更新日:2018年6月22日
6月14日(木曜日)めぐろパーシモンホールにて、「平成30年度第1回見守りサポーター養成講座」を開催した。
会場は多くの参加者で賑わった
見守りサポーターとは、地域で高齢者等をゆるやかに見守る方のことで、「新聞がたまっている」、「長い間顔を見かけない」など、何か気がかりなことを感じたら地域包括支援センターに連絡し、高齢者等の孤立や虐待を防ぐとともに、認知症の早期発見、希薄化した地域のつながりの再生など、だれもが安心して暮らし続けられるまちづくりを目指して設けられているもの。本講座は外部講師を招き、高齢者等が抱える問題を紹介してもらうと共に、地域包括支援センター職員から見守りサポーターの活動や見守りのポイント等を説明し、新たな見守りサポーターを養成すること目的に開催している。今回は、近年増えているごみ屋敷や孤立死に着目し、遺品整理事業を行う株式会社アールキューブの石見良教氏を講師にむかえ、「遺品整理のプロが語る!ごみ屋敷や孤立死の現場からみえてきた地域での見守りの大切さ」をテーマに講演を行った。
講師の石見良教氏(株式会社アールキューブ)
講演では、ごみ屋敷や孤独死の現場で遺品整理を行う中で直面した、高齢者が抱える問題やその問題に対して私たちにできることについて、具体的な事例を交えて講義があり、孤独死をされた方のごみ屋敷となった自宅の写真やなぜごみ屋敷化してしまうのか、見守りサポーターとしてどういった点を注意すれば良いのかについて紹介があった。また、孤独死の恐れのある方を大きく(1)中・壮年層独居男性、(2)認知症及びその恐れがある方、(3)生活保護受給中の主に中・壮年層独居男性の3つに分類し、(2)については特に、本人が生活状況を把握出来ず、社会と接点を持てないまま孤独死してしまうという状態に繋がり易いので、「いつもと違うゴミの出し方をしている」、「郵便受けに郵便物が溜まっている」、「玄関に未開封の荷物が溜まっている」、「部屋から異臭がする」など、異変に気づき行政に繋いでいくことが大切となるため、見守りサポーターの気づきが重要になると説明があった。見守りサポーターは活動の中で孤独死を未然に防ぐ役割も担っていくことになるため参加者は真剣な面持ちで聞き入っていた。
各包括支援センター職員の紹介
講座に参加していた、既に見守りサポーターとして活動しているという女性に活動のきっかけについてたずねると、「仕事を退職してから時間が出来たのと、私も一人暮らしなので、他人事ではなくいづれ自分にも関係することとして、自分が活動出来る間に、支える立場と支えられる立場が両方分かった方がいいかと思って始めました。」と話してくれた。また、民生委員として地域の住民と接しているという女性は、「地域の方の自宅にお伺いして、いつもと違うと感じた場合は包括支援センター等に連絡するようにしています。私の身近でもいわゆるごみ屋敷でお亡くなりになった方がおり、他人事ではないと思い聞いておりました。講座の内容は具体例が多く大変分かり易かったので、一般の高齢者の方にも聞いて頂けるような機会があれば良いと思いました。」と語ってくれた。
包括支援センター職員による制度等の説明
目黒区では「見守りサポーター」、「高齢者見守り訪問事業」、「見守りめぐねっと」の3つの見守り事業を行っており、区民や事業者、機関、団体などが担い手となり、様々な方法で高齢者等の見守りを行っている。急速な高齢化の進行による独居高齢者、老々介護、認知症高齢者の増加や地域のつながりの希薄化に伴う支えあい機能の低下等、地域での高齢者等の「見守り」の必要性は年々高まっているが、見守りサポーターは近隣の方のわずかな異変に気が付きやすいため3つの見守り事業の中でも特に重要な役割を担っており、区では過去に本講座を受講した多くの方が見守りサポーターとして活動を行っている。
この記事の問い合わせ先
健康福祉部地域ケア推進課地域ケア推進係 電話番号 03-5722-9385
