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自転車は押して歩く! 学芸大学駅で広がる「押しちゃり」運動
先日、グローバルメディア「タイムアウト」において、「2024年 世界で最もクールな街」ランキングに日本から唯一選出されたことで話題になっている東急東横線「学芸大学駅」。
急行も止まり、渋谷駅から約8分と交通の利便性が高い駅です。駅名の「学芸大学」ですが、かつて東京学芸大学があったことから名づけられましたが、キャンパスは1964年に小金井市に移転しました。
学芸大学駅は目黒区の中央に位置し、駅から東西に延びる商店街が特徴的で、駅周辺にはさまざまなジャンルの飲食店や雑貨屋、アートギャラリーなどが軒を連ね、改札を出た途端にぎやかな印象を受けます。また、背が高い建物はなく、どこか下町のような雰囲気がありますが、“イマドキ”なカフェやバーなども街並みに溶け込んでいるのが印象的です。
商店街に活気があり、人が集まる「学芸大学駅」ですが、大きな課題が1つ。
それは”自転車”の交通。商店街の道幅は狭く、人と自転車、自転車同士の接触事故が毎年発生しています。学芸大学駅から徒歩10分圏内は平たんな道が続き、ちょっとそこまで!という用事には自転車を使うかたも多いかと思います。一方で、駅前にはロータリーもなく、駅を出るとすぐ商店街につながるため、駅前は少し窮屈な印象もあります。
この問題を解決すべく、商店街を中心とした「学芸大学街づくりの会」では”押しちゃりキャンペーン”を実施しており、自転車事故撲滅を目指し活動を続けています。
今年で啓発活動を始めて、はや11年目を迎える“押しちゃりキャンペーン”。
「学芸大学をきれいな街にしたい」と語る学芸大学商店連合会会長の牛山隆二さん。
「十数年前から自転車の危険性(接触事故)を感じており、商店街で何かできないかを考えたことがきっかけでキャンペーンを始めました。事故が起きてからでは遅いので、事前に防ぐことがとても大切。電動自転車は便利ですが、押して歩くには重くて、狭いところでも自転車から降りないケースが増えています。また、ここ数年で自転車の利用者も増えてきていますが、それに見合う駐輪場の数がないため、放置自転車が増えていることにも悩んでいます。」
事故が起きてからでは遅い。まったくそのとおりです。自転車のルールが見直され、ヘルメット着用の努力義務化や、11月1日からは「ながらスマホ」や「酒気帯び運転」は罰則の対象にもなります。
さらなる“押しちゃり”啓発に向けて、秋の全国交通安全運動期間中(令和6年9月21日から9月30日に10日間)の9月26日、参加者を拡大した大規模なキャンペーンを実施しました。商店連合会をはじめ、碑文谷警察署、学校関係者、町会、企業などが参加し、商店街の通りや駅コンコース内を中心に自転車の安全な利用の呼びかけを行いました。
キャンペーン終了後、東口商店街側の自転車の通行状況を確認したところ、まだまだ自転車に乗ったまま通行する人もいましたが、一定程度、“押しちゃり”が浸透しているように見受けられました。
商店連合会会長の牛山さんは「駅構内では、9割以上のかたが押しちゃりに協力してくれるようになりました。それだけこの活動の認知が広まったことの手応えを感じています。自転車問題を解決しないと、きれいな街にはならない。商店街には自転車で来るかたがどうしても多いため、“継続は力なり”ということで、絶対に諦めないで、この活動を続けていき、きれいな街にしたい」と、これから目指す学芸大学駅周辺の在り方を語ってくれました。
自転車は子どもから高齢者まで幅広い世代で利用され、最も身近で手軽な交通手段なだけに、利用者の意識を変えることは容易ではありません。相手はもちろん、自分の身を守るためにも自転車の安全な乗り方を意識しましょう。
自転車を“押し”ながら、商店街を通ってみると、今まで気付かなかった新しい発見や景色に出会えるかもしれません!
広報課:ヤシノソ
写真:SUZUKI GPT
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