更新日:2019年8月16日
概要
事業所の外観
所在地
目黒区中央町一丁目3番3号
代表取締役
古谷電機工業株式会社
代表取締役 古谷 利数
電話番号
03-3712-5858
会社設立
1947年
デジタル制御化の一方で息づく「轆轤(ろくろ)職人」のモノづくり
事業所内
1947年(昭和22年)創業の古谷電機工業株式会社は、プラスチック素材を使った切削加工の老舗です。
最近では主に半導体洗浄装置に使用される部材を供給しています。
木工轆轤職人である先代の古谷孝三郎氏に「その技術を活かして絶縁加工が出来ないか」と声が掛かった事がきっかけで、東京都江戸川区に創業。1950年(昭和25年)に現所在地である目黒区唐ヶ崎に拠点を移し、1959年(昭和34年)古谷電機工業を法人化しました。1985年(昭和60年)にはNC加工機、さらに1996年(平成8年)にはコンピューターによる数値制御を行う櫛刃型CNC旋盤を導入。デジタル化を進めるなど積極的な設備投資を行い時代のニーズに対応しています。
専務取締役の古谷考輝氏
昨年、ものづくり補助金の採択を受け最新の複合型CNC旋盤を導入した際には、「これまでに幾度も苦難を乗り越えてこられた社長(現代表の古谷利数氏)と、最新設備を導入する際は、いつも議論になります。その社長も機械化を進める時には、手仕事一筋だった先代と今以上に熱い議論を交わしていたと聞いています。」と語る専務取締役の古谷考輝氏。
作業の風景
作業の中心がデジタル化されて行く中、轆轤職人のDNAは現在でも脈々と受け継がれています。
「プラスチックはとても柔らかい素材なので、指定された寸法に仕上げるのが難しいです。そこで、素材の残留応力やしなり具合を考慮しながら製造を進めて行きますが、全工程マシン化という世界ではなく寸法を出すための細やかな調整には手作業が今でも必要になりますね。」
そんな同社のものづくりの哲学は「用の美」です。
「目指しているのは展示しているような美術品ではなく、日常に使用することで輝く日用品です。
細やかな調整(手作業)
当社で提供している加工製品は工業界でいう所の日用品ですが、柳宗悦氏が提唱する「用の美」の思想を日々の仕事に取り入れていければと考えています。
客先の図面設計が機能美にあたるとすると、当社の役割は心の充足部分を補うこと。」そう話す古谷専務自身も、幼少期に先代のハンドフリーで仕上げていく轆轤職人の美しい所作に感銘を受けたという。
自分たちの位置づけで求められる役割を果たす
その一方で、心の充足にはやりすぎのないサービスも大切なのだと語られていました。
「客先との円滑なコミュニケーションを築いて行く為には物足りなさや、やりすぎる事のないやり取りを心掛けています。要は過不足があってはならないと思うのです。求められているのはシンデレラフィット」。
寸法にマイクロメートル、という高精度を求められる部材を過不足なく提供する職人ならではの思想でしょうか。
そんな細やかな思想は、社内運営にも表れています。社内に従事しているスタッフの大半が女性であることに、現場のイメージからは意外性を感じました。
女性スタッフ
女性スタッフ
「当社で働く女性たちは、製品にお化粧を施すかのようにきめ細やかな仕事をしてくれています。」
掃除・整理整頓が行き届いたクリーンな作業現場にも驚かされましたが、「スタッフの手はみんなキレイでしょう。汚れたり、手荒れがしない溶剤を使っているんですよ。」
きめ細やかな作業
完成した加工製品
現在5Gや車の自動運転、モノのIoT化に向けて世界規模でビックプロジェクトが進行中ですが、その根幹を支えるのが半導体です。
「私たちが作っているのは半導体を製造する時に使用する洗浄装置の部材ですが、最終的には新しい時代を創り出すモノとして、自分たちの位置付けでその役割をしっかり果たしたい。そして、自分たちの作っているモノが世の中に貢献しているプライドを持って日々業務を行って行きたいですね。」と語られていました。
お問合せ
このページは、産業経済・消費生活課中小企業振興係が担当しています。
所在地 〒153-0063 目黒区目黒二丁目4番36号
電話 03-3711-1134
ファックス 03-3711-1132
