目黒区保健医療福祉計画、介護保険事業計画及び障害者計画改定の基本的な方向について(答申)【概要】 令和5年9月 目黒区地域福祉審議会 目次 T各計画の基本理念について 1保健医療福祉計画 2介護保険事業計画 3障害者計画 U福祉分野の重点事項について 総論 1地域共生社会の実現の推進 2生涯現役社会・エイジレス社会の推進 3障害への理解促進・障害のある人への支援の充実 共通事項 1 地域共生社会の実現の推進 各論 1-(1)包括的な支援体制の充実 1-(2)誰もが安心して地域で暮らせる社会の推進 1-(3)地域包括ケアシステムの深化・推進 2 生涯現役社会・エイジレス社会の推進 各論 2-(1)介護予防・フレイル予防の推進 2-(2)社会参加・居場所づくり・就労支援の推進 3 障害への理解促進・障害のある人への支援の充実 各論 3-(1)身近な地域で暮らし続けていくことができる仕組みづくり 3-(2)誰もが社会に参加し、貢献することができる仕組みづくり 3-(3)ともに暮らすまちづくりの実現 3-(4)障害のある児童の健やかな成長のための発達支援 資料編について 答申について  高齢化の進行や家族構成の変化、地域のつながりの希薄化により、区民が抱える生活課題は複雑化・複合化する傾向にある。加えて長引くコロナ禍が経済的困窮とともに、既存の制度では対応が困難な課題を顕在化させている。目黒区長から、次期保健医療福祉計画等の基本的な方向について諮問を受けた地域福祉審議会では、福祉分野の枠にとどまらない包括的な支援と包摂的な地域づくりを目指す「地域共生社会」の実現の推進を検討の基本に据え、地域福祉、高齢者の介護・福祉、障害者福祉等について、新たな視点から今後の方向性を提示した。 T 各計画の基本理念について 1 保健医療福祉計画  次期計画の基本理念については、「地域共生社会の実現に向けて、だれもが住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができるように」するとした、現行の基本理念を継承することが望ましい。  施策を推進する「基本的な考え方」については、以下の新たな視点を加えることを提示。 ○多様な価値観を認め合い、誰もが生きがいと役割をもって活躍できる地域社会の形成 ○様々な困難を抱える人に寄り添った包括的な支援の仕組みの確立 ○自らの意思が尊重され、自立した生活を送ることができるサービスの総合的な提供と担い手の確保・育成 ○ライフステージや心身の状態に応じた健康施策の推進 ○孤立することなく安心して暮らすことができる地域社会を区民と事業者、区が共につくる ○「支える側」「支えられる側」という関係を超えた地域づくりへの参加 2 介護保険事業計画  介護保険制度の目指すところは創設時から変化しておらず、また保健医療福祉計画との一体性を保つものであることを踏まえ、現行の基本理念である「住み慣れた地域で自分らしく暮らし続ける」を継承することが望ましい。「基本的な考え方」については、主に以下の新たな視点を提示。 ○「自立支援と介護予防」における保健事業等との連携 ○「保険者機能の強化」におけるPDCAサイクルに沿った検証 ○「サービスの充実」における介護サービス事業者等との連携 ○「利用者本位と利用者保護」における利用者等からの苦情への適切な対応 3 障害者計画  障害者権利条約や障害者基本法の趣旨を踏まえ、障害の有無にかかわらず、誰もが等しく基本的人権を享有する個人として尊重され、相互に人格と個性を尊重し合う社会を目指すという視点に立ち、基本理念を「誰もが自分らしく輝きながら共に暮らせる社会の実現」とすることが望ましい。  基本的な考え方として、〇自己決定の尊重 〇政策決定過程への参加・参画 〇切れ目ない横断的な支援 〇社会的障壁の除去の4項目を提示。 U 福祉分野の重点事項について(総論) 1 地域共生社会の実現の推進 (1)包括的な支援体制の充実 〇複雑化・複合化した課題を抱え社会から孤立する傾向にある人を受け止め、適切な支援につなげる包括的な支援体制の充実が必要 〇そのためには、相談支援体制の充実と地域づくりを一体的に進めるとともに、人権と多様性を尊重する包摂的な地域社会の形成を目指す福祉教育を推進することが重要 (2)誰もが安心して地域で暮らせる社会の推進 〇長引くコロナ禍の影響を受けて、経済的な困窮とともに、社会参加の機会が減少し、地域とのつながりが希薄化。相談支援窓口を利用する人の世代や属性が広がり、ひきこもりやヤングケアラー等の課題が顕在化 〇その背景には誰にでも起こり得る孤独・孤立の状態があり、様々な生活課題を引き起こし心身の健康への深刻な影響が懸念される。地域社会からの孤立を防ぎ、生活の安定と自立への支援が必要 (3)地域包括ケアシステムの深化・推進 〇住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの推進に向けて、区は様々な取組を実施 〇高齢者を中心に推進してきた地域包括ケアシステムは、障害者、子ども等への支援、複合課題にも対象を広げ、地域共生社会を実現するための仕組みとして機能 〇今後は更に多職種、多機関による相談支援体制の充実と、地域や関係機関との連携強化に取り組むことが必要 2 生涯現役社会・エイジレス社会の推進 〇人生100年時代において、いつまでも元気で心豊かに過ごすには、健康な状態をより長く維持することが重要。介護予防・フレイル予防に取り組むとともに、希望する仕事や学び、趣味、地域活動の機会を持てるようにする環境整備が求められる。 〇新型コロナウイルス感染症を契機とした「新たな日常」を踏まえ、高齢者の多様な社会参加の場の提供に取り組むことが必要 3 障害への理解促進・障害のある人への支援の充実 〇共生社会の実現には、地域社会全体の障害理解のもと、障害者が希望する地域生活を実現・継続する支援の充実が不可欠 〇障害の有無にかかわらない多様な交流やコミュニケーション支援の環境整備を通じた相互理解の推進が必要 〇教育、就労、地域での暮らしや居住の場などで本人の希望が実現できる支援と意思表示が難しい人の希望を引き出す支援が必要 共通事項 介護・福祉人材の確保・定着・育成 介護・福祉人材の不足は一層深刻化することが見込まれる。福祉職場の魅力発信、研修や労働環境の改善に事業者と区が連携して取り組むこと、分野を超えた人材の確保や福祉人材センター設置の検討が必要 介護・福祉におけるDXの推進 SNSを活用した相談支援やオンライン講習、障害者の情報取得利用のためのICT機器の活用支援、医療・介護双方のデータ活用による健康課題の抽出、介護福祉現場でのデジタル機器の導入などDXの推進が必要 1 地域共生社会の実現の推進(各論) 1-(1)包括的な支援体制の充実 @包括的相談支援体制の充実 現状 〇「福祉の総合相談窓口」を開設し、制度の「狭間」の課題や複雑化・複合化した課題の解決に向け、分野を超えた包括的な相談支援体制を構築 〇区独自のプログラムによるソーシャルワーク機能を向上させるための体系的な職員研修を実施 〇社会福祉協議会に配置したコミュニティ・ソーシャルワーカー(CSW)が、アウトリーチにより支援を必要とする人を見つけ伴走型の支援を実施 〇現実には、相談の手前で止まってしまう事例があり、緊急時や「狭間」の問題の相談先が分からない、対応の手順が見えないといった問題が存在 取組の方向性 ○連携強化・職員の資質向上 複合課題を抱えた人に対して適切な支援につなげるための、関係機関の連携強化、各相談支援機関の職員の資質・能力の向上と区の支援が必要 ○相談支援の周知・見える化・学習機会の提供 支援を必要とする人が相談につながるように、積極的な周知、相談から支援に至る流れの見える化、福祉に関する区民の学習機会の提供が必要 ○急変時・狭間の課題への対応 相談支援機関での迅速・適切な対応、及び制度の狭間の課題への区独自の支援や専門職・支援団体と連携した取組が必要 ○相談支援機関・地域との継続的なつながり ○重層的支援体制整備事業の実施に向けた検討 区が進めてきた包括的な支援体制を充実させるものであり、実効性のある相談支援や多機関協働、地域づくりを進め、福祉の総合相談での成果を生かして、目黒ならではの体制を構築することを期待。関係機関等との調整を進め、速やかに実施することが望ましい A地域における支え合いの推進 現状 〇高齢化・核家族化の進行、コロナ禍の影響などによる、地域でのつながりや支え合いの必要性の高まり 〇地域の連携・話し合いの場である協議体と地域資源の把握や地域住民の関係づくりを担う生活支援コーディネーターが、地域住民やボランティア等による多様な生活支援サービスの創出に向けて取り組んでいる 〇地域住民による見守り活動や、民生委員・児童委員、ボランティアグループによる様々な支え合い活動がオンライン開催も含めて展開 取組の方向性 ○居場所づくりと担い手の確保 気軽に参加できる地域の活動や場が身近にあることと、地域活動の担い手の確保が大切。今後は「支える側」と「支えられる側」という関係を超えた取組の推進が不可欠 ○生活支援体制整備事業の効果的な推進 個々人の支援ニーズを把握するCSWの活動が協議体や生活支援コーディネーターの活動と連動し、新たな担い手の発掘や地域活動の拠点づくりにつながると効果的 ○福祉施設・社会福祉法人への期待 区内の福祉施設等が地域の居場所や支え合い活動の拠点として活用されること、社会福祉法人が地域の支え合い活動に貢献することを期待 ○「新たな日常」を踏まえた支え合い 感染症に対応した工夫をしながら、地域の支え合い活動を支援し、活動のネットワークづくりを社会福祉協議会と連携して推進することが必要 B福祉教育の推進 現状 〇障害者差別解消法の改正により、事業者にも合理的配慮を義務付け、相談窓口機能を強化。国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)は「誰一人取り残さない、持続可能で多様性と包摂性のある社会」の実現を目指している 〇障害や経済的な困窮、国籍、性的指向・性自認などに対する偏見と差別が依然として存在。社会状況の変化により新たな人権課題も生じている。困難な課題を抱える人への無関心や偏見・差別が地域社会における疎外・排除をもたらし、生きづらさを増していくという状況に陥りやすい 〇学校教育や社会教育、イベントなどによる学び合いや交流が行われ、相互理解を進めるとともに、福祉や人権に関する課題への知識と理解を深め、個性や違いを認め合う意識の醸成が図られている 取組の方向性 ○共生社会に向けた福祉教育の推進 障害やLGBTQ等への正しい知識を得て理解し、疎外することなく地域で共に生きていくために、行動する力を身に付ける学び合いの取組が必要 ○日常の中にある学び合い 日常の中にある様々な触れ合いや体験を通して、人権と多様性の尊重を実感し福祉課題を学ぶこと、当事者が地域で暮らす様子を自ら発信し、対話を通じて学び合うことが大切 ○「受援力」を高める取組 社会的包摂の取組とともに、援助を受け入れる「受援力」を高める取組が必要。SNSを通じた呼びかけや相談窓口、支援策を伝えることが必要 1-(2)誰もが安心して地域で暮らせる社会の推進 @生活困窮者の自立支援の充実 現状 〇長引くコロナ禍や物価高騰の影響により、以前から生活困窮のおそれがあった人や脆弱な生活基盤のもと暮らしていた人が顕在化。福祉の総合相談窓口では、生活上の困りごとの相談から生活困窮の早期把握に努め、関係機関と連携した就労支援や家計改善支援等の包括的な支援に取り組んでいる。併せて、生活保護制度と生活困窮者自立支援制度を連携させた相談支援を実施 〇生活保護受給者が抱える多様で複雑な課題に対応するため、就労支援や健康管理支援、次世代育成支援などについて自立支援の内容と手順を定めた自立支援プログラムを策定。本人同意によりプログラムを決定し、自立のための活動を関係機関と連携して支援 取組の方向性 ○生活困窮者の自立支援 多様な生活課題を抱える生活困窮者が「制度の狭間」に陥らないよう広く受け止め、本人の自立と尊厳に配慮した包括的かつ伴走型の支援に対応できる体制整備が重要。福祉分野の枠にとどまらない多様な関係機関の緊密な連携と、適切で効果的な支援を継続できる人材の確保・育成が不可欠。社会参加の場づくりや仲間づくりに区や社会福祉法人等が連携して取り組むことも大切 ○生活保護受給者の自立支援 専門職・関係機関との連携強化が重要。就労や健康・生活管理面での自立、地域社会とのつながりの回復を目指す効果的な自立支援プログラムの展開が必要 A住まいの確保 現状 〇低所得者や高齢者、障害者、ひとり親家庭などの「住宅確保要配慮者」に対しては、行政の福祉部局と住宅部局、地域福祉団体や不動産団体が連携した住まいの確保の支援が求められており、関係者で構成する「目黒区居住支援協議会」が専門的な協議を実施 〇福祉の総合相談窓口に「住まいの相談員」を配置し、生活支援の相談と一体的な相談支援を実施 〇高齢者福祉住宅の供給、障害者グループホーム等の整備支援、民間賃貸住宅の情報提供、家賃助成等を実施 取組の方向性 ○幅広い支援ニーズへの対応 高齢者中心の支援という傾向があるが、若い層への支援ニーズも高まってくると考えられ、支援対象を広くとらえた分野横断的な支援が必要 ○本人の意思を尊重した包括的な支援 居住の安定により地域生活の向上を図るためには、本人の意思を尊重しながら、必要な支援を関係機関と連携して着実に行うことが必要 ○地域住民や社会福祉法人等による支援 地域の住民やボランティア等による見守り活動が効果的。社会福祉法人等の公益的な取組として入居者の訪問や支援を行うことも期待 ○住まいの整備促進 家賃助成等の居住支援策のほか、民間事業者による都市型軽費老人ホーム、地域密着型サービスや障害者グループホーム等の整備促進も必要 B多様な生活課題への分野横断的な支援(ひきこもり、ヤングケアラー) 現状 〇令和4年11月の内閣府調査では、15〜64歳のひきこもり状態にある人は、全国で146万人いると推計 〇福祉総合課と保健所に「ひきこもり相談窓口」を置き、「断らない相談支援」を実施。相談窓口の周知と社会福祉協議会、家族会と連携しながらアウトリーチに取り組んでおり、理解を深めるための講演会も開催 〇令和2年度の中学2年、高校2年を対象にした国の調査では、クラスに1〜2人のヤングケアラーがいると推計。本人や家族、周りの大人の認識が乏しいことから表面化しにくい問題 〇子ども家庭支援センターを中心に分野横断的なヤングケアラーの支援に取り組み、教員等の研修やスクールカウンセラーによる面接、X(旧ツイッター)、LINEを活用した周知・啓発を実施 取組の方向性 ○ひきこもりの状態にある人への支援 ひきこもりの相談窓口を広く周知し、オンライン相談の検討も必要。当事者や家族との信頼関係を築きながら、継続的で伴走型の支援が重要。CSWや支援団体、専門機関と連携し、本人が安心して過ごせる居場所と活躍できる場づくり、就労支援など多様な社会参加の機会の用意が必要 ○ヤングケアラーへの支援 児童・介護・福祉・医療・教育等の様々な分野の支援者が認識を向上させ、ヤングケアラーの早期発見と支援につなぐ取組が重要。福祉の総合相談がサービスのつなぎ役として効果的に機能することが必要。区として実態調査を行い、子ども自身と周りの大人の意識の変化を生むことも大切 ○SOSが発信できる環境の整備 ひきこもりやヤングケアラー等の当事者が自ら抱える課題に気づき、SOSを発信できるよう、SNS等を活用して「一緒に考えよう」と呼びかけ、相談窓口を伝えるなどの環境整備が重要 C社会的孤立・孤独への対応 現状 〇社会的孤立や望まない孤独は命に関わる問題。令和4年の全国の自殺者数は、小中高校生が過去最大となり、女性の自殺者は3年連続で増加。長引くコロナ禍の影響があると見られている 〇令和4年に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が制定、5年5月には「孤独・孤立対策推進法」が成立した 〇区では、福祉の総合相談窓口を中心に分野を超えた包括的な相談支援を実施。関係課や社会福祉協議会等の関係機関がアウトリーチにより、課題をかかえながら孤立している人に寄り添った支援を実施 〇自殺対策として、正しい知識の啓発や相談支援、ゲートキーパーの養成などを関係機関・団体・区民と連携して総合的に推進 取組の方向性 ○相談窓口の積極的な周知 「ここに相談すれば必ず受け止めてくれる」といったPRが不可欠。支援団体と連携し、SNS等を通じて呼びかけて具体的な相談の流れや支援策を伝えていくことが必要 ○重層的な支援と支え合いの推進 当事者や家族の意向に配慮したアウトリーチ型の重層的な支援や、当事者が地域社会とつながる支え合いの地域づくりを一層進めることが必要 ○女性への支援 女性の置かれた構造的な課題を踏まえ、個々人の課題に応じた最適な支援が受けられるよう、民間団体と連携した多様な支援を早期から切れ目なく包括的に提供していくことが必要 D認知症施策の推進 現状 〇認知症高齢者は2040年まで増え続けることが想定されている 〇国の「認知症施策推進大綱」では、認知症の人や家族の視点を重視しながら「共生」と「予防」を推進するとして、@普及啓発・本人発信支援 A予防 B医療ケア・介護サービス・介護者への支援 C認知症バリアフリーの推進、若年性認知症の人への支援、社会参加支援等を提示 〇認知症の人が尊厳を保持しつつ社会の一員として尊重される社会の実現を図るため、基本理念を定め、国や地方自治体の責務を明らかにし、認知症施策を総合的かつ計画的に推進することを目的として、令和5年6月に「認知症基本法」が成立 〇区では、認知症サポーター養成等を通じた地域における理解促進や相談支援窓口の周知、当事者と家族の居場所づくりや家族介護者への支援、早期診断・早期対応のための認知症のアウトリーチ事業・初期集中支援事業の実施、地域の医療・介護等の連携の取組、若年性認知症の人への支援等、認知症施策を総合的に推進 〇新型コロナウイルス感染症の影響により、閉じこもりや身体・認知機能の低下が懸念される状況 取組の方向性 ○自分らしく暮らし続けられる社会の実現 認知症の人の意思が尊重され、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられるよう、認知症基本法に基づき、地域社会全体で認知症施策を推進することが大切 ○新型コロナウイルス感染症が及ぼした影響を踏まえた対応 認知機能が低下した人への適時・適切な医療と介護サービスの連携、認知症の早期発見・早期対応の体制づくりの推進が重要 ○認知症の人と家族の視点に立った取組 認知症の人の発信の機会の拡充や家族による情報発信、「Dカフェ」や家族会の活動への引き続きの支援が必要 E権利擁護の推進(成年後見制度、意思決定支援、虐待防止) 現状 〇権利擁護センター「めぐろ」を成年後見制度推進機関とし、制度利用に関する相談や後見人等候補者の紹介、後見人等のサポート、市民後見人の養成、制度普及のための講演会などを実施 〇意思決定への適切な支援により、認知症の人の日常生活や社会生活、障害のある人の福祉サービス等の適切な利用に努め、意思決定支援の考え方の普及・啓発を図る区民講演会を開催 〇高齢者や障害者、子どもへの虐待の未然防止、早期発見のため、見守りと気づきによって本人と家族を地域で支える仕組みづくりを進めるとともに、関係職員の対応力強化のための専門研修を実施 取組の方向性 ○成年後見制度の利用促進 これまでの活動を踏まえて、区の成年後見制度利用促進基本計画を策定し、権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築や中核機関、協議会の整備に取り組むことが必要。成年後見制度は課題解決の一手法であり柔軟な支援策を考える視点も大切 ○意思決定支援の推進 「意思決定支援の中心に本人を置く」とする本人主義の考え方を、支援者の研修や区民講演会等により、地域に浸透させていくことが大切。後見人への支援を通じて意思決定支援の質の向上を図ることも重要 ○虐待防止に向けた取組  コロナ禍の影響も踏まえ、介護・福祉施設における虐待防止への支援、早期の相談や発見につながる地域の包括的な支援の充実が必要 F災害時要配慮者支援の推進 現状 〇災害時要配慮者が個々の状況に応じた必要な支援を受けられるよう、区独自のガイドラインによる災害時個別支援プラン(個別避難計画)の作成に取り組み、令和5年3月時点で928件の新規プランを作成 〇平常時の見守りや防災訓練等を通じた顔の見える関係づくりが大切なため、地域への情報提供に同意した避難行動要支援者の名簿を受ける町会・自治会の拡大に取り組み、令和5年3月時点で86町会・自治会のうち53の団体に名簿を提供 取組の方向性 ○個別支援プラン作成の促進 介護事業者等に依頼して個別支援プランの作成を促進することが必要であり、その際、避難支援者の確保が重要。ハザードマップの被害想定地域や要介護度・障害支援区分の重い方を優先してプラン作成を進めることも大切 ○地域避難所における支援の充実 多様な要配慮者の状況に配慮した情報提供やコミュニケーション手段の確保、相談窓口の設置、生活支援対策、感染症対策が必要 ○福祉避難所の受入態勢の強化 福祉避難所指定施設の拡大や備蓄品の充実、専門職等人的資源の確保が必要 ○在宅避難者への支援の整備 在宅避難者の情報と必要な支援を把握し、物資や福祉サービス提供等の支援策を整備することが必要 1-(3)地域包括ケアシステムの深化・推進 @地域包括支援センターの機能強化 現状 〇区は、地域包括支援センターを「住民にもっとも身近な保健福祉の総合相談窓口」と位置づけ、地域包括ケアシステムの拠点として、日常生活圏域の5地区に設置。保健師・看護師、社会福祉士、主任介護支援専門員などの専門職を配置 〇高齢者・障害者・子ども・生活困窮者等、すべての区民を対象に世帯が抱える課題を丸ごと受け止め、専門機関や区の関係部署、地域団体等と協働して、適切な支援や地域資源につなげる役割を担う 〇より身近な場所で気軽に相談できるよう、住区センター等を会場に出張相談を実施(令和5年3月末16か所) 取組の方向性 ○潜在的なニーズの掘り起こし 相談内容の多様化・複雑化・複合化の背景には社会的な孤立や格差の拡大がある。潜在化しているニーズの掘り起こしが重要 ○相談支援・アウトリーチ機能の充実 人員体制の強化、職員の資質・マネジメント力の向上が必要。地域連携・在宅療養・認知症支援の各コーディネーターを中心に、多様な職種や機関、地域と連携・協働しネットワークを構築することが必要 ○後方支援機能の強化 「福祉の総合相談」が地域包括支援センターで受けた困難事例に対応する個別ケース会議を開き、関係機関へ確実につなぐなど後方支援体制の強化も必要 A介護福祉サービス基盤の整備と家族介護者等への支援の充実 現状 〇区の高齢者を対象にした調査では、介護が必要になったとき、6割が自宅での暮らしを希望し、1割が施設での暮らしを希望 〇介護が必要な高齢者ができる限り地域で暮らし続けられるよう地域密着型のサービスの整備を進めるとともに、在宅生活が難しい方のための特別養護老人ホームの整備も進めている 〇低所得者が本人に必要な介護サービスを安心して利用できるよう、各種減免制度を実施 〇介護離職防止の制度は整備されたが、課題が解消しているとは言い難い。区の家族介護者への調査では、介護を理由に離職・転職した家族は1割強。求める必要な支援としては「介護者の病気・休養など緊急時に利用できるサービス」が最多となった 〇在宅レスパイト事業の整備・充実に取り組み、家族・介護者支援のための訪問保健相談や交流会等を実施 〇コロナの影響を受けて、ショートステイ等のサービス提供の規模縮小や一時休止、サービスの利用控え、交流の中止等が相次いだ 取組の方向性 ○増加する介護サービスの需要への対応 在宅サービスと居住・施設でのサービスのバランスを考慮して、介護サービスを充実させるとともに、低所得者への配慮を行うことが必要。同時に担い手となる人材の確保が重要 ○家族介護者への支援の充実 介護サービスの充実とともに、家族介護者への介護の知識・技術・資源等の情報提供、介護負担軽減のための様々な施策の推進が必要。介護者同士の交流や情報交換の機会の提供、介護者自身の健康管理への助言や精神的な支援も大切。経済的な支援制度等の周知も必要 B生活支援サービスの充実 現状 〇要介護リスクの高まる後期高齢者が増加する一方で、それを支える生産年齢人口が減少する中、地域住民やボランティア等の多様な担い手による生活支援サービスの創出に取り組んでいる 〇高齢者の介護予防や健康づくり、生活支援のサービスを介護事業者が提供するとともに、住民主体の支え合い事業を実施(介護予防・日常生活支援総合事業) 〇地域資源の把握や地域住民の関係づくりを担う生活支援コーディネーターと地域の話し合いの場である協議体が、地域住民やボランティアによる生活支援サービスの創出に向けた取組を実施(生活支援体制整備事業) 〇コロナの影響を受けて、住民主体の活動が制約を受けたが、オンライン会議など新たな手法を導入 取組の方向性 ○高齢者のニーズをとらえた生活支援サービスの充実 高齢者の地域での自立生活を支えていくためには、社会状況の変化や高齢者のニーズを的確にとらえることが必要。ひとり暮らしの高齢者でも男女が抱える課題は違う。性別による分析を行い政策に活かすことが必要 ○生活支援体制整備事業の実効性の確保 協議体が実質的にできることを見極め、具体的な取組を進めることが大切。地域資源の把握・開発、生活支援・介護予防サービスの充実には、生活支援コーディネーターや協議体と地域ケア会議の一層の連携が必要 C在宅医療と介護・福祉の連携 現状 〇医療・介護の関係団体と地域包括支援センターで構成する在宅療養推進協議会を設置し、在宅医療と介護のネットワークを構築 〇各地域包括支援センターに、在宅療養相談窓口を設置し、在宅療養コーディネーターを配置して、地域の在宅療養に関する相談に対応 〇在宅療養を支える診療所等の関係機関の情報を掲載した「在宅療養資源マップ」(冊子)の配布と、「医療・介護資源情報提供システム」を運用 取組の方向性 ○医療・介護の有機的な連携 住み慣れた地域で医療・介護を切れ目なく受け続けることができるよう、医療・介護が有機的に連携する体制の一層の整備が必要 ○4つの場面での多職種連携 「日常の療養支援」「急変時の対応」「入退院支援」「看取り」の各場面に応じた連携の現状・課題を整理して、多職種連携を一層推進することが必要 ○感染症対策への支援 感染症による感染リスクが懸念される中でも、在宅療養が継続できる支援の充実が必要 ○障害者のための保健、医療、福祉の連携 「精神保健医療福祉推進協議会」が動き始め、保健・医療・福祉関係者の連携による障害者へのアウトリーチが進むことを期待 D介護・福祉人材の確保・定着・育成とサービスの質の向上 現状 〇少子高齢化の進展により、人手不足の問題は介護・福祉分野で一層深刻化すると予測。国は、介護・福祉職員の処遇改善、多様な人材の確保・育成、外国人材の受入環境の整備などに取り組んでいる 〇介護サービス提供事業者に対する区の調査では、6割が職員の確保・離職対策が課題と回答 〇区では、介護職員等の宿舎借上支援、介護・福祉事業所が参加する就業相談会や研修受講費の補助等を実施 〇サービスの質の向上では、第三者評価の実施とその受審費用の助成を行い、運営指導を実施。保健福祉サービス苦情調整委員制度を運用 取組の方向性 ○人材の確保・定着 福祉現場の魅力ややりがいの周知、研修や労働条件の改善、外国人労働者の生活支援に配慮した外国籍人材の活用、ICT機器や次世代介護機器の活用による業務負担の軽減に、事業者と区が連携、及び区が支援して取り組むことが必要 ○事業者への支援 介護・福祉事業者の経営安定化のための情報提供や助言などマネジメントについての支援やICTを活用した事業所業務の効率化の支援が必要 ○福祉人材センターの設置 小規模事業所のサービスの質の確保や将来の人材確保につながる福祉人材センターの設置について検討を提案 ○領域横断的な人材の確保・育成 複雑・多様な支援ニーズに対応するため、制度・分野の枠を超えた人材の確保・育成も必要。専管部署の設置や、専門職、地域人材の育成、アクティブシニアの活用等の取組を進める施策を打ち出すことを提案 2 生涯現役社会・エイジレス社会の推進(各論) 2-(1)介護予防・フレイル予防の推進 現状 〇介護予防は、高齢者が地域の中でいきがいや役割を持てる居場所づくり等環境へのアプローチも含めた取組が重要となっている。区でも、自主グループの養成や活動支援に力を入れて、住民主体の介護予防活動を推進。区独自のフレイル予防プロジェクトも実施 〇理学療法士、作業療法士の各団体と連携し、地域リハビリテーション活動事業に専門職の視点から助言 〇定期的に「介護予防通信」を発行するなど介護予防の普及啓発を展開 〇コロナにより外出を控えている人に向け、「めぐろ手ぬぐい体操」のYouTube配信や講座のオンライン開催を実施 取組の方向性 ○住民主体の活動の推進 認知機能の低下や精神状態の悪化防止の効果も期待できる住民主体の介護予防・フレイル予防活動の活性化、拡充が必要 ○参加者の拡大、普及啓発 交流を望まない人や通いの場に行くことが難しい人なども介護予防に取り組めるよう、事業内容や実施方法の工夫が必要。家族の理解促進や高齢者になる前の世代への普及啓発も大切 ○保健事業と介護予防の一体的実施 生活習慣病等を予防する保健事業と介護予防事業の連携が重要。医療・介護双方のデータの活用により区の健康課題を抽出し、より効果的に介護予防・フレイル予防を推進して、健康寿命の延伸を図ることが必要 2-(2)社会参加・居場所づくり・就労支援の推進 現状 〇すべての年代の人が希望に応じて意欲・能力を生かして活躍することができる、エイジレス社会を目指している。区の実態調査では、高齢者の地域活動への参加意向は5割を超えるが、参加している人は4%という結果 〇老人クラブ活動への支援や、老人いこいの家、高齢者センターでの生きがいづくり、健康づくりを支援 〇閉じこもりを防ぐ地域交流サロンや会食サービスを実施 〇高齢者のボランティア活動として、介護支援等を行いポイントを取得する事業を実施。絵本の読み聞かせ活動団体の立ち上げも支援 〇シルバー人材センターの運営を支援 取組の方向性 ○楽しみながら活動できる場づくり サークル活動や社会貢献活動を楽しみながら行える地域の場があり、人が集まる仕組を進めていきたい。様々な心身の状態にある人が共に活動できるよう実施方法の工夫があると良い ○ICTの活用 デジタルデバイドの解消を図りながらICTを活用し、オンラインでの社会参加等、高齢者の生きがい活動の場を広げる取組も必要 ○就労の場の提供 高齢者の就労意欲や能力を最大限活かすため、ハローワーク等の地域の関係機関と連携した就労の場の提供が必要。雇用情勢の変化やプレシニア期の就労に関する情報提供も効果的。介護現場での高齢者の就労について、その仕組みづくりの検討を提案 3 障害への理解促進・障害のある人への支援の充実(各論) 3-(1)身近な地域で暮らし続けていくことができる仕組みづくり 現状 〇 区の障害者に対する調査では、地域での自立生活のために重要な取組として、すべての障害種別で「相談支援の充実」という回答が5割を超えた。区では、地域生活支援拠点及び基幹相談支援センターを整備し事業を実施 〇「精神障害者にも対応した地域包括ケアシステム」の構築に向け、保健・医療・福祉関係者による協議会を開催。地域移行・定着支援のサービス利用に向けた精神障害者退院相談支援事業を実施 〇 相談支援専門員をはじめ福祉人材の確保・定着・育成が困難な状況。福祉の仕事の相談会や職員宿舎借上への助成、基幹相談支援センターでの専門研修等を実施 取組の方向性 ○相談支援体制の充実 地域生活支援拠点とサービス事業所との連携強化、相談支援体制の中核となる基幹相談支援センターによる、相談支援専門員が抱える課題の的確な把握と信頼関係の構築が必要 ○精神障害者の地域生活に向けた支援の推進 地域生活を継続的に支える保健・医療・福祉関係者の連携強化、ピアサポーターの活用、地域住民の理解促進への啓発等更なる取組が必要 ○人材の確保・定着・育成 障害福祉の仕事の魅力発信や職場環境の改善等に区と事業者が連携して取り組むことが必要。相談支援専門員間のネットワークづくりや多業種の職員がスキルを生かして教え合う中で、地域の社会資源を知り仕事に役立て、やりがいを実感する取組を、人材の定着・育成の手法として提案 3-(2)誰もが社会に参加し、貢献することができる仕組みづくり 現状 〇障害者の情報の十分な取得利用や円滑な意思疎通が極めて重要 〇区の障害者に対する調査から、多くの障害種別でICT機器やオンラインの活用がなされており、情報アクセシビリティの向上に寄与していると考えられる 〇区の事務では、印刷物の音声コード化やタブレット端末による意思疎通支援等でICTを活用。一方で庁舎や避難所でのコミュニケーションボードの設置や手話通訳者の養成、点訳・音訳サービスも推進 〇目黒区就労支援センターで、一人ひとりに合った働き方の実現に向けた一般就労を支援。福祉的就労では、福祉の店の新規開店、福祉施設の自主生産品の販路拡大等に取り組んでいる。いずれもコロナの影響を受けたが、緩やかに回復傾向にある 取組の方向性 ○障害者による情報の取得利用・意思疎通に係る施策の推進 最新情報を注視しながら、ICT機器の障害者による入手支援や区の事業での活用が必要。開発には当事者の声の反映が不可欠。デジタル技術の活用が難しい障害者への支援と他の多様な手段を用いた情報保障も必要 ○就労支援の充実 障害者の就労に関する各種制度改正に伴い、今後、見込まれる障害者や事業者からの多様なニーズに応える就労支援体制の充実、就労定着支援の推進が必要。 ひきこもり相談の対象者など、法の対象にならないボーダーラインの人達の就労に限定しない社会参加の支援や、重度障害者の大学通学や就労のための支援など、制度の狭間の問題等の検討も必要 3-(3)ともに暮らすまちづくりの実現 現状 〇共生社会の実現には心のバリアフリーの推進が不可欠 〇目黒区障害者差別解消支援地域協議会で相談事例の共有や関係機関との連携を推進。区報、講演会等を通じて区民の障害への理解を促進 〇区立学校では、障害者との交流活動やパラスポーツの体験、特別支援学級と通常の学級との交流及び共同学習等により福祉教育を推進 〇区の障害者を対象にした調査では、将来の暮らしについて、すべての障害種別で「現在の自宅で暮らし続けたい」という回答が最多となった。その環境整備には、家族の高齢化や「親なき後」を見据えた取組が課題 〇住まいの確保支援として、障害者グループホームの整備を促進。住宅確保要配慮者を対象に令和4年度から福祉総合課の住まいの相談支援や目黒区居住支援協議会による民間賃貸住宅への入居促進や居住の安定に向けた情報共有と協議を実施 取組の方向性 ○心のバリアフリーの推進 区の調査から過去3年間で差別を感じた障害者は全体で14.5%、障害児の保護者では37.3%に達する。障害者への差別が生じる背景には、無関心や無理解があり、日常の中にある体験を通じて理解を深める取組の推進が重要。障害者が地域の支え合いの中で前向きに生きていることを当事者団体等が伝えることも大きな意味がある。 ○地域における安定した暮らしの場の確保 障害者や家族の高齢化に対応するため、障害者グループホーム整備促進への積極的な取組が必要。不動産業者や家主に対する障害理解への啓発とともに、住まいの相談と生活相談の一体的な実施により、一人ひとりの状況に応じた支援を障害者支援機関と連携して進めることを期待 3-(4)障害のある児童の健やかな成長のための発達支援 現状 〇令和4年に国連の障害者権利委員会が、すべての障害のある児童に一般の保育制度や通常の学校の利用機会が確保されること等を日本政府に勧告 〇児童発達支援センターは、障害児支援の地域の中核的な機関であり、児童発達支援や障害児相談支援を実施し、利用者は増加の一途をたどる。保育所訪問による専門的な支援も実施 〇医療的ケアが必要な児童の支援のため、保健・医療・福祉・教育等の関係機関による協議及びネットワーク構築の場を設置。令和2年に医療的ケア児を含む重症心身障害児の療育のための通所事業所を開設。医療的ケア児の保育園への受入等支援体制を充実し保育環境の整備を推進 〇区立学校では特別支援教育推進計画に基づき、教員の育成、多様な学びの場での指導・支援の充実等インクルーシブ教育システムの構築に向けた取組を推進 取組の方向性 ○児童発達支援センター機能の充実 児童発達支援センターには、障害児通所支援事業所への助言・援助により地域の事業所全体の質の向上を図ることが求められ、その体制強化が必要。地域におけるインクルージョンの推進も期待され、センターが保育所や学校との連携を進め、効果的に事業を推進することが必要 ○医療的ケアが必要な児童等に対する支援体制の充実 地域で安心して暮らすために、都と連携した人材確保や施設整備等の支援、関係機関の連携・協力が必要。保護者のレスパイトケアも大切 ○インクルーシブ教育システム構築を基本とした特別支援教育の推進 全ての子どもが可能な限り共に学ぶことに配慮し、一人ひとりのニーズに応じた多様な学びの場の充実が必要。包摂的な教育に向けた福祉・教育の連携が重要 資料編について  「答申」は、EBPM(エビデンスに基づく政策立案)の視点に立ち、高齢者や障害者等を対象に区が令和4年に実施した実態調査の結果を反映させるとともに、各施策や事業の実施状況等をまとめた資料編を添付している。  実態調査の対象とすることが難しい、複雑な課題を抱えて支援を必要とする人の状況を把握する必要があることから、福祉の総合相談窓口を所管する福祉総合課やコミュニティ・ソーシャルワーカーが配置された社会福祉協議会に対しても調査を実施した。 「資料編」には、この調査から得られた相談支援実績の数値データや、アウトリーチを含めた相談に至った経緯、相談内容とその対応、関係機関との連携など実際の支援状況についても掲載している。また、相談から支援に至るまでの流れが見えるよう、複合的な課題の相談支援事例を紹介している。