更新日:2013年9月19日

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平成20年第3回定例会 意見書

意見書の表記等は、ホームページ掲載のため、一部変更している場合があります。

介護報酬の地域係数是正に関する意見書

現在、東京における高齢者介護の現場は、地方と比べて深刻な人材不足に陥っている。こうした状況が長引けば、利用者に対するサービスの質の低下だけでなく、サービスそのものを提供することができなくなることも懸念される。

その主な原因は、東京では介護職等に対する給与水準が他の産業と比較して著しく低く、また、地代や建物賃料などの不動産関係費、食費をはじめとする物価水準が全国一高いにもかかわらず、現行の介護報酬の設定がほぼ全国一律の制度となっているためである。

現行の介護報酬における人件費の地域差は、国家公務員の調整手当の支給率に準じており、特別区内の施設サービスでは1単位10円に対して10.48円、4.8パーセントの加算しかなく、かつ、物価水準に係る地域差はない。

さらに、国家公務員の調整手当について国は、人事院勧告を受け、平成18年度に従来の調整手当を廃止し地域手当を創設している。

こうした国家公務員給与の見直しを踏まえれば、介護報酬における地域係数が据え置かれていることは、妥当性や合理性を欠くものと言わざるを得ない。

大都市東京において高齢者等に良質な介護サービスを提供するためには、保険料等の水準にも留意しながら、介護報酬の設定を都市部の実情に合ったものとし、介護サービスの事業者が安定的に事業を運営していくことが不可欠である。

よって目黒区議会は、介護報酬の設定における特別区の地域係数については、1級地の国家公務員の地域手当を適用するなど地域差を考慮した引き上げを行うよう強く要請する。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

平成20年9月30日

目黒区議会議長、雨宮正弘

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣あて

「協同労働の協同組合法(仮称)」の速やかな制定を求める意見書

急速な少子・高齢化により、さまざまな課題が日本社会に投げかけられ、新たなライフスタイルとそれを支える社会システムの構築が求められています。年金・医療・福祉などの社会保障制度に加え、労働環境にも大きな変化の波が押し寄せ、ワーキングプア・ネットカフェ難民・偽装請負などが生じており、こうした新たな貧困層の問題解決は急務です。

働く機会が得られないこと、障害を抱える人々や社会とのつながりがつくれない若者など、働きたくても働けない人々の増大は、日本全体に共通する地域課題となっています。そして地域のさまざまな課題を解決するため、行政だけでなく住民自身の力にも大きな期待がかかっています。

これらの課題を解決するために、働く者同士が出資し合い、協同で仕事を行うことで、人と人とのつながりとコミュニティーの再生を目指す「協同労働」という働き方が注目され始めています。しかし日本では、この「協同労働の協同組合」に対する社会的認知や理解が低く、法的根拠もないことから、不安定な活動とならざるを得ない状況にあります。

欧米では、労働者協同組合(ワーカーズコープ、ワーカーズコレクティブ)についての法制度が整備されています。また、日本においても多数の団体が法制化に賛同しており、国会での検討も始まるなど、「協同労働の協同組合の法制度」を求める取り組みは広がってきています。

だれもが「希望と誇りを持って働く」、仕事を通じて「安心と豊かさを実感できるコミュニティーをつくる」「人とのつながりや社会とのつながりを感じる」、こうした働き方を目指す協同労働の協同組合は、市民事業による市民主体のまちづくりを創造するものであり、働くこと・生きることに困難を抱える人々自身が、社会連帯の中で仕事を起こし、社会に参加する道を開くものです。

よって、目黒区議会は、国会及び政府に対し、社会の実情を踏まえ、就労機会の創出、地域社会の再生及び少子・高齢社会に対応する有力な制度として、「協同労働の協同組合法(仮称)」を速やかに制定するよう強く求めるものです。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出いたします。

平成20年9月30日

目黒区議会議長、雨宮正弘

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣あて

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