更新日:2018年12月18日
11月27日(火曜日)目黒区総合庁舎で児童虐待防止講演会 「子どもとの円滑なコミュニケーションの方法 機中八策」が開催された。この講演会は、厚生労働省が毎年11月に位置づけている、児童虐待防止推進月間にあわせ、目黒区要保護児童対策地域協議会が実施する啓発活動の一環として開催したもの。
児童相談所長考案「子育て維新の機中八策」
講師に、非暴力の地域・組織づくりの目的を含んだ「児童相談所長が考案した非暴力コミュニケーションの具体策「子育て維新の機中八策」」の考案者である千葉県市川児童相談所長 渡邉 直氏を迎え、子どもへの接し方に悩みを抱えている親のために、講師が飛行機の中で考えついた、子どもとの会話を上手に進める8つの方法「機中八策」をテーマとした講演会が行われた。
千葉県市川児童相談所長 渡邉 直氏
講演会では「機中八策」の要である、子どもに対する暴力的なコミュニケーションである行動が書かれた「ブルーカード」、コミュニケーションを円滑にする行動が書かれた「オレンジカード」が配られ、具体的な子どもの困った行動を例に挙げ、ブルーカードに書かれた行動を大人がとった場合と、オレンジカードに書かれた行動をとった場合の違いや効果、また、なぜ人は暴力的なコミュニケーションをとってしまいがちなのか、どうすれば非暴力コミュニケーションをとることができるのかを科学的に説明してくれた。
ブルーカード
オレンジカード
ほかにも、子どもとのコミュニケーションにおいて誉めることが大切ということはわかっているけれども、できない。そんな時はどんな言葉をかければいいのか、誉めすぎたら子どもは調子に乗らないかなどの子育て中に起こる疑問への回答や、参加者同士での対話やシミュレーション、アニメのネタで機中八策を身近に覚えやすく説明する等、難しいテーマを受け取りやすい内容で話してくれた。
講演会では活発に意見が交わされていた
最後に、「この機中八策を知ってもらうことで、子どもに対する一人一人の考え方の部分を変えていき、それが地域で共有され子育ての文化として定着していけば、社会全体の体罰や、不適切養育を容認する育児文化を変えることができると思っている。」との言葉で締めくくられた。
「児童相談所は子どものみを虐待などから守るだけではありません。子どもも含めた「家族」を支援しています。」と、児童相談所に対する世間の持つ認識と実情にはギャップがあることが講演中で話されたが、コミュニケーションを円滑にする行動を意識的に大人が行うことで、子どもが守られるばかりでなく、大人もストレスから守られ、現状を変えていくことができると気づかされる講演会となった。
機中八策のポイントを説明する講師
参加者は「児童虐待防止に対して、個人として何をしていけばいいのか知ることができました。一人一人が今日話してくださったことを考え行動していけば、社会を変えることができるのだと思いました。コミュニケーションの取り方などは、大人同士にも応用できることですね。」と感想を話してくれた。
