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戦後65年を迎えて 戦争は最大の人権侵害 (めぐろ区報 平成22年8月25日号に掲載した記事です)
平成22年8月
今から65年前の1945(昭和20)年8月、太平洋戦争が終結しました。戦争中は、たび重なる空襲により区内でも多大な被害を受け、戦争終結までの死傷者は1千800人を超えました。
終戦から65年が経過し、今なお戦争の傷跡や苦しみを抱えているかたがたがいる一方、戦後生まれの世代が4分の3以上を占めるようになり、戦争の記憶が風化してしまうのではないかと危惧されています。
区では、戦争の悲惨さ、核兵器の恐ろしさ、平和の尊さを次世代に伝えていくため、毎年8月に、平和祈念のつどい、巡回写真展、小・中学生の広島市派遣などの平和関連行事を行っています。
また、めぐろ歴史資料館(中目黒3-6-10)では、この春「戦後65年・目黒の空襲と銃後の生活」と題した企画展で、所蔵資料を中心に、空襲のようすを伝える当時の日記、写真、生活道具などの展示を行いました。同館では現在、夏の企画展(9月12日まで開催)で平和関連資料のコーナーを設け、空襲被害図や焼夷(しょうい)弾の実物、疎開先で子どもたちが作った手書きの新聞など、戦争関連資料の展示を行っています。
二十世紀は「戦争の世紀」とも言われます。1914(大正3)年に始まった第一次世界大戦は、参戦した国の国民すべてを巻き込む、史上初の総力戦でした。ヨーロッパを中心に繰り広げられた第一次世界大戦に比べ、第二次世界大戦は文字どおりの「世界大戦」となりました。両大戦で、民間人を含めた死者は数千万人に達しました。特に日本は、広島・長崎で原爆により多数の尊い命が奪われるとともに、空襲により多くの犠牲者が出ました。
この大戦の教訓から「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」で始まる「世界人権宣言」が生まれたことは、よく知られています。
戦争では、人々はさまざまな権利を制約されたり、否定されたりします。さらに、最も基本的な人権の一つである、生存する権利さえも脅かされます。この意味で、「戦争は最大の人権侵害」であると言えます。私たち一人ひとりが、再び戦争の惨禍は繰り返さないと強く心に刻み、行動していかなければなりません。
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