めぐろで活躍する人を紹介 ひとめぐり vol.60 父が遺した戦争の記録を 未来へ語り継ぐ 目黒での戦争体験をつづった父の手記を寄贈 内藤政弘(ないとうまさひろ)さん(90歳) 第二次世界大戦時、一家で中目黒に暮らす。田道国民学校3年生の時、姉・喜代子さん(現在94歳)とともに福島県へ集団疎開。後年、父(政雄氏)から戦時中の目黒の様子などをまとめた手記「空襲記」を譲り受け、区に寄贈した。 父から子、そして目黒へと受け継がれた「空襲記」  「父は日常の出来事を細かく日記に書き留める人でした」。政弘さんの父、政雄さんは、本箱の大半を占めるほど書きためた日記などを基に戦時下の目黒の惨状を何枚もの原稿用紙につづり、自ら製本して「空襲記」と題しました。「戦争の実態を客観的に記録しておくことが主眼だったと思いますが、大勢の人が戦争で亡くなっている現実に憤りを感じていたんだと思います」。亡くなる前、父は手製の「空襲記」を政弘さんへ託します。政弘さんはこの手記を、手元に残していた当時の手紙などとともにめぐろ歴史資料館へ寄贈。戦後80年となった昨年、目黒区の戦争の記録であるこの手記を、区は1冊の本として刊行しました。 我が子を案じる父の愛情  戦時下でも、内藤家の人たちは手紙でやりとりを続けていました。父が送った何通もの手紙には絵が添えられ、遠い疎開先で心細い思いをしている我が子を和ませようとする親心が垣間見えます。  ようやく終戦を迎えた直後、政弘さんは疎開先で尿毒症を発症。疎開先から戻った同級生の親にそのことを伝えられた父は、「危篤すぐ来い」という電報が届く前に政弘さんのもとに駆け付けたと記されています。「病に苦しむ我が子の様子に気をもんでいた時、疎開先で魚屋に伝わる薬のことを聞いたそうです。黒砂糖があれば作れると言われた父は、戦前菓子屋だった家を何軒も訪ね歩き、砂糖つぼにこびりついていた黒砂糖を探し当てて薬を作ってもらったそうです」。必死の看病のおかげで九死に一生を得た政弘さんの心には、父の深い愛情が今も鮮明に残っているといいます。 政雄氏から喜代子氏への手紙(秋の七草について) 今、平和について願うこと  疎開先から帰ってきた政弘さんの目に映ったのは、変わり果てた目黒の街でした。「目黒通り沿いや環状6号線、大鳥神社などまちのほとんどが焼け野原になっていました」と、当時を振り返ります。  自身も戦争体験者である政弘さん。戦後80年が過ぎた今、改めて思うことを尋ねると「戦争は悪ですよ。どこかで必ず不幸が起こる。父が遺した『空襲記』が、戦争の悲惨さを伝え、二度と繰り返してはいけないということを未来に語り継いでくれたらと心から願っています」と、優しい笑顔で語ってくれました。 空襲記 銃後の目黒と疎開した我が子の記録 広報広聴課(総合庁舎本館4階)で販売(1冊1,000円)しているほか、図書館で貸し出しています。 お知らせ 権利擁護センター「めぐろ」 令和7年度事業報告 権利擁護センター「めぐろ」は、高齢者や障害のあるかたが地域で安心して自立した生活を送ることができるよう、さまざまな支援を行っています。また、保健福祉サービス苦情調整委員の事務局業務も行っています。 相談事業 ●一般相談 成年後見制度の概要、高齢者や障害のあるかたへの福祉サービスの利用援助、日常的な金銭管理などの相談を受け付けています。 ●専門相談(相談件数57件) 成年後見制度の利用、遺言・相続などについて、弁護士や司法書士による無料相談を行っています(予約制)。 一般相談件数 内容 / 件数 権利擁護 / 1,806 成年後見制度など / 1,039件 苦情相談 / 89 その他 / 58 合計 2,992 日常生活自立支援事業・身体障害者等福祉サービス利用援助事業(年度末契約件数48件) 判断能力が十分でない高齢者や障害のあるかたなどの支援を行っています(有料)。 ●福祉サービス利用援助(郵便物などの書類整理、各種行政手続きなど) ●日常的な金銭管理(預貯金からの生活費払い戻し、公共料金支払いなど) 成年後見制度の利用支援事業 ●後見人などの紹介(紹介件数49件) 親族以外の後見人などを希望するかたには、弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門家を紹介します。 ●法人後見などの受任 親族や専門家に後見人を依頼することが困難なかたに、目黒区社会福祉協議会が法人として法定後見人などを受任しています。 法定後見人などの年度末受任件数 内容 / 件数 法定後見人 / 6 法定後見監督人 / 8 ●成年後見制度の啓発・親族後見人へのサポートなど 専門家で構成する「めぐろ成年後見ネットワーク」と協力し、講演会や出張講座、親族後見人支援のための交流会などを実施しています。 保健福祉サービス苦情調整委員による苦情調整事業(相談件数89件) 保健福祉サービスの苦情などを、利用者に代わり法律や福祉の専門家である保健福祉サービス苦情調整委員が中立的な立場で調査し、対応します。 ●苦情申し立て 苦情調整委員が面談を行い、申立書を受付けます。 ●苦情調整委員の対応状況 申し立てについて調査を行い、結果を申立人に通知すると共に、事業者などに改善の要望などを行います。 苦情相談件数 内容 / 件数 介護保険に関するもの / 19 高齢者福祉に関するもの / 7 保健福祉に関するもの / 10 障害者福祉に関するもの / 1 障害者総合支援法に関するもの / 14 低所得に関するもの / 21 子育て支援に関するもの / 1 保育に関するもの / 16 合計 89 苦情調整委員の対応件数 内容 / 件数 勧告 / 0 意見表明 / 0 文書による申入れ / 2 口頭による申入れ / 0 文書による要望 / 2 口頭による要望 / 0 申立ての取り下げ / 0 面談のみ / 1 その他 / 0 合計 5 令和7年度苦情調整委員運用状況報告書は、8月下旬から区ウェブサイト、権利擁護センター「めぐろ」(総合庁舎本館1階)、地域包括支援センターでご覧になれます。 問い合わせ 権利擁護センター「めぐろ」(TEL 5768-3964、FAX 5768-3965)