更新日:2018年3月27日

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平成30年第1回定例会 意見書

表記等は、ホームページ掲載のため、一部変更している場合があります。

地方消費税の清算基準の見直しに関する意見書

地方分権の更なる推進と財政自主権の確立により、自らの権限と財源に基づく行財政運営を行うことは、地方が自主性・自立性を持って課題の解決を図る上で必要不可欠です。しかしながら、国はこれまで、受益と負担という地方税の原則に反し、地方自治の本旨にもとる不合理な偏在是正措置により、2.2兆円もの都民の貴重な財源を収奪してきました。特別区においては、法人住民税の一部国税化の影響により、年あたり約628億円の減収見込となるなど甚大な影響がでています。本区においても、法人住民税の一部国税化の影響は、年あたり17億円余もの減収となっており、全く看過できるものではありません。
地方自治体は、教育や産業振興など様々な行政サービスを担っており、また、本区を始めとする特別区においては、待機児童の解消や高齢者対策の推進、首都直下型地震への備えなど、直面する課題への対応に着実に取り組むとともに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた準備など、日本の成長につながる施策を積極的に展開することが求められています。地方が、それぞれの地域の実情に応じ、これらの施策を着実に展開していくためには、地方の税財源を維持・拡充していくことが不可欠です。
平成29年12月22日に閣議決定された平成30年度税制改正大綱では、都を始めとする大都市から税収を搾取することを意図し、地方の自主財源である地方消費税の清算基準について、消費に関する「統計」の比率を下げ、代替指標である「人口」の比率を高めるなどの見直しが盛り込まれています。そもそも、地方消費税の清算基準は、税の最終負担者である消費者が消費を行った地域と税収の最終的な帰属地を一致させるという趣旨にのっとり、その運用を図るべきものであり、地方間の税収格差という論点に基づき、見直しが議論されるべきものではありません。こうした本質を顧みず、国による見直しが強行されれば、地方財政への影響が強く懸念されることはもとより、地方消費税が、地域での消費活動の活性化が税収に反映されるという「地方税」としての意義を失い、地域活性化に向けて地方が積み重ねた努力が全く報われない仕組みとなることが危惧されます。
よって、目黒区議会は、国に対し、次の事項を実現するよう強く要請します。

  1. 地方消費税の清算基準については、税収の偏在是正を目的とすることなく、最終消費地と税収の最終的な帰属地を一致させるという制度本来の趣旨を踏まえ、基準の精緻化を図ること。
  2. 消費の代替指標である「人口」の比率を殊更に引き上げることは、地方分権の流れに逆行するものであり、行わないこと。
  3. 消費の代替指標である「従業者数」は、勤務地等における消費活動を反映させる重要な指標であり、引き続き用いること。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。

平成30年3月8日

目黒区議会議長 佐藤昇

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、社会保障・税一体改革担当大臣、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、内閣府特命担当大臣(地方創生) あて

骨髄移植ドナーに対する支援の充実を求める意見書

骨髄移植及び末梢血幹細胞移植は、白血病等の難治性の血液疾患等に対する有効な治療法と言われている。この治療には安全な骨髄及び末梢血幹細胞の安定的かつ公平な提供と、任意による提供の保証が確立されなければならない。そのために「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」(以下「法」という。)が制定され、公益財団法人日本骨髄バンクが主体となって、広く一般の方々に善意による骨髄等の提供を呼びかける骨髄バンク事業(以下「本事業」という。)が、実施されている。
本事業におけるドナー登録者数は平成29年12月末現在で48万人を超え、患者とのヒト白血球抗原(HLA)の初回検索適合率は9割を超えているが、移植率は6割未満にとどまっている。つまり多くの善意に支えられて、移植可能性が高いにも関わらず実際の移植に至る数は少ない。その要因は様々にあるが、ドナーの健康問題という制度の根幹にかかわる当然の要因は別として、被雇用者がドナーとなる場合の、本人及び事業者の負担については改善の必要がある。
本事業では、骨髄等の提供のための検査や入院等の費用について、ドナーの負担はない。また万一、骨髄等の提供に伴う健康被害が生じた場合でも、骨髄バンク団体障害保険による保険金が支払われる。このようにドナーに負担をかけない制度になっていることは法の趣旨に叶い評価できる。
しかし、ドナーが検査や入院等で仕事を休業した場合の、本人及び事業者への補償は、一部の地方公共団体や企業を除いて行われていない。
これは善意の提供者による有給休暇などの活用に頼った制度設計である。この仕組みは、経済活動の現場においては、善意の提供者(被雇用者)とその理解者(事業者)に負担を強いることになってしまっており、なかでも我が国の企業の大半を占める中小企業においては、善意の提供者(被雇用者)が、職場への遠慮等、提供に必要な休暇の取得等を躊躇する要因があるばかりでなく、派遣労働を含め雇用形態が多様化し、経済情勢も日々変動しているなか、休暇の取得自体が利益減(収入減)に直結する中小企業事業者も少なくない。
目黒区は、法の制定趣旨に鑑み平成29年度に提供者と事業者に対する補償事業を実施している。全国的にドナーが安心して骨髄等を患者に提供できる仕組みが求められている今日、この制度は法の趣旨からも、自治体間の公平を図る上からも全国的に実施されるべきものである。
よって目黒区議会は、国及び政府に対し、骨髄移植等の一層の推進を図るため、ドナーが骨髄等の提供に伴う入院、打合わせ等のために休業する場合の補償制度を創設するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成30年3月8日

目黒区議会議長 佐藤昇

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣 あて

国有地の更なる活用のための減免措置の拡充及び要件緩和を求める意見書

一億総活躍社会の実現に向けて、少子高齢化対策は最も重要な課題であり、且つ緊急な対策が求められているところです。目黒区においても、待機児童数が平成29年4月時点で617人と全国ワースト3位となり、更なる保育所整備が必要となっています。また、特別養護老人ホームへの入所待ちも800人近くにのぼり、早急な施設整備が求められています。
こうした状況の中で、目黒区では、未利用国有地の管理処分方式の多様化に伴い制度化された定期借地権方式を活用して、保育所、及び特別養護老人ホームの整備を行っており、今後も国有地を活用した更なる施設整備が望まれています。
一方で、現行制度では、土地貸付料について一部を除き減免制度の適用を受けないこと、貸付期間が30年以内となっていることなど課題も見られます。
また、目黒区では、今後大規模国有地が出てくることが予想されますが、定期借地権方式は、現在、社会福祉施設等にしか認められず、地域住民の要望も踏まえた一体的な街づくりの視点での活用にも課題が浮き彫りとなっています。こうした課題は一自治体の問題ではなく、大都市圏の自治体に共通の問題と思われます。
国有地の更なる活用は、地方自治体の喫緊の課題解決に資するだけではなく、国策にも十分資するものです。
よって、以下の点について強く要望すべく、地方自治法第99条に基づく意見書を提出いたします。

  1. 定期借地方式による社会福祉施設等の整備にあたっては、国有財産特別措置法の趣旨を踏まえ、無償貸付の適用、又は減額貸付の適用範囲の拡大を行うこと。
  2. 国有地の定期借地権の期間設定について、改正借地借家法の趣旨を踏まえ、期間の延長(50年程度)を行うこと。
  3. 大規模国有地の活用にあたっては、地域の街づくりの観点からも定期借地権方式による整備に際して、社会福祉施設等以外にも一定の条件で、活用を可能とすること。
  4. その他、社会福祉施設等整備促進のための国有地活用に向けた各種優遇措置を講ずること。

平成30年3月23日

目黒区議会議長 佐藤昇

内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣 あて

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