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人権啓発のとびら これでいいのですか? 「身元調査って必要なの?」
ある日曜日、誰かが調べています
家族の会話
妻「ねえ、今ね、Aさんのこと、誰か聞きに来たのよ」
妻の母「ほらAちゃんだよ、もうすぐ学校も卒業だから、きっと家族とか近所の評判とか調査に来たのよ」
妻「ええ、だからうまく答えといたわ」
夫「しかし、どんなによく答えてもらったとしても、自分のことを調べられるのって嫌だな」
わたしたちは考えます
就職や結婚の際に、出身地や家族の状況等をひそかに興信所などを使って調査する例が後を絶ちません。本人の知らないところで行われるこうした身元調査は、重大な人権侵害です。
採用は、本人の能力と適性によって決められるものであり、それらと関係ない「生まれ」「親の職業」「家族環境」などにより採用の可否が決定されるとしたら、こんな不合理なことはありません。
しかし、今日でも、身元調査によって出身や家族状況を調べ、それを理由として不採用にするという差別が起きているのです。そうした差別は、差別を受けたことのない人にはその痛みを想像もできないほどに、人を生涯にわたって傷つけてしまうのです。
このような調査は、依頼する側や調査する会社に問題があるのはもちろんですが、人のプライバシーに関わることをなんの疑問も持たずに教えてしまうということにも問題があります。調査されているその人にとって有利な情報や良いことだけを教えるのであれば問題がないと考えている人もいるかもしれません。しかし、調査に協力するということは、調査を許すことになるのです。
同和問題をはじめ、差別に深く関わりのある身元調査は「しない・頼まない」、調査に来たときは、はっきり「断る」ことが大切です。
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