか、アウトリーチを含めた相談支援を複合的に展開 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)困難な問題を抱える女性への相談支援 (事業概要)女性が抱えている課題に応じた最適な支援を受けられるよう、支援対象者に寄り添い、広く関係機関等につなぐ相談支援を行います。 (担当課)子ども家庭支援センター、人権政策課 (事業の実施状況(令和5年度))女性を対象とした相談支援として、下記の事業を実施 ・女性相談(子ども家庭支援センター) ・こころの悩みなんでも相談 ・からだの相談 ・法律相談(人権政策課) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・民間団体との連携の検討 ・関係機関との連携強化 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 ・民間団体との連携の検討 ・関係機関との連携強化 (種別)重点 (事業名)自殺総合対策の推進 (事業概要)正しい知識の普及・啓発や、ゲートキーパーの養成、関係機関等と連携した相談支援体制の充実など自殺対策を総合的に推進します。 (担当課)健康推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・自殺対策講演会の実施 ・区民等向けゲートキーパー養成講座の実施 ・職員向けゲートキーパー養成研修の実施 ・自殺未遂者支援に係る連携事業の実施 ・リーフレットの配布、SNS等による自殺対策に関する情報の発信 ・自殺対策推進会議の開催 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)「助けてと言える社会」づくり(再掲) (事業概要)社会から孤立し助けを求めることができない人が、自らの課題に気づき、SOSを表明できる「助けてと言える社会」づくりを進め、援助を受け入れる力「受援力」の理解を深める啓発活動を行います。 (担当課)健康福祉計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・「受援力」について知り、理解を深めるための講演会を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・SNS等、多様なツールによる取組の周知 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 施策5 認知症施策の推進 現状と課題 ・国の推計では、認知症の人は令和7年(2025年)の675万人に対し、令和12年(2030年)は744万人、令和22年(2040年)には802万人と増え続けることが見込まれています。(平成27年3月厚生労働省「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」による) ・令和元年度に東京都が実施した「認知症高齢者数等の分布調査」の結果を基に推計すると、区では、令和7年(2025年)に何らかの認知症の症状がある65歳以上の高齢者は、9,742人(高齢者人口の16.8%)、令和22年(2040年)には、12,784人(高齢者人口の15.4%)と予測することができます。(区の高齢者人口予測は令和6年2月「目黒区人口・世帯数の予測」による) ・認知症施策を総合的かつ計画的に推進することを目的に、令和5年6月に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が制定されました。認知症の人とその家族の意向の尊重、認知症の人の尊厳保持や意思決定の支援等を基本理念とし、認知症に関する知識及び認知症の人に関する理解の促進、社会参加の機会の確保、相談体制の整備等を基本的施策として掲げています。 ・区では、認知症サポーター※養成等を通じた地域における認知症への理解を深める取組や、認知症の相談支援窓口である地域包括支援センター※の周知、家族や介護者の支援、医療と介護などの地域の関係機関との連携の取組など、認知症施策を総合的に推進するための様々な事業を実施しています。 ・今後も高齢者人口の増加に伴い、認知症となる人が増えていくことが予測されます。長引く新型コロナウイルス感染症の影響により、外出機会や人との交流が減少したことで、閉じこもりや身体・認知機能の低下が懸念される状況にあります。認知機能が低下した人への適時・適切な医療と介護サービスを地域の専門職、関係機関が連携して進めることが重要です。また、認知症初期集中支援事業や認知症アウトリーチ※事業等による早期発見、早期診断及び早期対応の体制づくりの推進が課題となっています。 主な取組 ■自分らしく暮らし続けられる地域社会の実現 認知症基本法に基づき、認知症の人が認知症とともによりよく生きていくことを目指して、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域の良い環境で、自分らしく暮らし続けることができるよう、認知症施策を総合的に推進していきます。 地域で認知症の人と家族を温かく見守り支援する「認知症サポーター」は、令和5年12月末現在13,912人に達しました。引き続き、サポーターの養成を目指します。区主催の養成講座のほか、地域包括支援センターや小学校等での出前講座も開催していきます。 ■認知症の人と家族の視点に立った取組 認知症の人の発信の機会の拡充や家族による情報発信、地域の居場所や家族会の活動を引き続き支援していきます。 認知症の人や家族がリラックスして過ごせる居場所となる「コミュニティカフェ」は、高齢者や認知症の人に限らず、誰もが気軽に交流できる場で3か所あり、家族介護者などがお互いの介護について悩みや不安を共有し、情報交換等を行う「介護者の会」は5か所あります。各種講座で知識を深めた認知症の人と家族の応援ボランティアが運営を支えています。また、認知症カフェ(Dカフェ)を運営している法人に対して、財政的な支援を行っています。今後も、認知症の人が自分らしく暮らし、地域での参加の機会が確保されるよう居場所づくりを進めます。 あわせて、介護に必要な知識や技術の習得のための「家族介護教室」を引き続き開催していきます。 ■認知症の早期発見、早期診断及び早期対応 新型コロナウイルス感染症が及ぼした影響も踏まえ、認知症の早期発見、早期診断及び早期対応のための体制づくりを推進していきます。  「認知症アウトリーチ事業」、「認知症初期集中支援事業」を実施し、認知症専門医を含めたチームアプローチにより必要な医療、介護につなげ、認知症の人や家族への初期支援を集中的かつ包括的に行っていきます。さらに、認知症検診事業を実施します。 ■若年性認知症の人のために 若年性認知症の人は、就労や子育て、家計など高齢期とは異なる特有の課題を抱えていることから、正しい知識の提供と理解を深めることが必要です。講演会の開催とともに、相談窓口の周知を進め、早期発見、早期診断及び早期対応につなげていきます。また、当事者同士や家族が語り合い交流する機会として家族会を開催し、本人及び家族への支援を進めていきます。 主な事業 (種別)継続 (事業名)認知症への理解を深めるための普及・啓発 (事業概要)認知症は誰もがなり得るものであり、認知症の人や家族が地域で自分らしく暮らし続けられるよう、周知啓発に努めます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・認知症サポーター養成講座の開催 ・認知症安心ガイドブックの普及啓発 (事業目標 前期(6〜8年度))・認知症サポーター養成講座の開催 ・認知症安心ガイドブックの改定 (事業目標 後期(9〜10年度))・認知症サポーター養成講座の開催 ・認知症安心ガイドブックの普及啓発 (種別)重点 (事業名)認知症の早期発見と予防の取組 (事業概要)認知症の早期発見に向けて、認知症検診事業を推進するとともに、介護予防・フレイル予防事業にも取り組みます。 (担当課)福祉総合課、介護保険課 (事業の実施状況(令和5年度))・認知症検診事業の検討 ・介護予防・フレイル予防事業の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・認知症検診事業の実施 ・介護予防・フレイル予防事業の実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)適時・適切な医療、介護等の提供 (事業概要)認知症の人やその家族に対する初期支援を包括的かつ集中的に行うため、認知症初期集中支援事業を実施します。また、認知症ケア向上の取組を推進する人材を育成していきます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・認知症初期集中支援事業の実施 ・BPSDケアプログラム※研修の実施 ・認知症アウトリーチ事業の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)認知症ネットワーク等の構築 (事業概要)認知症の人や家族の視点を重視した施策を推進していくため、当事者による発信の機会を設けます。また、認知症の人と家族を地域で支えるためのネットワーク構築を目指し、各種研修や養成講座の実施、関係機関との連携に取り組みます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・本人ミーティングの開催 ・認知症サポーター養成講座・ステップアップ講座・認知症の人と家族の応援ボランティア養成講座等の実施 ・チームオレンジの整備 ・認知症の人と家族の応援ボランティア活動支援 ・介護者のつどいの開催 ・東京都行方不明認知症高齢者等情報提供依頼システム※への参加 ・見守り訓練の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)若年性認知症に関する支援 (事業概要)若年性認知症の人は、就労や子育て等、高齢期とは異なる課題を抱えています。専門の社会資源も少ないことから、正しい理解や相談窓口の周知に努め、当事者同士や家族が語り合える機会を設けます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・若年性認知症講演会等の開催 ・若年性認知症家族会の開催 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)地域密着型サービス※の整備促進 (事業概要)認知症などの高齢者が住み慣れた地域で生活が続けられるよう、民間事業者による地域密着型サービスの整備を支援します。 (担当課)高齢福祉課、介護保険課 (事業の実施状況(令和5年度))・認知症高齢者グループホーム※:14か所30ユニット ・小規模多機能型居宅介護:6か所 ・看護小規模多機能型居宅介護:2か所 ・認知症対応型通所介護:5か所 (事業目標 前期(6〜8年度))・認知症高齢者グループホーム:6ユニット整備 ・(看護)小規模多機能型居宅介護:1か所整備 ・小規模多機能型居宅介護:1か所開設(国家公務員宿舎駒場住宅跡地の活用) ・認知症対応型通所介護:1か所開設(国家公務員宿舎駒場住宅跡地の活用) (事業目標 後期(9〜10年度))・整備(第10期介護保険事業計画で定める) 認知症への理解を深めるための普及・啓発 認知症は誰もがなり得るものであり、認知症の人や家族が安心して地域で自分らしく暮らし続けるためには、地域や関わる方の理解が大切です。「団塊の世代」が75歳以上となる令和7年(2025年)には、認知症の有病率は65歳以上の高齢者の約5人に1人に達することが見込まれています。今や認知症は誰もが関わる可能性のある身近な病気です。 目黒区では、平成19年度から認知症について正しく理解し、自分のできる範囲で認知症やその家族をあたたかい目で見守り支える応援者(認知症サポーター)を養成しており、令和5年12月末までに延べ13,912人に達しています。区と地域包括支援センターで区民や学校・企業向けに、養成講座を令和4年度は計15回実施し、地域の見守りの輪を広げていくための周知・啓発に努めています。 さらに、認知症サポーター養成講座受講者を対象に、ステップアップ講座や認知症の人と家族を応援するボランティア養成講座も実施し、地域で介護者を応援するボランティア活動につなげています。 令和5年6月に制定された認知症基本法においても、認知症に関する知識及び認知症の人に関する理解の促進が基本理念及び施策の一つとされており、今後も区民への周知、理解促進に努めていくことが求められています。 施策6 災害時要配慮者支援の推進 現状と課題 ・災害対策基本法では「避難行動要支援者※名簿(対象者名簿・登録者名簿)」の作成が区に義務付けられています。災害時に自力避難が困難な人を登載した対象者名簿を地域避難所等で保管しています。また、本人の同意がある場合には登録者名簿に登載し、避難支援等関係者(消防、警察、民生委員・児童委員※、町会・自治会等)に名簿情報を提供しています。令和5年12月末時点で対象者名簿には16,392人、登録者名簿には9,509人(登録率58%)が登載され、86町会・自治会等のうち55団体が名簿を保管しています。引き続き登録者名簿への登載同意を勧奨するとともに、名簿を保管する町会・自治会等を拡大する必要があります。 ・令和3年の同法の改正により、医療依存度の高い人や介護が必要な人などを対象とした「個別支援プラン」の作成が区の努力義務となりました。避難行動要支援者一人ひとりについて、あらかじめ緊急連絡先や避難支援者等を確認しておくことで、避難支援の実効性確保に取り組んでいます。令和5年12月末までの個別支援プラン作成件数は1,109件であり、作成件数の増加と更なる周知が課題です。 ・地域避難所については、物資・資機材を整備し、感染症対策の検討や避難所運営訓練を実施しています。福祉避難所については、各施設の運営マニュアルの作成・見直しや「福祉避難所運営ガイドライン」の改正を検討するとともに、物資・資機材を整備し、避難所機能の維持を図っています。 ・在宅避難に関しても避難者の安否確認・情報把握のほか、物資や福祉サービス等の提供が継続されるよう、介護事業者等との連携体制を整備しています。 ・災害時に要配慮者が適切な居場所で必要な支援を受け、安心して避難生活を送れるよう避難所・在宅避難ともに支援策を拡充していくことが求められます。また、誰一人取り残さず災害から命を守るには、平常時から地域全体で災害対策の取組を進めていくことが重要です。 主な取組 誰もが災害時に迅速に避難し、安心して生活を送れるよう、引き続き適切な支援を推進します。 ■名簿登載者の拡大と顔の見える関係づくり 避難行動要支援者名簿による支援の仕組みを周知・啓発するとともに、登録者名簿の未登載者に対して同意勧奨を継続することで、少しでも多くの方が名簿活用による支援を受けられるよう、対象者名簿の登載者数増加を図ります。また、町会・自治会等に対して、引き続き個人情報保護協定締結と名簿保管の協力を依頼し、平常時からの見守りや地域の防災訓練などを通じた顔の見える関係づくりが進むよう、より一層の働きかけを行います。 ■個別支援プラン作成の推進 個別支援プランの作成については、訪問看護ステーション、指定特定相談支援事業所、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター※などの作成支援者と連携し、作成件数の増加を促進します。個別支援プランについてより一層周知し、プラン作成に当たっては、避難支援者の確保に加え、ハザードマップの被害想定地域や介護度・障害支援区分の重い人を優先作成するなどの工夫を行います。また、一度作成したプランについても定期的に必要な見直しを行うことで、それぞれの現況に応じた適切な内容に更新します。 ■福祉サービス提供の確保 災害時においても、要配慮者が介護等の福祉サービスを受けられるよう、福祉サービス提供事業者と災害時連携協定の締結や必要な資機材等の整備、情報弱者対策に取り組みます。 ■避難所における支援の充実 地域避難所において要配慮者が安心して避難生活を送れるよう、状況に配慮した情報提供や、多言語対応等も含めたコミュニケーション手段の確保、相談窓口の設置など生活上の様々な支援対策に取り組むとともに、感染症対策も踏まえ、避難所の開設・運営に必要な備蓄品や資機材の点検・整備に取り組みます。福祉避難所指定施設の拡大や備蓄品の充実についても検討し、専門職等人的支援の確保に努め、災害時の受け入れ態勢の強化を図ります。 ■在宅避難における支援の充実 在宅避難に関しても要配慮者が安心して避難生活を送れるよう、平常時から介護・福祉事業者等と連携し、生活環境の確保が図れるよう支援策を整備していきます。また、災害時における要配慮者の防災行動と日頃からの備えについて普及啓発に取り組みます。 主な事業 (種別)重点 (事業名)避難行動要支援者名簿(対象者名簿・登録者名簿)の作成・配備 (事業概要)避難行動要支援者名簿を作成・配備し、災害時の安否確認や避難支援に活用します。本人の同意がある場合は、登録者名簿に登載し、避難支援等関係者に提供します。 (担当課)健康福祉計画課、防災課 (事業の実施状況(令和5年度))・避難行動要支援者名簿(対象者名簿・登録者名簿)の更新 ・対象者名簿を地域避難所へ配備 ・登録者名簿を避難支援等関係者へ提供 ・年1回、登録者名簿未登録者へ勧奨通知を発送 【登録者名簿への登載率】58%(5年12月末時点) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・名簿を保管する町会・自治会等の拡大 ・名簿活用方法の周知・啓発 【搭載者名簿への登載率】65% (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)個別支援プラン作成の推進 (事業概要)個別支援プランを作成し、一人ひとりの状況に応じて、緊急連絡先・避難支援者・医療情報等をあらかじめ確認・記載しておくことで、災害時の円滑な避難支援等につなげます。 (担当課)健康福祉計画課、福祉総合課、障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・地域包括支援センターや介護事業者等と連携し、個別支援プランを作成 【個別支援プラン作成件数】1,109件(5年12月末時点) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・個別支援プランの様式見直し ・新規作成、更新作成の件数3,500件 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)災害・感染症対策に係る介護・福祉事業者等の連携体制の整備 (事業概要)災害時に要配慮者が必要な介護等の福祉サービスを受けられるよう、事業者等との連携体制を整備します。情報提供や物資の備蓄・調達・輸送体制の整備を進めるとともに、防災や感染症対策についての周知啓発等に取り組みます。 (担当課)健康福祉計画課、福祉総合課、障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・介護等の福祉サービス提供事業者との災害時協定の締結 ・事業所運営に必要な備蓄品等の整備 ・必要な情報を的確に伝える体制の整備 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・協定締結の介護事業者等の拡大 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)地域避難所における要配慮者支援の推進 (事業概要)災害時に要配慮者が安心して地域避難所で生活できるよう、感染症等への対策を行うとともに、迅速かつ安全に安否確認や避難支援等に取り組むために必要な資機材を整備します。 (担当課)健康福祉計画課、高齢福祉課、障害者支援課、防災課 (事業の実施状況(令和5年度))・避難所における感染症対策マニュアルの見直し及び必要に応じた更新 ・物資・資機材等の点検・整備 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・避難所での感染症予防についての普及・啓発 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)福祉避難所における要配慮者支援の推進 (事業概要)災害時に要配慮者が生活上の配慮を受け、安心して福祉避難所で生活できるよう、感染症等への対策を行うとともに、必要な資機材・物資等の点検・整備を行い、避難所としての機能の維持を図ります。 (担当課)健康福祉計画課、高齢福祉課、障害施策推進課、保育課、防災課 (事業の実施状況(令和5年度))・福祉避難所運営ガイドラインの見直し及び必要に応じた改定 ・各施設における発災時対応等運営マニュアルの作成・見直しの支援 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・福祉避難所の受入体制整備 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)要配慮者の在宅避難生活の支援体制の充実 (事業概要)災害時に在宅の要配慮者が安心して生活を送ることができるよう、在宅避難者の情報や必要な支援の把握、物資や福祉サービスの提供など具体的な支援策を充実するとともに、周知啓発に取り組みます。 (担当課)健康福祉計画課、福祉総合課、高齢福祉課、障害者支援課、防災課、関係各課 (事業の実施状況(令和5年度))・災害時要配慮者※支援に関する防災講演会の開催 ・介護等の福祉サービス提供事業者との災害時協定の締結 ・在宅人工呼吸器使用者に対する家庭用蓄電池の配備促進 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・要配慮者向け防災行動マニュアルの改定 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 施策7 権利擁護の推進 現状と課題 (成年後見制度の利用促進と意思決定支援の推進) ・認知症や知的障害、精神障害等により判断能力が十分でない人の権利を守り、地域で安心して暮らし続けられるよう、権利擁護センター「めぐろ」を成年後見制度推進機関とし、成年後見制度の利用促進を図っています。 ・令和4年3月に策定された国の「第二期成年後見制度利用促進基本計画」を踏まえ、区では成年後見制度利用促進基本計画の策定及び中核機関整備に向けた調査・研究を進めてきました。 ・国の「基本計画」では、成年後見制度の利用促進に当たっては、本人の自己決定権を尊重した意思決定支援も重視した制度の運用改善等に取り組むこととされ、また、意思決定支援の理念が地域に浸透することで、尊厳のある本人らしい生活を継続することができる社会の実現にも適うとされています。 ・区では、国のガイドラインに示された意思決定支援の基本的な考え方等に沿い、認知症や障害のある人の福祉サービス等の適切な利用に努めています。また、意思決定支援の考え方等の普及・啓発を図るため、区民を対象とした講演会を行っています。 ・令和6年度からの目黒区成年後見制度利用促進基本計画に基づき、本人による意思決定への支援を重視した地域における権利擁護支援※の体制を整備することが必要です。 (虐待防止) ・高齢者や障害者、子どもへの虐待の未然防止、早期発見のために、区では、地域のネットワークを拡充するなど、見守りと気づきによって本人と家族を地域で支える仕組みづくりを進めています。あわせて、関係職員の対応力を向上させるための専門的な研修も実施しています。 ・長引く新型コロナウイルス感染症の影響により、外出の機会が減少したことで、精神的なストレスが蓄積し介護や育児の負担が増えたこと、更に物価高騰等の経済的な問題も加わり、虐待を引き起こす事例が発生していると考えられます。また、福祉施設でも職員の負担が過重となり虐待につながることが懸念されます。 ・虐待の背景には、社会からの孤立や複雑化・複合化した課題を抱えている場合があり、関係機関が情報共有を図り緊密に連携して包括的に支援していく必要があります。 主な取組 ■成年後見制度の利用の促進 成年後見制度の利用が必要な人を発見し、適切な支援につなげるため、権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築が必要になります。令和6年度からの目黒区成年後見制度利用促進基本計画に基づき、地域連携ネットワークのコーディネートを担う中核機関等の整備に取り組み、地域の実情に応じた包括的かつ重層的な体制づくりに努めます。 また、地域共生社会※の実現に向け、市民後見人等の育成・活動支援や任意後見制度の利用促進、成年後見制度の正しい理解のための啓発等を更に進めていきます。 ■意思決定支援の推進 後見人等を含む本人に関わる支援者が常に「意思決定の中心に本人を置く」という本人主義を実現するため、支援者を対象とした研修等を実施し、意思決定支援の共通理解を図り質の高い支援を行うよう努めます。あわせて、意思決定支援の理解を地域に浸透させるため、区民を対象とした講演会を開催します。 また、成年後見制度の利用を必要とする人が、尊厳のある本人らしい生活を継続することができるよう自己決定権を尊重し、意思決定支援・身上保護も重視することが求められるため、後見人への支援等により意思決定支援の質の向上を図ります。 ■虐待防止に向けた取組の充実 地域のつながりの必要性が一層高まる中、地域における見守りを推進するとともに、地域包括支援センター※や福祉の総合相談による包括的な相談支援体制の充実を図ることにより、早期に相談や発見につながるよう、虐待防止に取り組んでいきます。関係者が連携して家族の負担軽減などの養護者支援を行い、対応マニュアルに基づき適切な支援を進めるとともに、介護・福祉の施設や事業者に対して、啓発・指導等により、虐待防止に向けて支援を行っていきます。 あわせて、関係職員を対象にした研修や、対応困難なケースのスーパーバイズ※を引き続き実施し、職員の対応能力の一層の向上を図ります。 図表【成年後見制度利用意向(高齢者)】 ・回答者1987人 ・すでに利用している0.8% ・必要になったら利用したい52.0% ・利用したくない16.6% ・わからない28.8% ・無回答1.8% 〔資料〕目黒区高齢者の生活に関する調査(調査期間:令和4年10月〜11月) 図表【成年後見制度認知度・利用意向(知的障害者・精神障害者)】 知的障害者 ・回答者182人 ・成年後見制度をすでに利用している6.6% ・制度を知っており、今後制度を利用したい23.6% ・制度を知っているが、今後利用する予定はない22.0% ・どのような制度かわからない47.8% 精神障害者 ・回答者330人 ・成年後見制度をすでに利用している2.1% ・制度を知っており、今後制度を利用したい9.1% ・制度を知っているが、今後利用する予定はない35.8% ・どのような制度かわからない53.0% 〔資料〕目黒区障害者計画策定に関する調査【障害者向けアンケート】(調査期間:令和4年9月〜10月) 図表【どのような支援があったら、成年後見制度を利用したいか(高齢者)】(利用したくないと回答した人への質問) ・回答者330人(複数回答) ・制度利用手続きに関する詳しい説明19.4% ・権利擁護に関する相談窓口や相談体制の充実17.3% ・制度利用に関する費用の補助17.0% ・制度利用された方の事例などの情報提供16.7% ・制度利用手続きに関する個別支援12.4% ・成年後見制度についての周知・広報活動の推進11.8% ・本人に身近な地域において住民が市民後見人として支えていく体制の構築6.4% ・その他29.4% ・無回答14.2% ※「その他」とした人の約半数が家族・親族がいるので不要と答えています。 〔資料〕目黒区高齢者の生活に関する調査(調査期間:令和4年10月〜11月) 主な事業 (種別)新規・重点 (事業名)成年後見制度の中核機関の整備 (事業概要)地域の権利擁護支援・成年後見制度利用促進機能の強化に向けた地域連携ネットワークの整備・運営を行い、専門職による専門的助言等の支援を確保するため、中核機関の整備を進めます。*詳細は、成年後見制度利用促進基本計画 (担当課)健康福祉計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・中核機関整備に向けた調査・研究 (事業目標 前期(6〜8年度))・中核機関の整備 ・地域連携ネットワークの実働 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 ・地域連携ネットワークの支援基盤の強化に向けた検討 (種別)継続 (事業名)意思決定支援の推進 (事業概要)支援者が本人主義を実現できるように研修等を実施するとともに、意思決定支援の理解を地域に浸透させるため区民を対象とした講演会等を開催し、意思決定支援を推進していきます。 (担当課)健康福祉計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・意思決定支援の考え方の普及・啓発のための講演会等を開催 (事業目標 前期(6〜8年度))・意思決定支援の質の向上のための研修等の実施 ・意思決定支援の考え方の普及・啓発のための講演会等の開催 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)高齢者虐待防止対策の推進 (事業概要)高齢者の尊厳ある生活を守るために、高齢者虐待対応マニュアル等に基づき、高齢者虐待の早期発見と高齢者、養護者及び介護施設従事者に対する的確な支援を推進します。 (担当課)高齢福祉課、福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・普及啓発 ・関係者地区研修会の実施 ・虐待に関する相談受付 ・高齢者の保護等、養護者への支援、施設への改善指導 ・対応力向上のための職員研修の実施 ・関係機関との連携強化 ・スーパーバイズの実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・目黒区高齢者虐待対応マニュアルの改訂 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)障害者虐待防止対策の推進 (事業概要)障害者虐待に関する要綱・マニュアル等に基づき、障害者虐待の早期発見に努め、障害者及び養護者、障害者福祉施設従事者等に対して、関係機関と連携しながら的確な支援を実施します。また、障害者虐待防止に関する周知啓発を促進します。 (担当課)障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・障害者虐待防止センターによる365日24時間の虐待通報や相談受付の実施 ・虐待通報に基づく迅速かつ確実な支援の実施 ・基幹相談支援センター※との協働による障害者虐待防止に関する周知啓発の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・様々な媒体を活用した周知啓発の充実 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)児童虐待防止対策の推進 (事業概要)児童虐待の相談・通報窓口である子ども家庭支援センター※において、要保護児童・要支援家庭の把握と虐待の予防を進めていきます。 (担当課)子ども家庭支援センター (事業の実施状況(令和5年度))・相談、虐待通報受付 ・関係機関との連携・協力 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・児童虐待防止マニュアルの更新 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 目黒区成年後見制度利用促進基本計画 1 計画策定の背景と目的 成年後見制度は、ノーマライゼーション※、自己決定権の尊重等を基本理念に、その利用を促進するものとされています。認知症、知的障害、その他の精神上の障害等により判断能力が十分でない人に対して、成年後見人、保佐人、補助人等の援助者が本人の意思を尊重し判断能力を支えることで、生命、身体、自由、財産等の権利を擁護し、本人の地域生活を支援する制度です。 地域共生社会※に資する制度ともいえる成年後見制度ですが、幅広く認知されているとは言い難く、国は平成28年5月に「成年後見制度の利用の促進に関する法律」を施行し、令和4年3月に「尊厳のある本人らしい生活の継続と地域社会への参加を図る権利擁護支援の推進」という副題を添えた第二期成年後見制度利用促進基本計画(令和4〜8年度)を策定しました。法律では、区市町村が国の計画を勘案して、区市町村計画を定めるよう努めることを求めています。 こうした動きを踏まえ区では「権利擁護支援の必要な人の発見・支援」「早期の段階からの相談・対応体制の整備」「意思決定支援・身上保護を重視した成年後見制度の運用に資する支援体制の構築」を柱にした権利擁護支援の地域連携ネットワークづくりを中心に、任意後見制度の利用促進、担い手の確保・育成の推進、区長申立ての適切な実施等に取り組む、「目黒区成年後見制度利用促進基本計画」を策定します。 この計画では、地域における区民の権利擁護支援の仕組みづくりの方向性を示し、認知症高齢者や障害のある人等の財産管理だけでなく、区民一人ひとりの権利と利益を守り、地域共生社会の構築に寄与することを目指しています。加えて、支援が必要であるにもかかわらず、成年後見制度や権利擁護支援サービス等を理解できないため、支援を求める声をあげられない方が生活困難に陥ることがないようきめ細かい施策を展開していきます。 ■成年後見制度の仕組み■ 成年後見制度には、将来の不安に備えるため、判断能力が不十分になってから成年後見人等が選ばれる「法定後見制度」と、判断能力が十分なうちに本人が任意後見人を決める「任意後見制度」があります。法定後見制度には、本人の判断能力に応じて3種類の類型があります。 法定後見制度の3種類の類型 ・後見 判断能力が欠けているのが通常の状態の方 ・保佐 判断能力が著しく不十分な方 ・補助 判断能力が不十分な方 2 計画の位置づけ ■本基本計画は、成年後見制度の利用の促進に関する法律第14条の規定に基づき、成年後見制度利用促進の基本的な考え方や施策を定めるものです。 ■地域における権利擁護支援の体制整備は、地域福祉を推進する計画などと有機的に連携して進める必要があるため、「目黒区保健医療福祉計画」との調和を図った計画とします。 3 区の取組と現状 区では、平成15年6月に権利擁護センター「めぐろ」(運営は目黒区社会福祉協議会)を開設し、成年後見制度推進機関として、制度の利用に関する相談、後見人等候補者の紹介、後見人等へのサポート、市民後見人の養成、社会福祉協議会による法人後見の受任、制度普及のための講演会の開催等に取り組んできました。 区の成年後見制度の利用実績は、制度利用に関する相談が令和元年度の437件から4年度には574件に増加し、社会福祉協議会が法定後見人を受任した件数も令和元年度の36件に対し、4年度は46件となっています。また、ひとり暮らし高齢者の増加に対応して、親族に代わり区長が後見等開始の申立てを行う制度の推進に取り組んでおり、区長申立件数は令和元年度の14件から4年度には28件と倍増しました。 このように利用実績は伸びているものの、高齢者人口の増加に伴い認知症の高齢者が増加し、単身世帯も増える中で、成年後見制度を利用している人は権利擁護の支援が必要な人の一部に留まっていると考えられます。 区の令和5年4月1日現在の高齢者人口は55,061人で高齢化率は19.7%、令和22年(2040年)には、28.6%に達し、その後も上昇する見込みです。ひとり暮らしの高齢者も増加傾向にあり、令和2年の国勢調査によると、区の世帯類型別の人口割合では、85歳以上の女性で単独世帯に属する人が4割を超えました。「団塊の世代」が75歳以上になる令和7年(2025年)には、全国で認知症の有病率が65歳以上の高齢者の約5人に1人に達すると予測され、高齢者などの権利擁護の支援を必要とする人を地域全体で支え合う仕組みとしての成年後見制度の推進はますます重要になっています。 4 課題と優先して取り組む事項 成年後見制度の利用を促進するためには、制度を利用する人が尊厳のあるその人らしい生活を続けられる体制の整備や、地域社会への参加を目指せるような運用改善が求められます。自己決定権を尊重し、意思決定支援・身上保護を重視した制度運用、適正に制度が利用されるための連携体制等の整備、福祉と司法が連携強化を図り司法による権利擁護支援等を適切に受けられる体制づくり等が求められています。そのために優先的に取り組むべき主な事項は次の通りです。 ・地域連携ネットワークづくりの推進 ・担い手の確保・育成等の推進 ・任意後見制度の利用促進 ・成年後見制度利用支援事業の推進 5 成年後見制度の利用促進に当たっての基本的な考え方 権利擁護支援を必要としている人も含めた地域に暮らす全ての人が、尊厳のある本人らしい生活を継続し、地域社会に参加できるようにするため、地域住民や福祉関係者、行政等に司法を加えた多様な分野・主体が連携する仕組みである「権利擁護支援の地域連携ネットワーク」をつくっていきます。成年後見制度の利用促進をはじめとした権利擁護支援に取り組み、地域共生社会の実現を目指して、誰もが自分らしく安心して暮らせる目黒、誰もが助け合う目黒のまちづくりを推進していきます。 6 具体的な施策 施策1 地域連携ネットワークづくりの推進 行政だけでなく地域住民、地域の関係者、関係機関が参加し表面化しづらい権利擁護支援の必要性をどのように早期に把握し、どのように適切に支えていくのかが課題となっています。地域連携ネットワークは地域包括ケアや虐待防止等の権利擁護に関する既存の取組に司法分野を追加し、家庭裁判所との連携を確保して構築していきます。このネットワークは、日常的に本人を支える「チーム」、専門的な支援を連携して提供する「協議会」、ネットワーク全体の調整役である「中核機関」の三つで構成します。 地域連携ネットワークの役割 A 権利擁護支援の必要な人の発見・支援 B 早期の段階からの相談・対応体制の整備 C 意思決定支援・身上保護を重視した成年後見制度利用の運用に資する支援体制の構築 ・チーム 協力して日常的に本人を見守り、本人の意思や状況を継続的に把握し必要な対応を行います。家族、介護支援専門員、相談支援専門員、ケースワーカー、医療機関、認知症初期集中支援チーム、民生委員・児童委員※、金融機関、区の窓口など、各支援に必要なメンバーにより柔軟に構成されます。 ・中核機関 地域連携ネットワークのコーディネートを行う機関です。様々なケースに対応できる法律・福祉分野の専門知識、地域の専門職や多様な関係者との信頼関係により、円滑に協力を得るための方法や経験値を蓄積することで、地域の連携や対応力の強化を推進していく重要な役割が求められています。このほか、相談支援、関係者によるネットワークの構築、周知・啓発活動等を実践します。区は運営に責任を持ち、権利擁護センター「めぐろ」を運営する社会福祉協議会に業務を委託していく予定です。 中核機関の具体的な機能は以下の通りです。・広報・相談・成年後見制度利用促進・後見人支援・不正防止 ・協議会 チームをバックアップする体制です。法律・福祉の専門職団体や関係機関がチームに対して必要な支援を行えるよう相互の連携を強化し、構成する多職種の団体・機関が自発的に協力し合う関係を持った合議体です。中核機関が事務局機能を担います。 施策2 市民後見人等の育成・活動支援 成年後見制度を必要とする人は今後一層の増加が見込まれ、適切な後見活動を行うための担い手の拡大は必須です。継続的な市民後見人の育成と、専門的な知識を有する関係団体との連携を強化していきます。後見人等の受任後も安心して後見業務ができるよう個別相談や学習機会の設定、社会福祉協議会が後見監督人を受任するなどの継続的に支える体制の充実を図ります。 施策3 制度の正しい理解促進のための啓発・広報の充実 成年後見制度の利用を検討するためには、制度を正しく理解していることが大切です。様々なセミナーの実施や支援者を対象とした研修会、多機関が参加する勉強会、地域に出向いて行う相談会等の活動を積極的に展開することにより、多くの区民に向けた成年後見制度の周知と情報提供を行い、制度への理解促進及び支援が必要な人の早期発見につなげます。 ひとり暮らしの高齢者が増加する中、地域の気づきや介護・福祉関係者等からの情報提供や相談を受けて、身寄りのない人への支援や虐待事案等への対応をすることが重要になっています。こうした権利擁護の支援を確実に行うため、区長が親族に代わって後見等開始の申立てを行う「区長申立て」制度を適切に運用していきます。 施策4 意思決定を大切にする相談支援体制の充実 意思決定支援とは、特定の行為に対し本人の判断能力に課題がある場合、必要な情報を提供し、本人の意思や考えを引き出すなど、本人の価値観や選好に基づく意思決定をするための活動で、後見人等を含めた支援者等のチームによって行われます。尊厳のある本人らしい生活のためには、地域住民に意思決定支援の考え方が浸透することが不可欠です。講演会等を開催し、地域の理解を深め支援体制を構築していきます。 施策5 任意後見制度の利用促進 任意後見制度は、十分な判断能力があるうちに自らが選任した任意後見人に代わりにしてもらいたいことを契約で決めておくことができる制度です。任意後見制度の利用促進に取り組みます。 施策6 エンディングサポート事業の推進 高齢化や単身世帯の増加等を背景に、地域社会から孤立したり身寄りがないことで、亡くなった後の手続きへの不安を抱く人が増えています。人生設計や死後についての本人の意思を反映し尊重するために、遺言、死後事務委任契約などのエンディングサポート事業の活用が進むよう取り組みます。 基本目標3 地域包括ケアシステムの深化・推進 誰もが住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができるように、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの推進が求められており、区では、様々な取組を進めています。 高齢者を中心に推進してきた地域包括ケアシステムは、障害者、子ども等への支援、複合的な生活課題にも対象を広げ、地域共生社会※を実現するための仕組みとして機能してきましたが、多様化・複雑化する課題に対応するため、更なる機能の強化を目指します。 これまで以上に、医療、介護、福祉等の多様な専門職と機関が、その相談支援体制を充実し、地域や関係機関との連携の強化に取り組むことにより、地域包括ケアシステムの深化・推進を図っていきます。 施策一覧 施策1 地域包括支援センターの機能強化 施策2 介護・福祉サービス基盤の整備と家族介護者等への支援の充実 施策3 生活支援サービスの充実 施策4 在宅医療と介護・福祉の連携 施策5 介護・福祉人材の確保・定着・育成とサービスの質の向上 施策1 地域包括支援センターの機能強化 現状と課題 ・国は、団塊の世代が75歳以上となる令和7年(2025年)を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を推進しています。 ・区は、地域包括支援センターを「住民に最も身近な保健福祉の総合相談窓口」と位置づけ、地域包括ケアシステムの推進の中核機関として、日常生活圏域の5地区に1か所ずつ設置し、保健師・看護師、社会福祉士及び主任介護支援専門員などの専門職を配置しています。 ・介護保険法で定められている包括的支援事業及び第1号介護予防支援事業に加え、保健福祉の総合相談支援及び介護保険認定申請や保健福祉サービスの受付業務も地域包括支援センターへ委託しています。センターは、高齢者のみならず、障害者、子ども、生活困窮者※など、全ての区民を対象に、世帯が抱える複合的な課題を丸ごと受け止め、専門機関や区の関係部署、地域の様々な団体や関係者と密接に連携・協働して、適切な支援や地域資源につなげる役割を担っています。 ・また、介護を担う家族等が相談しやすいよう、地域包括支援センターの窓口を平日は午前8時30分から午後7時まで、土曜日は午前8時30分から午後5時まで開設しています。 ・平成27年度からは、より身近な場所で相談できるよう、住区センター等を会場として出張相談会を開始し、16か所(令和5年12月末現在)まで拡充し、更に様々なイベント等を通じて、町会・自治会、住区住民会議等、地域とのつながりを深めてきました。 ・地域包括支援センターへの相談は件数の増加とともに、相談内容が多様化・複雑化・複合化しており、潜在的なニーズの掘り起こしも求められています。 ・少子・高齢化の進展、新型コロナウイルス感染症を機に深まる社会的孤立や社会的な格差等に対応して、地域包括支援センターが「住民に最も身近な保健福祉の総合相談窓口」として担う役割は、ますます重要になってくると考えられます。 主な取組 ■地域包括支援センターの相談支援体制の充実 多様化・複雑化・複合化した相談やニーズの掘り起こし(アウトリーチ※)に対応できるよう、相談支援体制の充実を図る必要があり、人員体制の強化、職員の資質向上及びマネジメント力の向上、多様な職種や機関との連携・協働・ネットワークの構築に取り組みます。 ■地域ケア会議の充実 個別支援のための地域ケア会議や地域課題の発見及び地域づくり・資源開発等のための地域ケア会議の開催を通じ、地域包括支援センター及び関係者の機能強化を図ります。 ■地域包括支援センターの認知度向上 地域包括支援センターの認知度向上の取組や身近な場所で相談できる出張相談会の実施方法の工夫等、住民が相談しやすい更なる環境づくりに取り組みます。 ■地域包括支援センターと地域の関係機関・団体・事業者との連携強化 地域包括支援センターに配置している地域連携コーディネーターを中心とした見守り活動や住民活動を通じた地域ネットワークの構築、在宅療養コーディネーターを核とした在宅医療と介護の連携強化、認知症支援コーディネーターが中心的な役割を担う認知症相談支援の充実等に、地域の関係機関や団体、事業者とともに積極的に取り組んでいきます。 ■地域包括支援センターの後方支援機能の強化 地域包括支援センターの機能強化とともに、相談支援の中核を担う「福祉の総合相談(福祉のコンシェルジュ)」による後方支援機能の強化も必須です。地域包括支援センターで受けた困難事例に対応するため個別ケース会議を開催し関係機関へ確実につなぐなど支援体制を強化していきます。 主な事業 (種別)重点 (事業名)地域包括支援センターにおける相談支援体制の充実 (事業概要)住民に最も身近な保健福祉の総合相談窓口として、本人・家族・支援者が相談しやすく、また複雑化・多様化した支援ニーズに対応するため、平日夜間及び土曜日の窓口開設、並びに専門性の高い人材の確保と育成に努めます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・開設時間延長及び土曜日開設実施(月曜〜金曜日:午後7時まで延長、土曜日午前8時30分〜午後5時) ・出張相談会の実施(各地区月2〜4回) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・出張相談会の相談者数の増 ・配置職種の検討及び配置 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)地域ケア会議の推進 (事業概要)地域で暮らし続けられるよう、様々な事例の検討を行い、課題を抽出・共有し、地域づくりや施策に反映するよう取り組んでいきます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・地域ケア会議の開催、事例及び課題の検討 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)地域包括支援センターの認知度向上 (事業概要)支援を必要とする人が相談につながるように、住民のニーズや関心事などに対する情報を、年齢層や目的に合わせた手段により、適時適切に積極的な周知に努めます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・行政による周知 ・地域包括支援センターによる周知 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・SNS等を活用した周知 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)地域包括支援センターと地域の関係機関・団体・事業者との連携強化 (事業概要)「住民に最も身近な保健福祉の総合相談窓口」として潜在化・複雑化・多様化したニーズに対応するため、地域で支えるためのネットワークを構築していきます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・会議や研修会等の実施 ・関係機関、団体等との協働事業の企画・実施・参加 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)地域包括支援センターの後方支援機能の強化 (事業概要)地域包括支援センターで受けた困難事例等に対応するため、行政による後方支援を行います。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・福祉総合課を中心に、各所管による連携及び支援 ・職員の資質向上の取組 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 地域包括支援センターによる身近な場所での相談支援 区民の方等に介護や福祉、健康、医療などに関する困りごとをより身近な地域で気軽に相談していただけるよう、区内5地区に設置している地域包括支援センターでは、住区センター等の区関係施設や、区内の総合スーパー等に出張し、プライバシーに配慮しながら相談を受け付けています。令和5年12月末現在、区内16か所、各地区で月2〜4回出張相談会を実施しており、介護予防や特殊詐欺等のミニ講座や血圧・血管年齢測定会等とあわせて実施することもあります。 さらに、来所や電話でのご相談が難しい方には、地域包括支援センターの職員がご自宅や病院・施設等に訪問して相談を受け、必要な機関と連携して、支援しています。 また、高齢者への戸別訪問を通して地域の実態を把握し、支援が必要であるにも関わらず届いていない方には積極的に働きかけて、情報や支援を届けるアウトリーチにも取り組んでいます。 住み慣れた地域で要介護状態になっても安心して暮らし続けられるよう、地域包括支援センターが住まい・医療・介護・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの推進の中核機関として、身近な場所で安心して相談できる出張相談会や訪問、アウトリーチに、積極的に取り組んでいきます。 図表【出張相談実績】 ・開催場所 元年度6箇所 2年度7箇所 3年度14箇所 4年度16箇所 ・開催回数 元年度96回 2年度50回 3年度120回 4年度165回 ・相談人数 元年度146人 2年度155人 3年度254人 4年度393人 施策2 介護・福祉サービス基盤の整備と家族介護者等への支援の充実 現状と課題 ・介護保険制度は創設から20年以上が経過し、高齢化の進行とともに区の要支援・要介護認定者数は制度創設時のおよそ2.5倍を超え、介護や支援が必要となった高齢者とその家族を支える制度として定着しています。 ・令和6年2月に区が実施した人口推計では、高齢者人口は増加の一途をたどる見込みです。このうち75歳以上の後期高齢者人口は、令和7年(2025年)に33,764人、令和22年(2040年)に44,360人となり、令和32年(2050年)には、高齢者人口の6割を超える(59,868人)予測となっています。 ・区が令和4年度に実施した「高齢者の生活に関する調査」では、介護などが必要になったときの暮らし方として、約7割の人が介護サービスの利用や家族・親族からの支援を受けながら自宅等で暮らしたいと回答し、約1割の人が施設等での暮らしを希望しています。 ・高齢者人口の増加に伴い、今後も介護サービスの需要は増加が見込まれるため、引き続き、介護サービス基盤の整備を進めていく必要があります。また、同時に担い手となる人材の確保にも取り組む必要があります。 ・国は介護・育児休業法を平成29年に改正して、介護離職を防止し、仕事と介護の両立を可能とするための制度を整えましたが、介護離職や介護離職者の再就職の難しさ、働きながら介護を担う負担の大きさ等の課題が解消されているとは言い難く、区が令和4年度に実施した「在宅介護実態調査」では、介護を主な理由に離職・転職した家族がいると回答した人の割合は1割となっています。 ・区では、介護者・家族の情報交換や心の健康のための支援として、訪問保健相談事業や家族介護者の交流会を開催する等、介護者・家族支援のための様々な事業を行っています。家族介護教室は、延べ参加人数は年々増えているものの、男性の参加が少ない傾向にあるため、男女ともに参加しやすいよう、休日開催などの工夫をしています。 主な取組 ■介護サービス基盤の整備 介護を必要とする高齢者が介護サービス等を利用しながら住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられるよう、地域密着型サービス※の整備を進めていきます。また、様々なサービスを利用しても在宅生活を継続することが困難な中重度の要介護高齢者が必要なサービスを受けられるよう、特別養護老人ホームの整備も進めていきます。 介護サービスの充実に当たっては、在宅サービスと居住・施設サービスのバランスを考慮するとともに、区独自の利用者負担軽減制度の実施など、低所得者への配慮を行っていきます。 ■家族介護者の支援 家族介護者等を支援するため、専門職による相談事業に加えて、介護者同士の交流会の開催や、負担軽減のための介護知識や技術習得のための講座、認知症の人と家族の応援ボランティア養成講座等を実施していきます。また、介護を担う家族等が相談しやすいよう、地域包括支援センター※の平日夜間及び土曜日の開設を継続していきます。 ■重症心身障害児※(者)と家族の支援 障害のある人は、高齢化、障害の重度化、日常的に医療的ケア※を必要とする等、様々な状況で地域生活をしています。また、障害のある人を支援している家族の高齢化が進み、介護や病気等の事情により支援することが困難な場合が生じることがあります。在宅生活を支える居宅介護事業、緊急時に対応するための短期入所、医療的ケアを必要とする場合に訪問看護師を派遣する在宅レスパイト・就労等支援事業を実施していきます。 図表【介護が必要になったときに希望する暮らし方】 ・回答者1987人 ・主に介護サービスなどを利用して、自宅で暮らしたい44.5% ・主に家族や親族から介護や支援を受けながら、自宅で暮らしたい20.0% ・高齢者向けの住宅に住み替えて、介護サービスなどを利用しながら暮らしたい8.8% ・特別養護老人ホームに入りたい5.1% ・有料老人ホーム、認知症高齢者グループホームなどで暮らしたい4.4% ・その他1.3% ・わからない13.0% ・無回答2.9% 〔資料〕目黒区高齢者の生活に関する調査(調査期間:令和4年10月〜11月) 図表【家族介護者が求める支援】 ・回答者1018人(複数回答) ・介護者の病気・急用など緊急時に利用できる訪問サービス・宿泊サービスなど53.4% ・ショートステイなど、介護者の休養などに充てる時間ができる介護サービス41.5% ・介護に関する費用負担の軽減37.1% ・日常の家事援助や通院の付き添いなどの支援31.4% ・夜間・休日にも開設している相談窓口20.2% ・家族介護の当事者や経験者同士が気軽に相談・情報交換できる場15.9% ・介護のコツなどが学べる家族介護教室10.2% ・声かけや見守りなどの地域の支え8.8% ・その他3.7% ・特にない9.5% ・無回答6.5% 〔資料〕目黒区在宅介護実態調査(調査期間:令和4年10月〜11月) イラスト【特別養護老人ホーム(国家公務員宿舎駒場住宅跡地)完成予想図】 施設の概要 @特別養護老人ホーム:定員84人(ユニット型:全室個室) A併設ショートステイ:定員12人(ユニット型:全室個室) B防災拠点型地域交流スペース:整備面積:約200u C小規模多機能型居宅介護:登録定員29人、通い定員18人、宿泊定員9人 D認知症対応型通所介護:定員12人 主な事業 (種別)重点 (事業名)地域密着型サービスの整備促進 (事業概要)認知症などの高齢者が住み慣れた地域で生活が続けられるよう、民間事業者による地域密着型サービスの整備を支援します。 (担当課)高齢福祉課、介護保険課 (事業の実施状況(令和5年度))・認知症高齢者グループホーム※:14か所30ユニット ・小規模多機能型居宅介護:6か所 ・看護小規模多機能型居宅介護:2か所 ・認知症対応型通所介護:5か所 (事業目標 前期(6〜8年度))・認知症高齢者グループホーム:6ユニット整備 ・(看護)小規模多機能型居宅介護:1か所整備 ・小規模多機能型居宅介護:1か所開設(国家公務員宿舎駒場住宅跡地の活用) ・認知症対応型通所介護:1か所開設(国家公務員宿舎駒場住宅跡地の活用) (事業目標 後期(9〜10年度))・整備(第10期介護保険事業計画で定める) (種別)重点 (事業名)特別養護老人ホームの整備促進 (事業概要)中重度の要介護者の増加に対応するため、民間事業者による特別養護老人ホームの整備を支援します。 (担当課)高齢福祉課、介護保険課 (事業の実施状況(令和5年度))・特別養護老人ホーム:9か所(区内) (事業目標 前期(6〜8年度))・1か所開設(国家公務員宿舎駒場住宅跡地の活用) ・新規整備の検討 (事業目標 後期(9〜10年度))・整備(第10期介護保険事業計画で定める) (種別)継続 (事業名)高齢者施設に係る区有地、国・都有地、既存施設の活用の促進 (事業概要)介護サービス基盤等の整備に当たり、区有地、国・都有地、既存施設等の活用を検討し、民間事業者の参入を促進します。 (担当課)高齢福祉課、介護保険課、資産経営課 (事業の実施状況(令和5年度))・国有地を活用した特別養護老人ホームの整備(国家公務員宿舎駒場住宅跡地の活用) ・活用の検討 (事業目標 前期(6〜8年度))・国有地を活用した特別養護老人ホームの整備、開設(国家公務員宿舎駒場住宅跡地の活用) ・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)ショートステイ事業 (事業概要)在宅の要介護高齢者の心身の状況の変化や介護者の病気、冠婚葬祭、出張等の際にショートステイの利用を促進し、介護者を支援していきます。 (担当課)高齢福祉課、介護保険課 (事業の実施状況(令和5年度))・短期入所生活介護(特別養護老人ホーム併設9か所) ・短期入所療養介護(介護老人保健施設1か所、介護医療院1か所)(空床利用) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・特別養護老人ホーム併設短期入所生活介護1か所開設(国家公務員宿舎駒場住宅跡地の活用) (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)緊急ショートステイ事業 (事業概要)介護者の急病、冠婚葬祭、介護疲れ等により、在宅の要介護高齢者が介護を受けられない場合に、緊急に利用が可能なショートステイのベッドを確保します。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・区立特別養護老人ホーム(2床) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)病院ショートステイ事業 (事業概要)医学的管理が必要なため、ショートステイの利用が困難な状態の在宅療養高齢者に区内病院のベッドを確保します(介護保険対象外)。事業の実施においては、在宅療養支援病床事業との調整を図っていきます。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・区内病院4か所(4床) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)訪問保健相談事業 (事業概要)家族介護者等に対して、心身機能の低下の防止と健康の保持増進を図ることを目的に、訪問指導員(保健師、看護師、理学療法士等)が自宅を訪問し、保健相談を行います。家族介護者自身の健康に関する相談や具体的な介護方法の助言及び介護負担感を軽減するための精神的支援等を行い、介護者支援の充実を図ります。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・訪問保健相談事業の実施 ・訪問指導員研修会の実施(年2回) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)家族介護者の交流機会の充実 (事業概要)家族介護者が社会から孤立することなく、介護者同士の交流を深め、精神的な負担の軽減や介護に関する情報交換などを行える場として「介護者の会」「コミュニティカフェ」「Dカフェ(認知症カフェ)」を開催します。ボランティアの養成等により運営を支援するほか、地域包括支援センターの認知症支援コーディネーターを中心に相談支援の充実を図ります。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・「介護者の会」5か所(月1回、各地区で開催) ・「コミュニティカフェ」区内3か所 ・「Dカフェ(認知症カフェ)」NPO法人Dカフェまちづくりネットワークが区内に12か所運営 ・認知症支援コーディネーターの配置 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)新規 (事業名)家族介護教室 (事業概要)家族介護に係る知識や技術の普及及び家族間の交流を図るとともに、家族の身体的及び精神的負担の軽減を目的に、家族介護教室を実施します。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・家族介護教室の実施:年5回程度 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)地域包括支援センターの相談支援体制の充実(再掲) (事業概要)働く家族介護者が相談しやすいように、夜間・土曜日にも窓口を開設します。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・開設時間延長及び土曜日開設実施(月曜〜金曜日:午後7時まで延長、土曜日午前8時30分〜午後5時) ・出張相談会の実施(各地区月2〜4回) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)障害のある人の短期入所事業 (事業概要)障害のある人が、本人や介護者等の事情により、一時的に利用できる短期入所サービスを提供します。 (担当課)障害施策推進課、障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・短期入所:5床 ・緊急一時施設保護事業:1床 ・区外施設(区独自事業):4床 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)重症心身障害児(者)と家族の支援 (事業概要)在宅の医療的ケアを必要とする重症心身障害児(者)を対象に訪問看護師を派遣する在宅レスパイト・就労等支援事業を実施します。 (担当課)障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・契約訪問看護ステーション数25か所 ・実利用者数32人 ・派遣回数468回(5年12月末実績) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 施策3 生活支援サービスの充実 現状と課題 ・ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯、認知症高齢者等、日常生活での支援を必要とする高齢者が増える一方で、それを支える生産年齢(15〜64歳)人口の減少が見込まれており、その乖離が増幅していくことが予想されます。こうした中、専門職が提供する介護保険サービスの充実と合わせて、地域住民やボランティア等、多様な担い手による生活支援サービスの充実が求められています。 ・介護予防・日常生活支援総合事業では、介護事業者による訪問型・通所型のサービスとともに、住民主体の支え合い事業等を実施し、高齢者の介護予防や健康づくり、生活支援サービスを提供しています。 ・生活支援体制整備事業では、区内5地区に社会福祉協議会の生活支援コーディネーターを配置し、地域資源の把握と地域住民の関係づくりを進めるとともに、住民主体で運営する地域の話し合い・連携の場である協議体で、地域課題の共有、地域住民やボランティア等による生活支援サービスの創出に向けた取組を行っています。協議体では、各地域における新たな居場所づくりや生活支援サービスの構築に向け、子育て世代も含めた多世代との交流や、新たな担い手となる地域住民やボランティアとの連携強化に向けた取組が必要となっています。 ・ひとり暮らし等の高齢者への支援としては、緊急時や災害時の安否確認や避難支援につなぐことができるように「ひとりぐらし等高齢者登録」を実施するとともに、登録者の実情に応じて配食サービスなど様々な生活支援サービスを提供しています。 ・新型コロナウイルス感染症の影響により、住民主体の活動等が制約を受けましたが、オンラインの活用などで一部の活動が継続されました。多様な実施方法が参加者の幅を広げていくことも考えられ、引き続き工夫していくことが必要です。 主な取組 ■高齢者のニーズをとらえた生活支援サービスの充実 高齢者が住み慣れた地域で安心して可能な限り自立した生活を送れるよう、社会状況の変化や高齢者のニーズを的確にとらえて、介護予防や健康づくり、生活支援のサービスを充実させ、地域で高齢者を支える仕組みを構築していきます。 生活支援サービスの創出に取り組む生活支援コーディネーターや住民主体の協議体と、地域課題を抽出する地域ケア会議が連携し、地域資源の把握・開発を通じて生活支援や介護予防のサービスの充実を図ります。 ■生活支援体制整備事業における協議体活動の推進 生活支援体制整備事業では、地区ごとの第2層協議体において多様な支え合い活動団体のネットワークを構築し、新たな生活支援サービスの創出に向けて取り組みます。区全域を対象とした第1層協議体では、第2層協議体間のネットワークの構築や、各協議体の取組と地域課題等の情報共有を図るとともに、区民や地域づくり関係者等が参加する学びと対話の機会を提供していきます。 協議体の会議が形式的なものにならないよう、実質的にできることを見極めて取組を進めていくことが大切です。具体的には、活動団体のリスト化や地域活動のリーダー等による講座や座談会を開催して、地域資源の把握や活動の知識・理解を深める取組、居場所づくりや地域の支え合い活動を紹介した住民向けの広報紙の発行などにより、新たな居場所や担い手の確保を図るといった取組を進めていくことが考えられ、区は必要な支援を行っていきます。 主な事業 (種別)重点 (事業名)生活支援体制整備事業の効果的な推進 (事業概要)地域の組織・機関・団体や住民などが連携し、多様な日常生活上の支援体制の充実・強化や社会参加の促進を一体的に図るため、「生活支援コーディネーター」や「協議体」による、制度外の様々な支援策を発見・創出する取組を行います。 (担当課)健康福祉計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・第2層協議体による地域課題の共有及び生活支援サービスの創出 ・第1層協議体による区全体の課題共有 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・地域づくり、参加支援を通じた新たな居場所の充実 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)介護予防・生活支援サービス事業の充実 (事業概要)介護予防・日常生活支援総合事業において、要支援者等に対し、介護予防と生活支援を目的とした訪問型・通所型サービスを実施します。 (担当課)介護保険課 (事業の実施状況(令和5年度))・訪問型・通所型による「予防給付相当サービス」「区独自基準サービス」「支え合い事業」「短期集中予防サービス」の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)ひとりぐらし等高齢者登録 (事業概要)ひとり暮らしや高齢者のみの世帯の人に緊急連絡先や電話番号などを登録していただき、緊急時や災害時の安否確認、避難支援につなげます。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・登録者数 6,681人(5年12月末現在) (事業目標 前期(6〜8年度))・1年当たりの新規登録者数900人 (事業目標 後期(9〜10年度))・1年当たりの新規登録者数1,000人 (種別)継続 (事業名)非常通報システム設置事業 (事業概要)ひとり暮らし等高齢者が自宅内で急病や事故が起きた際に、専用通報機でコールセンターに連絡し、緊急の場合には救急車の手配や緊急連絡先への連絡を行う非常通報システムを設置します。また、要件を満たす人には、一定時間内に利用者の動きがない場合にセンサーが自動通報する生活リズムセンサーの併設を促していきます。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・設置台数 636台(うち生活リズムセンサー併設164台。5年12月末現在) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)配食サービス (事業概要)ひとり暮らし等高齢者の安否確認と食の確保を目的としてお弁当を自宅に届けます。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・利用者数 598人、延べ83,367食(5年11月末現在) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)高齢者在宅支援ヘルパー派遣事業 (事業概要)ひとり暮らし等高齢者に、介護保険では対応できない銭湯や理美容室、病院内での介助を行う外出支援サービスを提供します。また、身体上の急変等により一時的な介護が必要な人や生活環境の改善が必要な人にヘルパーを派遣します。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・延べ支給人数229人(5年12月末現在) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)会食サービスの実施 (事業概要)地域の居場所である「地域交流サロン」において、管理栄養士によるきめ細かな栄養相談・指導や栄養バランスの取れた食事の提供を実施することで、在宅高齢者の閉じこもり防止や食生活の改善、健康の増進を図ります。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・区内6か所で実施(新型コロナウイルス感染症の影響により中止していたが5か所は年度後半から再開) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 ・新規2か所開設 施策4 在宅医療と介護・福祉の連携 現状と課題 ・医療・介護双方のニーズを有する高齢者の大幅な増加が見込まれる中で、医療・介護が有機的に連携し、住み慣れた地域で医療・介護を継続して受け続けることのできる体制の一層の整備が求められています。 ・区では、医療、介護をはじめとする様々な地域資源の連携により、高齢者等が安心して在宅療養生活を送ることのできる地域づくりを推進するため、医療・介護に係る関係団体及び地域包括支援センター※で構成する在宅療養推進協議会を設立して、在宅医療と介護のネットワークを構成するとともに、各地域包括支援センターでは、在宅療養相談窓口を設置して、在宅療養コーディネーターを配置し、地域の在宅療養に関する相談に対応しています。 ・令和2年度からは、「重症心身障害児通所支援事業所あいりぃず」を開設して、医療的ケア※が必要な児童を含む重症心身障害児※が地域で必要な支援を円滑に受けることができるよう、就学前及び就学後の療育体制の整備を図ってきました。 ・「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」※の構築を推進するために、保健、医療、福祉、医療機関等との緊密な連携を図り、障害者へのアウトリーチ※が必要です。 ・医療や介護、福祉、健康づくり部門が庁内連携を密にするとともに、取組を総合的に進める人材を育成・配置し、あわせて、PDCAサイクル※に沿った事業展開を行っていくことが必要です。 主な取組 ■切れ目のない在宅医療と介護・福祉サービスの提供体制の推進 在宅で療養する方やその家族が安心して在宅療養生活を継続できるよう、地域の医療・介護・福祉関係者の協力を得ながら、切れ目なく在宅医療と介護・福祉のサービスが提供される体制構築のために、在宅療養支援病床の確保や医療的ケアが必要な児童等への支援を実施していきます。 ■医療・介護関係者の連携強化 医療や介護が必要な状況になっても在宅療養生活を安心して継続できるよう、多職種がお互いを理解し、地域の中で連携・協働していくための研修等を実施し、顔の見える関係づくりを進めます。 また、在宅療養者が安定的に質の高いサービスを受けられるよう、医療や介護の事業者間の情報共有や自主研修の機会を支援します。 ■四つの場面での多職種連携 医療と介護の連携が特に求められる四つの場面(日常の療養支援、急変時の対応、入退院支援、看取り等)で、各場面に応じた連携の現状と課題を整理して多職種の連携を一層推進します。 ■在宅療養・介護連携に関する相談支援 引き続き、各地域包括支援センターの在宅療養・介護連携を支援する相談窓口で、在宅療養が必要な方や家族、地域の医療関係者等から在宅医療・介護連携に関する相談等を受け付け、連携調整や情報提供を行います。また、質の高い在宅療養相談業務を行えるよう、在宅療養相談業務向上研修を実施します。 ■地域の医療・介護資源の把握・情報提供 在宅療養を支える診療所、歯科診療所、薬局、介護事業者の情報を掲載した「在宅療養資源マップ(冊子版)」を配布するとともに、「医療・介護資源情報システム(電子版)」を運用していきます。 ■区民への啓発 在宅医療・介護に関する情報を広く普及し、住み慣れた地域で最期まで暮らし続けるための準備や看取りについて考える機会として、引き続きパンフレット等を作成し配布していきます。また、在宅医療や介護が必要になる前から、一人ひとりが家庭や地域でどのような生活を送りたいか等を考える機会となる啓発事業として、出前講座を実施していきます。 主な事業 (種別)継続 (事業名)在宅療養のための地域資源の情報提供 (事業概要)在宅療養を必要とする人が住み慣れた地域で安心して在宅療養生活を送るため、地域の病院・診療所、歯科診療所、薬局、介護事業者等の情報を提供します。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・冊子版「在宅療養資源マップ」の配布 ・電子版「医療・介護資源情報システム」の運用 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 ・冊子版「在宅療養資源マップ」の改訂・配布 (種別)継続 (事業名)在宅医療と介護・福祉の連携 (事業概要)医療・介護関係者間の連携を円滑にするため、多職種による研修を、区主催及び地域包括支援センター主催で実施していきます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・在宅医療と介護の連携に関する研修会(全区型・地区型)の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)区民への啓発事業及び在宅療養相談窓口の充実 (事業概要)在宅医療や介護に関する情報を広く区民に提供するための啓発や出前講座等を行い、地域包括支援センター職員による相談業務向上のための研修を実施します。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・各地域包括支援センターの在宅療養相談窓口の設置 ・在宅療養相談業務向上研修 ・各地域包括支援センターでの出前講座 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・在宅療養相談窓口に関するリーフレットの作成・配布 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)新規 (事業名)在宅療養支援病床の確保 (事業概要)在宅療養生活を安心して送るために、病状の急変等により、一時的な入院治療が必要にも関わらず、他に入院先がない場合の病床を確保します。事業の実施においては、病院ショートステイ事業との調整を図っていきます。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・区内4か所の病院で在宅療養支援病床確保事業を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)医療的ケアが必要な児童等への支援 (事業概要)重症心身障害児(医療的ケア児を含む)が地域で必要な支援を円滑に受けることができるよう、就学前及び就学後の療育体制整備を図ります。また、区内の重症心身障害児通所支援事業所において、重症心身障害児の児童発達支援及び放課後等デイサービス※事業の両事業を行う多機能型事業を実施します。 (担当課)障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・児童発達支援事業と放課後等デイサービス事業の両事業を行う多機能型事業所が支援サービスを実施 ・医療的ケア児支援関係機関協議会の開催 ・医療的ケア児の放課後等支援事業への支援策検討・実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・医療的ケア児の放課後等支援事業への支援策検討・実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 施策5 介護・福祉人材の確保・定着・育成とサービスの質の向上 現状と課題 ・国は、第8期介護保険事業計画(令和3年度〜5年度)の介護サービス見込量等に基づき都道府県が算出した介護職員の必要数を集計し、令和7年度(2025年度)には約243万人、令和22年度(2040年度)には約280万人に達すると推計しています。 ・少子・高齢化の進展等により、全国的に令和7年(2025年)から令和22年(2040年)にかけて生産年齢人口の急激な減少が予測され、人手不足の問題は福祉分野全体でより一層深刻となることが見込まれます。さらに、現状の福祉人材の高齢化は、将来の人材不足に拍車をかけることになります。 ・国は、令和7年(2025年)までに約32万人の介護人材を確保するため、@介護・福祉職員の処遇改善、A多様な人材の確保・育成、B離職防止・定着促進・生産性向上、C介護職の魅力向上、D外国人材の受入環境整備など総合的な介護・福祉人材確保対策に取り組んでいます。 ・令和6年度の報酬改定においては、人口構造や社会経済状況の変化を踏まえ、サービスの充実や介護・福祉人材の確保等を図るため、介護報酬1.59%、障害福祉サービス等報酬1.12%の増改定が行われることとなりました。 ・区が、令和4年度に実施した「サービス提供事業所調査」では、約6割の事業所が職員の確保・離職対策が課題であると回答しており、令和元年度に実施した同調査の回答割合を大きく上回っています。 ・区では、介護・福祉人材確保策として、介護職員等の宿舎借上げの支援、介護事業所及び障害福祉サービス事業所を対象とした「めぐろ福祉しごと相談会」などを実施していますが、増加する福祉ニーズに対応するためには、これまでの取組の効果検証を踏まえ、改善・充実を図りながら、より一層の対策を講じていく必要があります。 ・福祉分野に共通する深刻な人材不足の課題を解消するとともに、複雑化、多様化した支援ニーズに対応していくためには、介護、高齢者、障害者、児童の福祉など、従来の制度・分野の枠を超えた人材の確保・育成が求められます。他自治体の取組を研究し、介護・福祉人材センターなど新たな取組を検討していくことも必要です。 主な取組 ■介護・福祉人材の確保・定着・育成 福祉に関わる人材の確保及び定着・育成を推進するため、福祉職場の魅力ややりがいの周知、研修や労働条件の改善、及び多様な働き方に対応した人材の確保などの取組について、区と事業者が連携して推進し充実を図ります。また、職員等の宿舎借上げやめぐろ福祉しごと相談会などの支援を継続するとともに、事業者へのヒアリングや事業の検証を行い、東京都の福祉人材対策と連携・調整を図りながら、より効果的な支援ができるよう支援内容の向上に努めます。 介護福祉士などの専門職が専門業務に専念できるよう、専門職でなくても担える業務を行う「介護助手」の活用について研究し、介護業務の負担軽減に取り組みます。 ■ICT※機器や次世代介護機器の活用の推進 今後、福祉人材の確保はより難しい状況になるものと見込まれます。限りある人的資源で増加する介護ニーズを支えていくため、ICT機器や次世代介護機器の活用の推進を支援し、介護業務の負担軽減と業務の効率化を図ります。 ■苦情対応等の体制の充実 区の窓口等に寄せられる介護・福祉サービスに関する苦情は、利用するサービスに付随する周辺サービスにも影響が及び、複数の関係機関等への調査が必要な場合があり、きめ細かい丁寧な対応が求められます。関係機関との連携とともに定期的な情報共有を行い、適切な対応方法について研究を行います。 ■介護・福祉サービス事業者の指導・育成 サービスの質の向上については、区では従前から行っている実地による運営指導に加え、オンラインによる集団指導等を実施し、事業者の自主的な運営状況の点検を支援するなどして、指導検査、監査の効果的・効率的な運用を図ります。 ■サービスの評価・公表の充実 第三者によるサービスの客観的な評価結果を広く公表し、利用者との情報共有を行うとともに、サービスの質の向上に向けた事業者の取組を支援します。 図表【サービス提供事業所の運営上の課題】 ・回答者152人(複数回答) ・職員の確保、離職対策63.8% ・職員の育成57.9% ・人員不足などにより、利用者のニーズに対応できない51.3% ・介護報酬の低さ、採算性42.1% ・新規利用者の獲得が困難38.8% ・利用者の重度化19.1% ・ICT化(情報通信技術活用)への対応15.1% ・ケアマネージャーや他の事業所との連携14.5% ・医療機関との連携11.2% ・苦情や事故への対応9.2% ・その他2.6% ・特にない0.7% ・無回答0.0% 〔資料〕目黒区サービス提供事業所調査(調査期間:令和4年10月〜11月) 主な事業 (種別)重点 (事業名)運営事業者への宿舎借上げ補助事業 (事業概要)介護・看護従事職員の人材確保が難しい民間特別養護老人ホームと民間障害者グループホーム※等に対して、職員が入居するための宿舎借上げに係る経費の一部を補助します。また、都の補助事業を踏まえて効果的に運用するため、更なる支援につながるよう事業の再構築に向けた検討を進めます。 (担当課)高齢福祉課、障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・区内の民間特別養護老人ホーム及び民間障害者グループホーム等に対して、職員の宿舎借上げに係る補助事業を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・事業再構築に向けた検討 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)めぐろ福祉しごと相談会の充実 (事業概要)人材確保が難しい区内の介護事業所と障害福祉サービス事業所を対象に、ハローワーク等と連携して合同採用相談会を実施します。また、相談会を通じて福祉職場の魅力ややりがいを伝えていきます。 (担当課)高齢福祉課、障害施策推進課、障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・めぐろ福祉しごと相談会の実施(年2回) (事業目標 前期(6〜8年度))・福祉職場の魅力の発信・強化を図る取組の検討・実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)介護職員初任者研修及び実務者研修の受講費用助成 (事業概要)介護人材の確保・定着・育成を支援するため、介護職員の初任者研修及び介護職員実務者研修の受講費を助成して、就職のインセンティブと質の向上の両面から区内事業所を支援します。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・「介護職員初任者研修課程」及び「介護職員実務者研修課程」の受講料助成事業の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)介護・福祉人材育成事業 (事業概要)介護・福祉人材の育成によるサービスの質の向上と、離職防止を目的として、区内介護事業所の職員等を対象とした「介護職員スキルアップ研修」を実施します。併せて、介護事業所等の職員が悩みを相談できる「なんでも相談窓口」を実施します。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・介護職員スキルアップ研修(年11回) ・なんでも相談窓口(電話:毎週水曜日、メール:随時) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)新規 (事業名)特別養護老人ホーム職員研修費等助成事業 (事業概要)区内の民間特別養護老人ホームにおける人材の安定的確保及びサービスの質の向上を図るため、施設等に勤務する職員の研修等に係る費用の一部を助成します。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・他自治体における取組事例の調査・研究 ・事業実施に向けた検討 (事業目標 前期(6〜8年度))・事業実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)介護支援専門員に対する研修 (事業概要)ケアマネジメントの質の向上を目的として、介護支援専門員を対象に、ニーズを踏まえた研修を実施します。 (担当課)介護保険課 (事業の実施状況(令和5年度))・介護支援専門員新任研修1回 ・介護支援専門員現任研修1回 ・主任介護支援専門員研修1回 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)民間障害福祉サービス従業者養成研修事業助成 (事業概要)障害福祉サービス事業所に、従事者の研修受講費用や養成研修実施費用を補助し、事業者の人材育成を促進します。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・事業所等が負担する研修受講費用、研修実施費用を助成 (事業目標 前期(6〜8年度))・事業効果や事業者ニーズの検証等を踏まえた取組 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)民間障害者福祉施設職員健康相談事業 (事業概要)社会福祉協議会が実施する小規模民間障害福祉サービス事業所に対する健康相談事業の経費を補助し、職員の健康管理・人材定着を図ります。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・民間の障害福祉施設職員に対して、健康相談、ストレスチェック、メンタルヘルス講習を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)障害者の相談支援事業所の人材確保・育成・定着 (事業概要)区と相談支援事業所が連携し、相談支援業務を担う人材がより働きやすい環境づくりを進めます。地域における障害分野の中核的な役割を担う基幹相談支援センター※において、相談支援事業所に対する支援や専門的な研修等を行い、地域の相談支援体制の強化及び、支援力の向上を図ります。 (担当課)障害施策推進課、障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・基幹相談支援センターによる相談支援事業所への支援、専門的な研修や事例検討会等の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・相談支援事業所と連携した人材確保・育成・定着に向けた取組 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)目黒区主任介護支援専門員連絡会への支援 (事業概要)同会に対して、活動の支援を行うとともに、介護支援専門員の資質向上を図るため、研修や講演会の開催を支援し情報提供を行います。また、研修や講演会の開催に当たっては、リモート会議等のICTの活用を進めます。 (担当課)介護保険課 (事業の実施状況(令和5年度))・連絡会支援(研修や講演会等) ・リモート会議等のICTを活用した研修や講演会の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)目黒区介護事業者連絡会への支援 (事業概要)同会に対して、活動の支援を行うとともに、良質な介護サービスを提供するために、介護職員に必要な研修や講演会の開催を支援し情報提供を行います。研修や講演会の開催に当たっては、リモート会議等のICTの活用を進めます。 (担当課)介護保険課 (事業の実施状況(令和5年度))・全体会(情報交換、制度改正等の勉強会、研修等) ・各分科会(勉強会・意見交換会等) ・目黒区医師会との連携の機会や保健・衛生に関する知識習得を目的とした委託研修 ・リモート会議等のICTを活用した研修や講演会の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)新規 (事業名)分野横断的・多様な働き方に対応した福祉人材の育成 (事業概要)複雑化・多様化した福祉サービスに応えるため、福祉の各分野の枠を超え、多様な働き方にも対応した人材の確保・育成について、人材育成センターの設置を含め、その方法や体制等を検討します。 (担当課)健康福祉計画課、高齢福祉課、介護保険課、障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・他自治体における取組事例の調査・研究 (事業目標 前期(6〜8年度))・効果的な事業実施に向けた課題整理 ・具体的な支援策の検討・実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・具体的な支援策の実施 (種別)新規 (事業名)ノーリフティングケア推進事業 (事業概要)移動・昇降用リフトなど職員の腰痛予防につながる福祉機器の導入経費の一部を補助します。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・区内の民間特別養護老人ホームに対して、職員の腰痛予防につながる福祉機器の導入に係る補助事業を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)新規 (事業名)ICT機器活用による特別養護老人ホーム業務の効率化 (事業概要)特別養護老人ホームにおいて、職員の負担軽減及び業務の効率化を図るため、ICT機器を活用できる環境整備又はその支援を行います。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・区立特別養護老人ホーム1か所(中目黒)でWi−Fi環境整備完了 (事業目標 前期(6〜8年度))・区立特別養護老人ホーム2か所(東が丘・東山)でWi−Fi環境整備 (事業目標 後期(9〜10年度))― (種別)継続 (事業名)第三者評価制度の推進 (事業概要)区立施設において第三者評価機関による客観性を持ったサービス評価を受審し、結果を公表します。民間施設には、運営事業者に受審費用を補助するなど受審を勧奨します。 (担当課)介護保険課、高齢福祉課、障害施策推進課、障害者支援課、保育課 (事業の実施状況(令和5年度))・区立施設で第三者評価実施(特別養護老人ホーム、障害者・児施設、保育所) ・民間施設に受審費用補助(認知症高齢者グループホーム等、障害者施設、保育所) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)事業者指導・監査の充実 (事業概要)区内事業者が事業の運営を円滑に行い、サービスの質の確保と適正な給付が行われるように、また、区内の社会福祉法人が適切な法人運営を行うように指導内容の充実に努め指導検査を実施します。また、ICTを活用した集団指導等を通して事業者自らが運営状況を確認できるよう支援します。 (担当課)健康福祉計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・区内介護・障害福祉サービス事業者、社会福祉法人を対象に指導検査を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・ICTを活用した集団指導等の充実 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)保健福祉サービス苦情調整委員制度の推進 (事業概要)保健福祉サービスに関する苦情等を中立的な立場で受け、区民等の権利及び利益の保護を図るとともに、事業者、関係機関等に対する調査を実施し、勧告等を行うことにより、提供される保健福祉サービスの質の向上を図ります。 (担当課)健康福祉計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・苦情の申立てを受け、調査を実施 ・事業者、関係機関等に対して勧告又は意見表明を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・事業実績の検証 ・更なる利便性向上策の検討・実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 基本目標4 生涯現役社会・エイジレス社会の推進 人生100年時代において、いつまでも元気で心豊かに過ごすには、健康な状態をより長く維持し、生きがいのある生活を送ることが大切です。区民一人ひとりが介護予防・フレイル※予防に取り組むとともに、全ての年代の人々が希望に応じて意欲や能力を生かして活躍できるエイジレス社会を目指して、仕事や学び、趣味、地域活動の機会を持ち続けられるよう、環境の整備を進めます。 高齢期は、「第二の人生の到来」又は「現役期間の延長」へと変化しています。高齢期の様々な生活の態様や加齢に伴う変化に対応していけるよう、中高年齢のプレシニア期から生涯を通じた、その人に合ったライフキャリア(経験を踏まえた人生設計・生き方)を築くことを支援していきます。 新型コロナウイルス感染症の影響により、社会参加の機会が減ったことで、身体的な衰えや心身の健康に影響が出ることが懸念されています。社会とのつながりを持つことはフレイルや認知症のリスクの低下につながるため、感染症対策を図りながら、ICT※も活用して高齢者の多様な社会参加の場と機会の提供に取り組みます。 施策一覧 施策1 介護予防・フレイル予防の推進 施策2 社会参加・居場所づくり・就労支援の推進 施策1 介護予防・フレイル予防の推進 現状と課題 ・介護予防を推進していくためには、機能回復訓練など高齢者本人へのアプローチだけではなく、地域の中で生きがいや役割を持って生活できるような居場所づくり等、高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めたバランスのとれた取組が重要です。このため、住民自身が運営する活動を地域に広げていき、人と人とのつながりを通じて参加者や通いの場が継続的に拡大していく地域づくりが求められています。 ・区では、自主グループの養成や活動支援等に力を入れており、介護予防のためのオリジナル体操「めぐろ手ぬぐい体操」の普及や「シニア健康応援隊」(介護予防リーダー)の養成を行うなど、住民主体の介護予防活動の推進を図るとともに、「めぐろフレイル予防プロジェクト」を立ち上げ、フレイルチェック会やフレイルサポーター養成講座を実施し、フレイル予防という視点でも区民へのアプローチを図っています。 ・また、介護予防を効果的に展開するため、地域リハビリテーション活動支援事業として、介護予防に資する自主活動団体やケアマネジャーによる介護予防ケアマネジメントに対し、関係団体と連携し、専門職の視点から助言等を行っています。 ・加齢に伴う心身の衰えは、早期に気づき、身体機能の維持・向上を図ることが重要となるため、区では定期的に「介護予防通信」の発行やめぐろ区報への特集記事掲載等による普及啓発を行っています。 ・新型コロナウイルス等感染症対策として、自宅で取り組める事業の実施や開催方法の工夫等が求められている中、区では、講座や教室等の開催に当たっては感染状況を注視して事業実施を判断するとともに、開催時には感染症対策に十分な配慮を行うよう努めています。また、「めぐろ手ぬぐい体操」のYouTube配信や一部講座をオンライン開催するなど、外出を控えている人が介護予防に取り組むことのできる環境整備に努めています。 主な取組 ■住民主体の活動の推進 住民主体による介護予防・フレイル予防活動は、高齢者の身体機能の維持・向上に加え、認知機能の低下や精神状態の悪化を防ぐ効果が期待できます。区では、今後更に住民主体の活動の活性化や拡充に向けた支援の充実を図ります。 ■参加者の拡充 人との交流を望まない方や新型コロナウイルス感染症の感染を避けるために外出を控えている人、また、通いの場に行きたくても行くことが難しい人なども介護予防に取り組めるよう、事業の実施手段や実施内容等を工夫して参加者の拡充を図ります。 ■普及啓発 介護予防・フレイル予防の推進においては、高齢者本人はもとより、家族等の周囲に対しても理解促進を図る必要があります。また、介護予防・フレイル予防は高齢者になる前からの意識の醸成も重要であるため、現役世代に対しても普及啓発を実施していきます。 ■保健事業と介護予防の一体的実施 これまで医療保険分野と介護保険分野に分かれて実施してきた、生活習慣病※等の疾病予防・重症化予防等の保健事業と介護予防事業の連携を図り、一体的に高齢者を支援していきます。 医療・介護双方のデータを活用して区の健康課題を抽出した上で、より効果的に介護予防・フレイル予防を推進し、健康寿命※の延伸を図ります。 図表【フレイルの認知度】 ・回答者2681人 ・知っている36.8% ・聞いたことはあるが、内容は知らない20.5% ・知らない39.7% ・無回答2.9% 〔資料〕目黒区介護予防・日常生活圏域ニーズ調査(調査期間:令和4年10月〜11月) 図表【加齢による衰え予防のために実践していること】 ・回答者1707人(複数回答) ・外出する70.4% ・運動や体操をする69.9% ・日常生活の中で体を動かす69.1% ・バランスのとれた食生活を心がける68.0% ・お口の健康を心がける(毎日の歯磨きや定期的な歯科検診受診など)67.2% ・趣味や好きなことを楽しむ61.4% ・人と話す51.7% ・脳トレ(パズル・ゲームなど)をする31.5% ・地域の活動に参加する8.9% ・その他6.5% ・無回答0.4% 〔資料〕目黒区介護予防・日常生活圏域ニーズ調査(調査期間:令和4年10月〜11月) 主な事業 (種別)継続 (事業名)介護予防普及啓発事業 (事業概要)「介護予防通信」等による広報を行います。65歳以上(要介護1〜5認定者を除く)の区民に介護予防に関する案内を送付します。 (担当課)介護保険課 (事業の実施状況(令和5年度))・「介護予防通信」広報誌の発行 ・65歳以上の区民23,803人に案内を送付 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)地域介護予防活動支援事業 (事業概要)シニア健康応援隊(ボランティア)を養成します。めぐろ手ぬぐい体操等の介護予防に資する住民主体の活動を支援します。 (担当課)介護保険課 (事業の実施状況(令和5年度))・シニア健康応援隊養成講座を年1回開催 ・介護予防に資する住民主体の活動の立ち上げ・支援(シニア健康応援隊活動拠点支援:12拠点、その他介護予防に資する住民主体の活動の立ち上げ:5グループ。5年12月末時点) (事業目標 前期(6〜8年度))・介護予防に資する住民主体の活動の立ち上げ:年5グループ (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)地域リハビリテーション活動支援事業 (事業概要)地域活動団体など住民主体の活動や、介護予防ケアマネジメントの機会にリハビリ専門職を派遣し、効果的な活動や支援のための助言を行います。 (担当課)介護保険課 (事業の実施状況(令和5年度))・地域活動団体支援:7回 ・介護予防ケアマネジメント支援:9回(5年12月末時点) (事業目標 前期(6〜8年度))・拡充 (事業目標 後期(9〜10年度))・拡充 住民主体の介護予防活動グループ紹介 ・中根つなごう会(めぐろ手ぬぐい体操グループ) 介護予防事業「シニアの部活」から結成したグループ。週1回集まって行う体操のほか、お楽しみも盛りだくさん。メンバーの平均年齢は80歳代、男女和気あいあいのグループで、新しい仲間も増えてきています。 活動内容:めぐろ手ぬぐい体操、ボッチャ、絵しりとり、歌など ・さわやかウォーク‘22(ウォーキンググループ) 介護予防事業「脳に効く!ウォーキング」から結成したグループ。月に一度はメンバーが集まり、どこに出かけるかを相談します。週1回は仲間でウォーキングを実践します。仲間で活動することで、地域の情報や健康に関する知識など情報交換も楽しみの一つです。 ・水曜会(トリム体操グループ) 「介護予防トリム体操教室」から結成した自主グループ。週1回、講師を招いて、トリム体操を続けています。活動に必要な会場確保や会費集め等の役割もメンバーで分担し、コロナ禍でもコツコツと活動を続けていました。“トリム“とは「海に浮かぶ船がバランスを取る」という意味があります。男性の参加者も増え、ますます賑わっています。 施策2 社会参加・居場所づくり・就労支援の推進 現状と課題 ・65歳以上を一律に「高齢者」と見る一般的な傾向はなくなりつつあり、年代に関わらず意欲・能力に応じた力を発揮できるエイジレス社会が到来していると言えます。 ・人生100年時代を見据え、生涯現役社会の実現に向けた取組が重要となり、「支えが必要な人」というこれまでの高齢者のイメージを払拭し、高齢者が自らの知識や経験を生かして「支える人」となる地域社会を実現していくことが求められています。 ・令和4年度に区が実施した「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」では、地域活動に参加する意向がある人の割合は50%強でしたが、「すでに参加している」と回答した人の割合は約4%でした。高齢者の社会参加意向がうかがえる一方で、実際に活動している人は少数にとどまっています。 ・コロナ禍における社会参加の機会の減少に伴い、高齢者のフレイル※進行や地域住民同士のつながりの希薄化が問題となっています。高齢者が気軽に訪れることができる交流の場を増やし、孤立しがちな人に参加を促すための取組が必要となっています。 ・令和4年度に区が実施した「高齢者の生活に関する調査」では、スマートフォンやパソコンなどの通信・通話機器の使用状況として、「スマートフォンを使っている」と回答した人の割合は68%でした。一方で、約12%の人は「どれも使っていない」と回答しており、デジタルデバイドの解消に向けた取組も必要です。 ・この調査で、何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいか尋ねたところ、約19%の人が「働けるうちはいつまでも」と回答しており、全体としては、約40%の人が65歳以降も就労したいと答えています。長年培った技術、豊富な経験を生かして健康で働く意欲のある高齢者に様々な仕事を提供するとともに、地域貢献活動など生きがいづくりや地域社会への参加を促しているシルバー人材センターの役割がますます重要になってきています。 主な取組 ■高齢者の生きがい活動の支援 高齢者が地域社会の中で生きがいや役割を持っていきいきと生活できるようエイジレス社会の実現に向けて高齢者の生きがいづくりや仲間づくりの活動を支援します。 竹の子クラブ(旧名称:老人クラブ)の活動は、高齢者同士のつながりや助け合いの醸成、高齢者の閉じこもり防止に資するため、ポストコロナ時代において、ますます重要となっています。竹の子クラブ運営の自主性を尊重しながら、高齢者の健康増進、教養向上などによる生きがいづくり、仲間づくりに資するよう、竹の子クラブの活動を支援していきます。 ■社会参加の推進と居場所づくり 高齢期の社会参加は生きがいづくりや仲間づくりだけでなく、介護予防や閉じこもり防止にもつながります。このため、高齢者が気軽に訪れることができる交流の場を提供するとともに、広く多世代が交流することのできる地域の居場所づくりを推進することで、高齢者がいつまでも地域とのつながりを持ちながら健康的に暮らしていけるように取り組んでいきます。 また、デジタルデバイドの解消を図りながらICT※を活用し、オンラインでの社会参加等、高齢者の生きがい活動の場を広げる取組も重要になってきています。今後、東京都において導入が予定されている、「人生100年時代社会参加マッチング事業 オンラインプラットフォーム」を活用することで、地域活動に参加意向のある人と、実際に行われている地域活動とをマッチングさせる取組を行うことを検討していきます。 ■高齢期における就労の支援 ハローワークやワークサポートめぐろ等地域の様々な機関と連携して就労の場を提供するとともに、就労並びに社会奉仕等の活動機会を提供しているシルバー人材センターの運営を支援していきます。 また、地域の様々な機関と連携し、就労説明会などを通して、特に人材確保が厳しい状況にある福祉職場への就労を支援します。 図表【コロナ後の暮らしであるとよいサービス】 ・回答者1987人(複数回答) ・困ったときに相談できる場所や人39.8% ・スマートフォンなどの便利機能(ビデオ通話、アプリなど)の使い方講座21.3% ・買い物支援14.7% ・スマートフォンなどの操作体験14.0% ・自宅でできる運動の動画配信13.6% ・見守りサービス13.2% ・オンライン講座(健康増進、趣味、教養の講座など)10.2% ・その他2.3% ・特にない29.5% ・無回答4.6% 〔資料〕目黒区高齢者の生活に関する調査(調査期間:令和4年10月〜11月) 主な事業 (種別)継続 (事業名)竹の子クラブ活動への支援 (事業概要)竹の子クラブの活動に対し、自主性を尊重しながら、生きがいづくり、仲間づくり、地域交流活動の活性化に向けた支援を行います。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・40クラブへの支援 ・竹の子クラブ連合会への支援(5年4月1日現在のクラブ会員数3,486人) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・毎年新規入会者250人程度 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 ・毎年新規入会者250人程度 (種別)新規 (事業名)高齢者センターの機能の充実 (事業概要)高齢者の生きがいづくりや社会参加を支援するための施設である高齢者センターの機能を充実させていきます。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・健康相談、生活相談の実施 ・講習会の実施 ・浴室、娯楽室、集会室の提供 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・地域づくり支援につながる相談機能の充実 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)めぐろシニアいきいきポイント事業の推進 (事業概要)区内在住の高齢者が「いきいきサポーター」として登録し、社会貢献活動を行うことにより、区内共通商品券と交換できるポイントを取得する事業を推進することで、高齢者の生きがいづくり、健康増進及び介護予防を図るとともに、高齢者の社会参加を促します。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・活動場所:15か所 ・活動内容:4事業 ・ステップアップ研修 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・活動場所の拡大 ・ポイントの電子化の検討 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)地域デビューの支援 (事業概要)高齢者が地域の中で役割を持っていきいきと生活できるよう地域活動をはじめるきっかけづくりを行います。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・地域デビュー講座 ・絵本の読み聞かせボランティア養成講座 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・人生100年時代社会参加マッチング事業オンラインプラットフォームの運用開始 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)地域交流サロン事業の推進 (事業概要)在宅高齢者の閉じこもりを防ぐとともに、介護予防などの活動を展開するため、食事の提供、相談、イベント等を開催する「地域交流サロン」事業を推進します。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・区内6か所で実施(新型コロナウイルス感染症の影響により中止していたが4か所は年度後半から再開) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 ・新規2か所開設 (種別)重点 (事業名)高齢者のICT活用支援 (事業概要)オンラインでの社会参加等、ICTの活用により、高齢者の生きがい活動の場を広げ、ひいては高齢者のQOL※の向上を実現するため、高齢者のICT活用を支援するとともに、デジタルデバイド対策にも取り組んでいきます。 (担当課)高齢福祉課、DX戦略課 (事業の実施状況(令和5年度))・スマートフォン、タブレット端末の使い方、各種アプリケーションの使い方等に関する講習会の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・デジタルデバイド対策関連講座の拡充 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)各種講座の開催 (事業概要)中高年の人が仲間をつくり、地域でいきいきと活動できるよう講座(中高年の人の地域参加を促進する社会教育講座)を実施します。 (担当課)生涯学習課 (事業の実施状況(令和5年度))・中高年の人を対象とした社会教育講座の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・毎年2講座の実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 ・毎年2講座の実施 (種別)継続 (事業名)シルバー人材センターへの支援 (事業概要)高齢者を対象に「臨時的かつ短期的又はその他の軽易な就業」を提供しているシルバー人材センターの運営を支援します。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・臨時的かつ短期的な就業や軽易な業務に係る就業機会の開拓、提供の実施 ・シルバー人材センター労働者派遣事業における就業場所の開拓 ・地域貢献活動の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)就労相談の実施 (事業概要)「ワークサポートめぐろ」を設置し、「ハローワーク相談室」と「キャリア相談コーナー」において若年者から高齢者まで広く就労相談に応じます。 (担当課)産業経済・消費生活課 (事業の実施状況(令和5年度))・ハローワーク渋谷の専門相談員による職業紹介や職業相談の実施 ・キャリアアドバイザー(業務委託)による求職者に対する個別相談やミニ講座、就職支援セミナーの実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)新規 (事業名)就労意欲の喚起 (事業概要)シルバー人材センターや地域の介護事業所とも連携し、高齢者の就労意欲を喚起する取組を実施します。 (担当課)高齢福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・シルバー人材センターと連携した就労説明会の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・介護事業所と連携し、福祉職場の魅力をPRして福祉人材の確保を支援 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 基本目標5 障害への理解促進・障害のある人への支援の充実 障害者基本法及び障害者差別解消法の理念に沿って、障害の有無に関わらず、誰もが自ら望む生活のあり方を選択し、必要な支援を受けながら、地域社会の一員として自立し、充実した生活を送ることができる共生社会の実現を目指します。 共生社会の実現には、地域社会全体で障害への理解が促進されることが不可欠です。障害の有無に関わらない多様な交流や、コミュニケーションを支援するための環境整備などを通じて、地域に暮らす人々が相互に理解を深めていく取組を推進します。 あわせて、障害のある人の様々な相談を受け止めながら、教育、就労、地域での暮らしや居住の場など、人生のあらゆる場面で本人の希望が実現できる支援と、意思表示が難しい人の希望を引き出す支援に取り組み、その支援体制を充実させていきます。 施策一覧 施策1 安心して暮らせる地域社会の実現 施策2 自分らしい生活ができる環境整備の推進 施策3 ライフステージや障害特性に応じた自立への支援の充実 施策1 安心して暮らせる地域社会の実現 現状と課題 ・障害のある人が住み慣れた地域で安心して暮らし続けていくためには、地域社会全体の障害理解と、障害者の権利擁護という基盤の下に、いかなる相談も受け止める相談支援体制や、安全・安心な生活環境の整備を進めていくことが必要です。 ・区では障害のある人に対する差別や偏見をなくすため、講演会の実施や広報媒体の活用等による周知啓発に取り組んでいますが、令和4年度に実施した障害者アンケートの結果では、差別をされたと感じたことがある人の割合は14.5%となっており、障害理解・差別解消の取組をより一層推進していく必要があります。 ・区は、障害のある人に対する虐待を防止するため、目黒区障害者虐待防止センターを設置し、障害者虐待に関する相談・通報の受付、立入り調査等を実施するとともに虐待防止に向けた啓発を行っています。しかし、障害者アンケートの結果によると障害者虐待防止センターの認知度が低い状況があり、更なる周知啓発や虐待防止体制の強化の取組を進めていく必要があります。 ・相談支援体制の充実に向けて、開設した地域生活支援拠点※、基幹相談支援センター※について、運営状況の検証等を通じて機能強化に向けた取組を進めるとともに、各相談支援機関や関係機関との連携を強化していくことで、相談支援体制の更なる充実を図っていくことが必要です。 ・障害者アンケートの結果では、将来の暮らしについて、「現在の自宅で暮らし続けたい」という回答が半数以上を占め最多となっています。区では、自宅での暮らしを支える家族の高齢化や「親亡き後」などを見据え、地域で安心して暮らし続けていくための生活基盤として障害者グループホーム※の整備を進めており、今後も整備促進のための取組を積極的に進めていく必要があります。 ・精神障害の有無や程度にかかわらず誰もが安心して自分らしく暮らすことができる地域づくりを進めるためには、差別や偏見のない、あらゆる人が共生できる包摂的な社会を構築していくことが重要となっています。区においては、保健所を中心とした地域精神保健医療福祉の一体的な取組の推進に加えて、地域の協力を得ながら「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」※の構築に向けた取組を進めているところです。 主な取組 ■心のバリアフリー※の推進 障害理解・差別解消の推進に当たっては、日常の中にある自らの体験を通じて理解を深めていくことが重要という視点に立ち、区民向けの講演会や障害のある人とない人の交流事業「めぐろふれあいフェスティバル」等の取組について、企画内容の見直しを図りながら効果的に実施していきます。 ■権利擁護の推進 障害のある人や支援者、障害福祉サービス事業所等の関係機関を対象とした、障害者虐待防止法や目黒区障害者虐待防止センターの役割に関する理解を深めるための講演会や研修会などを充実し、相談や通報を行いやすい環境の整備と相談等に適切に対応していくための体制の強化を図ります。 ■相談支援の充実 地域生活支援拠点や基幹相談支援センターについて、運営状況等の検証と検証結果を踏まえた運営等の見直しや、各関係機関との連携強化に取り組みます。また、地域における障害者等の支援体制に関する課題の共有や、関係機関の連携強化を図る場である目黒区障害者自立支援協議会について、機能強化と役割の明確化に向けた取組を進めます。 ■暮らしの場の整備 障害のある人及び家族の高齢化に伴い、障害者グループホームに対する需要は今後ますます増加していくことが見込まれるため、施設整備費の一部補助や区有地を含む国公有地、空き家の活用など様々な施策を組み合わせながら、グループホームの整備を促進していきます。また、誰もが利用しやすく、安全で安心して快適に暮らし続けることができるよう、関係機関が連携し、公共施設等のユニバーサルデザイン・バリアフリーを推進していきます。 ■保健・医療・福祉の連携強化 区は「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築に向けて、令和3年から目黒区精神保健医療福祉推進協議会を立ち上げ、保健・医療・福祉の連携を強化しています。引き続き、普及啓発、アウトリーチ支援や入院者退院支援など様々な事業を進めていきます。 図表【障害別、差別されたと感じたことの有無】 ・回答者 身体障害684人、知的障害191人、精神障害329人、難病166人 ・されたことがある 身体障害10.7% 知的障害11.5% 精神障害28.3% 難病6.0% ・されたことはない 身体障害75.6% 知的障害47.1% 精神障害48.9% 難病82.5% ・わからない 身体障害13.7% 知的障害41.4% 精神障害22.8% 難病11.4% 〔資料〕目黒区障害者計画策定に関する調査【障害者向けアンケート】(調査期間:令和4年9月〜10月) 主な事業 (種別)重点 (事業名)障害者差別解消に向けた取組(再掲) (事業概要)区民を対象とした講演会の開催や、区の広報媒体の活用等による周知・啓発を図ります。また、職員一人ひとりが、障害のある人へ適切な対応を行うことができるよう、職員に対する定期的な研修を実施します。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・区民を対象とした講演会を開催(年1回) ・めぐろ区報で特集記事を掲載 ・全職員を対象とした研修を実施(年1回) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・興味関心を持って受講できるような講演会内容の検討・実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)交流機会の推進(再掲) (事業概要)障害のある人の日頃の活動の表彰、障害福祉施設等の活動紹介等を行う区民参加型のイベント(めぐろふれあいフェスティバル)の開催や、区立施設が主催するまつり等を通じて、障害のある人とない人が相互に理解を深めるための交流を促進します。 (担当課)障害施策推進課、障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・めぐろふれあいフェスティバルの開催 ・各区立施設等におけるまつりの開催 (事業目標 前期(6〜8年度))・前年度の実施状況を踏まえたイベント企画等についての見直し (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)障害者虐待防止対策の推進(再掲) (事業概要)障害者虐待に関する要綱・マニュアル等に基づき、障害者虐待の早期発見と障害者及び養護者、障害者福祉施設従事者等に対して、関係機関と連携しながら的確な支援を実施します。また、障害者虐待防止に関する周知啓発を促進します。 (担当課)障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・障害者虐待防止センターによる365日24時間の虐待通報や相談受付の実施 ・虐待通報に基づく迅速かつ確実な支援の実施 ・基幹相談支援センターとの協働による障害者虐待防止に関する周知啓発の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・様々な媒体を活用した周知啓発の充実 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)地域生活支援拠点事業の充実 (事業概要)障害のある人が住み慣れた地域で安心して自立した日常生活と社会生活を営むことができるよう、24時間365日の地域における身近な相談対応や、緊急時の受入れ対応などの支援に取り組みます。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・相談、緊急時の受入れ・対応 ・体験の機会・場の確保、地域の体制づくり等 (事業目標 前期(6〜8年度))・運営状況等の検証と検証結果を踏まえた取組 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)基幹相談支援センターの機能強化 (事業概要)地域における障害分野の中核的な存在として、相談支援体制の充実・強化に向けた相談支援事業所への専門性の高い支援等を実施します。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・相談支援事業所への障害種別に関わらない総合的な相談対応 ・区内関係機関のネットワーク化及び支援体制の強化、区内事業所従事者への研修計画及び実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・区内相談支援事業所への定期訪問等による支援ニーズの把握、的確な支援の実施 ・運営状況等の検証と検証結果を踏まえた取組 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)目黒区障害者自立支援協議会の体制等の見直し (事業概要)平成21年に発足した目黒区障害者自立支援協議会について、障害者等の支援体制に関する課題の共有や、関係機関の連携強化をより一層図っていくため、体制等の見直しに取り組みます。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・協議会の機能強化・役割の明確化に向けた体制等の見直しの検討 (事業目標 前期(6〜8年度))・体制等の見直しの実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・体制等の見直しの効果検証 (種別)重点 (事業名)障害者グループホームの整備促進(再掲) (事業概要)施設整備に要する費用の一部補助や、区有地を含む国公有地や空き家の活用などを検討し、障害者グループホームの整備を促進します。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・知的障害者グループホーム:15か所(総定員98名) ・精神障害者グループホーム:3か所(総定員22名) ・福祉ホーム:1か所(定員7名) (事業目標 前期(6〜8年度))・1か所の整備を支援 (事業目標 後期(9〜10年度))・1か所の整備を支援 (種別)継続 (事業名)ユニバーサルデザイン・バリアフリー化の推進 (事業概要)バリアフリー基本構想に基づき特定事業の推進に取り組みます。ユニバーサルデザインによる施設整備や施設のバリアフリー化、インクルーシブな公園整備等により、公園等の機能拡充(リノベーション)に取り組みます。 (担当課)都市計画課、みどり土木政策課 (事業の実施状況(令和5年度))・バリアフリー協議会の開催(特定事業の進行管理・事後評価、年1回) ・公園リノベーション事業の推進 (事業目標 前期(6〜8年度))・公園等の機能拡充(公園1か所、公園トイレ2か所、児童遊園2か所、緑道6区間) (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築 (事業概要)精神障害のある人が安心して暮らすことができる地域づくりを目指し、保健・医療・福祉関係者による協議の場を軸にシステムの構築を推進する各事業に取り組みます。 (担当課)保健予防課、碑文谷保健センター、障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・地域移行・地域定着に向けた支援の推進 ・目黒区精神保健医療福祉推進協議会の開催 ・アウトリーチ支援事業の実施 ・措置入院者退院支援の推進 ・普及啓発(精神保健講演会、ピアサポート※検討会等の実施) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・アウトリーチ支援事業体制の見直し (事業目標 後期(9〜10年度))・アウトリーチ支援事業体制の見直しを踏まえた事業の実施 「わかってください」を知っていますか 「わかってください」は、聴覚や視覚の障害、知的障害、発達障害※、車いすを使っている人など、その特性ごとに「理解してほしいこと」「援助に当たりお願いしたいこと」をまとめた小冊子です。様々な障害の当事者や家族の会、事業者などの団体が参加する目黒障害者団体懇話会が作成・発行しました(目黒区総合庁舎にて配布)。 一人ひとりの障害の状況によって、生活の中で困ること、必要とする援助は違います。だから、「どうぞわかってください」と呼び掛けています。 懇話会は共生社会の実現を目指し、障害のある人が地域で自立して暮らすための、様々な活動を行っており、目黒区公式ウェブサイトで、各団体の活動を紹介しています。 施策2 自分らしい生活ができる環境整備の推進 現状と課題 ・全ての障害のある人が、あらゆる分野の活動に参加し、その能力を最大限に発揮しながら、社会の一員として生きがいや役割を持ち、自分らしく充実した生活を送るためには、情報の十分な取得利用や円滑な意思疎通ができる環境整備、働きやすい社会の実現、余暇等を楽しむことができる多様な活動の場の確保が必要です。 ・令和4年度には「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律」が施行され、関連施策の実施等が地方公共団体の責務とされました。区では、これまで各種計画や大量印刷物等における音声コードの活用や、手話通訳者の養成、地域避難所等へのコミュニケーションボードの設置など、情報保障や意思疎通支援の取組を進めてきましたが、今後も情報保障等に寄与する最新のICT※機器の状況や国の動き等を注視しながら取組を進めていく必要があります。 ・障害のある人が障害特性に応じた支援を受けながら、就労し働き続けることができるよう、目黒障害者就労支援センターを中心とした関係機関が一人ひとりに合った働き方の実現に向けた支援を行っています。一方で、障害者雇用促進法の改正による障害者雇用率の見直し等により、今後は就労を希望する障害のある人や事業者等のニーズはより増加し、多様化していくことが見込まれます。 ・また、福祉的就労については、新型コロナウイルス感染症の影響等により、令和2年度の区内の就労継続支援B型施設の年間工賃総額は対前年比24%の減となりましたが、その後回復傾向にあります。今後は利用者の高齢化等の課題を踏まえながら、各事業所と連携して工賃向上に向けて取り組んでいくことが必要です。 ・多様な活動の場の確保に向け、区立障害福祉施設におけるサービスの提供時間終了後における障害者の活動の場の確保(日中一時支援事業)や、スポーツや芸術文化活動に親しめるための機会の充実等に取り組んでいます。障害のある人が様々な活動に参加できることは、障害のある人の生活を豊かにするだけでなく、地域の障害理解にも寄与することから、引き続き活動の場の充実に向けて取り組んでいくことが重要です。 主な取組 ■障害のある人に配慮した情報保障・意思疎通支援の拡充 障害者アンケートの結果では情報発信や情報取得に当たって適した方法について、パソコンやスマートフォンと回答した割合が高く、音声コードや窓口等におけるタブレット端末の活用等の取組を引き続き推進していきます。また、令和4年度に東京都手話言語条例が制定されたことに伴い、区においても、手話言語を含めた意思疎通支援に関する条例の制定に向けて検討を進めていきます。 ■障害のある人への就労支援 区の就労支援の中心となる目黒障害者就労支援センターについて、今後見込まれる就労を希望する障害のある人や事業者等からの相談や支援者数の増加を見据え、体制の強化に向けた取組を進めます。 福祉的就労については、引き続き、就労継続支援B型事業所の受注作業の仲介や自主生産品の販路拡大など、工賃向上に向けた取組を進めます。 ■多様な活動の場の提供 障害のある人がスポーツ活動を継続して行えるような環境整備や、芸術文化に親しむことができる機会の提供、余暇活動を実施する団体への支援などを通じて、多様な活動の場の充実に取り組んでいきます。 図表【働いている場所と就業形態】(働いていると回答した人への質問) ・回答者642人 ・目黒区内にある企業などで正社員、正職員、契約社員として働いている7.8%(50人) ・目黒区外にある企業などで正社員、正職員、契約社員として働いている37.7%(242人) ・目黒区内にある企業などで臨時、アルバイト、パートとして働いている7.3%(47人) ・目黒区外にある企業などで臨時、アルバイト、パートとして働いている11.7%(75人) ・仕事を中心とする通所施設(就労継続支援A型・B型)で働いている12.5%(80人) ・在宅勤務、自営業など、自宅で働いている17.4%(112人) ・その他5.6%(36人) 〔資料〕目黒区障害者計画策定に関する調査【障害者向けアンケート】(調査期間:令和4年9月〜10月) 主な事業 (種別)継続 (事業名)障害のある人に配慮した情報保障の充実 (事業概要)障害の有無に関わらず、誰もが必要とする情報を十分に取得・利用できるよう、区からの発行物における情報保障の充実に取り組みます。 (担当課)障害施策推進課、障害者支援課、広報課 (事業の実施状況(令和5年度))・情報保障の推進に向けて、区の全ての課への働きかけを実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・一斉又は大量発送の通知等について音声コード等の情報保障がされている割合30%以上 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)障害特性に応じた意思疎通支援の充実 (事業概要)手話言語を含めた意思疎通に関する各種制度の周知、啓発の充実に取り組みます。また、手話通訳者・失語症パートナーの養成を行います。 (担当課)障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・電話リレーサービス※等制度の周知 ・啓発推進 ・手話通訳者・失語症パートナーの養成 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)新規 (事業名)手話言語等の条例化の検討 (事業概要)手話を必要とする人等の意思疎通を行う権利が尊重され、安心して生活することができる共生社会※を実現し、障害のある人の多様な意思疎通の実現を目指します。 (担当課)障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))― (事業目標 前期(6〜8年度))・手話言語等の意思疎通に関する条例の検討・実施等 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)就労支援事業の充実 (事業概要)障害者就労支援事業を目黒障害者就労支援センターに委託し、障害のある人の一般就労に向けた支援や、就労後の定着支援を行います。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・職業訓練・就労定着支援・ジョブコーチ等の実施 ・就労支援センターの体制強化に向けた取組の検討 (事業目標 前期(6〜8年度))・就労支援センターの体制強化に向けた取組の検討・実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)障害者就労の理解促進 (事業概要)雇用機関を中心に構成される連絡会を開催し、地域における障害者雇用の受入れを促進します。また、地域住民や希望する企業等を対象とした就労促進フェアを開催し、障害者就労への理解を促進します。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・就労促進連絡会の開催 ・就労促進フェアの開催 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)就労継続支援事業所の工賃向上 (事業概要)就労継続支援B型事業所の受注作業の仲介や自主生産品の販路拡大の取組を継続し、事業所の工賃向上を支援します。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・区役所販売、福祉の店等の販売場所を確保 ・障害者就労施設等からの物品調達の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)日中一時支援の充実 (事業概要)障害のある人の通所終了後の日中活動の場を確保するとともに、共働きやひとり親等の障害者世帯の就労を支援します。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・区立障害福祉施設3か所で実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・ニーズに応じた事業の検討・実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)障害者スポーツの推進 (事業概要)障害のある人が身近な地域でスポーツ活動を継続して行うことができるよう環境整備を行い、障害者スポーツの推進を図ります。 (担当課)スポーツ振興課 (事業の実施状況(令和5年度))・パラスポーツ指導員(初級)養成講習会の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・誰でも楽しめる障害者スポーツが体験できるイベントの検討・実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)芸術文化活動の機会の推進 (事業概要)障害のある人に対する芸術文化の鑑賞機会の提供を行うとともに、芸術文化活動への参加の機会を確保し、充実した生活を送るための環境づくりと、障害理解の促進を図ります。 (担当課)文化・交流課 (事業の実施状況(令和5年度))・障害者施設等への出前講座、出張コンサート等を行うアウトリーチプログラムの実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・目黒区美術館における障がい者アート展の開催 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)余暇活動の場の拡充 (事業概要)障害のある人及び重症心身障害児※等の余暇活動の場を確保するため、余暇活動を実施している団体に対し、補助を実施します。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・障害者青年・成人期余暇活動支援事業、重症心身障害児自発的活動支援事業の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・余暇活動を実施する団体を増やすための取組の検討 (事業目標 後期(9〜10年度))・検討を踏まえた取組の実施 (種別)継続 (事業名)障害のある人のための学習機会の提供 (事業概要)知的障害のある人を対象に、自主的に社会に参加し、より豊かな生活を送るための力や自主的に余暇活動を送るための力が身につくような学習機会を提供します。 (担当課)生涯学習課 (事業の実施状況(令和5年度))・知的障害のある人が主体的に学習に参加していけるような社会教育講座の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 施策3 ライフステージや障害特性に応じた自立への支援の充実 現状と課題 ・将来にわたって安定して質の高い障害福祉サービス等を提供していくために、人材の確保・定着・育成は重要な課題です。他の福祉サービスと同様に、障害福祉分野においても人材の確保が困難な状況が継続しており、障害福祉の仕事の魅力の発信や、職場環境の改善、事務の効率化など、人材の確保に向け区と事業者が連携した取組が必要です。 ・様々な障害特性に応じた専門的な相談や支援が求められています。区では、目黒区高次脳機能障害者センター及び発達支援拠点ぽると等を通じてきめ細かい支援を提供しています。また、強度行動障害※についても、支援体制の整備に向けた地域課題の整理や、支援ニーズの把握が求められています。 ・目黒区児童発達支援センター※では、児童発達支援や障害児相談支援を実施しており、令和2年度からは保育所等訪問支援を開始して、保育所等における集団生活の適応のための専門的な支援を行っています。令和4年の改正児童福祉法により、児童発達支援センターは地域における障害児支援の中核的役割を担う機関として明確化され、今後は点在する地域資源を重ね合わせた障害児支援体制を整備する中核として機能することがより一層求められるため、目黒区児童発達支援センターの機能強化に向けた取組が必要です。 ・医療的ケア※が必要な児童が、地域で必要な支援を円滑に受けることができるよう、区では保健、医療、福祉、教育等の関係機関による協議及びネットワーク構築の場を設けるとともに、「重症心身障害児通所支援事業所あいりぃず」を開設し、就学前及び就学後の療育体制の整備等に取り組んでいます。医療的ケア児とその家族が地域で安心して暮らしていくためには、関係機関の連携・協力の下、更なる取組を進めていく必要があります。 ・区では、障害の有無に関わらず、全ての子どもが同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある児童・生徒等に対して自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備しています。 ・学校教育においては、インクルーシブ教育システム※の構築を基本的な考え方として、共生社会※の実現に向け、全ての子どもが可能な限り共に学ぶことに配慮しつつ、自立と社会参加に向けて一人ひとりの教育的ニーズに応じた連続性のある多様な学びの場を充実していくことが求められています。 主な取組 ■人材の確保・育成・定着 ハローワークと連携した「めぐろ福祉しごと相談会」の内容の工夫等により、福祉の仕事の魅力を発信していきます。また、相談支援事業所においては、人材不足により新たな相談の受入れが困難な状況が継続しているため、事務負担軽減や支援体制の充実など、事業者と連携して課題に取り組んでいきます。 ■障害特性に応じた支援の充実 区では、高次脳機能障害※や発達障害※について、それぞれの支援機関を設置し、障害特性に応じた専門性の高い相談やきめ細やかな支援を行っています。今後は、強度行動障害のある人への支援体制の整備に向けて、支援ニーズを把握し支援の内容や体制の構築について検討を進めていきます。 ■障害のある児童等への支援の充実 目黒区児童発達支援センターにおいて、保育所等訪問支援を効果的に進め、地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進します。また、区内障害児通所支援事業所との連携を強化し、地域の障害児支援の質の向上を図ります。 医療的ケア児支援関係機関協議会を開催し、保健、医療、福祉、教育等の関係機関が様々な課題について協議し、連携を強化していくことで、医療的ケア児等が地域で必要な支援を、切れ目なく円滑に受けることができる環境整備、重症心身障害児※者等を介護している家族等の負担軽減に向けて取り組んでいきます。 ■インクルーシブ教育システムの構築に向けた特別支援教育※の推進 インクルーシブ教育システムにおいては、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児・児童・生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要です。また、小・中学校における通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある「多様な学びの場」を用意しておくことが必要となります。 区立学校では、目黒区特別支援教育推進計画(第四次)に基づき、各学校・園における校内支援体制の整備や心のバリアフリー※の推進、特別支援教育の専門性をもつ教員の育成、小・中学校における多様な学びの場での指導・支援の充実等、インクルーシブ教育システムの構築に向けた取組を進めています。目黒区特別支援教育推進計画(第五次)の策定に向け、現行計画の評価・検証を行い、インクルーシブ教育システムの構築に向けた取組を更に進めていきます。 図表【発達に関する不安や障害のある子どもが早期に適切な支援を受けるために必要なこと】 ・回答者211人(複数回答) ・専門家による相談体制を充実させる88.2% ・乳幼児の健康診断を充実させる37.0% ・電話・メールによる相談体制を充実させる27.5% ・関連するサービスについての情報提供を充実させる58.3% ・居宅訪問や訪問看護等による相談や支援サービスの提供36.5% ・その他9.5% 〔資料〕目黒区障害者計画策定に関する調査【発達に関する不安や障害のある児童の保護者を対象としたアンケート】(調査期間:令和4年9月〜10月) 主な事業 (種別)重点 (事業名)めぐろ福祉しごと相談会の充実(再掲) (事業概要)人材確保が難しい区内介護事業所及び区内障害福祉サービス事業所を対象に、ハローワーク等と連携して介護・障害福祉事業者向けの合同採用相談会を実施します。また、相談会を通じて福祉職場の魅力ややりがいを伝えていきます。 (担当課)高齢福祉課、障害施策推進課、障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・めぐろ福祉しごと相談会の実施(年2回) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・福祉職場の魅力の発信・強化を図る取組の検討・実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)民間障害福祉サービス従業者養成研修事業助成(再掲) (事業概要)障害福祉サービス事業所従事者が受講する研修費用を負担する事業者への補助や、養成研修実施のための費用補助を実施し、事業者の人材確保・育成・定着を支援します。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・事業所等が負担する研修受講費用、研修実施費用の助成事業を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)民間障害者福祉施設職員健康相談事業(再掲) (事業概要)社会福祉協議会が実施する小規模民間障害福祉サービス事業所に対する健康相談事業の経費を補助し、職員の健康管理・人材定着を図ります。 (担当課)障害施策推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・民間の障害福祉施設職員に対して、健康相談、ストレスチェック、メンタルヘルス講習を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)相談支援事業所の人材確保・育成・定着(再掲) (事業概要)区と相談支援事業所が連携し、相談支援業務を担う人材がより働きやすい環境づくりを進めます。地域における障害分野の中核的な役割を担う基幹相談支援センター※において、相談支援事業所に対する支援や専門的な研修等を行い、地域の相談支援体制の強化及び、支援力の向上を図ります。 (担当課)障害施策推進課、障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・基幹相談支援センターによる相談支援事業所への支援、専門的な研修や事例検討会等の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・相談支援事業所と連携した人材確保・育成・定着に向けた取組 ・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)新規・重点 (事業名)強度行動障害のある人の支援体制の整備 (事業概要)強度行動障害のある人の実態把握を行い、専門的な支援体制整備に向けた課題の整理及び必要な支援体制の検討に取り組みます。 (担当課)障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))― (事業目標 前期(6〜8年度))・支援に関する実態調査及び支援体制の検討 (事業目標 後期(9〜10年度))・調査・検討を踏まえた施行・整備着手 (種別)重点 (事業名)発達障害支援事業の充実 (事業概要)ひきこもり※の状態にある人等への訪問相談や学童保育クラブ等に対する巡回相談などアウトリーチ※による相談支援を行います。また、ペアレントプログラムの実施により家族支援の充実に取り組みます。 (担当課)障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・学童保育クラブ等に対する巡回訪問などのアウリーチによる相談支援の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・ペアレントプログラムの実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)目黒区児童発達支援センター機能の強化に向けた取組 (事業概要)区内障害児通所支援事業所との関係性の構築・連携強化を目的とした場の開催や、よりよい療育の提供と情報共有・発信の強化に取り組みます。 (担当課)障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・関係機関の連携及び情報共有・発信の場の検討 ・よりよい療育の提供及び情報共有・発信の強化実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・関係機関の連携及び情報共有・発信の場の創設 ・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)重症心身障害児(医療的ケア児を含む)及びその家族への支援 (事業概要)医療的ケアを必要とする重症心身障害児を介護している家族等を対象に在宅レスパイト事業を実施します。また、医療的ケア児支援関係機関協議会を開催し、保健、医療、福祉、教育等の関係機関が様々な課題について協議するとともに連携の強化を図ります。 (担当課)障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・在宅レスパイト事業の実施 ・医療的ケア児支援関係機関協議会の開催 ・医療的ケア児及び重症心身障害児の放課後等支援事業への支援策検討・実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)インクルーシブ教育システムの構築に向けた特別支援教育の推進 (事業概要)共生社会の実現に向けて、障害の有無に関わらず、全ての子どもが可能な限り共にいきいきと学ぶことができるよう、教職員、児童・生徒、保護者・区民への理解啓発を継続的に実施しつつ、交流及び共同学習の充実を図ります。 (担当課)教育支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・交流及び共同学習の重点支援校を指定し、指導主事による継続的な指導・支援を実施 ・特別支援教育講演会の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・目黒区特別支援教育推進計画(第五次)の策定・実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 ・目黒区特別支援教育推進計画(第六次)に向けた評価・検証 基本目標6 子育て子育ちへの支援の充実 目黒区子ども条例は、子どもたちが、いきいきと、元気に過ごすことのできるまちを目指して、平成17年に制定されました。条例の趣旨に則り、子どもがいじめや虐待等の人権侵害から擁護され、子どもの参加や意見表明が自由にでき、自主性が尊重される社会となるよう「子育て」と「子育ち」の視点から取り組んでいきます。 「子育て」の視点から、保健、医療、福祉、教育など様々な分野の連携を進めるとともに、地域の中で多世代交流の場を広げていくなど、安心して子どもを生み育てられる環境を整えていきます。また、保護者がそれぞれの状況に応じた子育てに関する悩みや不安等を相談できる場や孤立化を防ぎ保護者同士が交流できる環境を整備することで、子どもの成長に合わせた適切なサービスが受けられるよう取り組んでいきます。 「子育ち」の視点から、子どもが安全に安心して過ごせる居場所づくりや気軽に相談できる身近な窓口などの整備を進めていくことで、子どもたちの健やかな成長を支援していきます。 施策一覧 施策1 子どもの権利が尊重される環境の整備 施策2 妊娠期から青年期までの包括的な子育て家庭への支援 施策3 子どもの虐待を防止するための体制整備 施策4 多様な保育・教育の充実 施策5 子どもの安全な遊び場・放課後の居場所づくりの推進 施策1 子どもの権利が尊重される環境の整備 現状と課題 ・区は、令和3年に策定した目黒区基本構想において、区政の運営方針の一つに「平和と人権・多様性の尊重」を掲げ、全ての人が互いの人権を尊重し合う地域社会の実現を目指しています。子どもの権利の擁護を定める「目黒区子ども条例」は、「児童の権利に関する条約」の趣旨を踏まえ、平成17年に制定し、子どもが自らの意思で成長していく「子育ち」を支えるまちの実現を目指して、子どもの参加や意見、自主性や権利が尊重される行政運営に努めているところです。 ・平成20年に設置した「子どもの権利擁護委員制度」(めぐろ はあと ねっと)などにより子どもの不安や悩みを受け止め、児童虐待やいじめなどの子どもの権利侵害を予防・救済するための相談体制を整備してきました。 ・令和3年4月には「東京都こども基本条例」が制定され、東京都においても、子どもが誰一人取り残されることなく、将来への希望をもって、のびのびと健やかに育っていく環境の整備・取組が進められています。 ・こども施策を総合的に推進するための新たな法律である「こども基本法」が令和5年4月に施行されました。同法は、こどもの権利擁護とともに、こども施策の実施・策定・評価に対する、こどもの意見表明の機会創出についても定めています。 ・区は、目黒区子ども条例の一層の普及・啓発とともに、子どもの権利尊重の意識向上に努め、子どもの人権に関する啓発や学習を深めることが求められています。そのためには、年齢に関わらず相互に交流する機会をつくることなどにより、お互いの理解を深め多様性を尊重すること、更にその輪を区全体に広げていくことが必要です。 ・「子どもの権利擁護委員制度」の普及や啓発に努め、子どもが気軽に相談できるよう、更なる充実を図るとともに、一人ひとりの子どもに人権尊重の理念を定着させ、豊かな人間性と思いやりの心を育む人権教育の推進が求められています。 ・あわせて、子どもの意見表明の機会を確保する仕組みを構築し、行政の各分野で子どもの参加する機会や場を提供していくことが必要です。 主な取組 ■「子どもの権利擁護委員制度」の普及・啓発 子どもの権利侵害に対応するため、子どもが気軽に相談できるよう、「子どもの権利擁護委員制度」の普及・啓発と充実を図ります。また、子どもの思いに応え、解決に向かえるよう、各関係機関との協力・連携を強化します。 ■子ども条例の普及・啓発 「目黒区子ども条例」の普及啓発のため、小学生低学年・高学年向けのパンフレットなどを作成・配布し、子どもたちの理解がより深まるような取組を行います。また、保護者や子どもに関わる周りの大人たちに対しても、子どもの権利の大切さについて理解を広めていくことにより、家庭や地域で子どもと誠実に向き合い、区の未来を担う子どもたちが、いきいきと過ごせるまちの実現を目指します。 ■様々な活動への子どもの参加の推進 子どもに係る施策の推進や施設の整備において、子どもの視点を取り入れることができるよう、子どもの参画の仕組みづくりを検討しその実現に取り組みます。参加の具体的方法を工夫し、より実効性のあるものに改善を図りながら進め、様々な活動への子どもの参加や意見表明の機会を確保していきます。あわせて、子どもの参加や意見を聴くことについて、大人の理解を深める啓発等を家庭、学校、地域の中で実施していきます。 主な事業 (種別)継続 (事業名)子どもの権利擁護委員制度の普及・啓発 (事業概要)「目黒区子ども条例」に基づき、子どもの権利擁護委員を設置。子ども本人やその関係者から相談を受け、救済の申立てや子どもの権利侵害について解決を図っていくことを周知するため、普及・啓発を行っていきます。 (担当課)子育て支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・関係機関宛て啓発用チラシ・カード・ポスターの配布 ・区立小学校新2年生に啓発用定規、区立中学校生徒に啓発チラシを配布 【4年度実績】・電話相談件数 159件 ・子どもの権利擁護委員との面談件数 12件 ・申立て件数 3件 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)子ども条例の普及・啓発 (事業概要)子どもの人権施策を一層推進することにより、区の未来を担う子どもたちが、いきいきと元気に過ごせるまちの実現を目指します。 (担当課)子育て支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・子ども条例のパンフレットを作成し、区内の小中学校、高校、幼稚園、保育園へ配布 ・子ども条例啓発カレンダーの作成 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)子どもの意見表明の場の提供(キッズリポーター) (事業概要)子どもの意見表明の一環として、小学生が自ら関心があることや、地域情報等について取材し、区のポータルサイトに記事を掲載します。 (担当課)子育て支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・区内在住の小学校4〜6年生を対象にキッズリポーターを公募し、地域で取材した記事を作成 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 施策2 妊娠期から青年期までの包括的な子育て家庭への支援 現状と課題 ・核家族化の進行や地域のつながりの希薄化などにより、子育ての負担感や不安感、孤立感を覚える家庭は少なくありません。地域で安心して出産、子育てが行われるように、妊娠期から家庭の状況を把握し、出産、子育て期を通して必要な母子保健サービスと子育て支援サービスを組み合わせ、関係機関と連携しながら切れ目なく支援していくことが必要です。・区では、このような子育て世代を包括的に支援する事業を進めており、子育てふれあいひろばの支援や、子育て総合相談窓口、出張講座・出張相談などの事業により、子育て家庭に寄り添いながら育児に関する不安や悩みに対応しています。子どもの養育や教育、経済面などで様々な課題を抱える家庭が増えていることから、子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、全ての子どもが穏やかに育つ環境の整備が求められています。 ・さらに、子どもの育ちを支える地域共生社会※の実現に向けて、地域の活動団体や民間機関と連携した取組も必要となっています。 ・児童館は、18歳までの全ての子どもを対象とし、「子どもの権利」を守り、遊びや活動を通して、心身ともに健やかに育成することを目的に様々な活動を行っています。子どもたちの生活に目を向け、保護者・地域と連携しながら、発達に応じた切れ目のない子育て・子育ち支援を行うことが求められています。 主な取組 ■母子保健と子育て支援との一体的な支援体制の構築 保護者の育児に対する不安や負担感の強さ、地域や社会からの孤立を予防するために、母子保健サービスと子育て支援サービスを組み合わせ一体的に支援していきます。また、アウトリーチ※の推進やWEBによる相談の充実など、子育て家庭にとって安心して相談ができるサポート体制を目指します。 ■公民連携による相談支援体制の充実 複雑化・複合化している子育て家庭が抱える課題の解決に向けて、子育て、保健、障害、福祉、教育などの各分野による包括的な相談支援体制の充実と、子どもを守る地域ネットワークである要保護児童対策地域協議会※の連携強化を進め、子育て家庭を重層的に支援していきます。 加えて、児童館、保育所等の身近な相談機関、地域で活動する民生委員・児童委員※、主任児童委員、子育てグループ、団体等との連携構築を進め、子どもを地域ぐるみで見守り、育てる意識の醸成を図っていきます。 ■母子保健台帳の電子化 紙台帳による母子保健情報を電子化することにより、妊娠期から出産、子育て期の各ステージにおける母子の実情や乳幼児の発育・発達に関する情報の一元管理が可能となります。支援に関わる各専門職が情報を共有し、経過や実情を踏まえた適切な支援やサービスを迅速に提供します。また、将来的には子ども家庭支援センター※との情報の共有化を図り、組織横断的に迅速な支援を推進します。 ■児童館による支援の充実 子育て家庭に対して、様々な活動を提供し、地域の中で楽しく子育てができるよう支援します。子育て家庭が孤立しないように、親子関係、保護者同士の関係、家庭と地域との関係等に留意します。子育て交流の場や相談事業の充実を図り、子どもの虐待やいじめ等の予防・早期発見・早期対応に努めていきます。また、家庭状況や保護者と子どもの関係において気になる状況が生じた場合には、子ども家庭支援センター等関係機関と連携して適切に対応します。 ■子育てふれあいひろばによる支援の充実 子育て相談や地域の活動団体等の支援を行い、地域に根ざした質の高い子育てふれあいひろばとしていくため、事業運営や活動形態、周知方法を検討して、更なる利用者の拡大を図ります。また、乳幼児とその保護者を対象に、子どもや親同士が知り合い、仲間作りをする場として事業を展開します。 ■出張相談・出張講座の活用 子育て家庭と直接出会える機会である出張相談・出張講座を活用し、育児に関する正しい知識と技術を伝えていくとともに、子育て家庭の現状を把握し必要な支援体制の構築につなげていきます。 ■ひとり親家庭の子どもへの支援 ひとり親家庭の子どもに対して、貧困により「教育の機会」が失われることのないよう、学習支援などを行っていきます。 主な事業 (種別)新規・重点 (事業名)こども家庭センターの設置 (事業概要)児童福祉法の改正を踏まえ、子ども家庭支援センターと子育て世代包括支援センター※との連携を強化し、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行う機能を有する機関としてこども家庭センターを設置します。 (担当課)子ども家庭支援拠点整備課、各課 (事業の実施状況(令和5年度))・国による事業のガイドラインに基づく、実施体制等の検討 (事業目標 前期(6〜8年度))・7年度開設 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)重点 (事業名)母子保健・子育て支援の両面からの支援 (事業概要)専門職が妊娠・出産、子育てに関する相談に応じるとともに、医療や福祉などの関係機関が連携し、切れ目のない支援を行っていきます。また、妊娠の届出時から妊婦・子育て世帯に寄り添い、身近で相談に応じ、必要な支援につなぐ伴走型相談支援の充実を図っていきます。 (担当課)保健予防課、碑文谷保健センター、子育て支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・ゆりかご・めぐろ(妊婦面接) ・伴走型相談支援 ・出産・子育て応援給付金 ・子育て世代包括支援センター関係機関連携会議の開催 ・子ども家庭支援センターとの連携強化 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・こども家庭センターの設置に向けた子ども家庭支援センターとの連携強化 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 ・関係機関との更なる連携強化 (種別)重点 (事業名)産後ケア事業 (事業概要)育児不安や心身の不調があるなど、支援を必要とする産婦を対象に産後ケア事業を実施します。今後は、支援を必要とする全ての産婦が利用できるよう産後ケア事業の拡充など支援体制を強化します。 (担当課)保健予防課、碑文谷保健センター (事業の実施状況(令和5年度))・産後ケア事業(訪問型・宿泊型・通所「集団」型)の実施 ・産後ケア事業(通所「個別」型)の検討 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・宿泊型施設の拡充及び通所「個別」型の実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 ・各産後ケア事業の実施 (種別)継続 (事業名)利用者支援事業(基本型) (事業概要)区在住の、18歳未満の子どもとその保護者等を対象に、子育て総合相談やほ・ねっとひろばの運営を行います。児童館や学童保育クラブ等への出張相談・講座といったアウトリーチ型の支援にも取り組み、適宜、関係機関とも連携しながら利用者への切れ目ない支援を行います。 (担当課)子育て支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・新型コロナウイルス感染症の影響によりオンラインで事業を実施。中止していた、対面での事業再開に向けて、関係機関との検討、調整を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・対面での事業の完全再開。・オンラインによる事業を継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・随時、事業内容を見直し利用者の利便性を向上させ、相談しやすい体制を構築していく (種別)継続 (事業名)地域子育て支援拠点事業 (事業概要)親子の遊び場や育児相談の場である子育てふれあいひろばの連携を進め、その機能を充実させます。 (担当課)子育て支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・子育てふれあいひろばの支援・充実に向け、検討・調整を行っていく ・子育てふれあいひろば14か所。連絡会を年4回開催 (事業目標 前期(6〜8年度))・地域の状況に合わせて、子育てふれあいひろばの拡充を検討 (事業目標 後期(9〜10年度))・地域の状況に合わせて、子育てふれあいひろばの拡充を検討 (種別)継続 (事業名)産前・産後の家事・育児支援 (事業概要)産前・産後の一定期間、支援ヘルパーを派遣するなどの、育児・家事のサービスを提供します。 (担当課)子ども家庭支援センター (事業の実施状況(令和5年度))・家事育児支援ヘルパー派遣 ・家事育児サポーター(産後ドゥーラ)利用費助成 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)児童館事業 (事業概要)18歳までの全ての子どもを対象とし、「子どもの権利」を守り、遊びや活動を通して、心身ともに健やかな育成を図ります。 (担当課)子育て支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・運営:18か所 (事業目標 前期(6〜8年度))・運営:18か所 (事業目標 後期(9〜10年度))・運営:18か所 (種別)継続 (事業名)ひとり親家庭の学習支援事業 (事業概要)児童扶養手当受給世帯又は所得がこれに相当するひとり親世帯の子どもを対象に、学習支援や、子どもの心に寄り添った生活支援を行います。 (担当課)子ども家庭支援センター (事業の実施状況(令和5年度))2形態で実施 ・塾型(小学4年生〜高校3年生) ・派遣型(小学4年生〜中学3年生) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 施策3 子どもの虐待を防止するための体制整備 現状と課題 ・児童虐待通告の件数は平成2年度以降、全国的に増加しています。平成30年3月には、区内在住の5歳児が保護者の虐待により亡くなるという痛ましい事件が発生しました。翌年の平成31年4月に東京都子供への虐待の防止等に関する条例が施行され、令和元年6月には児童虐待防止法及び児童福祉法が改正されました。いずれも保護者から子どもへの体罰の禁止が規定されています。 ・児童虐待の原因の一つとして、保護者の育児に対する不安や負担感、地域や社会からの孤立感が指摘されています。母子保健と子育て支援の一体的な支援及び児童相談所との連携強化により、虐待を未然に防ぐ迅速かつ効果的な支援を行うことが必要です。子どもを守る地域ネットワークのすそ野を広げ、見守りと気づきの連携によって子どもと家庭を地域で支えることのできる仕組みづくりが求められています。 主な取組 ■要保護児童対策地域協議会※を中心とした関係機関及び地域との連携強化 母子保健と子育て支援との一体的な支援体制を構築し、子育て家庭の孤立防止に向けた適切な支援につなげます。また、要保護児童対策地域協議会や地域で活動している団体等との連携を強化し、子どもを守る地域のネットワークの拡充を図ります。さらに、児童相談所設置に向けて、児童相談所サテライトオフィスを誘致し、東京都との連携強化を進めていきます。 ■児童虐待防止に関わる職員の対応力強化 児童相談所への定期的な職員派遣や児童相談所勤務経験者の採用により人材を確保し、児童虐待への対応力を強化します。また、関係機関職員向け研修の実施等により、児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応のためのスキルの向上を図っていきます。 ■特に配慮が必要な家庭への支援の拡充 特に支援が必要な家庭に対し、その家庭が抱える困りごとに寄り沿い、関係機関との連携を図りながら支援に係るサービスを拡充し、虐待の未然防止に取り組みます。また、子どもや保護者への心理的ケアや親子関係改善プログラムの実施など、心理職による支援体制を充実します。 ■社会的養育の推進、里親・養子縁組家庭への支援 将来の社会的養育の担い手を増やすため、養育家庭体験発表会に加え、年間を通じた社会的養育の啓発を行います。また、児童相談所と連携し、里親・養子縁組家庭への支援を強化していきます。 ■児童虐待防止の普及啓発 保護者による子どもへの体罰等が禁止されていることや、子どもの目の前での夫婦げんかが虐待に当たることを啓発するとともに、子ども条例の周知などにより子どもが自身の権利に気付き、SOSを発信しやすい環境を整備します。区民向け虐待防止講演会等の充実による普及啓発や、関係機関との連携強化により、地域で取り組む児童虐待防止や早期発見について理解を深め、区全体で子どもを守る意識の醸成を図ります。 主な事業 (種別)重点 (事業名)児童虐待防止対策の推進・連携強化 (事業概要)こども家庭センターを設置し、虐待の未然防止の強化を図るとともに、都児童相談所サテライトオフィスの誘致により、児童虐待への迅速性、機動性を持った対応を進めていきます。 (担当課)子ども家庭支援センター、各課 (事業の実施状況(令和5年度))・相談、虐待通報受付 ・関係機関との連携・協力 (事業目標 前期(6〜8年度))・こども家庭センター開設(7年度) ・児童相談所サテライトオフィス誘致(7年度) (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)職員の対応力強化 (事業概要)複雑化、複合化する虐待案件への職員の対応力を強化するために、研修等を行います。 (担当課)子ども家庭支援センター (事業の実施状況(令和5年度))・児童相談所設置に向けた勉強会の開催 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)社会的養育の推進に係る関係機関との連携 (事業概要)児童相談所等関係機関と連携し、社会的養育の啓発を行っていきます。 (担当課)子ども家庭支援センター (事業の実施状況(令和5年度))・里親制度相談会の児童相談所、フォスタリング※機関との共催 ・養育家庭体験発表会の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)児童虐待防止の普及啓発 (事業概要)児童虐待の未然防止と早期発見についての普及啓発を行っていきます。 (担当課)子ども家庭支援センター (事業の実施状況(令和5年度))・児童虐待防止講演会 ・パネル展 ・SNSを活用した相談等も記載した啓発グッズの配布 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 施策4 多様な保育・教育の充実 現状と課題 ・父母ともに就労している家庭は子育て世代の半数を超え、家庭の環境も多様化しています。 ・このような状況の中、子育てと仕事の両立を支援するとともに、保育園や幼稚園、こども園など、子どもを預ける施設を保護者の考えや希望で、自由に選択できる環境を整えることが必要です。 ・区は令和2年4月に保育園の入園待機児童ゼロを達成しました。以降、待機児童ゼロの維持とともに、質の高い保育の提供に取り組んでいます。 ・次元の異なる少子化対策の実現に向けて、国は、取り組むべき政策強化の基本的方向性を示しました。これを踏まえ、区として、時代に即した幼児教育・保育施設の在り方を検討する必要があります。 ・充実した就学前教育を望む保護者のニーズを受けて、幼児教育の質の向上と振興が求められています。 主な取組 ■一時保育事業の実施 休養や通院・用事などの理由で、一時的に保育が必要な場合に保育施設で一時保育を、また保護者の病気や出産、家族の入院・看護などで保育が必要な際、保育施設で期間限定の緊急一時保育を行い保護者の育児の負担を軽減し、子育てが無理なくできるよう支援します。 ■病児・病後児保育事業の実施 保育園等に通っている保育の必要な乳幼児が「病気の回復期」にあって、集団保育が困難な時期に、専用施設で一時的に保育を行います。また、自宅でベビーシッターを利用した際の訪問型病児・病後児保育の費用の一部を助成し、病児・病後児保育事業サービスを整備・普及していきます。 ■子育て支援、子育てひろばの拡充 待機児童解消に伴い、今後は地域の子育て家庭を中心に遊び場の提供や子育て相談、子育て情報等の提供を積極的に行い、支援していきます。 ■保育園の入園待機児童ゼロの維持 年々増加する保育ニーズに対応するため、私立認可保育園等の整備を加速した結果、令和2年4月に待機児童ゼロを達成しました。今後も、計画的な定員管理と保育施設の安定した運営の両立を図りながら、待機児童ゼロを維持していきます。 ■区立保育園の民営化及び老朽化対応 今後も、多様な保育ニーズへの対応など課題解決の方策の一つとして、区立保育園の民営化を進めます。区立保育園として存続する園については、区全体の保育を向上させる中心として、更に質の高い子育て支援拠点としていくとともに、老朽化への対応を進めます。 ■幼児教育の充実 就学前施設において、「生きる力」の基礎を育む教育内容を充実させるとともに、小学校教育との円滑な接続を図ります。 ■私立幼稚園への情報提供や相談対応の充実 幼児教育の充実と振興及び質の向上を図るため、情報提供を行うとともに私立幼稚園が区に相談できる体制を確保します。 主な事業 (種別)継続 (事業名)地域子育て支援拠点事業(再掲) (事業概要)親子の遊び場や育児相談の場である子育てふれあいひろばの連携を進め、その機能を充実させます。 (担当課)子育て支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・子育てふれあいひろばの支援・充実に向け、検討・調整を行う ・子育てふれあいひろば14か所 ・連絡会を年4回開催 (事業目標 前期(6〜8年度))・地域の状況に合わせて、子育てふれあいひろばの拡充を検討 (事業目標 後期(9〜10年度))・地域の状況に合わせて、子育てふれあいひろばの拡充を検討 (種別)継続 (事業名)保育園の入園待機児童ゼロの維持 (事業概要)保育園の待機児童が解消した後も、計画的な定員管理と保育施設の安定した運営の両立を図りながら、待機児童ゼロの維持を図ります。 (担当課)保育計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・EBPM※を活用した保育需要予測モデルの構築 (事業目標 前期(6〜8年度))・保育需要予測に基づく保育施設の定員管理、定員の空き活用等の検討・実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・保育需要予測に基づく保育施設の定員管理、定員の空き活用等の検討・実施 (種別)新規・重点 (事業名)指導検査体制の充実・強化 (事業概要)区内保育所の保育サービスの質の向上と適正な運営を確保していくため、職員体制の充実、指導検査と巡回指導との適切な役割分担及び情報共有体制の確立、外部有識者の活用などにより、指導検査体制の充実・強化を図ります。 (担当課)保育計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・区内私立認可保育所及び地域型保育施設を対象に指導検査(運営状況確認指導、集団指導、実地指導)を実施 ・公認会計士による指導検査(会計部門)への支援及び社会保険労務士による労働環境モニタリングを実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・より効果的・効率的な指導検査の検討・実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・より効果的・効率的な指導検査の検討・実施 (種別)継続 (事業名)「ヒーローバス」運行事業 (事業概要)幼児専用車「ヒーローバス」を使って、保育園の子どもたちと保育士を近くの敷地の広い公園等へ送迎します。 (担当課)保育計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・2年度からは3台で運行(5年度は夏季期間のみ1台増車) ・区立園プールへの送迎事業を全区立園で実施 ・雨天等による当日中止に伴う乗車機会等の確保 (事業目標 前期(6〜8年度))・予約方法の見直し、バス可動率の向上などによる園外活動の充実 (事業目標 後期(9〜10年度))・「ヒーローバス」の更なる活用方法について検討 (種別)継続 (事業名)区立保育園の民営化 (事業概要)区立保育園の老朽化等の課題に対応するとともに、待機児童ゼロを維持し、保育の質の向上と多様な保育サービスの充実を図るため、区立保育園の民設民営化を進めます。 (担当課)保育計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・4年3月に策定した「区立保育園の民営化に関する計画」に基づき、区立保育園の民設民営化を進める (事業目標 前期(6〜8年度))・7年度:1か所 (事業目標 後期(9〜10年度))・10年度:2か所 ・時期未定:1か所 (種別)継続 (事業名)一時保育(緊急一時保育・一時保育) (事業概要)保護者の疾病やけが等により短期的に保育が必要な児童を保育園で保育します。また、家庭で育児に当たる保護者の負担を軽減するため、休養、通院等のために、保育園で日、時間単位で児童を預かります。 (担当課)保育課、保育計画課 (事業の実施状況(令和5年度))・緊急一時保育:区立保育園16園 ・一時保育:認可保育所13園(一般型)、小規模保育所7園(余裕活用型) (事業目標 前期(6〜8年度))・緊急一時保育:継続(区立園の減少等あり) ・一時保育:認可保育所2園拡大、小規模保育所1園拡大 (事業目標 後期(9〜10年度))・緊急一時保育:継続(区立園の減少等あり) ・一時保育:継続 (種別)新規 (事業名)ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援) (事業概要)日常生活上の突発的な事情やリフレッシュ等のために、一時的な保育や共同保育を必要とする保護者が、助成要件を満たしたベビーシッターを利用する際の料金の一部を助成します。 (担当課)保育課、放課後子ども対策課 (事業の実施状況(令和5年度))・10月1日から対象児童の拡大を実施(0歳〜満6歳になる年度の末日までの未就学児童→0歳〜満9歳になる年度の末日までの児童) (事業目標 前期(6〜8年度))・東京都における取り扱いや一時保育等の実施状況を考慮し、継続を検討 (事業目標 後期(9〜10年度))・東京都における取り扱いや一時保育等の実施状況を考慮し、継続を検討 (種別)継続 (事業名)指導・保育内容等の引継ぎ (事業概要)小学校への円滑な接続を図るため、指導要録や保育要録を通して幼児期の子どもの一人ひとりの育ちや指導上参考となる事柄を小学校へ引継ぎます。 (担当課)子育て支援課、保育課、学校運営課、教育指導課 (事業の実施状況(令和5年度))・指導要録や保育要録を通した小学校への引継ぎ (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)小学校就学前教育研修 (事業概要)「生きる力」の基礎を育む幼児期の教育を充実させるため、就学前施設や区立小学校の保育士・教諭等を対象に、専門家を講師とした小学校就学前教育研修を実施し、幼児教育と小学校教育との円滑な接続を推進します。 (担当課)教育指導課 (事業の実施状況(令和5年度))・区立幼稚園・こども園・保育園、私立幼稚園・保育園、区立小学校の保育士・教諭等を対象として実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)私立幼稚園への特別支援事業助成 (事業概要)支援が必要な幼児が私立幼稚園に安心して通えるよう私立幼稚園での職員配置、教員研究、設備関係にかかる費用を助成します。 (担当課)子育て支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・心身障害児等が就園している私立幼稚園に対して、経費を補助50名分 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 施策5 子どもの安全な遊び場・放課後の居場所づくりの推進 現状と課題 ・目黒区子ども条例では、大人は、子どもの身近な場所に、安全に安心して過ごすことができ、楽しく遊んだりできる「居場所」を確保し、子どもの主体性や社会性を育むとしています。 ・区では放課後子ども総合プランを推進しており、全ての児童が放課後等を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動を行うことができる居場所を提供するため、学童保育クラブ及びランランひろば※等を同一小学校内で実施する一体型を中心とした整備を進めています。 ・全ての子どもが多様な居場所を選択できるようにするためには、地域の人々や団体等と情報共有や意見交換を行いながら、関係者間で連携を深め、事業を充実させていくことが必要です。 ・さらに、地域社会全体で子どもを見守り育むことで地域の活性化を図り、地域の子育て力の向上を目指す必要があります。 ・地域の子育て環境が複雑で多様化する中、子どもの居場所の確保と利用環境の充実が望まれており、保育の必要性の有無に関わらず、子どもの安全・安心な居場所づくりを促進していく必要があります。 主な取組 ■放課後子ども総合プランの推進 全ての児童が放課後等を安全・安心に過ごし、多様な経験・活動を行うことができる居場所を提供するため、学童保育クラブ及びランランひろばを同一小学校内で実施する一体型を中心とした整備を進めます。 ■児童館の機能・役割の検討 全ての子どもが多様な居場所を選択できるよう、今後の児童館の機能・役割について検討を進めます。また、地域子育て支援拠点として、子育ちに関する組織や人、地域とのつながりを強化し、子育て・子どもに関する相談支援などの充実を図ります。 主な事業 (種別)重点 (事業名)放課後子ども総合プランの推進 (事業概要)小学校の校庭や体育館、特別教室等を活用し、子どもが放課後等に運営職員の見守りの中で、自主遊びや自主活動を行うことのできる居場所を提供します。 (担当課)放課後子ども対策課 (事業の実施状況(令和5年度))・整備:6か所 ・運営:15か所 (事業目標 前期(6〜8年度))・整備:1か所 ・運営:21か所 (事業目標 後期(9〜10年度))・運営:22か所 (種別)継続 (事業名)児童館事業(再掲) (事業概要)18歳までの全ての子どもを対象とし、「子どもの権利」を守り、遊びや活動を通して、心身ともに健やかな育成を図ります。 (担当課)子育て支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・運営:18か所 (事業目標 前期(6〜8年度))・運営:18か所 (事業目標 後期(9〜10年度))・運営:18か所 (種別)継続 (事業名)学童保育クラブ事業 (事業概要)区内在住又は在学の小学1年生から6年生までを対象とし、保護者の疾病又は就労等により、昼間家庭での保護・育成ができない家庭に、子どもの安全・安心な生活の場を確保し、子どもの生活と遊びを支援します。 (担当課)子育て支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・整備:1か所 ・運営:46か所 (事業目標 前期(6〜8年度))・運営:47か所 (事業目標 後期(9〜10年度))・運営:47か所 基本目標7 健康で安心して暮らせる社会の推進 令和6年4月から始まる「健康日本21(第三次)」では、「全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」を基本ビジョンに掲げ、「誰一人取り残さない健康づくり」を展開していくとしています。 この方針に沿い、「健康めぐろ21」の基本理念である「健康寿命※の延伸」と健康格差の縮小に向け、より実効性を持つ取組を推進していきます。 また、生活の拠点となる住宅や日常生活に欠かせない医療機関、営業施設などの衛生環境を保ちつつ、感染症を含めた健康危機管理体制や相談支援体制を強化します。多分野の関係団体と十分な情報共有と連携を図り、健康への不安を抱えることなく安心して暮らせる地域の実現を目指します。 施策一覧 施策1 健康危機管理対策の充実 施策2 健康づくりの推進 施策3 地域保健医療体制の充実 施策4 安全で快適な生活環境の確保 施策1 健康危機管理対策の充実 現状と課題 ・健康危機とは、「医薬品、食中毒、感染症、飲料水、その他何らかの原因により生じる国民の生命、健康の安全を脅かす事態」であり、自然災害やテロに起因するものも含まれます。 ・令和元年12月に報告された新型コロナウイルス感染症は世界中に感染が拡大し、国民生活や経済活動など社会に重大な影響を及ぼしました。今般の新型コロナウイルス感染症の流行を経験する中で、新興感染症を含めた健康危機管理体制の強化が求められています。 ・これまで保健所が行ってきたコロナ対応を踏まえ、区民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症の発生及びまん延に備えるため、感染症対策の一層の充実を図っています。 ・食品については、平成30年6月に大幅な改正が行われた食品衛生法が令和3年6月1日に完全施行となりました。食をとりまく環境変化や国際化等に対応しつつ、食品の安全を確保するため、国や自治体間の連携協力や営業者による衛生管理の向上を図るとともに、実態に即した許可・届出制度や食品リコール情報の取組を進めています。 ・また、近年の大地震や局所的な豪雨などの災害の増加により、災害時の医療救護体制の確保等も喫緊の課題となっています。災害発生時において、適切な医療を迅速に提供できるよう、平常時から各種マニュアルの整備や健康危機発生時を想定した組織体制の構築、関係機関と連携した訓練等による資質の向上などを推進しています。 ・保健所は、地域における健康危機管理の拠点として、監視業務の強化や感染症等に関する正しい知識の普及啓発により健康危機を未然に防ぎ、区民の命と健康を守り、安心して社会生活が維持できるよう対策を進めることが一層求められています。 主な取組 ■感染症への対応 新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、新型インフルエンザ等の新興感染症の発生や流行拡大に迅速かつ適切に対処するため、医師会・区内医療機関等との一層の連携強化や、計画的な防疫活動、備蓄品の拡充など、感染症への備えを進めていきます。さらに、感染症の発生予防に向けた知識の普及啓発を行います。 また、近年梅毒患者が増加傾向にある現状を踏まえて、早期発見・早期治療に結びつくよう、性感染症を含む検査・相談を推進していきます。 令和4年の結核罹患率(人口10万対)は8.2であり、前年より1.0減少しており、日本は結核低まん延国の水準を継続しています。しかし、患者の大半を占める高齢者は、典型的な症状が乏しく、発見が遅れやすいことから、周囲に感染を拡げる恐れや重症化が懸念されます。また、外国出身の患者の割合も増加しています。内服治療に向けた支援や、患者本人のプライバシーに配慮した接触者健診の推進など、患者に寄り添った支援を行います。 ■食品の安全・安心の確保 食中毒をはじめ、飲食に起因する健康危機の発生を平常時から想定し、常に危機管理の意識を持って計画的に監視指導を実施し、食品の安全を確保します。 HACCP(ハサップ)※に沿った衛生管理の導入・定着を進めるために、食品等事業者の自主的衛生管理を支援する講習会等の衛生教育を行い、総合的な衛生管理の充実を図ります。 食品が多様化し、流通がますます複雑化していることから、区民に食品の安全に関する最新情報を正確に分かりやすく発信します。 ■災害等への対応 震災や豪雨などの自然災害のほか、犯罪、放射線事故、テロ事件などが発生し、多数の住民に健康被害が発生又は拡大する可能性がある場合に、迅速かつ的確に対応し、健康被害の拡大防止を行うことができるよう、平常時から関係機関との情報共有・連携確保を図ります。また、近年の大規模災害に伴う健康被害等を踏まえて、災害発生時の医療救護活動に係る体制整備や継続的な訓練を行います。 主な事業 (種別)重点 (事業名)感染症予防計画等に基づく感染症の発生予防及び感染拡大防止 (事業概要)5年度策定の感染症予防計画等に基づき、総合的な予防対策・健康危機管理体制の確立に取り組みます。 (担当課)感染症対策課 (事業の実施状況(令和5年度))・医療機関等との連携 ・集団発生時における感染拡大防止対策の推進 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・医療従事者等と連携した研修・訓練の実施 ・感染症に関する正しい知識の普及・啓発の実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)エイズ・性感染症検査・相談 (事業概要)早期発見・早期治療に結びつくようHIV・梅毒等の検査・相談を実施します。 (担当課)感染症対策課 (事業の実施状況(令和5年度))・毎月1回の通常検査 ・年2回の臨時検査 ・区民・学校等に対する普及・啓発の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)結核予防対策の推進 (事業概要)結核の発生予防、患者の早期発見、まん延防止のための対策を推進します。接触者健診、結核患者の確実な服薬確認(DOTS)、療養相談、再発の早期発見のための管理検診等を実施し、結核罹患率の低下を目指します。 (担当課)感染症対策課 (事業の実施状況(令和5年度))・国の結核に関する特定感染症予防指針に基づき、普及啓発 ・患者管理 ・接触者健診 ・定期健診の受診勧奨及び実施状況の把握 ・予防接種(BCG)等の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)高齢者の定期予防接種 (事業概要)接種対象者に予診票等を送付し、ホームページへの掲載、区内医療機関でのポスター掲示等により、適切な周知を図り、接種率向上に努めます。 (担当課)保健予防課 (事業の実施状況(令和5年度))・高齢者インフルエンザ予防接種 【対象者】65歳以上の区内在住者 ・高齢者用肺炎球菌予防接種 【対象者】65歳以上で5歳刻みの年齢となる区内在住者(5年度まで) 【4年度実績】〈接種率〉・高齢者インフルエンザ 58.2% ・高齢者用肺炎球菌 41.0% (事業目標 前期(6〜8年度))・各接種率の向上 ・高齢者用肺炎球菌予防接種は、6年度以降65歳の区内在住者となる予定 (事業目標 後期(9〜10年度))・各接種率の向上 (種別)重点 (事業名)食品監視指導の充実 (事業概要)食品関係施設の監視指導を計画的に実施し、食品等による衛生上の危害発生を防止します。あわせて、HACCPに沿った衛生管理の導入・定着化を進めるため、技術的支援等を行います。また、食中毒や違反食品発生時には、関係機関と連携して、原因究明、再発防止、違反食品排除等を速やかに実施します。 (担当課)生活衛生課 (事業の実施状況(令和5年度))・食中毒発生リスクの高い施設等への重点的監視指導の実施 ・食品表示(衛生・保健事項)の監視指導の実施 ・結果の公表 ・HACCPの具体的な導入手法を支援 ・食品衛生実務講習会の開催等 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)食に関する普及・啓発 (事業概要)区民に対し、正確な食品衛生知識の普及を図るため、食品の安全に関する最新情報を収集・提供します。また、シンポジウム・食品保健講座等を開催するなどリスクコミュニケーションに努めます。 (担当課)生活衛生課 (事業の実施状況(令和5年度))・シンポジウムと講演会の開催 ・講師派遣 ・食品衛生月間事業 ・区報・区公式ウェブサイト等での発信、リーフレット等作成配布 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)関係機関との連携・災害時医療体制の整備 (事業概要)健康危機発生時に混乱なく的確な対応を行えるよう、平常時から警察、消防、医療機関及び関係団体による連携協力の強化及び情報交換を行います。併せて、災害発生時には負傷者への応急処置を行うとともに病院機能を維持するため、関係機関との情報共有や、緊急医療救護所の資器材整備、訓練の実施、マニュアルの見直し等、災害発生時の医療救護活動に係る体制整備を行います。 (担当課)健康推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・緊急医療救護所の設置等に係る協定締結 ・関係機関との連携(健康危機管理連絡会、災害医療担当者連絡会) ・緊急医療救護所に必要な物品の維持管理 ・関係機関との訓練実施 ・災害対策マニュアルの整備 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 施策2 健康づくりの推進 現状と課題 ・健康づくりの考え方は時代によって内容が変遷してきましたが、現在、区では「健康めぐろ21」において、健康寿命※の延伸を基本理念とし、生活習慣病※の発症予防と重症化予防の推進、生活習慣の改善、こころの健康、健康を支える環境整備、食育の推進などに取り組んでいます。 ・今後、少子高齢化の進展や疾病構造の変化に対応して個人の健康づくりを推進していくためには、行政と関係機関等が連携し、健康づくり施策を総合的に進めていくことが重要です。 ・また、母子保健においては、妊娠期から出産、子育てまで身近な地域で相談に応じ、必要な支援につなぐ「伴走型相談支援」を充実し、「経済的支援」を一体的に実施する出産・子育て応援交付金事業が創設され、妊娠・出産・子育て期の切れ目のない支援事業の拡大・充実が進められています。 ・区では、ゆりかご・めぐろ事業(妊婦面接)や産後ケア事業などに取り組むほか、保健、医療、福祉、教育等の地域の関係者等と連絡調整を行う関係機関連携会議を設置するなど、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援に取り組んでいます。今後、区として、全ての妊産婦・子育て世帯・子どもの包括的な相談支援を一体的に行う「こども家庭センター」の設置に取り組み、母子保健と児童福祉の連携を強化することが求められています。 ・本区は、区民の平均寿命や健康寿命が23区の中でも上位の水準にありますが、区民が生涯にわたり健康で活力あふれる生活が送れるよう、子どもから高齢者まで、ライフステージ※に応じた各種の健康施策を積極的に推進していくことが重要です。 主な取組 ■生活習慣病の発症予防と重症化予防の推進 区民の死因別割合を見ると、がん、心疾患、脳血管疾患の三大生活習慣病による死亡が全体の約半数を占めており、高齢化の進展に伴い、生活習慣病等の有病者の増加が見込まれています。 特に高齢者は複数の慢性疾患に加え、認知機能や社会的な繋がりが低下するとフレイル※状態になりやすいなど、疾病予防と生活機能維持の両面のニーズを有しています。これまで医療保険分野と介護保険分野に分かれて実施してきた、生活習慣病等の疾病予防・重症化予防等の保健事業と介護予防事業の連携を図り、医療・介護双方のデータを活用して区の健康課題を抽出した上で、一体的に高齢者を支援していきます。また、特定健康診査の対象でない若年層も、生活習慣病を中心とした疾病の早期発見・予防に繋げていく必要があります。 ■食生活などの生活習慣の改善 健康寿命を延伸し、人生100年時代に向けて健康で自立した生活を送るためには、食生活などの生活習慣の改善が重要です。健康的な食生活、適切な体重の維持管理などの望ましい栄養・食生活の実践や、日常的に取り組む身体活動量の増加について知識の普及・啓発を図るとともに、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえる」ことを目標として、子どものむし歯予防や成人歯科健診などにより歯と口腔の健康づくりを推進していきます。 ■親子の健康づくりの推進 「子育て世代包括支援センター」では、ゆりかご・めぐろ事業(妊婦面接)や産後ケア事業のほか、身近な地域で一貫して相談支援を行う「伴走型相談支援」と出産育児用品等の購入費の一部を支援する「経済的支援」を一体的に実施します。 乳幼児健診では、引き続き、障害や疾病の有無や栄養状態の確認、口腔内の機能の発達や衛生に関する普及啓発を行うほか、児童虐待の兆候などの早期発見・早期対応に努めます。子ども家庭支援センター※との連携強化を図り、児童福祉と母子保健の一体的支援体制の整備を進めるなど、子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化及び事業の拡充に取り組んでいきます。 ■こころの健康 現代は誰もがこころの不調を経験する時代と言われています。こころの不調で悩みや不安を抱えている人に対しては、早期に相談につながるよう、相談機会の充実を図り、適切な受診勧奨や治療継続の支援を行うことが必要です。 メンタルヘルスに関する支援が必要な人に対しては、精神疾患の正しい知識と理解に向けた普及啓発を行い、早期治療による重症化を予防し、地域での支援体制を充実させます。また、令和2年度から実施している「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」※の構築に向け、保健・医療・福祉の連携により、安心して自分らしい生活ができるよう、切れ目ない支援に向けて取り組みます。 主な事業 <生活習慣病の予防、生活習慣の改善> (種別)継続 (事業名)目黒区特定健康診査の実施 (事業概要)健康管理や生活習慣の改善に関する正しい知識の普及を図るとともに、メタボリックシンドローム・生活習慣病等の予防や疾病の早期発見・早期治療に繋げるため、目黒区特定健康診査を実施します。また、国民健康保険加入者及び生活保護受給者については、生活習慣病重症化予防のための保健指導を行います。 (担当課)健康推進課、国保年金課、生活福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))<対象者>40歳以上の国民健康保険加入者、後期高齢者医療制度加入者、生活保護受給者 【4年度実績】・目黒区特定健康診査受診率 44.9% (事業目標 前期(6〜8年度))・現況より上げる (事業目標 後期(9〜10年度))・現況より上げる (種別)継続 (事業名)生活習慣病重症化予防事業 (事業概要)生活習慣病の早期治療につなげるため、特定健康診査の結果から生活習慣の改善が必要な場合に、受診勧奨や保健指導を実施していきます。 (担当課)国保年金課、生活福祉課 (事業の実施状況(令和5年度))・データヘルス計画に沿って実施(国民健康保険加入者) ・事業方針に沿って実施(生活保護受給者) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)がん検診 (事業概要)がん対策として、がん予防に関する知識の普及啓発を行うとともに、胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がん、乳がんについて科学的根拠に基づくがん検診を実施します。 (担当課)健康推進課 (事業の実施状況(令和5年度))【4年度実績】<受診率>・胃がん検診10.0% ・肺がん検診17.0% ・大腸がん検診35.4% ・子宮がん検診28.8% ・乳がん検診34.8% (事業目標 前期(6〜8年度))・現況より上げる (事業目標 後期(9〜10年度))・現況より上げる (種別)新規 (事業名)骨粗しょう症検診 (事業概要)早期に骨量減少者を発見し、骨粗しょう症を予防します。 (担当課)健康推進課 (事業の実施状況(令和5年度))<対象者>40・45・50・55・60・65・70歳の区民(女性) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)新規 (事業名)高齢者の保健事業と介護予防との一体的実施事業 (事業概要)健康診査・医療・介護サービスを利用していない、健康状態が不明である高齢者の健康状態を把握し、必要なサービスへつなげていきます。また、通いの場等において健康教育・健康相談を実施します。 (担当課)国保年金課 (事業の実施状況(令和5年度))・ハイリスクアプローチ 健康状態不明者の状態把握等 ・ポピュレーションアプローチ 通いの場等における健康教育等 (事業目標 前期(6〜8年度))・ハイリスクアプローチ:継続 ・ポピュレーションアプローチ:健康教育・健康相談数を増やす (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)成人歯科健診 (事業概要)歯周疾患の早期発見と予防のため成人歯科健診を実施し、歯と口腔の健康づくりを支援していきます。 (担当課)健康推進課 (事業の実施状況(令和5年度))<対象者>35・40・42・45・47・50・55・60・65・70・76歳の区民 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)受動喫煙対策 (事業概要)健康増進法及び東京都受動喫煙防止条例に基づき、受動喫煙対策を推進します。 (担当課)健康推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・飲食店等への受動喫煙対策の周知啓発 ・禁煙外来治療費助成金交付事業 ・リーフレットの配布等による情報の発信 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 <親子の健康づくり> (種別)重点 (事業名)母子保健・子育て支援の両面からの支援(再掲) (事業概要)専門職が妊娠・出産、子育てに関する相談に応じるとともに、医療や福祉などの関係機関が連携し、切れ目のない支援を行っていきます。また、妊娠の届出時から妊婦・子育て世帯に寄り添い、身近で相談に応じ、必要な支援につなぐ伴走型相談支援の充実を図っていきます。 (担当課)保健予防課、碑文谷保健センター、子育て支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・ゆりかご・めぐろ(妊婦面接) ・伴走型相談支援 ・出産・子育て応援給付金 ・子育て世代包括支援センター関係機関連携会議の開催 ・子ども家庭支援センターとの連携強化 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・こども家庭センターの設置に向けた子ども家庭支援センターとの連携強化 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 ・関係機関との更なる連携強化 (種別)重点 (事業名)産後ケア事業(再掲) (事業概要)育児不安や心身の不調があるなど、支援を必要とする産婦を対象に産後ケア事業を実施します。今後は、支援を必要とする全ての産婦が利用できるよう産後ケア事業の拡充など支援体制を強化します。 (担当課)保健予防課、碑文谷保健センター (事業の実施状況(令和5年度))・産後ケア事業(訪問型・宿泊型・通所「集団」型)の実施 ・産後ケア事業(通所「個別」型)の検討 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・宿泊型施設の拡充及び通所「個別」型の実施 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 ・各産後ケア事業の実施 (種別)継続 (事業名)普及・啓発事業 (事業概要)母子保健・歯科・栄養事業により知識の普及・啓発を行い、保護者同士の情報交換や交流を図り、健やかな子育てを支援します。 (担当課)保健予防課、碑文谷保健センター (事業の実施状況(令和5年度))・交流会、懇談会、講座等の開催(妊娠期・乳幼児期) ・はじめての子育ての集い ・はじめての歯みがき練習 ・離乳食講座 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)乳幼児健康診査・歯科健診・栄養相談 (事業概要)乳幼児健康診査時に、発育・発達状況及び疾病等の有無や食生活、養育状況を確認し、保健指導や正しい知識の普及啓発を図ります。 (担当課)保健予防課、碑文谷保健センター (事業の実施状況(令和5年度))・乳幼児の月齢、年齢に応じた健康診査や育児相談を実施 ・歯科健診、歯科予防処置の実施 ・栄養個別相談の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)定期予防接種 (事業概要)接種対象者に予診票等を送付するとともに、制度について正しい情報を提供し、接種率の向上に努めます。 (担当課)保健予防課 (事業の実施状況(令和5年度))・子どもの月齢に応じて予診票等を個別発送 ・予防接種に関する相談等 ・制度についての普及・啓発、情報提供 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)教育相談 (事業概要)区立小・中学校、幼稚園・こども園に在籍する幼児・児童・生徒及びその保護者を対象に学校生活上の課題解消のための心理的支援についてはスクールカウンセラーを、福祉的支援についてはスクールソーシャルワーカーを派遣して相談・支援事業を実施します。また、めぐろ学校サポートセンターにおいて区内在住・在学・園の幼児・児童・生徒及び18歳までのお子さん及びその保護者を対象に教育相談を実施します。 (担当課)教育支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・スクールカウンセラーを区立小・中学校、幼稚園・こども園に派遣 ・教育相談の実施 ・スクールソーシャルワーカーを区立小・中学校、幼稚園・こども園に派遣 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 <こころの健康> (種別)重点 (事業名)精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築(再掲) (事業概要)精神障害のある人が安心して暮らすことができる地域づくりを目指し、保健・医療・福祉関係者による協議の場を軸に、システムの構築を推進する各事業に取り組みます。 (担当課)保健予防課、碑文谷保健センター、障害者支援課 (事業の実施状況(令和5年度))・地域移行・地域定着に向けた支援の推進 ・目黒区精神保健医療福祉推進協議会の開催 ・アウトリーチ※支援事業の充実 ・措置入院者退院後支援事業の推進 ・普及啓発(精神保健講演会、ピアサポート※検討会等の実施) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 ・アウトリーチ支援事業体制の見直し (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)精神保健相談 (事業概要)誰もがこころの不調を訴える時代に、メンタルヘルスの相談に広く対応し、精神疾患の予防、早期発見治療及び再発の予防のために専門医・保健師、精神保健福祉士による相談を実施し、支援していきます。 (担当課)保健予防課、碑文谷保健センター (事業の実施状況(令和5年度))・専門医による相談の実施 ・保健師、精神保健福祉士による相談の実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 施策3 地域保健医療体制の充実 現状と課題 ・二次救急も含めた休日・夜間の診療体制の整備、在宅療養者への対応や、15歳未満の小児を対象とした夜間の初期救急等、子どもから高齢者まで誰もが地域で安心して医療を受けられる環境整備に取り組んでいます。 ・少子高齢社会の進展や疾病構造の変化などから、年々増加する救急医療の需要に対応するとともに、かかりつけ医・かかりつけ薬局・かかりつけ歯科医の推進など、医師会・薬剤師会・歯科医師会・区内の医療機関や東京都と連携を図りながら、身近な地域で誰でも利用しやすい医療体制を整備していく必要があります。さらに、東京都保健医療計画で定める二次保健医療圏(区は、渋谷区・世田谷区とともに区西南部保健医療圏に属しています)における医療体制の確保に向けて、区内外の医療機関等との連携も必要です。 ・効果的な治療法が確立されていない難病は、療養が長期に渡り、患者や家族の精神的・経済的な負担が大きくなるとともに、家族介護の負担も重くなっています。区では、国や都が実施する医療費助成のほか、日常生活用具や居宅介護などのサービス給付、難病講演会やパーキンソン教室の開催、保健師等による療養相談等を行っています。医療費助成申請の際に、東京都や区の事業の案内を行っていますが、十分に認知されているとは言えず、利用促進に向けて更なる周知を図る必要があります。引き続き、国や都の動向を踏まえ、多岐にわたる難病患者のニーズに対応するため、支援体制の強化を図る必要があります。 主な取組 ■休日診療体制の確保 誰もがいつでも地域で安心して医療を受けられる環境を整えるため、休日診療所及び調剤薬局を運営するとともに、日曜・祝日・年末年始の歯科の急病に備え、休日応急歯科診療を実施します。また、15歳未満の小児を対象とした平日・夜間の初期救急を確保するため、小児初期救急事業を実施します。 ■障害者歯科診療事業の実施 障害のある人の口腔保健の向上を目的として、障害者歯科診療所を運営します。 ■難病等保健医療対策の充実 難病患者やその家族に寄り添い療養相談を実施するとともに、難病患者同士が療養上の不安や悩みを分かち合い、情報交換を行うための集いの場やパーキンソン教室、難病講演会を開催し、知識の普及と理解促進に取り組みます。 また、医療費助成の手続きの機会などを捉え、難病患者が利用できるサービス等について積極的に周知を図ります。 主な事業 (種別)継続 (事業名)目黒区休日・準夜診療事業、休日・準夜調剤事業、目黒区休日歯科応急診療事業 (事業概要)主に軽度の救急患者を対象として、休日に診療・調剤・歯科診療を行うことができるよう診療体制の整備を推進します。 (担当課)健康推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・休日診療所及び休日調剤薬局の開設(通年開設:区内2か所、11月〜2月開設:1か所) ・休日歯科診療を輪番制で開設 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)障害者歯科診療事業の実施 (事業概要)区内に在住、在勤もしくは在学する身体障害者手帳又は愛の手帳を持つ人を対象に、予防や治療などの歯科医療を提供します。 (担当課)健康推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・障害者歯科診療所の開設 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)目黒区平日夜間小児初期救急診療事業 (事業概要)入院を必要としない小児患者に対して、平日夜間の小児初期救急医療体制を確保し、患者の状態に応じた適切な救急医療を提供します。 (担当課)健康推進課 (事業の実施状況(令和5年度))・平日夜間小児初期救急診療事業の実施(祝・休日を除く、月曜〜金曜に実施) (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)難病保健事業の充実 (事業概要)難病患者及びその家族の精神的・経済的、介護面の負担軽減を図るため、療養生活の支援や療養相談を実施します。 (担当課)保健予防課、碑文谷保健センター (事業の実施状況(令和5年度))・患者とその家族を対象にパーキンソン教室、難病講演会、集いの場の実施 ・保健師等による療養相談を随時実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)在宅療養のための地域資源の情報提供(再掲) (事業概要)在宅療養を必要とする人が住み慣れた地域で安心して在宅療養生活を送るため、地域の病院・診療所、歯科診療所、薬局、介護事業者等の情報を提供します。 (担当課)福祉総合課 (事業の実施状況(令和5年度))・冊子版「在宅療養資源マップ」の配布 ・電子版「医療・介護資源情報システム」の運用 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 ・冊子版「在宅療養資源マップ」の改訂・配布 施策4 安全で快適な生活環境の確保 現状と課題 ・区民が健康で安全、快適な生活を送るためには、生活の拠点となる住宅や利用する建築物、日常生活に欠かせない営業施設などが衛生的な環境でなければなりません。このため、建築物は計画段階から衛生的な指導を行い、貯水槽を有する水道設備や営業施設などには、検査や指導を行っています。また、ねずみや衛生害虫の駆除は感染症予防や危害防止の観点から、訪問指導、相談、講習会等により区民を支援しています。 ・医薬品の安全確保については、多様な医薬品を患者が適正に服用するための情報提供と相談体制が不可欠であるため、引き続き薬局、医薬品販売業への検査や指導をしていかなければなりません。また、麻薬や覚醒剤等に似た成分を含んだ危険ドラッグは、国や都と連携して、区民への危険性の周知を行っていますが、更に広く伝えていく必要があります。医療相談窓口(コールセンター)では、診断や治療法、保険制度などを含めた一元的な相談、苦情対応を行っています。関係者間の情報共有を円滑にし、相談対応能力の向上を図っていくことが必要です。 ・家庭での飼育動物は、愛玩動物から「家族」、「人生のパートナー」へと変化し、コロナ禍での在宅時間の増加に伴うペットブームの一方で、犬の鳴き声や糞尿の放置など多くの苦情が寄せられています。また、東日本大震災を契機とした、ペットの同行避難、被災動物対応への関心の高まりも受けて、区民に対するペットの適正飼養の啓発や災害に備えたペット防災の周知、備蓄品などの整備を進めています。 ・ペットトラブルや飼い主のいない猫への無責任な給餌などの動物に関わる課題の多くは地域社会に密着しているため、解決には地域で活動するボランティア団体への支援も必要です。さらに、災害時におけるペットの同行避難及び、被災動物の保護などを適切に行うため、関係機関等との連携を深める必要があります。 主な取組 ■居住環境・生活環境の安全確保 ねずみ・衛生害虫等の対策は、感染症予防等の観点からその発生を防止する環境づくりを中心に総合的な防除を推進します。建築物事前協議制度に基づき建築物の衛生的な構造・設備の普及を図ります。 飲み水の安全、特に貯水槽水道の衛生的な管理の普及、東京都が推進している貯水槽を設けない給水方式の導入に向けた普及を図ります。 環境衛生関係営業施設等について、最新の知見を基に監視指導や感染症予防等に関する最新情報の提供及び自主管理体制の支援を行い衛生水準の維持向上を図ります。また、区民には、利用者の視点からの情報提供を行います。 ■医薬品等の安全確保 薬事関係施設に対し、医薬品等の適正管理について立入検査を実施するとともに、安全使用のための情報が患者等に十分提供されるよう、薬剤師や登録販売者の適正配置や医薬品のインターネット販売等について監視指導を実施します。 危険ドラッグに対しては、区の関係する課をはじめ、都や薬物乱用防止関係団体と連携し、その危険性について普及啓発を行っていきます。 医療相談窓口(コールセンター)をより効果的に活用するため、都や医療安全関係団体の研修参加、他機関との連携・協力を通じて情報収集を行い、区民からの医療に関する相談対応の充実を図ります。 ■ペットの適正飼養及びペット防災の啓発 ペットの適正飼養の普及、マナー啓発プレート等の配布など啓発事業を行い、飼い主の社会的責任やマナーの普及啓発を推進します。また、災害時のペットの同行避難及び被災動物の保護などを円滑に行うため飼い主の日頃からの備えについて普及啓発を図るとともに、備蓄品などの整備を行います。こうした災害対策について、関係機関、関係団体、地域等との連携・協力に努めます。 ■狂犬病予防注射の注射率向上 新型コロナウイルス感染症の影響を契機に、適正飼育の普及啓発のありかた、狂犬病予防週間における予防注射の実施方法を検討するとともに、未接種犬の飼い主に対する督促などを行いつつ、狂犬病予防注射の注射率の向上を図ります。 ■飼い主のいない猫対策 飼い主のいない猫対策の一環として、不妊・去勢手術の費用助成事業を推進するとともに、地域猫活動の普及啓発を図ります。 主な事業 (種別)継続 (事業名)居住環境の安全確保 (事業概要)区民が健康かつ安全で快適な生活を送るため、室内環境、貯水槽等の給水設備、レジオネラ症予防上、維持管理に注意が必要な設備等について衛生知識の普及及び指導を行います。 (担当課)生活衛生課 (事業の実施状況(令和5年度))・区公式ウェブサイトによる普及啓発 ・区民からの相談への対応 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)ねずみ・衛生害虫等防除対策の推進 (事業概要)公衆衛生の確保を目的に、蚊などの衛生害虫防除対策事業を推進します。また、区民から寄せられるねずみや衛生害虫等に関する相談に応じ、生態及び環境対策に主眼を置いた防除方法についての知識の普及を図ります。 (担当課)生活衛生課 (事業の実施状況(令和5年度))・公共雨水枡等への蚊等の成長阻害剤の投入 ・区公式ウェブサイトによる普及啓発 ・区民からの相談への対応 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)営業施設等に対する監視指導体制の充実 (事業概要)環境衛生関係営業施設等(理・美容所、公衆浴場等)に対し、最新の知見を取り入れ、業種、形態に応じた衛生管理基準に基づき、重点的な監視指導を実施し、施設の衛生水準の向上を図ります。 (担当課)生活衛生課 (事業の実施状況(令和5年度))・年間事業計画に基づき監視を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)医薬品等の監視指導の実施 (事業概要)薬局や医薬品販売業に対し、医薬品等の適正管理について立入検査を行い、薬剤師等の適正配置や医薬品のインターネット販売について監視指導を行います。 (担当課)生活衛生課 (事業の実施状況(令和5年度))・薬局・医薬品販売業各施設に対し、計画的に立入検査を実施 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)薬物乱用防止の推進 (事業概要)危険ドラッグを含む薬物の危険性について、東京都薬物乱用防止推進目黒地区協議会と区が連携し、様々な機会を捉え広く区民に普及・啓発を行っていきます。 (担当課)健康福祉計画課、生活衛生課 (事業の実施状況(令和5年度))・薬物乱用防止ポスター・標語の区内中学生への募集 ・区内小中学校での薬物乱用防止教室の開催 ・啓発グッズ等の配布 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)動物の適正飼養の普及啓発 (事業概要)動物に対する適正な飼養について、普及啓発を図ります。また、災害に備えて、被災したペットの飼育に必要な備蓄品等を整備します。 (担当課)生活衛生課 (事業の実施状況(令和5年度))・犬の飼い方セミナー、動物愛護イベント開催 ・マナー啓発プレート配布 ・避難所運営訓練等での手引きの配布 (事業目標 前期(6〜8年度))・継続 (事業目標 後期(9〜10年度))・継続 (種別)継続 (事業名)狂犬病予防注射の注射率向上 (事業概要)狂犬病の予防について普及啓発を図るとともに、狂犬病予防注射の注射率向上を図ります。 (担当課)生活衛生課 (事業の実施状況(令和5年度))・狂犬病予防週間(定期予防注射)を4月の1か月間実施 ・4年度末注射率71.2% (事業目標 前期(6〜8年度))・現況より上げる (事業目標 後期(9〜10年度))・現況より上げる