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HIV・エイズ 今、あなたに伝えたい大切なこと (めぐろ区報 平成31年4月25日号に掲載した記事です)
日常生活では感染しない
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、感染すると人の免疫を低下させていくウイルスです。エイズは、HIVの感染によって免疫力が低下して、エイズ特有の症状として指定された疾患を発症した状態のことです。
HIV・エイズと聞いて皆さんは何をイメージしますか。「感染力が強く、日常生活ですぐ感染するウイルス」「有効な治療法がなく死に至る病気」という誤った知識を持っていたり、自分には関係がない病気だと思っていたりしませんか。
HIVは、感染している人の血液や体液に含まれ、主な感染経路は性行為です。感染力は弱く、せきやくしゃみ、コップの回し飲み、入浴やプールなど、日常生活で感染することはありません。
現在、治療方法は飛躍的に進歩し、HIVに感染しても早期発見・治療により発症を防ぎ、平均余命は感染していない人とあまり変わりません。また、適切に治療すれば、HIVに感染している人からほかの人への感染リスクがなくなることも明らかになっています。
根強い職場での誤解や偏見
多くのHIV感染者やエイズ患者が治療しながら日常生活を送り、社会のさまざまな場で活躍している一方、今もなお誤解や偏見のため職場で辛い思いをしたり、働きづらさを感じたりしているかたもいます。昨年10月に区が実施した人権に関する意識調査の結果では、会社の同僚がHIV感染者などと分かった場合、「今までどおり付き合う」と回答した割合は約62パーセントで、「一緒に仕事をしたくない」「会社を辞めてもらいたい」と答えた割合は約11パーセントとなり、誤解や偏見が解消されていない状況であることが分かりました。
知識とイメージのアップデートを
日本では、20から40歳代を中心に、1日当たり約4人の新たなHIV感染者やエイズ患者が報告されています。また、感染が発見された時にはすでにエイズを発症していたケースが全体の3割になります。これは、自分がHIVに感染していることを知らない人が多く存在するためと推定されます。HIV・エイズは決して他人事ではないのです。
一刻も早く、HIV・エイズを正しく理解し、私たち一人ひとりの身近な問題としてとらえ、誤解や偏見をなくしていく取り組みが求められます。
区は、世界保健機関(WHO)の取り組みを踏まえ、国や都とともに、6・12月の年2回、総合庁舎本館1階西口ロビーなどで、普及啓発キャンペーンを実施しています。
まずは、あなた自身のHIV・エイズに対する知識とイメージをアップデート(更新)することから始めてみましょう。
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