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配偶者などからの暴力 (めぐろ区報 平成25年6月25日号に掲載した記事です)
「暴力」と聞くと、殴ったり蹴ったりするなどの暴力を思い浮かべるかたが多いかもしれませんが、ドメスティック・バイオレンス(DV)ともいわれる配偶者(事実婚のパートナーを含む)からの暴力は、身体的なものだけではありません。大声でどなる、何を言っても無視して口をきかないなどの心無い言動等により相手の心を傷つける精神的な暴力や、生活費を渡さない、外で働くことを妨害するなどの経済的な暴力も含まれます。こうした暴力は、犯罪となる行為を含む重大な人権侵害です。
暴力の被害者は、多くの場合は女性です。身近な存在である配偶者などからの暴力を受けると、被害者は恐怖や不安を覚え、生活を脅かされ、その人格を著しく傷つけられます。
また、被害者だけでなく、暴力を目撃した子どもにも影響を与えます。自尊感情や自己肯定感が持てなくなり、精神的に不安定な状態が続き、不登校、成績低下などのさまざまな心身症状が現れることがあるのです。
暴力を目撃しながら育った子どもは、感情表現や問題解決の手段として、暴力を用いることを学習してしまうことさえあります。
暴力を振るう加害者に一定のタイプはなく、年齢、学歴、職種、年収は関係がないといわれています。ふだんからふるまいが少々乱暴で、時折、見知らぬ人に言いがかりをつけて暴行を加えるような人もいますが、家庭の中だけで暴力を振る人もいます。人当たりがよく、社会的な信用もあり、周囲の人からは「家で配偶者に対して暴力を振るっているとは想像できない」と思われている人もいるのです。
家庭という私的な生活の場で発生することや、加害者に一定のタイプがないことから、周囲が気づかないうちに深刻な状態になることもあります。
女性の3人に1人が、配偶者から1度は暴力を受けたことがあり、10人に1人は何度も暴力を受けたことがあるとの調査結果があります。「我慢すればいい」「夫婦の問題、家族の問題」と考えずに、配偶者からの暴力に関するさまざまな悩みがある場合は、迷わず区にご相談ください。
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