更新日:2018年12月27日
腸管出血性大腸菌は少ない菌数で症状を起こすため、清潔にして菌を食品につけないようにする対策が大切です。また、万が一菌が食品に付いてしまった場合を考え、食品を十分に加熱する対策も有効です。
腸管出血性大腸菌を原因とする食中毒を予防するポイント
手洗い
手洗いは、食中毒予防の基本です。トイレの後、調理の前、生の食品を扱った後、食事の前などには、必ず手を洗いましょう。
食品の保存
冷蔵の必要な食品は10度以下、冷凍の必要な食品はマイナス15度以下で保存しましょう。冷蔵や冷凍をしても菌が死滅するわけではないので注意が必要です。
十分な加熱調理
加熱調理を十分に行うと、腸管出血性大腸菌が付いていたとしても殺すことができます。目安として、食品の中心部の温度が75度で1分間以上となるように加熱をしましょう。
食品が残ったら
食品が残ったら冷蔵庫に保管し、食べる前に十分に再加熱しましょう。時間が経ちすぎり、少しでも怪しいと思った食品は食べるのを避けてください。
調理器具の洗浄消毒
調理器具は使った後すぐに洗剤と流水で洗浄します。包丁、食器、まな板などは洗ったあと熱湯をかけると消毒効果があります。
食肉の生食について
食肉を生のまま食べることは食中毒にかかる可能性を高めるので、食肉の生食は避ける必要があります。
さまざまな処理をされた食肉
食肉は、食べやすくするため、テンダライズ・タンブリング・結着などの処理がされていることがあります。こうした処理をされた食肉は、内部が微生物に汚染されている可能性があり、十分な加熱を行ってから食べる必要があります。これらの食肉を販売するときには、「処理をした旨」と「中心部まで十分に加熱が必要な旨」が表示されていますので、表示を良く確かめて十分な加熱の後に食べましょう。
テンダライズ処理
肉の筋や繊維を短く切断する処理
タンブリング処理
調味液を肉に漬け込み染み込ませる処理
結着処理(結着肉)
ほかの肉の断片を結着して成型する処理
二次汚染を防ごう
これまで説明した予防のポイントに加えて、腸管出血性大腸菌による食中毒にならないためには、二次汚染の防止が重要です。
二次汚染は生の食品を取り扱った手や器具類の洗浄や消毒が不十分で、そのまま調理済みの食品を触れるなどして起こります。また、腸管出血性大腸菌にかかった患者さんを世話した後によく手を洗わず、食品の取扱をすることも原因となります。
- 生の食品に触れた後や下痢などの患者さんを世話した後には、必ず手を洗いましょう。
- 生の食品を購入したら、水分などが漏れないように、合成樹脂性袋にきちんと包みましょう。
- 生の食品を取り扱った後、まな板などの器具類は、しっかり洗浄・消毒しましょう。
- まな板などの器具類は、肉用・魚用・調理済み食品用と、用途別に準備するとさらに安心です。
食中毒の症状が出たときは
腸管出血性大腸菌による食中毒に限らず、下痢などの症状は重篤な病気の原因であることがあります。こうした症状が現れた場合には、ただちにかかりつけの医師の診察を受け、その指示に従ってください。乳幼児などは特に注意してください。
