更新日:2018年11月28日
11月18日(日曜日)、目黒区中目黒スクエアにて「目黒区男女平等フォーラム2018」を開催した。男女平等フォーラムは、「目黒区男女が平等に共同参画する社会づくり条例」の趣旨に基づき、区と区民により構成された「目黒区男女平等・共同参画センター運営委員会」の企画・運営により実施しているイベントで、今回は、大正大学心理社会学部准教授の田中俊之氏を講師にむかえ、男性は仕事中心、女性は社会に進出しても家事や育児、介護、仕事など何役もこなしている現状がある中、「男も女も、仕事も家庭も」という社会を実現するにはどうすればいいのかについて来場者とともに考えた。
講演会に先立ち、青木英二目黒区長より、「男性イコール仕事という社会がまだまだ続いており、男性が今置かれている状況からどのように脱却していくか、女性の意識改革だけではなく、女性が活躍する社会を作っていくためにも、子育て、介護なども含め、男性の意識改革も必要になってくると思います。限られた時間になりますが、秋のように実り多い充実したひと時になりますと幸いです。」と挨拶があった。
青木英二目黒区長
その後、「男性学の視点から誰にとっても生きやすい社会を考える」をテーマに、講師の田中俊之氏より講演があり、「例えば、平日の昼間に子どもを習い事に連れて行くと、何か特別な理由がないと平日の昼間に父親は来ないという前提で「お父さん今日はどうしたんですか?」と聞かれることがある。また逆に、育児短時間勤務の女性が「子どものことが大変だろうから、その仕事はしなくていいよ」と気遣いのつもりで言われる場面もある。「会社は男の場所で地域は女性の場所」という無意識の偏見があり、このように土壌が整っていない中で、育児休業の取得率等の数字だけを追うのではなく、当事者が幸せに思うかどうかという部分を考えていく必要がある。また、女性については、結婚、出産、介護など、女性という性別がどのように自分の生き方を制約してくるかを意識せざるをえない場面があるが、男性も同じように、男性という性別が、考え方、行動、生き方に大きく影響を与えている。男女ともに性別によって制約されることがあるのだから、「私たちの問題」として認識することが大切。」等の旨の話がなされ、参加者は時折頷きながら熱心に講演を聴いていた。
講師の田中俊之氏
講演会の様子
講演会後には、男性2名をゲストスピーカーに招いたミニシンポジウムが行われ、「リモートワークやフレッシュアップデー等の新たな働き方によって日中に家にいることで感じたこと」など、働き方を中心に、「誰にとっても生きやすい社会」に関して質疑応答が行われた。また、参加者からも質疑があり、「講演の中で、会社で働いていると要件伝達型コミュニケーションになりがちという話がありましたが、フランスに行った際に、女性は論理的に話し、男性は共感を持って(関係形成型)仲良く雑談している姿が見られました。仮定として、小中高での男女の距離感の違いがあり、制服がない、男女を分ける授業がない、ランチタイムも男女混合で食べることや、個人主義により幼いころからカップルで過ごすなどの要因があるのかと思いました。地域ではもっと男女が共に話せる場があればと考えますが、なぜそのような考え方は広まらないのでしょうか。」という質問に対して、「日本では男性と女性を分けて育てるということが長く続いてきていて、また男と女は違うという前提で色々な仕組みが出来ている。文化の違いもあると思うが、小学校や中学校からジェンダーの違いや本日のような話をしてもいいと思う。」との意見があった。
ミニシンポジウムの様子
時間いっぱい質疑応答が行われた
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