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更新日:2015年9月30日

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出身地域による差別 (めぐろ区報 平成25年10月25日号に掲載した記事です)

「同和問題」とは、封建時代の身分制度や、歴史的・社会的に形成された人々の意識に起因する差別が、今もさまざまなかたちで現れている、日本固有の重大な人権問題です。同和地区(被差別部落)の出身という理由で差別を受け、人権を侵害されている人が、今もいるのです。

企業が採用時に調査会社に依頼して、応募者の家族状況などを調べるという、就職差別につながる事象が以前にはありました。

現在でも、調査会社などから依頼を受けた行政書士等が、職務上の権限を悪用して戸籍謄本などを不正に取得する事件が後を絶ちません。

区では、戸籍謄本などを交付する際に、申請者の本人確認等の審査を厳格に行い、不正取得が行われないように取り組んでいます。また、不正取得が明らかになった場合には、本人にその事実をお知らせする「本人通知制度」を設けていますが、こういった事件の背景には、企業の採用や結婚などが関係しているといわれています。

結婚は当事者2人の意思によるものですが、自分の子どもの結婚相手が同和地区出身であることがわかった途端、賛成していたはずの結婚に反対するという親もいるのです。

このほかにも、公共施設に差別的な落書きや貼り紙をしたり、インターネットに悪質な書き込みをしたりするなどの差別事象が発生しています。

このように、さまざまな場面でいまだに差別を受けている人がいる同和問題について、正しく認識することが必要です。「そのままにしておけば、いずれ自然になくなる」「自分には関係ないから、かかわりたくない」という考え方や、「昔からこうだから」「こうするものと聞いているから」と、習慣や聞いたことをうのみにするのでは、正しい人権意識を身に着けることができず、差別の解消につながりません。

誰かの人権が侵害されるということは、自分の人権も侵害される可能性があるということです。差別の現状や背景を知り、それらを理解したうえで、差別を許さない心をもって行動していくことが、差別を防止し、個人が尊重される社会をつくるための確かな一歩となるのです。

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