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更新日:2015年9月29日

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犯罪被害者の人権を守るために (めぐろ区報 平成23年10月25日号に掲載した記事です)

平成23年10月

平成10年7月12日、泥酔状態の加害者は一緒に飲んだ友人たちを乗せ、すでに物損事故を起こし逃げる最中でした。信号を無視して逆走し、息子をひいてそのまま逃げ去りました。あまりにも突然のことで私は現実が受け入れられず、直後から感情まひが起こり泣くこともできませんでした。『なぜ、どうして』との思いがぐるぐると巡るだけで、当時の私は何も考えられませんでした。悪質な飲酒運転ひき逃げでも、当時の法律では業務上過失致死罪で、たった懲役2年でした。私の中では通り魔殺人と変わらないのに、なぜ過失なのか、そんな司法にも納得ができず本当に悔しくて何もできない自分を責めました」(公益社団法人被害者支援都民センター自助グループ発行「もう一度会いたい 遺族の手記」第10集からの抜粋)。

交通事故被害者を含む犯罪被害者やその家族は、犯罪や事故で受けた直接的な被害だけでなく、被害後に起こるさまざまな問題にも苦しめられます。例えば、周囲の無責任なうわさ話やマスコミの取材によるプライバシーの侵害、事件に遭ったことによる精神的ショックなどで、これらは二次的被害と呼ばれています。冒頭に紹介した手記のかたは、偶然知った被害者支援都民センターの支援を受けました。しかし、加害者からの謝罪はいまだになく、悲しみは薄れることはない、と手記には記されています。

悪質な運転者による死亡事故に対しては、13年には危険運転致死傷罪が、19年には自動車運転過失致死傷罪が新設され、厳罰化されています。また、16年には犯罪被害者等基本法が成立しました。

そして、犯罪被害者給付制度の改正や被害者等の刑事裁判への参加制度など、被害者支援のための取り組みも進められてきました。

しかし、犯罪被害者やその家族が再び平穏な生活を取り戻せるようになるためには、行政の取り組みだけなく、周囲の人の理解と支えが大切です。

11月25日から12月1日までは犯罪被害者週間です。この週間に先立ち、11月17日(木曜日)には区民センターホールで犯罪被害者週間行事として講演会と映画の上映を行います。この機会に犯罪被害者の人権について考えてみませんか。

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人権政策課

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