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更新日:2023年12月26日

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めぐろ区報令和5年12月15日号 編集後記

大特集「めぐろ歴史資料館の舞台裏」

12月15日号は、「めぐろ歴史資料館」の特集です。めぐろ歴史資料館は、旧第二中学校の校舎跡地に誕生した「めぐろ学校サポートセンター」の中にあり、一般公開されています。今回の特集では、この歴史資料館に置かれている資料や遺構・遺物が、どのようなプロセスを経て展示されていくのか、普段はなかなか知ることのできない舞台裏を潜入取材しました。

23区唯一の胎内洞穴

めぐろ歴史資料館の目玉である「胎内洞穴(たいないどうけつ)」。
この胎内洞穴は、元々は中目黒二丁目にあった新富士遺跡で発見されたもの。現地での保存が難しいため、型取り・組み立ての工程を経て現在、めぐろ歴史資料館に復元展示しています。つい触って確認したくなりましたが、「触れないでください」の注意書きがあり、残念ながら触ることはできませんでしたが、凹凸が所々にあり、忠実に再現しているのが見て取れました。
この胎内洞穴には、発掘当時から解明していないミステリーがあります。当時、洞穴内から大日如来坐像が発掘されたのですが、発見時、本当なら「ほこら」に置かれた状態で見つかるのが自然なはずなのに、床下に埋められていたというのです。その上、試しに大日如来坐像を「ほこら」に置いてみると、サイズが合わず、ぴったり収まらないというのです。なぜ大日如来坐像が埋められていたのか、いったいこの「ほこら」には何がまつられていたのか。まさにミステリーですね・・・

胎内洞穴の発掘調査組み立て大日如来坐像のミステリー

 

4500年の時を超えたパズル

歴史資料館などでよく目にする土器。展示している土器は、発掘後、人の手によって復元展示しています。取材中に復元作業を見ましたが、普段皆さんが使用する接着材やテープなどで固定し、専用の接着剤などを使用していないとのこと。担当の荒井さんに復元作業について伺うと「細かなパーツがいくつもあり、復元作業に苦戦することもありますが、パーツが組み合わさった時はとても気持ちいいんです。そして復元できた時には、“4500年ぶりに戻ってよかったね”と心の中で土器に言いかけています」と、話してくださったのがとても印象的でした。

土器の発掘調査組み立て新井さん

 

当時の様子が分かる古文書

古文書は主に近世(江戸時代)以前の史料で、位の高い人物からの命令書や外交文書のほか、庶民の手紙、地図などがあります。私も実際に古文書を見ましたが、何が書いてあるのか一切分かりませんでした。一方、担当の篠原さんはすらすらと読み始め、丁寧に解説までしてくださいました。
古文書の保管と展示には、劣化・カビなどを防ぐために湿度がとても重要で、常に55パーセント前後に保っているとのことでした。


古文書展示

 

今回は、3つの展示品を取材しましたが、めぐろ歴史資料館で働く皆さんの苦労や思いなどの「舞台裏」も知ることができ、とても有意義な時間となりました。
12月16日から3月10日まで、めぐろ歴史資料館では「冬の企画展」を開催しています。昔のくらしを今に伝えてくれる道具や資料を見ることができますので、今回紹介した3つの展示品と合わせて、ぜひ訪れてみてください!

(甘太郎)

お問い合わせ

広報課 区報担当

ファクス:03-5722-8674

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