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日本初のインテリアデザイン専門学校、まちを教科書に、ひとを育てる
目黒通りと環七通りの立体交差のほど近くに、専門学校「ICSカレッジオブアーツ」はあります。日本でまだ「インテリア」という言葉になじみがなかった昭和38(1963)年に開校した、日本初のインテリアデザイン専門学校です。

もともと千代田区にあった校舎が、昭和48(1973)年に目黒区碑文谷に移転。平成6(1994)年に現在の6階建て校舎を柿の木坂に構えました。
外観はオフィスビルのようですが、中に入ると本格的な道具がそろう工房が。漂っている木材の香りから、多くの生徒たちが作品づくりに打ち込んできたことがうかがえます。


まちが生み出すデザイン
校舎のあちこちに、学生たちが手がけた作品が置かれています。設置場所となる空間に合わせてデザインされつつも、使うことを前提にした機能的なプロダクト。
「この学校では、ひと、モノ、空間の調和を目指しています」
ICSカレッジオブアーツの丸谷博男校長はそう話します。
「人間が使うことによって、モノは単なるモノではなくなり、物語が生まれ、空間を形成します。デザインとは、そうやって新たな価値を生み出すことなのです」




丸谷さんは、一級建築士事務所を構える建築家でもあります。ICSで講師や校長を歴任し、令和8(2026)年4月から再び校長を務めています。
目黒はデザインのポテンシャルがあるまちだ、と丸谷さん。

「建築家の村野藤吾の代表作である目黒区総合庁舎をはじめ、目黒区美術館や、目黒駅近くの東京都庭園美術館(港区)など、デザインに触れられる場所がたくさんあります。目黒通りにはインテリアショップが並び、路地には小さな工房や家具店が点在している。どこを歩いても"教材"が見つかるのです」
ICSでは学生たちが地域を歩き、実生活を見つめてスケッチや撮影、調査分析をする「フィールドワーク」を大切にしているといいます。イギリスや台湾の大学とも提携し、地方や海外の都市と目黒のまちを比較し、利便性や審美性、使用する素材に至るまで、デザインにつなげるヒントを得ています。
学生たちのアイデアや技術は、カフェのインテリアデザインやファッションブランドとのコラボなど、産学協同プロジェクトで形になることもあります。
インテリアとものづくりの両方を学ぶことで、実践的なデザインができるようになり、卒業後のキャリアにつながっていくのです。

ICSの学生がインテリアデザインを担当した「GREGG外語専門学校新宿校」の新校舎のカフェ
一人ひとりの個性を引き出す
ICSで教えるのは、第一線で活躍する現役のデザイナー。習熟度や興味関心に合わせたチュートリアル(個別指導)方式の授業を中心に、学生一人ひとりの個性やアイデアを引き出します。


教室には留学生や社会人の姿もあり、年齢や国籍はさまざま。それぞれが異なる夢や目標を胸に集い、自分に合ったコースを選んで学びを深めています。


地域でデザイナーを育てたい
「まちの原風景は人々の暮らしの歴史そのもので、いったん手放すと取り戻せない宝物です。それらを壊して新しいモノをつくるのではなく、時代の変化に合わせて"整える"のがデザイナーの仕事です」
「地域の課題を見つけ、整え、新たな価値を生み出し、その価値を地域に還元できるような学生を育てたい」

ICSではその思いを形にする取り組みとして、令和9(2027)年度の入学生から、目黒区民と目黒区内の高校に通う生徒を対象に、授業料の一部減免制度を始めます。

ICSの地下には、原寸大の木構造の小屋があります。プロの職人から教わりながら、実際のスケールで、フローリングを貼ったり壁を塗ったりするためのもの。屋根や外壁の仕上げまで実習し、風雨に持ちこたえる建築の知恵を身に着けます。実習が終わると解体し、次年度の学生たちがまた組み立てます。

インテリアとものづくりの両方の学びを通して、自身の適性や夢に気づく学生もいます。デザイナーを目指していたけれど、職人に転じた学生。働きながら、インテリアデザインを学び直している社会人。
ここは、人生をデザインする場所でもあるのです。
関連ページ
- ICSカレッジオブアーツ(外部リンク)
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にしやまあきこ 目黒区で子育て歴20年。大切な人の暮らしを豊かにするために働きたくて、民間公募で令和8年4月に入庁しました。新聞や週刊誌の記者、ウェブメディア編集長の経験から、取材がライフワーク。MEGURO+では、地域の課題を解決するために区の事業に関わってくださるかたたちの熱い想いを伝えます。記事の感想やご意見をお待ちしています。
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