更新日:2018年12月1日
参考展示されていた「野菜の宝船」
11月23日(金曜日・祝日)、世田谷区三軒茶屋ふれあい広場において、「都市農業トークライブ」が開催された。農産物の供給とともに、都市に潤いのある景観を与え、災害時の防災空間になるなど多面的機能を有する貴重な都市農地を保全するため、区民の都市農業の振興及び農地保全への理解を深めることを目的に、目黒区・世田谷区・世田谷目黒農業協同組合(JA世田谷目黒)が連携して、平成24年度から実施しているイベントである。
イベントのオープニングは、世田谷区内の女子小学生ダンスグループ「ミラクルズ」がダンスパフォーマンスを披露してくれた。ミラクルズ8人による元気いっぱいのパフォーマンスは、時折冷たい風が吹き込みやや肌寒い会場をほっこりさせてくれた。続いて、今季限りで現役を引退する読売巨人軍の「寺内崇幸」選手と、芸人の「おくまん」さんとのトークショーが行われ、寺内選手の野球や食事のエピソードなどを話題にしながら、会場内の笑いを誘っていた。この他、会場内では目黒・世田谷の農産物即売市、ふれあい園芸教室、JAやまがたによる特産品の販売、芋煮の試食が同時開催され多くの来場者で賑わっていた。
「ミラクルズ」のダンスパフォーマンス
「寺内崇幸」選手と「おくまん」さんとのトークショー
大人気のふれあい園芸教室
トークライブでは、保坂展人世田谷区長がコーディネーターとなり、青木英二目黒区長、飯田勝弘世田谷目黒農業協同組合経営管理員会会長と女性農業者の中杉玲子さんと佐藤悦子さんにより、テーマ「畑の力」を切り口に都市農地の保全について、三者が女性農業者と10年後の目黒区と世田谷区の農業について語り合われた。
都市農業ライブ壇上の様子
目黒区長は「10年後の都市農業に思いを巡らせますと、持続可能な農業の確立が重要と考えます。農業に限らず、どの産業でも後継者不足が問題となっています。今後も目黒区内の農業を維持・継続できるよう、農業の担い手への耕作指導や資機材の支援など、JA世田谷目黒と連携しながら、区として、農家の方々が持続可能な農業の環境を整えていくことが重要と考えています。」と述べた。
農業の状況を説明する青木英二目黒区長
トークイベントではそれぞれの立場から、「都市緑地の保全については法律などにより、テーマが畑の力とありますが、畑はほっといていただけでは畑になりません。農家の人が手入れをして初めて畑になります。これから先の10年後を考えると、農家の人たちだけではなく、多様な人が多様なかかわり方をして、畑の力が出るような手入れをしていくことが大事だと思います。」「女性農業者としては、男性と同じような農業を続けていくことは難しいので、自分に合った、自分らしい農業のスタイルを作り、無理なく働けることができれば、これから10年先も都市農業を続けられるものと考えます。」「メールで御用聞きをし、40軒くらいの家庭に宅配をしていますが、最近は家族構成が変わってきたせいか、注文野菜の品目も量も減ってきています。これから先は、露地栽培からハウス栽培に移行したり、機械を導入するなどして、できる限り農業を続けていきたいと考えています。」などの意見が述べられた。
10年後の都市農業を語ってくれた農業者の方々
コーディネーター役の保坂展人世田谷区長
最後に、コーディネーター役の世田谷区長から「相続の関係などで農地を手放さざるを得ないときに、貴重な農地を残していく方策として農業公園というものがありますが、これの活用の仕方についてはまだまだ課題があります。今日のトークイベントの中で、課題解決のヒントを得たような気がします。世田谷、目黒の都市農業が10年後も続いているだけではなく、もっとみんなが参加してさらに広がっているものにしていきたいと思います。」と述べ、トークライブを締めくくった。
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