更新日:2015年9月28日
品川駅の近くに、中央卸売市場食肉市場があります。この食肉市場に併設されている「お肉の情報館」は、新鮮で安全な食肉を供給する役割を担っている「食肉市場・芝浦と場」の業務・役割を都民に正しく理解してもらうため、14年に都が開設した施設です。食肉処理の仕事は食肉を供給するうえで欠くことのできない大切な仕事ですが、偏見や差別がいまだに残っています。
昨年11月、区立第三中学校の1年生と特別支援学級の生徒が「お肉の情報館」を見学し、人権について学びました。
生徒たちは、事前に学校の道徳の授業で、自分たちは他の生き物の命を頂いて生きている「生かされる生」について学習しました。そして、当日の見学を通して、自分たちがふだん口にしている肉が、近くにある食肉市場で働く人たちの手によって加工されたものであることを学びました。また、食肉市場の職員から、食肉処理の仕事は細心の注意と熟練した技術が求められることや、自分たちの仕事に誇りをもって仕事をしているという思いを伺いました。しかし一方で、市場で働く人たちに対するいわれのない偏見や差別があることも知りました。
見学後、生徒は「自分たちの食生活を支えてくれる人たちは感謝されるべきなのに、なぜ差別されなければならないのか」「食肉市場の仕事の大切さを正しく知らなければいけない」と感想にまとめていました。今後、社会科や道徳などの学習を通して、人権について学んでいきます。
区では、人権の意義や内容、重要性について理解し、自分を大切にするとともに他の人も大切にすることができるよう各学校で人権教育を行っています。人権教育は、偏見や差別が、いかに人を傷付けるものかを理解させ、なくそうとする心や態度を育てることを狙いとしています。
偏見や差別をなくしていくためには、正しい知識を持つとともに、人権について正しく考えることができる人権感覚を養うことが大切です。子どもたちには、私たちの生活を支えているさまざまな職業や立場の人について正しく理解し、偏見や差別をなくすために自ら行動できる人に成長してほしいと願っています。
