トップページ > くらし・手続き > 人権・男女共同参画 > 人権 > 心の輪 > 心の輪(人権に関する連載) 30年度 > 高齢者の人権と虐待防止 虐待の小さな芽に気づくこと (めぐろ区報 平成30年11月15日号に掲載した記事です)

更新日:2018年11月28日

ページID:471

ここから本文です。

高齢者の人権と虐待防止 虐待の小さな芽に気づくこと (めぐろ区報 平成30年11月15日号に掲載した記事です)

高齢者虐待と聞いて、どのような場面を想像しますか。ニュースでは、高齢者虐待の事件として、高齢者施設や病院の職員による暴力的行為や身体拘束などを取り上げることがあります。しかし、厚生労働省が今年3月に公表した調査結果によると、高齢者施設の職員等による虐待と判断された件数が452件であるのに対し、家族や同居人などの養護者による虐待と判断された件数は16,384件と、圧倒的に多い数字となっています。

この養護者による虐待の発生要因として最も多いのが、介護疲れ・介護ストレス(27.4パーセント)で、次に虐待者の障害・疾病(21.3パーセント)と続いています。虐待の内容としては、身体的虐待(67.9パーセント)が最も多く、次いで心理的虐待(41.3パーセント)、介護等放棄(19.6パーセント)となっています。

身体的虐待は、殴る蹴るなどの暴力的行為のほか、ベッドに縛り付けたり、外から鍵をかけて閉じ込めたりする身体拘束などの行為をいいます。また、心理的虐待は、怒鳴るなどの暴言のほか、排泄の失敗や食べこぼしを嘲笑する、侮蔑を込めて子どものように扱うことなどをいいます。そして、介護等放棄は、入浴や着替えをさせない、水分や食事を十分に与えない、適切な医療・介護サービスを受けさせないなど、必要な世話や配慮を怠ることです。

このように、高齢者虐待とは、他者からの不適切な扱いにより高齢者の権利利益が侵害された状態、健康などが損なわれた状態に置かれることです。この不適切な扱いは、虐待している人が無自覚に行っている場合もあります。重大な事件につながることを防ぐには、虐待の小さな芽と感じるような段階での早期発見・早期対応が大切です。

ところが、高齢者虐待の場合、虐待を受けた高齢者自身が、その事実を隠してしまう傾向があります。そのため、周囲の人が、虐待の小さな芽に気づくことが重要です。皆さんが、少しでも虐待と疑うようなことがあった場合は、迷わず高齢福祉課や包括支援セターへご連絡ください。その一言が、高齢者の尊厳を保持し、虐待という権利侵害から、高齢者を守ることになります。

お問い合わせ

人権政策課

ファクス:03-5722-9469