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人権について考える授業 (めぐろ区報 平成21年2月25日号に掲載した記事です)
平成21年2月
平成20年12月に教育委員会主催の人権尊重教育研修会が行われました。区立幼稚園、小・中学校の教員、人権擁護委員など、60人を超える参加があり、鷹番小学校の4年生を対象に行った人権について考える授業を参観し、知識を深めました。
この日の授業は、「区別」と「差別」について考えることをテーマに行われました。区別とは個性や性質の違いによって分けることで、差別とは、本人の努力ではどうにもならないことで上下関係をつけて分けることです。就職を例に言うと、能力の差により採用を決定することは区別と言えますが、出身地など自分ではどうしようもないことで優劣をつけ、不採用とすることは差別と言えます。
授業では、「人種による肌の色の違い」「学校卒業後の進学・就職の違い」「マラソン大会での男女の距離の違い」など、さまざまな「違い」について書かれたカードが用意されました。このカードを、グループで話し合って、「良い違い(区別)」「悪い違い(差別)」と分けていきます。身近にあるこれらの違いについて、互いに意見を伝え合い、差別や偏見を考えることがねらいです。
子どもたちからは、「簡単だと思ったけど、いざやってみると人によっていろいろな考えがあり大変だった」「良い違いは個性で、悪い違いは人権を奪うことだということが分かった」などの感想がありました。「あっていい違い」と「あってはいけない違い」があるということに気づき、区別と差別について体験を通して考える機会となりました。
「人権」という教科はありませんが、各学校では、人権教育全体計画や年間指導計画を作成し、社会科や道徳の時間、特別活動、総合的な学習の時間などで人権教育を計画的に行っています。
これらの人権教育は、子どもたちが正しい知識を持ち、人権について正しく考えることができる人権感覚を養うことを目指しています。人にやさしく、思いやりのある豊かな人間性をはぐくみ、よいと判断したことを自ら行動できる人に成長してほしいと願っています。
子どもたちが学んだ「区別」と「差別」。私たちも身近に存在する「違い」について、人権の視点から考えてみることが必要ではないでしょうか。
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