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めぐろ区報令和7年11月15日号編集後記 祐天寺のまちづくり
今回の特集では、祐天寺駅周辺の魅力を発信する3つの活動を行う皆さんの座談会の模様をお届けしました。この座談会企画には、「祐天寺好き」を自称する広報広聴課職員も制作担当として関わっており、3つの活動をされている皆さんと一緒に、それぞれが心に抱く“祐天寺愛”を存分に語り合う場となりました。
この編集後記では、紙面で語りきれなかった裏話や、印象的だった瞬間をお届けします。
セルフィッシュでありながら、人ともつながれる
座談会を通じて印象的だったのは、“個”と“つながり”の絶妙なバランスです。一人で楽しむ人も、みんなで盛り上がりたい人も受け入れる祐天寺。商業的なにぎわいは必要だけれど、ただ人を集めるだけではなく、街を愛する声が響く場であることが大切だと感じました。それぞれの個性が共存する空気感は、祐天寺ならではの魅力です。
インタビューこぼれ話
祐天寺には、自分の“好き”を大切にする人が多い。一人で楽しむこともできるし、SNSや街のデザインを通じて誰かとつながることもできる。そんな“個”と“つながり”の両方を受け入れる街だと、インタビューを通じて改めて感じました。
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ちょっと独り占めしたい、セルフィッシュなところもありつつ、祐天寺の良さを分かる人には分かってほしい。商業的なシステムを守る上ではにぎわいが必要だけど、祐天寺が好きなみんなが、何がいいのかっていう声がちゃんと聞こえる状態で、そういう質のにぎわいを創出していくのが必要だなと思います。 |
自分の好きなものを大切にしながら、周りとつながることができる安心感。活動に密着していて感じたのは、どんな人も温かく迎え入れる祐天寺ならではの雰囲気でした。駅周辺には、古い店と新しい店が並び、それぞれの個性が生きて調和しています。昔からの店を大切にしながら、新しいエネルギーも受け入れる懐の深さ。そして、そこで暮らし活動する人々も同じように温かい空気をまとっていました。
みどりと種の循環でつながる地域の輪
“花と緑が好き”そんな気持ちから立ち上がった「HANATOMO YUTENJI」の活動。SNSを通して、まちの中にある緑をプロットすることから始まりました。SNSで緑をプロットする活動を続けるうちに、“もっと人と人がつながる仕組みを”という思いから、Share Seedsという形で、種の循環・自家採取した種をまちの人たちで交換する取り組みに挑戦しています。
まちのかたから種をいただき、その種を譲り受けた人は種が育ったことを教えてくれる。育て方に困ったら誰かに相談できる。そんな風にShare Seedsの取り組みでみんなが緑を通してつながれたらいいなという願いがあるそうです。
種を入れた袋にはニックネームやメッセージが書かれ、受け取った人はノートにメッセージを書き残します。どちらにもあたたかい想いが込められ“人とのつながり”を実感しながら、想いが紡がれていくのが分かります。


Share SeedsのBOXは、祐天寺コミュニティセンターUCCさまに常設されています。活動に参加してみたいと感じたかたはぜひ訪れてみてください!
祐天寺で生活する人たちを大切に、生活者としての視点を
座談会で何度も出てきた言葉は、「今ある魅力を守りたい」「祐天寺の良さを大切にしたい」という想いでした。祐天寺で暮らす人への思いやりが、皆さんの活動の根っこにあるのだと感じます。
インタビューこぼれ話
今いる人たちに今ある魅力を伝えるのをモットーに身内の人にしっかり浸透して気付いてもらえるか、というのを大事にしています。
ここにいる人たちが楽しいということを、一番大事にしたいなと思っています。
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特に子育てをしているかたとかは忙しくて地域の情報をキャッチするのも、地域活動に参加することも難しいと思いますので、私たちを通じて、地域とつながる。そんなハブのような存在になれたらと思っています。 |
現代だからできるまちとの関わり方
SNSが発達した今、情報は簡単に手に入り、人ともつながれる。でも、リアルで会う温かさはやっぱり特別です。近すぎず遠すぎない距離感が心地よいのかもしれません。「忙しくて活動に行けないかも…」そんな不安も、「来れる時に、できる時に参加してくれればいい」と受け止めてくれる祐天寺の人たち。その柔らかさが、この街の魅力だと思いました。
地域の大人と子どもの心地よい距離感
「ゆ∼マガ」の活動では、家族でも先生でもない“第三の地域の大人”と子どもが関わる場が生まれていました。制作を一緒にするクリエイティブのプロも、取材を受ける地域の大人も、子どもたちに真剣に向き合い、優しく見守る。その姿に、祐天寺ならではの温かい空気を感じました。


詳細な活動の様子は、「めぐろプラス」の中でめぐプラライターの「ヤシノソ」がご紹介しています。
ひとくくりにできない祐天寺の魅力
取材を通じて感じたのは、祐天寺という街の奥深さです。祐天寺駅周辺の魅力を発信する会の皆さんの活動を軸に、じんわりと広がる人と人とのつながり。その温かさは、取材中の何気ない会話や笑顔からも伝わってきました。
今回の特集をまとめながら、私自身も「日常に溶け込んだまちの姿」を、いつもとは違う角度で見つめ直すことができました。表面的な印象だけではわからない、暮らしの中に息づく魅力。それを深掘りすることで、祐天寺の個性がより鮮明になった気がします。
まちを知ることで愛着がわく
今年は、西小山と祐天寺を取材しました。どちらも似ているようで、実はまったく違う顔を持っています。古くからの文化と新しいエネルギーが交わる場所。その調和の中に、人々の思いやりや工夫が息づいていることを知るたび、地域への愛着が増していきました。
まだまだ目黒区には、知られていない魅力がたくさんあります。これからも一つ一つの地域にフォーカスし、その奥にあるストーリーをお届けしていきたいと思います。
今回の特集にあたり、活動に密着させていただいた祐天寺駅周辺の魅力を発信する会、HANATOMO YUTENJI、ゆ∼マガの皆さま。そして取材場所をご提供いただいた祐天寺コミュニティセンターUCCさま、本当にありがとうございました。
さて、次回12月1日号は、記念すべき2222回目の発行です。
16面に忍び込んだ“足あと”の正体は…?どうぞお楽しみに!
広報広聴課:ちゃんみ
お問い合わせ
電話:03-5722-9621
ファクス:03-5722-8674
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