更新日：2018年11月20日
11月10日（土曜日）、重要文化財（建造物）である旧前田家本邸洋館及び和館において、旧前田家本邸洋館リニューアルオープン記念の茶会、かなざわ講座及び記念ミニコンサートが開催された。
挨拶を行う青木英二目黒区長
イベント開催に当たり青木英二目黒区長は、「この旧前田家本邸洋館は、前田家第16代当主の利為侯爵が、昭和4年にこの駒場の地に建設しました。このような歴史的・文化的なつながりが深いことから、昨年、目黒区と金沢市は友好都市協定を締結したところです。これまでも、「かなざわ講座」の実施や「氷室の雪氷」の贈呈、また、先月実施をしました、目黒区と金沢市の青少年ジャズ交流コンサートなどを通じて、住民同士の交流を深めており、今後も幅広い分野での交流を行ってまいります。本日は、リニューアルした洋館のオープンを祝うとともに、目黒区と金沢市の歴史のつながりを感じ、素晴らしい音楽に癒されながら、実りの秋の午後をお過ごしいただきと存じます。」と挨拶を行った。
記念ミニコンサート（主催：金沢市）
加賀友禅特使ユニット「kotoha」による記念ミニコンサート「加賀友禅 金沢のしらべ」が洋館1階で開催された。女流音楽家3人による、横笛・箏・ハープのユニット。前田家居住期の重厚、かつ、きらびやかさが復原された客室と、和、洋がつむぎだすハーモニーは、日常を忘れさせてくれる貴重な体験となった。洋館を訪れた方は、「壁紙やカーテンの刺繍が素晴らしく、当時の様子が偲ばれてとても良かったです。中でも、長女の方の部屋のシャンデリアが女性らしい照明で素敵でした。コンサートは、横笛は演奏者も少なく、聴く機会があまりないとのことで、とても楽しみにしていました。フルートなどの管楽器と違った和風の音色が良かったです。」と感想を話してくれた。
加賀友禅特使ユニット「kotoha」による記念ミニコンサート
かなざわ講座（主催：金沢市）
目黒区での「かなざわ講座」は金沢市が主催し、今回で7回目となる人気の講座。今回の演題は「金沢にとっての工芸―伝統・文化・産業―」とし、講師に川本敦久氏（金沢卯辰山工芸工房館長）を迎え、洋館1階で開催された。講演では、「金沢は工芸王国と評されていますが、一日にして成されたわけではなく、約400年の歴史があります。始まりは加賀藩の御細工所で、当初は武器や生活用具の制作が主体でしたが、これが後の工芸のルーツとなっています。金沢の城下町には多くの職人などが集められ、さらには能などの文化を継承することにより、金沢独自の工芸・文化・産業が興り、明治の時代まで城下町を支える要因となりました。今回の講座では、歴史的な視点で金沢の工芸を説明しましたが、洋館2階では現代の工芸品を数点展示しています。是非、金沢においでいただき、現代の金沢工芸を堪能してください。」と、1時間に渡る講演を締めくくった。
「かなざわ講座」の様子
茶会（主催：目黒区）
裏千家の本格的な茶室
和館の茶室及び和室においては、目黒区華道茶道連盟による茶会が開催された。和館は、当時の前田家が主に外国からの賓客をもてなすために建てられたもので、茶室は裏千家の代表的茶室である「又隠」の写しといわれる本格的なもの。茶会には多くの人が訪れ、当時の「和」の風情を感じながらお茶を楽しんだ。
洋館リニューアルのポイント
東京都教育委員会の学芸員は、今回の洋館リニューアルのポイントについて、「前田侯爵家居住期におけるおもてなしの空間と暮らしの空間の再現を主たる目的としました。おもてなしの空間は、洋館の今後の活用方法を見据えた修復を行いました。暮らしの空間では当時の雰囲気を感じてもらえるよう、特に寝室と書斎は完全に近い形に修復・復元を行いました。」と、解説してくれた。
修復・復元された寝室
修復・復原された書斎
この記事の問い合わせ先
文化・スポーツ部 文化・交流課 電話番号 03-5722-9291
