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更新日:2024年3月1日

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目黒川における水質浄化対策の進め方

目黒川の水質浄化を進めるため、令和2年度に目黒川水質浄化対策計画を策定し、高濃度酸素溶解水供給施設の整備に向けた取り組みや、ヘドロの除去など、水質改善の取り組みを行っています。

目黒川水質浄化対策計画を策定しました

目黒川の現状

目黒川は、区内に残された、川面を眺めることができる貴重な場所です。また、都内でも有数な桜の名所であり、地域住民や世界中から観光客が訪れます。


桜開花期間中の目黒川沿いの様子(上流・朝日橋付近)


目黒川でカモが泳いでいる様子(上流・天神橋付近)

しかし、毎年、水温が上がる季節に雨が降った後などには、悪臭や水面の白濁化、スカム等が発生する現象が生じています。
特に、中目黒から下目黒の区境にかけては、潮の満ち引きにより川の流れが悪く、ヘドロが溜まりやすいことから、水温の上昇とともに、悪臭や水面の白濁化、スカムが発生する現象が顕著に現れています。また、植物性のプランクトンが発生し、水面が緑色になる場合もあります。


白濁化発生時の目黒川(下流・田道橋付近)


スカム発生時の目黒川(下流・太鼓橋付近)

水質改善への主な取り組み

目黒川は、東京都が管理する河川ですが、都の条例により、日常的な維持管理は目黒区、計画的な改修は東京都が行っています。
この中で、水質改善に関わる次の業務は、東京都と目黒区が連携して行っています。

目黒川の水質浄化対策

(1)ヘドロの除去

溜まったヘドロを除去するため、目黒新橋から太鼓橋間で「川底のしゅんせつ」を行っています。


ヘドロをポンプで吸い上げている様子


潜水士がホース口を持ってヘドロを吸い込んでいる様子

(2)川の流れをよくする対策

川の流れを良くし、悪臭や白濁の原因となるヘドロを溜まりにくくするため、田楽橋から目黒新橋間で「川底を平らに均す工事」を毎年行っています。


川床を平らに均す工事

(3)水の流れの確保

東京都では「城南三河川清流復活事業」として、平成7年度より落合水再生センターで処理した再生水を目黒川、呑川および渋谷川(古川)へ送水・放流しています。これらの都市河川は常時水量に乏しく、水量を補うために供給されており、目黒川には、1日あたり約3万立方メートルの水が送水されています。


再生水送水前の目黒川(左)と清流が復活した現在の目黒川(右)

(4)川の清掃

川の中(川床と側壁)の清掃を行っています。主に、ごみの除去とユスリカの卵塊を除去しています。


人による清掃状況

川の中だけでなく、沿川の桜並木の清掃を区民と協働で年3回行っています。(目黒川クリーンアップ大作戦)


目黒川クリーンアップ大作戦

目黒川クリーンアップ大作戦

(5)下水道管から汚水を川に流さない対策

東京都下水道局では、合流式下水道の改善事業として降雨初期の特に汚れた下水を一時的に貯留する施設の整備を進めており、上目黒一丁目から青葉台二丁目の区道の下に、貯留管(貯留量9千4百トン)を設置しました。平成23年度から貯留を開始しています。


貯留管の位置図

(6)東京都への要望活動

目黒区では、河川の水質浄化対策を進めるため、目黒川流域の世田谷区、品川区とともに、東京都の関係局に対して、要望活動を毎年実施しています。

水質浄化対策の検討

(1)目黒川水質浄化実験の実施

目黒川の更なる水質改善対策を見つけるため、平成21年度から平成23年度に高濃度酸素溶解水実験、平成28年度・平成29年度にヘドロに対する改善材実験を行いました。

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高濃度酸素溶解水実験(平成21年度から23年度)

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改善材実験(平成28年度から29年度)

(2)目黒川水質浄化対策評価委員会の設置(平成30年2月19日)

過去に実施した実験等について評価するため、東京都(環境局・建設局)・品川区・目黒区・世田谷区にて目黒川水質浄化対策評価委員会を設置しました。
評価委員会は、「下水の高度処理した維持用水」や「河床を平らに均す工事」等を続けたうえで、今後目黒川で検討を進めていく短期的な水質改善策として、「高濃度酸素溶解水供給」を最善策と評価しました。

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高濃度酸素水のシミュレーション結果

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目黒川水質浄化対策評価委員会開催時の様子

平成30年度 目黒川水質浄化対策検討報告書 概要版(PDF:573KB)

(3)目黒川水質浄化対策検討会の設置(令和元年7月31日)

評価委員会の評価に基づき、目黒川の総合的な環境整備を目指し、水質浄化を具体的に進めるため、東京都(環境局・建設局・下水道局)・品川区・目黒区・世田谷区にて令和元年7月31日に「目黒川水質浄化対策検討会」を設置しました。令和元年度に、水質改善に向けた目標設定、対策内容やスケジュール等の検討を行い、「目黒川水質浄化対策計画素案」をとりまとめました。

水質改善への新たな取り組み

目黒川水質浄化対策計画を策定しました

令和元年度に、目黒川水質浄化対策検討会(東京都、品川区、目黒区、世田谷区)でとりまとめた目黒川水質浄化対策計画素案を基に、令和2年6月に目黒区で目黒川水質浄化対策計画を策定しました。川底を平らに均す工事などは継続事業として今後も続け、新規に高濃度酸素溶解水供給等の対策等を実施していきます。

目黒川水質浄化対策計画

高濃度酸素溶解水供給施設の整備

悪臭や白濁化の原因となっている硫化水素の発生を抑制するため、目黒川の底層に高濃度酸素溶解水を供給する施設を令和5年度からの稼働を目標に整備します。吸込口から貧酸素層の水を引き込み、それに大気中に存在する酸素を溶解させて「高濃度酸素溶解水」を作り、吐出口から元の層へ緩やかに戻すことで、貧酸素化した底層に効率良く酸素を供給します。底層の嫌気状態が解消するため、硫化水素の発生が抑制され、臭気が改善されます。


高濃度酸素溶解水供給図

初期越流水貯留施設の整備

河川整備の進捗等を踏まえて、治水対策として運用している池尻・新駒沢幹線(約139,000立方メートル)を初期越流水の貯留施設として令和2年度から一部運用開始しています。

効果的なしゅんせつの実施

しゅんせつの継続と並行して、ヘドロ化した有機汚濁物が多く堆積している太鼓橋から市場橋間については重点的にモニタリングを実施し、現状の堆積状況や堆積速度を把握しています。モニタリングの結果を踏まえて、今後、現行のしゅんせつ範囲や実施頻度を見直すなど、より効果的なしゅんせつ方法を検討しながら随時実施していきます。

水質浄化対策の効果

目黒川水質浄化対策計画では、「悪臭」への対策を喫緊の課題として位置付けてます。これまでに行ってきた水質浄化対策の効果を測るために、目標に対する達成状況を年ごとにまとめております。

目黒川水質浄化対策計画の「悪臭」に対する目標

期間区分  目標  主な対策

短期

(概ね5年後まで)

大気中硫化物濃度
0.2ppm以下
(達成率50パーセント)
高濃度酸素溶解水供給施設の整備
・初期越流水貯留施設の整備
・部分分流化の推進
・効果的な浚渫に必要なモニタリングの実施
中期
(概ね10年後まで)
大気中硫化物濃度
0.2ppm以下
(達成率100パーセント)
初期越流水貯留施設の整備(機能拡大)
・効果的な浚渫の実施
・部分分流化の推進
長期 大気中硫化物濃度
0.06ppm以下
今後継続して実施するモニタリング結果を踏まえた追加対策の検討、実施

基準年度:令和元年度

大気中硫化物濃度0.2ppm:悪臭防止法における、規制基準の設定範囲上限値

達成率(パーセント):「目標値を超過した日数(令和元年度)」から「目標値を超過した日数(対策後)」を引き、「目標値を超過した日数(令和元年度)」で除した値

目標の達成状況

水質浄化目標と現状

目黒川の水質浄化に係る工事

水質浄化工事一覧

  1. 河川維持工事(河床整正、護岸洗浄、河床浚渫)(田楽橋から太鼓橋間)
    工期:毎年4月から12月あたり
  2. 目黒川水質浄化対策施設整備工事(目黒区下目黒一丁目8番先)
    • (1)建屋等工事
      工期:令和4年4月1日から令和5年3月15日
    • (2)プラント工事
      工期:令和4年9月30日から令和6年3月29日
    • (3)取水ポンプ等設置工事
      工期:令和5年4月10日から令和6年3月15日
    • (4)沿線通路復旧等工事
    • 工期:令和5年4月26日から令和6年3月15日

お問い合わせ

みどり土木政策課

ファクス:03-3792-2112