更新日:2018年10月30日
目黒区内の保育園において、細菌性赤痢の集団発生の事例がありました。
細菌性赤痢は、近年では重症化する事例は少なくなってきていますが、感染力が強く、施設や家庭等でも感染が拡大することがあり、十分な注意が必要です。
1 事例の概要
- 目黒区内の保育園(1園)に通園中の園児が下痢、血便を呈し、受診の結果、10月12日(金曜日)に細菌性赤痢と診断され、同日医療機関より目黒区保健所に発生届が提出されました。
- 同日、目黒区保健所は同施設を訪問し、調査及び衛生指導を行いました。また、10月12日(金曜日)から園児及び職員、20日(土曜日)からは園児の家族に対象を拡大して健康調査を行い、感染源について感染症、食中毒の両面から調査を実施しています。
- 10月23日(火曜日)現在、細菌性赤痢の感染者は21名、うち園児20名、職員1名です(調理従事者は感染なし)。感染者は1名を除き有症状となっており、園児2名が入院しましたが、回復傾向にあり、現時点で重症者は確認されておりません。感染者については全て抗菌薬治療を実施しています。なお、症状がある園児、感染が確認された園児は、登園を控えていただいています。
2 保健所の対応
- 保健所は、10月19日(金曜日)より、当該園の全園児、職員全員の健康調査と検便を行い、陽性となった場合は家族及び接触者に対象を拡大して検査を実施しています。
- 保育園内施設については10月21日(日曜日)に消毒を実施するとともに、1ケア1手洗い、汚物処理方法などについて指導を実施しています。
- また家族内感染防止のための対応方法について通知し、陽性者や有症状の方についての受診勧奨、接触者等に対する健康観察を実施するなど、感染拡大防止に努めております。
3 感染防止のために注意すべき事項
- 細菌性赤痢の感染経路は、経口感染です。食事前やトイレの後、排泄の介助やオムツ交換等を行った後には、その都度、石鹸と流水による手洗いをきちんと行うことが重要です。
- 菌に汚染した可能性のある場所は、適切な方法で消毒を行う必要があります。
参考:細菌性赤痢について
1 どのような病気か
細菌性赤痢は、ヒトやサルに見られる赤痢菌の感染症で、主な症状は発熱、腹痛、下痢などです。潜伏期間は1日から5日(通常1日から3日)です。
2 感染する経路・予防
感染経路は経口感染です。菌に汚染された食品等を喫食することにより、感染します。
人から人への感染の場合には、患者の便や菌のついたものに触れた後、手洗いを十分にしなかった場合などに感染を起こす可能性があります。
予防のために、食事前やトイレ後に石鹸と流水による手洗いを行うことが重要です。
また、菌に汚染した可能性のある場所は、アルコールを含む消毒液等を用いて、適切に消毒することが必要です。
3 発生状況
年齢別の発生報告は全ての年代で見られますが、青年層が最も多くなっています。
近年は国外からの輸入事例が約70パーセントから80パーセントを占めており、推定感染地はインドやインドネシアなどのアジア地域が多くなっています。
4 治療法
対症療法だけで良くなる場合もあります。抗菌薬を使う場合、成人はニューキノロン剤、小児にはホスホマイシンを使用します。
5 学校保健安全法の扱い
学校保健安全法では第三種の感染症に指定されており、「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」を出席停止の期間の基準としています。
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この記事の問い合わせ先
- 目黒区健康推進部保健予防課(感染症に関すること) 電話 03-5722-9896
- 目黒区子育て支援部保育課(保育園に関すること) 電話 03-5722-9865
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