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更新日:2015年9月30日

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障害者差別解消法の制定 (めぐろ区報 平成25年11月25日号に掲載した記事です)

「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)が今年6月に制定・公布され、28年4月から施行されることになりました。この法律は、「障害を理由とした差別等の権利侵害の禁止」と、「社会的障壁を取り払おうとしないことによる権利侵害の防止」について規定するものです。

「障害を理由とした差別等の権利侵害」とは、例えば、一定規模以上の企業が、障害を理由に障害者を雇用しないことなどです。

また、「社会的障壁」とは、障害者が生活を送るうえで障壁となるような事物、制度、慣行、観念などを指す言葉です。例えば、障害者を雇用した企業が、障害に配慮した設備等、可能な範囲での職場環境の改善を行わないことなどが、社会的障壁を取り払おうとしないことによる権利侵害に該当します。

障害者差別解消法では、さらに「合理的配慮」という言葉がキーワードとなっています。障害をもっていても社会が「合理的配慮」を行えば、障害のない人と同様の生活を送ることができる、という考え方です。例えば、駅にホームドアを設置することで、視覚障害者の安全を確保できます。また、学校給食で刻み食など個別の工夫を行うことで、食べ物をかんだり飲み込んだりすることが困難な重度の障害児が、安心して食べることができます。

法律が制定された背景には、障害は個人に属するものではなく、社会が作り出すものである、という考え方への転換がありました。知的障害者の運動「ピープルファースト」が、「障害者である前に人間だ」という当事者の主張から始まったように、「同じ人間として接してほしい」という思いは、差別禁止の考え方の原点です。

法律が施行されるまでに、国や地方自治体は差別の解消に関する具体的な取り組み要領などを、事業者は事業分野別の指針を、それぞれ策定することになりました。

障害者差別解消法の制定は、国連の障害者権利条約の批准に向けた一つの過程です。同条約の中には「自立した生活及び地域社会に受け入れられること」という項目があります。この法律により、現実の差別が一つひとつ解消され、誰もが社会資源を平等に利用し、多様な生活様式を選択できる社会基盤づくりにつながることが期待されます。

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