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HIV(エイズ)・性感染症予防
性感染症とは
性行為で感染する病気を総称して、性感染症(STI (えすてぃーあい))と言います。この性感染症には、梅毒や性器クラミジア感染症など10種類以上の病気があり、エイズもその一つです。
近年は梅毒患者の急増が問題となっています。
令和5年の都内の梅毒報告数は、5月21日までの時点で過去最多だった令和4年の同時期の報告数を上回っており、感染が拡大しています。
特に女性の報告数が増加しており、直近10年で約40倍となっています。
年齢別では、男性は20代から50代、女性は20代が多くを占めています。
女性が妊娠前や妊娠中に感染すると、おなかの赤ちゃんにも感染し死産や流産、先天性の障害が起こることがあるため、注意が必要です。
下記の「HIV/エイズ以外のおもな性感染症」「梅毒」の欄もご覧ください。
性行動が多様化する中、性感染症は私たちにとって身近な病気になっています。自分の健康をそして大切な人の健康を、ぜひ考えてみませんか?
下記のリンクは性感染症を総合的に解説しています。そちらもご覧ください。
HIV/エイズ予防
HIV/エイズとは
エイズ(AIDS)は日本語で、後天性免疫不全症候群といいます。ヒト免疫不全ウィルス(HIV(えいちあいぶい))に感染することによって起こる様々な病気のことです。HIVに感染して未治療でいると、人の免疫力の中心的な役割を果たす白血球の1つ、CD4リンパ球を破壊します。そのため免疫力が低下して、HIVに感染してから数年から十数年後、普通なら感染しても病気を起こさないような細菌やカビなどにより、肺炎や皮膚炎、悪性腫瘍など様々な病気を発症します。この状態をエイズといいます。
HIVは日常生活では感染しません
汗、咳・くしゃみ、体に触れたり握手したり、鍋物などを一緒に食べる、同じ食器を使う、プール・温泉やお風呂やシャワー等、日常生活での感染の心配はありません。また空気感染、飛沫感染、蚊などの昆虫を媒介して感染しないことがわかっています。
HIV感染は予防できます
HIV感染の原因は8割以上が性的接触によるものです。正しい知識を持ち適切に予防することで、感染を防ぐことができます。
相手をよく知らない間は性行為を行わないのが安全です。また性行為ではコンドームを正しく使用することが感染予防のために有効です。
治療の進歩で、長期療養できる時代になりました
「エイズにかかると死んでしまう」そう思われていたエイズも、完治することはまだ難しいのですが、現在はHIVの増殖を抑える薬が発達し、エイズを発症することなく、今までの生活を続けていくことができるようになっています。そのためにはエイズを発症する前に、HIV感染を早期に発見して、適切な治療を開始することが大切です。
今あなたに伝えたい大切なこと
令和3年に全国で報告された新規HIV感染者と新規エイズ患者の報告数は、合わせて約1050件で、新規HIV感染者とエイズ患者の25パーセント以上が保健所等で発見されたと考えられています。
また、東京都の報告数は約350件で、全国の約30パーセントを占めています。報告数は近年減少傾向ですが、令和2年から3年にかけては横ばい状況でした。
感染報告の中心を占めているのは、社会の担い手となる20歳から40歳で、特に20歳代から30歳代で多く報告されています。
保健所のHIV抗体検査は匿名・無料
目黒区では、HIV抗体検査・相談を月1回、匿名・無料でおこなっています。また東京都HIV検査・相談月間(6月1日から30日)、東京都エイズ予防月間(11月16日から12月15日)の期間中は、臨時検査も行っています。
詳細については、以下のリンクをご覧ください。
HIV/エイズ以外のおもな性感染症
梅毒
梅毒トレポネーマによる慢性の感染症で、何年もかけて進行していきます。
潜伏期
約3週間
症状
- 第1期(感染後約3週間後から3か月)
梅毒トレポネーマが侵入した部分が腫れたり潰瘍ができたりします。この症状は痛みを伴わないことが多く、治療しなくてもしばらくすると消失することがありますが、治ったわけでなく第2期に進行していきます。 - 第2期(感染後3か月から2年)
リンパ節が腫れたり全身の皮膚に赤い発疹(バラ疹)が出現します。これらの症状も痛みやかゆみを伴わないことが多く、治療しなくても消失することがありますが、治ったわけでなく第3期へと進行していきます。 - 第3期(感染後3年から10年)
一見体調に変化がない時期が数年続きますが、皮膚や内臓で病気は静かに進行していきます。 - 第4期(感染後10年以上)
心臓や血管、脳や神経などに障害が現れ、重篤な症状が出ます。
そのほか妊婦が感染した場合、胎盤を通じて胎児に感染して、流産や死産の確率が高まったり、生まれてくる子供が先天梅毒となり、いろいろな障害を起こすことがあります。
病気が進行する前に発見し治療すれば完治する病気なので、早期に感染を発見することが大切です。
治療
抗生物質の服用による治療が有効です。治療すれば完治する病気なので、医師に指示された通り治療しましょう。
しかし感染しても有効な免疫ができない感染症なので、完治しても何度でも感染する可能性があります。感染予防が大切です。
検査
血液検査で行います。保健所でも検査を行っています。詳細は以下のリンクをご覧ください。
性器クラミジア感染症
クラミジア・トラコマチスによる感染症で、日本で最も多い性感染症です。
潜伏期
1週間から3週間
症状
女性は無症状のことが多く、症状があってもおりものが少し増える、軽い生理痛のような痛み、不正出血などです。また濃い黄色のおりものが出ることもあります。進行すると卵管炎、不妊症の原因になることがあります。
男性は症状が軽く、尿道がむずがゆくなったり、排尿の時に軽い痛みがある程度です。しかし放置すると精巣上体炎や男性不妊症の原因になることがあります。
パートナーが両方とも感染している例も多い感染症です。
治療
抗生物質の服用による治療が有効です。治療すれば完治する病気なので、医師に指示された通り治療しましょう。
しかし感染しても有効な免疫ができない感染症なので、完治しても何度でも感染する可能性があります。感染予防が大切です。
検査
尿検査で行います。保健所でも検査を行っています。詳細は以下のリンクをご覧ください。
淋病
淋菌による感染症で、性器クラミジア感染症の次に多い性感染症です。
潜伏期
2日から9日程度
症状
尿道炎により、尿道にかゆみや痛みが出たり、尿道から膿が出たり少量の出血があることがあります。
症状が進行すると男性では尿道狭窄や精巣上体炎をおこしたり、男性不妊症の原因になることがあります。
女性では子宮内膜炎、卵管炎、子宮外妊娠、不妊症の原因になることがあります。
男性はすぐにはっきりした症状が現れることが多いですが、女性は症状に気づきにくく、進行してから初めてわかることが多いです。
治療
抗生物質の服用による治療が有効です。治療すれば完治する病気なので、医師に指示された通り治療しましょう。
しかし感染しても有効な免疫ができない感染症なので、完治しても何度でも感染する可能性があります。感染予防が大切です。
検査
尿や分泌物で検査します。
その他の性感染症
その他の性感染症については、こちらをご覧ください。
お問い合わせ
感染症対策課 感染症対策係
電話:03-5722-9896
ファクス:03-5722-9890