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更新日:2015年9月30日

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災害時の人権 (めぐろ区報 平成27年8月25日号に掲載した記事です)

現在、発生が懸念されている首都直下地震が起きた場合、物流やライフラインの被害だけでなく、家屋の倒壊や焼失により、避難所生活者が、区内で最大約6万1千人になると想定されています。

災害と人権問題は切り離せない関係にあります。災害発生時は生命そのものが危険にさらされ、被災後は食料・保健医療・避難場所などの社会的権利が課題となります。実際に災害が発生した時には、自分の命を守ることが第一ですが、被災後の生活がどうなるかも大変重要です。

平成25年11月に都が実施した「人権の関する世論調査」で、災害時に起きると思う人権問題について聞いたところ、「避難生活でプライバシーが守られないこと」が52.8パーセントで最も多く、次いで「要支援者(障害者・高齢者・乳幼児・妊産婦等)に対して、十分な配慮が行き届かないこと」が51.6パーセント、「避難生活の長期化によるストレスに伴う嫌がらせやいさかいが生じること」が42.8パーセント、「デマ・風評などによる差別的な言動が起きること」と「支援や被災状況などの必要な情報が行き届かないこと」がそれぞれ40.2パーセントという結果でした。

避難所生活では、多くの避難者が、限られた場所でストレスを抱えながら共同生活を行うことになります。このような環境では、その状況にあったプライバシーの確保や要支援者への配慮が必要です。

例えば、女性や子育ての視点から、女性が着替えや授乳できるスペースを設ける、乳幼児の保護者が周囲を気遣うことなく生活できるようスペースを分けるなどの配慮が必要です。また、車椅子の人が休めるベッドを確保する、夜間でも安心してトイレに行けるように照明などの防犯対策を行う、音声だけでなく文字で情報提供できる仕組みを考えるなど、東日本大震災の被災経験から具体的な改善点が挙がっています。

災害対策の基本は、「自助・共助・公助」といわれています。自分の身は自分で守る「自助」、お互いに助け合う「共助」、行政による支援の「公助」です。避難所生活の問題を具体的に改善するには、「自分たちの人権は自分たちで守る」という自助・共助の双方の視点がとても大切です。日頃から、さまざまな立場の人が要望や意見を出し、話し合えるまちをつくっていくことが、大規模災害時に大切な命と人権を守ることにつながります。

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