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平成31年第1回目黒区議会定例会での区長所信表明(平成31年2月20日)

更新日:2019年2月21日


区長所信表明

はじめに

平成31年第1回区議会定例会の開催にあたり、区政を取り巻く諸情勢と31年度の区政運営の基本的な考え方について所信を申し述べ、区民の皆様と議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

はじめに、国内で頻発している自然災害について触れさせていただきたいと思います。

昨年の夏は、大規模な地震や風水害などが日本各地を襲い、甚大な被害をもたらしました。平成30年7月豪雨の際には、本区からも3名の職員を被害の大きかった岡山県倉敷市真備町に派遣し、避難所運営業務等に従事させていただいたところでございます。ここで改めて、災害でお亡くなりになられた方々に、心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様が一日も早く日常生活を取り戻すことをお祈り申し上げます。

また、東日本大震災からは、まもなく8年が経とうとしており、国においては、復興・創生の取組を加速していくとしております。特別区におきましても、国や東京都など、関係機関と協力しながら、職員派遣要請への対応など、被災地を支える諸活動を継続しているところでございます。本区の友好都市である角田市と気仙沼市には、私も毎年訪問し、また現在も、3名の職員を気仙沼市に長期派遣しておりますが、復興・創生に向け、来年度も支援を継続してまいります。

さて、区長就任から、今年4月で15年の時が経過いたします。これまで、区民の皆様が、住み慣れた地域で安全に安心して暮らすことができる活力あるまちづくりを目指して取り組んでまいりましたが、まちの姿や人々のライフスタイル、そして行政課題の内容など就任当初からは大きく変貌しております。そうした中で、現行の基本構想につきましては、策定から既に18年が経過しており、今後の社会情勢の変化も踏まえますと、改めて二十一世紀半ばの将来を展望した内容に見直していく必要があると考え、改定の手続きに入ることといたしました。先月、長期計画審議会に対しまして、基本構想改定に係る諮問をさせていただいたところでございまして、31年度につきましては、安全・安心で、活力あるまちづくりに加えまして、基本構想改定に向けた取組を着実に進めてまいりたいと考えております。

区政を取り巻く状況認識

それでは、まず、区政を取り巻く状況の認識について申し上げます。

第一に、経済状況と区財政についてでございます。

国の景気の動向につきましては、内閣府によりますと、既に一昨年9月の時点で高度経済成長期の「いざなぎ景気」を超え、景気回復が戦後2番目の長さになったと判断されており、現在も引き続き、雇用・所得環境の改善とともに、回復が継続していくことが期待されるところでございます。

一方、本区の財政状況についてでございますが、平成29年度普通会計決算では、区財政の弾力性を示す代表的な指標である経常収支比率が、2か年連続で適正範囲を上回ることとなりました。歳入に若干の伸びが見られるものの、歳出面で義務的経費である扶助費が保育所運営費の増などで拡大を続けていることが、その要因であると認識しておりまして、新たな政策的取組をする上で予算の自由度が狭まっている状況にございます。

また、31年度当初予算編成において、区税収入や特別区交付金に増収を見込んでいる一方で、財源不足から約33億円の財政調整基金の取り崩しを行っており、景気動向に大きく左右される歳入面での構造的な課題、さらには今後の区有施設更新なども考えますと、施設整備基金を含めた積立基金残高につきましては、未だ十分な水準に至っているとは認識しておりません。

従いまして、対応すべき課題が山積する中で、中長期の区政運営を見据え、強固で安定した財政基盤を確立していく必要性は急務であると認識しております。

第二に、国及び東京都の動きと地方分権改革についてでございます。

昨年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2018」では、「少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現」をテーマに掲げ、一人ひとりの人材の質を高める「人づくり革命」と、成長戦略の核となる「生産性革命」に最優先で取り組むとともに、働き方改革を推進していくこととしております。

また、「東京一極集中の是正」を行い、東京から地方への人・モノ・金の流れを促進することで個性と活力ある地域経済に再生していくことなどが重要である、とする地方行財政改革の基本的考え方も示されております。

このような考え方に基づく、地方法人課税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税等の不合理な税制改正等によりまして、特別区の貴重な税源が一方的に奪われております。これは、税源偏在是正を理由とした、地方分権に逆行する取組であると言わざるを得ません。

こうした国の動きに対しましては、特別区長会より国への度重なる要請をしておりますが、区議会におかれまして、昨年3月に地方消費税の清算基準の見直しに関する意見書の提出を、また、特別区議会議長会からは、昨年8月に地方税財源の充実を求める要望を行っていただきました。引き続き、特別区長会を通じ、東京都とも連携しながら、不合理な見直しが行われることのないよう、国に強く求めてまいります。

東京都におきましては、4か年の実施計画「2020年に向けた実行プラン」の中で、安全・安心・元気な「セーフシティ」、誰もがいきいきと活躍できる「ダイバーシティ」、世界に開かれ成長を続ける「スマートシティ」の3つのシティを実現することで、「新しい東京」を目指し、課題解決と成長創出のために取り組んでおります。本区におきましても、こうした東京都の動向を見据え、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会をはじめ、都区制度改革・地方分権の趣旨を踏まえた役割分担や、特別区として、これまでも強く要望している児童相談所設置に向けた協議・調整の促進など、都区の緊密な協働と連携のもとで、課題解決に向けて取り組んでまいります。

第三に、本区の人口構造の変化についてでございます。

昨年3月に行いました最新の本区の人口推計では、6年後の2025年には総人口がピークを迎え、その後は減少に転じるものと見込んでおります。しかし、その内訳を見ますと、就学前人口や小学校低学年に該当する人口については、10年後におきましても、減少する状況にはないと推計しております。このため、現在、喫緊の課題となっております保育所等待機児童解消や児童の放課後等の安全・安心な居場所の確保への取組を引き続き迅速かつ確実に進めていく必要がございます。また、高齢者人口は、毎年増加していく見通しでございまして、地域包括ケアシステムの推進や介護基盤の整備などにつきましても、着実に進めていく必要がございます。

今後の人口構造の変化を見据えた長期計画の改定、区有施設見直し計画の推進など、中長期的な視点に立った取組を確実に進めていくことが重要であると考えております。

区政運営の基本的な姿勢

次に、区政運営の基本的な姿勢について申し上げます。

平成31年度は、社会情勢や人口構造の変化などを踏まえて、基本構想改定に向けた取組を進めてまいります。困難な課題に直面する中においても、今日、明日、そして将来にわたり、区民の皆様の暮らしの不安を払拭し、「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」を実現していくことが、区政の運営を任された私の責務であると考えております。こうした認識のもと、以下の点を基本姿勢として、様々な施策に取り組んでまいります。

第一に、暮らしの安全・安心を実感できる区政の推進でございます。

大規模な自然災害が頻発している中で、これまでの想定を超えた災害も起こりうることを常に念頭に置き、より一層の防災対策の強化と防災意識の喚起への取組を進めてまいります。また、昨年は、区内の保育園におきまして、細菌性赤痢の集団感染が発生いたしました。一連の対応に係る検証を踏まえ、不測の事態が生じましても区民の皆様の安全・安心を確保できるよう危機管理を徹底してまいります。あわせて、子育て・介護・教育・健康・環境など様々な分野において、暮らしの安全・安心を実感できる施策を地域の実情と区民の皆様のニーズを踏まえ、優先順位を見極めながら推進してまいります。

第二に、助け合う、支え合う地域社会の実現でございます。

だれもが住み慣れた地域で、人と人とのつながりを基にして助け合い、支え合いながら、さまざまな地域課題の解決に取り組んでいくことができる地域社会づくりに向けた取組を区の協働理念の下、推進してまいります。

また、多様化する地域課題に対して、地域が主体的に取組を進めることができるよう、地域コミュニティ形成の基礎となる町会・自治会、住区住民会議など地域に係わる活動団体に対しまして、その自主性・自立性を尊重しながら支援してまいります。

第三に、健全で強固な行財政基盤の確立でございます。

景気の影響を受けやすい区の財政構造に加え、国による不合理な税制改正等による税源の減少や、社会保障関連経費の公費負担の増加など、財政運営上の不安要素を抱える中においても、将来に向けて安定的かつ持続的に区民福祉の向上を図っていく必要がございます。

施策の選択と集中をはじめとした行財政改革へ不断に取り組むことで、持続可能で質の高い区民サービスの提供と、将来を見据えた健全で強固な行財政基盤の確立を目指してまいります。

重要課題に対する基本的な取組

次に、平成31年度の重要課題に対する基本的な取組について申し上げます。

先に申し上げました行財政運営の基本姿勢を踏まえ、効果的かつ効率的な施策展開を図るため、次に申し上げます4点を、31年度に緊急かつ積極的に取り組むべき重要課題と位置づけまして、その解決へ向けた取組を進めてまいります。

安全・安心なまちづくり

第一に、安全・安心なまちづくりへの取組でございます。

昨年6月の大阪府北部地震、30年7月豪雨、そして9月には北海道胆振東部地震の発生というように、日本各地では震度六弱以上の地震や大規模な風水害などによる甚大な被害が繰り返し起きております。このような自然災害のほか、火災、都市型水害などによる被害を最小限度にとどめ、災害から区民の皆様の生命、財産を守るため、防災関係の行政機関、団体や企業、防災区民組織等の地域団体、医療機関との連携を日ごろから確実に行うほか、各地域の持つ特性に配慮しながら災害に強いまちの実現に向けた取組を着実に進めていく必要がございます

具体的には、地域防災力向上のため、防災士の確保や育成とともに、帰宅困難者や災害時要配慮者支援の対策を着実に行ってまいります。加えて、災害時における医療機関の機能確保と緊急医療救護所の設置対策を進めてまいります。

災害に強く安全・安心なまちとするための取組といたしましては、老朽化が進む道路・公園等の効果的・効率的な維持管理に向けた執行体制の確保、木造住宅密集地域整備や、民間建築物の耐震化・不燃化の促進、安全・安心な道路交通環境の整備、ブロック塀等の除却促進、区内空家対策の推進などに取り組んでまいります。

また、区内の刑法犯認知件数は23区の中でも少ない水準を維持しているものの、依然として高齢者を狙った特殊詐欺が猛威を振るっております。警察や地域団体等と連携しながら対策を講じることを基本といたしまして、自動着信拒否装置設置支援の継続など防犯対策の支援及び防犯意識の啓発に取り組んでまいります。

また、地域の防犯力向上のため、町会・自治会におけます防犯カメラの設置支援や私道防犯灯、商店街街路灯電気料補助などを行ってまいります。

さらに、目黒川の桜開花期間中の対応といたしまして、地域との連携の下、警備業務をはじめとした安全強化対策等を講じてまいります。

子育て支援の充実と教育の振興

第二に、子育て支援の充実と教育の振興でございます。

本区におきましては、保育所等待機児童解消を最重要課題として位置づけ、平成26年度以降1,700人を超える保育施設の定員増に取り組んでまいりました。2020年4月の保育所等待機児童ゼロの達成に向けて、私立認可保育所の開設支援をはじめとする具体的対応策を着実に進めていくと同時に、保育の質の確保や多様な保育ニーズに応える施策を推進してまいります。学童保育クラブの需要増につきましても、教育委員会、学校現場と調整を図りながら、小学校校舎等を活用した施設整備や、放課後の居場所づくりに向けて放課後子ども総合プランモデル事業に取り組んでまいります。

また、悲惨な児童虐待死事件を二度と繰り返さないためにも、国や東京都をはじめとする関係機関の新たな取組も踏まえながら、児童相談所や警察署等との更なる連携をはじめ、児童虐待防止の一層の体制強化を図ってまいります。児童相談所の設置に向けましては、課題である人材の確保・育成、設置場所の検討、そして子ども家庭支援センターの対応力強化などに取り組んでまいります。あわせて、妊娠期から子育て期にわたり切れ目のない支援を行うために産後ケア事業をはじめとした子育て世代包括支援センター事業の展開を図ってまいります。

さらに、病後児保育施設の拡充のほか、医療的ケアを必要といたします児童を保育所等で受け入れるための支援、民間団体等が行う子育てサロン・子育てひろばや、子ども食堂の取組への支援など、多様な子育て支援に取り組んでまいります。

次に、教育の振興でございます。

学校教育におきましては、「めぐろ学校教育プラン」に沿って、一人ひとりが個人として自立し、社会の一員として、たくましく生き抜いていく力を身に付けることができるよう、知・徳・体のバランスのとれた豊かな人間性を養うための教育に取り組むとともに、新学習指導要領への対応を的確に進めていく必要がございます。

教育環境の整備といたしまして、小・中学校全31校の体育館への空調設備設置、小・中学校のトイレ洋式化のほか、教育用コンピューター機器の更新や電子黒板機能付き機器の整備をはじめとするICT環境の整備を進めてまいります。また、学校施設の老朽化への対応や区立中学校の適正規模、適正配置に取り組んでまいります。加えて、東京都英語村を活用した日帰り体験型英語学習事業やオリンピック・パラリンピック教育などに取り組んでまいります。

さらに、特別支援教育支援員の配置時間の拡充、教育相談機能と不登校問題への対応策強化として、スクールソーシャルワーカーの配置拡充、いじめ防止対策といたしまして、よりよい学校生活と友達づくりのためのアンケートにつきましても実施してまいります。

学校における働き方改革の推進といたしましては、国や東京都の補助金を活用しスクール・サポート・スタッフを小・中学校全校に配置し、生涯学習では、区内及び近隣地域の教育機関の専門性を生かした講座の充実に努めるとともに、区民の皆様の関心や意欲に応える事業に取り組んでまいります。区立図書館につきましても、「知・文化の拠点」として図書館資料の充実を図ってまいります。

今後も、魅力と活力にあふれ、信頼される学校づくりと一人ひとりが学び合う豊かな学習社会を目指し、教育委員会の独立性を尊重しつつ、総合教育会議などの場を生かしながら、ともに取り組んでまいります。

福祉の充実と健康づくりの推進

第三に、福祉の充実と健康づくりの推進でございます。

福祉の充実につきましては、人々がさまざまな生活課題を抱えながらも、住み慣れた地域で自分らしく暮らしていけるよう地域住民等が支え合い、一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていくことのできる「地域共生社会」の実現に取り組むことが重要でございます。同時に、お互いに多様なあり方を理解し、人格と個性を尊重し認め合う社会の実現を目指し、ライフステージや障害特性に応じた地域での自立生活に向けた支援体制の整備が必要であると考えております。

そこで、包括的な福祉の相談支援体制の構築に向けて組織の再編を行い、職員研修の充実のほか、地域における見守りを推進するとともに、地域包括支援センターを身近な相談窓口として充実させてまいります。また、今後の高齢化の一層の進展などを見据え、権利擁護センターの機能強化に取り組むとともに、認知症対策の推進や、生きがいづくりという視点から、地域の中での居場所づくりにも力を入れてまいります。さらに、旧第六中学校跡地、第四中学校跡地、目黒三丁目国有地における特別養護老人ホームの整備のほか、特別養護老人ホーム中目黒の改修へ向けた実施設計に着手するなど、介護基盤の整備を推進してまいります。

障害福祉の分野では、障害のある人が地域で暮らし続けられるよう、相談支援体制の充実や、医療的ケアを必要とする方々への支援強化へ向けて施設面や人員体制の充実を図ってまいります。保健・医療・福祉・教育・就労等の連携を図りながら、ライフステージに応じた支援を行うとともに、障害者グループホーム、第四中学校跡地の障害者福祉施設整備支援を進めてまいります。

健康づくり支援策といたしましては、健康寿命の延伸につなげることで、全ての方がそれぞれに健康で生きがいのある生活を送ることができる健康なまちの実現を目指した取組を進めてまいります。31年度は、健康づくりに関する区民の皆様の意識や取組状況を把握するための調査を実施し、「健康めぐろ21」の中間評価を行うことで、さらなる健康づくりへの取組につなげてまいります。

また、3回目の開催となりました目黒シティランには、昨年も3,000人を超えるランナーにご参加いただくとともに、1,000人にのぼるボランティアをはじめとする多くの皆様にご協力いただきました。改めて厚くお礼を申し上げる次第でございます。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のテコンドー公式練習会場として決定しております大規模改修中の中央体育館におきましては、リニューアルを記念したスポーツフェスティバルの開催を予定するほか、老朽化が進んでおります砧野球場・砧サッカー場管理事務所につきましても改築を進めてまいります。引き続き、障害者スポーツの理解促進をはじめ、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けての機運醸成に取り組み、区民の皆様とともに健康づくりの取組を推進してまいります。

良好で快適な環境と活力あるまちづくり

第四に、良好で快適な環境と活力あるまちづくりの取組でございます。

(1)環境と調和した持続可能で快適なまちづくり

まず、「環境と調和した持続可能で快適なまちづくり」についてでございますが、地球温暖化以外にもさまざまな環境課題が顕在化する中で、一人ひとりが環境に配慮したライフスタイルへの転換を進め、環境と調和した持続可能な社会を築いていくことがこれまで以上に求められております。本区におきましては、国や東京都の動き等も踏まえた上で、「一人ひとりの自主的な行動を促す」ことを目指して、区民、団体、事業者等の自主的かつ広がりをもった行動を促す施策を推進してまいります。

具体的には、リデュースとリユースに重点を置き、目黒区一般廃棄物処理基本計画に掲げる「1人1日あたり100グラムのごみ減量」に向け、MGR100プロジェクトに引き続き取り組んでまいります。また、新エネルギー・省エネルギー設備設置費助成、私道防犯灯の完全LED化へ向けた取組など環境負荷の低減を推進してまいります。羽田空港の機能強化に関することにつきましては、騒音や落下物への対応をはじめとして、引き続き必要な施策の実施を国に申し入れてまいります。

まちのみどりの保全や河川の環境改善など環境配慮型のまちづくりといたしましては、サクラ再生実行計画の策定と、計画を踏まえたサクラ保全工事のほか、目黒川の環境改善では、河床をならす河床整正やしゅんせつなどを引き続き実施するとともに、東京都に連携や財政的支援を要望し、水質浄化対策に取り組むことや、川沿いの道路の保水性舗装などを進めてまいります。

また、外来種の侵入をはじめ、生活環境に生じるさまざまな変化を踏まえ、環境と調和した住みやすいまちの実現に向けて取り組むため、ハクビシン等の相談・捕獲業務や駒場野公園大池の「かいぼり」に併せたしゅんせつなどに取り組んでまいります。

(2)交流とにぎわいのあるまちづくり

次に、「交流とにぎわいのあるまちづくり」についてでございます。コミュニティ施策は、区のあらゆる施策・事務事業の基底となり、また、地域に関わる重要事項でございます。町会・自治会や住区住民会議の周知度の向上や地域の人材確保・育成の支援策など具体的な取組の実施をはじめ、新たな地域課題の解決に向けた取組にも積極的に支援を行ってまいります。あわせて、地区サービス事務所の「地域に身近な窓口」としての役割を充実させるほか、職員に対しても地域での実践的な研修等を通じ、地域コミュニティの重要性について一層の意識啓発を促し、地域の実情や意見を踏まえた着実な施策の実施に取り組んでまいります。

そして、来年には東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されることとなります。自転車シェアリング事業のサイクルポート増設や地域交通の支援に向けた調査検討を進め、東京音楽大学中目黒・代官山キャンパス開校などでにぎわいの増す中目黒駅周辺のほか、自由が丘駅周辺、目黒駅周辺、西小山駅周辺、祐天寺駅周辺など、各地域の特性に応じたまちづくりの取組を推進してまいります。また、新たな産業振興ビジョンに基づきまして、中小企業の経営安定や商店街の活性化支援等を通じて、更なる地域経済の振興・活性化に取り組むとともに、目黒の持つ魅力を前面に引き出す施策の展開、情報発信によって、将来へ向けたまちのにぎわいと活力を創出してまいります。

あわせて、国内外の友好都市等との交流の取組を推進してまいります。

平成31年度予算編成の概要

平成31年度予算案につきましては「安全・安心を守り支え、未来につなげる予算」と位置づけ編成いたしました。

一般会計予算では、区の基幹財源である区税収入について、ふるさと納税による減収影響やたばこ税の減収が見込まれる一方で、景気の緩やかな回復が続いていることを反映させ、全体としては前年度当初に比べ17億2千万円余の増収を見込みました。また、特別区交付金は、都区財政調整による財源である調整三税が景気の回復等を背景として増加の見込みであることなどから、39億4千万円余の大幅な増収見通しとなっております。

歳出につきましては、実施計画事業に117億5千万円余を計上するほか、重点化対象事業に42億円余計上し、真に必要性・緊急性の高い事業に重点的に予算を配分するよう努めております。財政調整基金については、喫緊の行政課題に積極的に対応するため、前年度当初予算よりも17億円以上多い約33億円を取り崩す一方、将来の財政需要に安定的かつ柔軟に対応するため、財政運営上のルールに基づく10億円の積み立てなどを行い、31年度末の残高見込みを183億7千万円余としております。

一般会計の予算規模は1千62億4千万円余で、前年度当初と比べて112億4千万円余、率にして11.8パーセントの増となるものです。また、特別会計につきましては、国民健康保険特別会計は266億9千万円余、後期高齢者医療特別会計は66億3千万円余、介護保険特別会計は202億円余となり、一般会計と3つの特別会計との予算額の合計は1千597億7千万円余で、前年度当初と比べ、113億4千万円余の増となっております。

なお、ここ数年、保育所等の待機児童対策に関連した予算は大きく膨らんでおります。児童福祉費を見てみますと、5年前の26年度当初予算で163億円余、予算総額の約18パーセントの計上となっておりましたが、31年度の予算編成では、146億円余増の約310億円の計上で、実に、本区予算総額の約30パーセントを占める財政負担状況となっております。引き続き保育所等の待機児童解消へ向けて全力で対応するとともに、健全な財政運営の実現に向けた取組を着実に進めてまいります。

平和と基本的人権の尊重

最後に、基礎自治体としてあらゆる施策の根底に据えております、「平和と基本的人権の尊重」について申し上げます。

戦後70年余りの時が経過したことで、戦後生まれの世代が9割近くを占めるようになり、戦争の記憶は風化しつつあります。そのような中、一昨年の7月に開催された国連総会では、被爆者を始め、多くの人々の核兵器廃絶への強い願いが実を結び、「核兵器禁止条約」が採択されております。「二十一世紀は平和の世紀に」と言われてまいりましたが、「核兵器のない世界」の実現には多くの困難があり、加えて、世界ではテロや地域紛争が絶えることがない現実がございます。平和都市宣言を制定している地方公共団体の首長として、改めて、平和に対する意識を高め、平和を築き守る取組を推進してまいりたいと考えております。

また、昨年は「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」が東京都で成立し、性的指向や性自認を理由とする不当な差別的取扱の禁止や、差別解消の取組の推進について定められたところでございます。本区におきましても、昨年10月に実施いたしました「目黒区人権に関する意識調査」の結果などから、性的マイノリティに関します差別解消のための一層の取組の必要性が認められる状況でございます。性的指向及び性自認に基づいた差別のない、誰もが認め合う共生社会を実現し、多様性を尊重する社会づくりを目指して取り組んでまいります。

あわせて、障害者差別解消法に基づく合理的な配慮につきましても、引き続き、適切な対応に努めてまいります。

おわりに

以上、平成31年度の区政運営に臨む私の所信を申し述べました。

31年度は、これまでに申し上げた取組に加え、基本構想の改定に向けた取組を進めてまいります。二十一世紀半ばを展望した目黒区の将来像をお示しし、新しい時代に即した区政運営を展開していくためにも、多くの方々のご意見、ご提案を踏まえながらオール目黒で改定作業を進めていかなければなりません。また、区有施設見直しのリーディングプロジェクトである、目黒区民センターの再整備に向けた検討を着実に進めていくとともに、区の財産である職員の人材育成を積極的に進めてまいります。

平成も残すところ2か月余りとなりました。時代が移り行く中におきましても、引き続きチャレンジ精神を忘れることなく、区民の皆様のご期待に応えられるよう、区民福祉の更なる向上に向けて山積する課題解決に全力で取り組み、「住みたいまち、住み続けたいまち目黒」づくりに邁進してまいりたいと存じます。改めて、議員各位と区民の皆様の、一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、所信表明といたします。

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