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更新日:2020年7月3日

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ハンセン病を正しく知り、差別や偏見をなくそう(めぐろ区報 令和2年6月25日号に掲載した記事です)

ハンセン病とは

ハンセン病は、らい菌が原因で起きる感染症ですが、感染しても発症することはほとんどありません。重症化すると、顔や手足が変形しますが、有効な治療薬もあり、早期発見・早期治療で完全に治ります。
ところが、誤った知識や偏見により、長年差別を受け続け、筆舌に尽くしがたい苦しみを経験された元患者の方々が存在しています。
明治40年、ハンセン病患者に対し国は隔離政策を開始しました。
その後、昭和20年代に特効薬が登場して治る病気となり、治療後は他人に感染しないことも分かりました。それにもかかわらず、平成8年に「らい予防法」が廃止されるまで約90年もの間、強制隔離政策は続けられました。多くのハンセン病患者が、遠く離れた島や隔離施設で自由を奪われ、社会から疎外されたまま生涯を過ごすことを余儀なくされていたのです。

国の隔離政策は誤りだった

平成13年、熊本地裁は「らい予防法」違憲国家賠償請求訴訟において、ハンセン病患者に対する国の政策の誤りを認め、国に対し損害賠償を命じる原告勝訴の判決を下しました。平成21年には、「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」が施行され、ハンセン病元患者らの名誉回復措置、療養・生活の保障、社会復帰の支援などが定められました。
しかし、誤った隔離政策で生じた差別や偏見により苦しみを味わったのは、患者本人だけでなく、家族も同様でした。令和元年6月、家族らが国に損害賠償を求めた熊本地裁でのハンセン病家族訴訟では、隔離政策で差別を受け、家族離散などを強いられた患者家族の被害にも、賠償を命じる司法判断が下されました。
社会的・経済的な差別はいまだに続いていますが、元患者や家族、支援者の努力により、差別解消に向けて少しずつ前進しています。

積極的に学ぼう、ハンセン病

人権が大きく侵害された、ハンセン病差別のすさまじい現実は、映画や小説などでも多く取り上げられました。元患者の方々が自ら設立した国立ハンセン病資料館(東村山市)もあります。
皆さんも、ハンセン病について正しい知識を身につけて、差別や偏見を解消し、二度と同じ過ちを犯さないよう、すべての人が基本的人権を享受し、尊厳を持って生きられる社会を実現しましょう。

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人権政策課

ファクス:03-5722-9469