ここから本文です。
人権啓発のとびら これでいいのですか? 「お肉はおいしいね!」
夕食の時間です
家族の会話
娘「このお肉おいしいね!」
父親「と場で『食肉祭り』があって、そこで買ってきたんだよ」
娘「と場って、なーに?」
母親「と場というのは、牛や豚を食べられるように、お肉にするところなのよ」
娘「ふーん、お肉屋さんで売っているお肉も、と場からくるんだね」
わたしたちは考えます
JR品川駅東口に、東京都中央卸売市場食肉市場があります。この市場は、全国の食肉市場の中心として機能し、「魚の築地」と並び「肉の芝浦」として広く知られています。
しかし、食肉市場には、牛や豚などのと畜場が併設されており、この食肉解体処理業務(と畜業務)が同和問題と深く関わってきた歴史や食肉やと場に関する「ケガレ意識」などから、職業に対して偏見の眼で見られるなど、現在もさまざまな問題が起こっています。
例えば、食肉市場で働く人たちを、封建時代の賤称(せんしょう)(身分差別の呼称)を用いて誹謗中傷するはがきが市場に送られたり、インターネット上に極めて悪質な書き込みがされたりするといった事件も起きています。
また、マスコミや図書でも、「と場に引かれる牛の心境」といった比ゆで、この仕事を「残酷なこと」として、施設を「人の行きたがらない所」「避けて通りたい所」として描写され、大きな問題となるケースが多発しています。
このようなことが、食肉市場で働く人を傷つけ、誇りを持って自らの職業を語ることを妨げているばかりか、自分や子どもの結婚を妨害されるケースをも引き起こしています。
と畜業務は、私たちの暮らしに欠かすことのできない食肉を安心して供給する重要な役割を担っています。そこで働く人をいわれのない差別や偏見によって、誇りを持って生きることを妨げることは、いつの時代にあっても許されない人権侵害です。私たちの身近な人権問題として、この食肉・と場問題を認識する必要があります。
パネルのダウンロード
お問い合わせ
電話:03-5722-9214
ファクス:03-5722-9469