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親子で学ぶ「お米とわら」 自然と暮らしを結ぶ知恵
令和7年12月7日、区立中根小学校で「お米とわら」をテーマにした親子ワークショップが開かれました。

日本の食卓に欠かせない「お米」。そして、その稲から生まれる「わら」。
その歴史は、日本人の暮らしと深く結びついてきました。令和の米騒動が記憶に新しいように、米は単なる主食ではなく、社会や経済を揺るがす存在でもあります。古くから続く稲作文化は、季節の行事や家族の絆を育み、保存や炊き方にまつわる生活の知恵も受け継がれてきました。
稲作の副産物である「わら」は、かつて縄、草履など、暮らしを支える必需品に姿を変え、知恵と工夫の象徴でした。
今回のワークショップは、お米とわらに触れ、日本人の暮らしと文化を再発見する試みです。
その原点は、中根小学校PTAのかたが新潟県柏崎市で体験した「こどもの時間」ワークショップにありました。
PTAのかたのコメント
地元の無形文化財である鋳物工房の奥様が開催するその会では、ヨモギ団子や桜餅づくり、薪で炊く新米など、季節に寄り添った手しごとを親子で楽しみました。暮らしの知恵や地域文化のぬくもりに触れ、「東京でもこんな体験をしたい」と強く感じたことが、今回の企画の原点です。
その思いを形にするため、柏崎でのご縁から「いとよし」代表・尾﨑さんに協力を依頼され、初めて「お米とわらのイーネ(稲)ワークショップ」が実現しました。
尾﨑さんは次のように語っています。
尾﨑さんのコメント
中根小学校PTAさんからご依頼をいただき、とても嬉しかったです。お米の価格高騰が話題になっていましたし、田んぼの体験学習も行っていないとのことでしたので、お米やわらを身近に感じてもらって、その価値を見つめ直す良い機会になったらと願って企画させてもらいました。
親子で手を動かしながら、稲作文化の奥深さや、暮らしに息づく知恵を感じる時間。東京のまちで、こうした体験が広がっていくことを願わずにはいられません。
お米とわらの話に加え、実際にわらを使った「しめかざり作り」も企画されました。新年を迎える準備として欠かせない「しめかざり」。収穫後のわらを使い、親子で協力してしめかざり作りに挑戦します。
しめかざり作りに挑戦
まずは、わらを湿らせます。わらが乾いていると割れやすくなってしまい、縄を綯(なう)う際にポキポキ折れてしまうそうです。
次に、束を作ります。湿らせたわらを束ね、その束を3つ作りました。

次は、縄を綯(な)う工程です。2つの束を右にねじりながら左巻きで綯っていくのですが、ここが一番の難関。力加減やねじる方向に迷い、皆さんなかなか苦戦している様子でした。2束で縄ができたら、最後の1束を綯い込みます。根元を膝でしっかり押さえ、1人がねじり、もう1人が綯い込む場所を指示。「ここだよ!」と大人と子どもが声を掛け合いながら協力する姿が印象的でした。


最後の工程は、縄を輪にして形を整える作業です。輪状にし、根本と先端をしっかり結んで固定します。余分なわらははさみで切って整えるときれいに仕上がりますね。

完成。約1時間の工程でした。

最後は縄に飾りをつけました。白い紙垂(しで)は神聖であることや清浄を示します。金柑(きんかん)は柑橘(かんきつ)で「きつ」の音が「吉(きち)」に通じるため、お祝いの縁起物を示します。赤い実の南天は「難を転ずる」厄除とそれぞれおめでたい意味があります。
会場内に漂うわらの香りに包まれながら
自分の手でしめかざりを作り上げた子どもたちの表情は、嬉しそうでした。
最後は参加者でしめかざりを掲げ、記念の集合写真。日本の文化を体験した一日を、笑顔で締めくくります。



子どもたちからは「楽しかった!」「家に飾るのが楽しみ!」という声が聞かれ、保護者からも「親子で一緒に作る貴重な時間だった」と好評だったようです。
ワークショップを通じて、子どもたちはお米とわらが単なる食材や副産物ではなく、日本の文化を支える大切な存在であることを学びました。お米一粒に八十八の手間がかかることを知ることで、食のありがたみを実感し、自然と人の営みのつながりを感じる機会になったはずです。この体験が、伝統を尊び、命を育む食を大切にする心を育てる一歩となることを期待しています。
「お米とわらのイーネ!ワークショップ」企画・講師
- 尾﨑 美香 (いとよし代表)
- ウェブサイト(https://ito-yoshi.com)
- インスタグラム(@itoyoshi2018)
- フェイスブック(https://www.facebook.com/itoyoshi.japan/)
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ライター ヤシノソ 新潟生まれ、川崎育ち。印刷会社の営業を経験し、目黒区へ(平成30年入庁)。区公式サイトの管理・運用を主戦場とし、日々アクセシビリティチェックやSEO対策に励む。プレミアリーグのヘビーウォッチャーです(サッカーじゃなくて、フットボールと呼びたい)。小さな発見を大切に、難しい話も分かりやすく、やさしい言葉でお届けします! |
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