更新日:2018年4月1日

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配偶者等からの暴力

配偶者等からの暴力とは?

配偶者暴力防止法では「配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(以下「身体に対する暴力等」という。)をいい、配偶者からの身体に対する暴力等を受けた後に、その者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を含むものとする。」を「配偶者からの暴力」と定義しています。

暴力の被害者は女性に限定されませんが、多くの場合は女性が被害を受けています。配偶者からの暴力は、犯罪となる行為を含む重大な人権侵害です。家庭という私的な生活の場で発生するため場合が多いため潜在化しやすく、周囲が気づかないうちに深刻な状態になります。被害者は恐怖や不安を覚え、生活を脅かされ、その人格を著しく傷つけられています。

配偶者の定義

配偶者からの暴力といっても、平成25年の法改正により、生活の本拠を共にする(もしくは共にしていた)交際相手からの暴力を含むものとなりました。配偶者だけでなく事実婚や交際の相手を含む意味を表すため、区は、「配偶者等からの暴力」という言葉を使っていますが、その意味は配偶者暴力防止法と同様です。

配偶者等には、婚姻の届出をしていない、いわゆる事実婚や生活の本拠を共にする交際相手の場合、離婚後や交際が終わった後も引き続き暴力を受ける場合も含まれます。

DVとは?

ちなみに、新聞やニュース番組で目にすることが多くなった「DV」という言葉は「ドメスティック・バイオレンス(domestic violence)」を略したもので、一般的には「配偶者や恋人など親密な関係にある者、または配偶者や恋人であった者からの暴力」という意味で使用されています。ただし、親子間の暴力などを含めて使用されることもあり、その定義は明確になっていません。

暴力の形態

暴力にはさまざまな形態が存在します。これらの暴力は単独で起こるものもありますが、多くは複数の形態で起こっています。また、ある行為が複数の形態に該当している場合もあります。

暴力の形態
暴力の種類 行為の例
身体的暴力 げんこつや体を傷つける可能性のある物でなぐる。平手で打つ。足でける。物を投げつける。突き飛ばす。刃物などの凶器を体に突きつける。髪を引っ張る。首をしめる。腕をねじる。引きずり回す。タバコをおしつける。
精神的暴力 大声で怒鳴る。何を言っても無視して口をきかない。「誰のおかげで生活できるんだ」「かいしょうなし」などと言う。人前でバカにしたり、命令するような口調でものを言ったりする。脅迫する。暴力を振るうそぶりする。大切にしている物を壊したり、捨てたりする。
性的暴力 嫌がっているのに性的行為を強要する。嫌がっているのにポルノ映像やポルノ雑誌、アダルトサイトを見せる。避妊に協力しない。中絶を強要する。
経済的暴力 生活費を渡さない。貯金を勝手に使う。外で働くことを禁じたり、仕事を辞めさせたりする。
社会的暴力 交友関係や行き先、電話・郵便物・メールの内容を細かく監視する。外出や親族・友人との付き合いを制限する。

暴力の特徴

逃げることを妨げる要因

暴力を受けている被害者の中には、以下の要因から、暴力を受けていても逃げたりまわりの人に相談したりできないことがあります。

逃げることを妨げる要因
要因
恐怖感 「逃げたら殺されるかもしれない」という強い恐怖から、逃げる決心がつかないこともあります。
無力感 暴力を振るわれ続けることにより、「自分は相手から離れることができない」「助けてくれる人は誰もいない」といった無気力状態に陥ることもあります。
複雑な心理 「暴力を振るうのは私のことを愛しているからだ」「いつか変わってくれるのではないか」との思いから、被害者であることを自覚することが困難になっていることもあります。
経済的な問題 相手の収入がないと生活することが困難な場合は、今後の生活を考え、逃げることができないこともあります。
子どもの問題 子どもがいる場合は、子どもの安全や就学の問題などが気にかかり、逃げることに踏み切れないこともあります。

被害者に与える影響

被害者は、暴力により、ケガなどの身体的な影響を受けるだけではなく、PTSD(外傷後ストレス障害)に陥るなど、精神的な影響を受けることもあります。

子どもに与える影響

暴力を目撃したことによって、子どもにさまざまな心身の症状が表れることもあります。
また、暴力を目撃しながら育った子どもは、自分が育った家庭での人間関係のパターンから、感情表現や問題解決の手段として暴力を用いることを学習してしまうこともあります。

加害者のタイプ

暴力を振るう加害者については、一定のタイプはなく、年齢、学歴、職種、年収に関係がないと言われています。人当たりが良く、社会的な信用もあり、周囲の人からは「家で妻(夫)に対して暴力を振るっているとは想像できない」と思われている人もいます。加害者の中には、家庭という密室の中だけで暴力を振るう人もいますが、普段から誰に対しても暴力的で、見知らぬ人に対しても言いがかりをつけて暴力を振るう人もいます。
また、アルコール依存や薬物依存、精神障害などが関連して暴力を振るっていると考えられる人もいます。

シンボルマークの画像
女性に対する暴力根絶のためのシンボルマーク

パープルリボンの画像
パープルリボン(女性に対する暴力根絶のためのシンボル)

目黒区の取組み

男女平等・共同参画推進計画(平成28年度から平成32年度)の中で、「身体的暴力の被害経験者の割合 ゼロ」という目標値を掲げています。

区は、配偶者等からの暴力被害をなくすため、未然防止策に加え、相談機能の充実や相談機関の相互連携など、事後救済の制度も充実させていきます。

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お問い合わせ

男女平等・共同参画センター

ファクス:03-5721-8574