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更新日:2021年7月6日

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企業価値を左右するESG(イーエスジー)経営(めぐろ区報 令和3年6月25日号(第8面)に掲載)

加速するESG投資

ESG投資という言葉を聞いたことがありますか。
ESGとは、2006年に国連が提唱した倫理的な理念で、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を並べた、財務以外の企業価値を表す言葉です。投資家や金融機関の投資判断で、環境や社会問題、組織のあり方などを重視する意識の高まりがみられ、その流れは急速に加速しています。ESG投資は、いまや世界の投資総額の3分の1を占めるほどの巨大な市場です。
コロナ禍を契機に、企業には目先の利益にとらわれず、持続可能性を重視した経営姿勢がさらに強く求められ、ビジネスや社会の姿が大きく変わる社会的潮流が起きています。

人権を尊重しないのは企業リスク

ESGの中でも、人権は極めて重要な要素の一つです。人権は、ESGのS(社会)やG(企業統治)に相当し、労働者の権利や女性従業員の活躍など、企業経営の根幹に関わる課題を含みます。
例えば、企業内ハラスメントや、性差別的な表現でのCM、人種や民族特定が可能な顧客情報の取得など、企業による差別的行為やその黙認は、当然社会的に容認されません。著しい人権侵害とみなされ、投資の減少や不買運動、ブランドの魅力低下、公的機関が行う入札資格停止などにつながりかねません。企業内部での活動だけでなく、商品が消費者に届くまでの全過程で、人権尊重に取り組む姿勢が求められます。

企業への高まる期待

2020年に、政府はビジネスと人権に関する行動計画を策定しました。計画では、倫理基準を満たした責任ある企業行動に努めたうえで利益を得ることによりESG投資を獲得し、日本企業の信用・信頼と国際競争力の向上を目指しています。SDGs(国連サミットが採択した持続可能な開発目標)が掲げる、誰一人取り残さない社会の実現にもつながることが期待されています。
今後、投資を呼び込み、持続可能な経営をしていくためには、ESGを意識した経営理念を定めて公表することや、ESGの課題への取り組み公開など、企業の自主的な情報開示が有効であるとされています。人権尊重などESGへの取り組み姿勢を国際社会に認められるか否かの視点が、企業にとって不可欠な時代が到来しています。

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