更新日:2016年8月16日

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区内の元気なお店、活気ある事業所をご紹介します 第4回「有限会社風林堂」

和菓子の老舗

所在地

目黒区原町二丁目1番14号

代表取締役

荒井 一隆氏

電話番号

03-3716-5717

営業時間

平日 9時から18時30分まで
日曜日 9時から18時まで

定休日

火曜日


有限会社風林堂 荒井代表取締役

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目黒の地で和菓子一筋47年

東急目黒線西小山駅から徒歩9分、閑静な住宅街に佇む老舗和菓子店・風林堂。現当主の荒井一隆さんの父・仁さんが1969年に創業以来、47年間にもわたって地元の皆さんに愛される上質な和菓子を作り続けています。仁さんはもともと目黒駅近くのホテル・雅叙園の和菓子部門で部長を務めた腕利きの和菓子職人。雅叙園が和菓子部門を廃止し、外注体制をとるにあたって「うちから注文を出すから、近くに店を構えてはどうか?」と勧められ、この地での開業を決意、今も風林堂では雅叙園に赤飯や和菓子などを納め続けています。
約20年前に一隆さんが2代目として店を任されてからも、風林堂の菓子作りは創業当時と変わらず、ほぼすべてが自社工場での手作り。一隆さんと長男、一隆さんの弟、そして女性職人の計4人で定番から季節商品まで計20種類もの和菓子を一つひとつ丁寧に作り上げています。いちばんのこだわりは、餡子の味。今では自店で餡子を炊かずに、餡子製造業者から買い入れた餡子を使う和菓子店が多い中、風林堂では厳選した北海道産の高級小豆「雅(みやび)」を自社工場で毎日数時間かけて炊き上げています。「小豆のえぐみが取れるまで丁寧に炊き上げた餡子は、ふっくらとつややかに仕上がり、業者から買い入れた餡子とは比べ物にならないほど美味しいのです。手間暇がかかり、原料費も高くなりますが、この餡子へのこだわりだけは絶対に譲れません」と一隆さんは話します。


風林堂の外観

年36万本も売れる人気商品とは...?


タレが自慢のみたらし団子

そんな丁寧な仕事から生まれる商品は口コミで評判を呼び、今では店舗だけでなく目黒区内の高級スーパーや近隣地域のデパートの食品売り場でも販売されるようになりました。一番人気の商品は、北九州産の高級葛でとろみをつけたタレが自慢のみたらし団子。年間約36万本も売れる風林堂の看板商品です。
このほか、山形産の薫り高いヨモギを使った草団子、自家製餡子の中に大きな栗が入ったどら焼きも人気で、近所はもちろん、わざわざ遠方から買いに来る客も多いそうです。
「最近では、コンビニやスーパーに3本入りで100円前後の安価な団子が売られています。それに比べると、うちは1串で110円ですから、高いですよね。でも使っている材料の質の高さ、美味しさ、そして安全性では絶対に負けません」と一隆さん。「少々値は張っても、美味しくて質の良いもの、安全なものを食べたいというお客様に選ばれる商品を提供することが、私たちの役割だと思っています」と話します。
最近は若者にもうける和菓子を…ということで、スーパー等から「フルーツの入った大福や洋風の和菓子などを作ってほしい」との依頼を受けることもあるそうです。「せっかくのお話ですが、お断りをしています。うちはわずか4人でやっている店ですから、下手に新しいものに手を出してしまうと、既存商品の味が落ちてしまうリスクがあるからです。今は新しいものに手を出すよりも、今ある味と技術を守ることに注力していきたいと思っています。

目黒で生まれ、愛されてきた味を守りたい


店内

仁さんの長男として生まれ、幼いころから店を継ぐことを意識していたという一隆さん。和菓子作りの魅力について「仕事への姿勢が、出来上がりに正直に表れるところ」だと言います。「嘘をつかず、ずるいことをせず、まじめにコツコツとやっていれば、必ずお客様はわかってくださいます。逆に言うと、こちらの油断や慢心もすぐにわかってしまうので気が抜けませんが、その分、とてもやりがいがあります」。
一隆さんが嬉しく思っているのは、スーパーに卸すようになったことで、若い世代にも店の味を知ってもらえるようになったこと。「1人では店舗に入りづらい、少量なので店舗では買いづらいという若い方も、スーパーでは小分けのパックを気軽に購入いただくことができます。スーパーで何気なく買った商品がきっかけで和菓子ファンが増えると嬉しいですよね」。
最近は原材料の安全性を見直す動きが強まり、大手コンビニも外国産の餡子の使用を取りやめ、代わりに国内の業者から仕入れた餡子を和菓子やパン等に使用するところが出てきました。「和菓子業界全体の質が上がるのはいいことですが、これまで餡子製造業者から仕入れた餡子を使っていた和菓子店にとっては、コンビニとの差別化がますます難しくなります。その意味で、和菓子業界はますます厳しい時代に入ってきたともいえます。その点、うちはずっと自家製の餡子を使ってきたので、本当によかったと思っています。これからも目黒で生まれ、目黒の皆さんに愛していただいたこの風林堂の味をずっと守り続けていきたいですね」。

お問い合わせ

産業経済・消費生活課 中小企業振興係

ファクス: 03-3711-1132

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