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めぐろ区報令和6年7月1日号編集後記「子どもも大人も みんなの子ども食堂」
“子ども”も“大人”も みんなの子ども食堂
「子ども食堂」という存在が国内で活発になっていったのは2010年代だそうです。
目黒区内でも、昨年から新たに3つの子ども食堂がスタートするなど、今も活動の輪は広がりを見せています。
区報では4年前に子ども食堂について取り上げていて、私も取材を担当していました。その時、代表のかたが「多世代交流が行われる、地域の居場所にしたい」と何度もおっしゃっており、そのことがずっと印象に残っていました。
今回、4年ぶりの子ども食堂特集ということで、「今の子ども食堂は、子どもたちに食事を提供するだけの場所ではなく、子ども大人も誰もが利用できる居場所である」という切り口から紙面を作りたいと思い、「“子ども”も“大人も”みんなの子ども食堂」というコンセプトで企画をスタートしました。
久しぶりに訪れた子ども食堂の現場は?
企画の打ち合わせの際、ある職員が、「実際にごはんができるまでに、どんな人たちがどんな活動をしているんだろう?」とふとつぶやきました。確かに、子ども食堂とは?という紹介はしてきましたが、実際に活動をしたことがない人も多い中、ごはんが並ぶまでの具体的な取り組みのご紹介が足りなかったなと感じました。同時に、そこを掘り下げていくと、「みんなの居場所」という一面が見えてくるのではないかと思い、令和5年5月に活動をスタートした、まると食堂さんの密着取材をさせていただきました。
いざ、ごはんが参加者に提供されるまでを拝見していると、さまざまな気付きや発見がありました。
食材の一部は、近所の企業や地域のかたから寄付をいただいていて、実際にいただいた食材からメニューを考えているそうです。また、子どもたちが遊ぶおもちゃなども寄付を受けていました。
取材に伺った日は、ボランティアさんが20人ほどいらっしゃいました。思っていたよりも多くのかたが参加されていることに驚きましたが、初参加のかたもいらっしゃり、皆さんでコミュニケーションをうまくとりながら手際よく調理をされていて、調理の時間も笑顔の絶えない雰囲気が印象的でした。
そこには確かに、子どもたちだけでなく、さまざまなかたがさまざまな関わり方をしている「みんなの居場所」がありました。
紙面で伝えきれなかった、区内各地の子ども食堂
まると食堂
まると食堂は、区報紙面にもご登場いただいた石井さんが、地域企業などに声を掛けたりして食材を寄付していただくこともあるようです。今回の取材時にも、菅刈公園の畑で栽培されたラディッシュの寄付を受け、調理に生かしていました。
子どもたちには、地域のどんな場所から採れた食材で、ごはんが作られているのかを知ってもらえるようにと、会場には提供元の写真を、毎回掲示しているそうです。
こどもば食堂@上目黒
こどもば食堂では、取材で訪れてみると7名ほどの学生ボランティアが活動に参加されていました。お話を伺うと、「小さい頃、この食堂によく来ていたから、自分も何かお手伝いしたいと思い、参加しています」「お料理するのが好きで、子どもも大好きなので、楽しくて参加しています」など、参加した理由はさまざま。学生ボランティアの皆さんと子どもたちは本当に楽しそうに会話をしていて、さらに学生ボランティア同士でも、新しい友だちを作ったりと、交流が広がっている様子が見受けられました。
いいほいくえん自由が丘
いいほいくえん自由が丘は、認可保育所になる前、親子で訪れることができるカフェを開いていたそう。取材に伺った日は、初めての子ども食堂開催日で、保育士さんたちも感極まっているようなご様子でした。この日は園を卒業したお子さんが食堂に集い、親御さんと保育士さんが一緒に成長を喜んでいる光景がとても感動的でした。
すずめ食堂
すずめ食堂は、親子で参加されているかたが多く、親御さんが自ら現場をサポートされていたので、主催者と参加者という垣根がなく、「自分たちの居場所は自分たちでつくる」という雰囲気がよく伝わってきました。
副代表の神代さんは、「やじー!」と子どもたちがから愛称で呼ばれるほど大人気。
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この日は初参加となる学生ボランティアもいて、「子どもの頃、一人でごはんを食べていて寂しい思いをしていました。今、自分が子どもたちに何かできることはないかと思い、めぐろボランティアセンターで、すずめ食堂を見つけて参加しました」というお話を聞くことができました。
着用するエプロンには、すずめ食堂のキャラクターが描かれています。
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おやこカフェ
おやこカフェは、屋上の広い芝生が、子どもたちに大人気。ここでは、子どもたちが制作したアクセサリーなどの販売を行い、売り上げは次の制作物の材料費になったり、子ども食堂の活動費の一部となったりと、それぞれの子が、自分のやりたいことをやれる、そんな雰囲気を大事にされていました。
今回、5つの子ども食堂を取材させていただきましたが、それぞれの食堂の代表の方々が共通しておっしゃっていたのは、“地域の憩いの場として活動を続けたい”ということでした。
子どもたちがごはんを食べるだけでなく、ボランティアとして参加したり、食材などを寄付したりすることで、子ども食堂を応援したり、関わることができます。私にもできることがあるなと、今回の取材を通じて強く感じました。
“子ども”も“大人”も、みんなの子ども食堂。
今回の特集が、“子ども食堂が地域の大切な居場所”だと感じていただけるきっかけになるとともに、一人でも多くのかたが、さまざまな応援の形を見つけてくださることを、特集の担当者として心から願っています。
広報課A
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