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更新日:2025年4月15日

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特集

目黒区手話言語条例 手話と生きる

令和7年4月1日に目黒区手話言語条例を施行しました。耳が聞こえない人(ろう者)、聞こえる人(手話通訳士)の両者から話を聞き、手話という「もうひとつの言語」について理解を深めていきます。

お問い合わせ:障害者支援課身体障害者相談係(電話:03-5722-9850、ファクス:03-3715-4424)

ろう者・佐藤八寿子さんの日常を紹介します

趣味は映画鑑賞とダイエットです

生まれた時から聴覚に障害があった佐藤さん。ろう者の両親の元に生まれた先天性ろう者であり、第一言語として手話を、第二言語として日本語(読み書き)を習得しているバイリンガルです。区内で暮らす佐藤さんの家族もろう者のため、家庭内でも手話で会話しています。
現在、目黒区聴覚障害者協会会長をはじめ、手話翻訳指導、高齢のろう者の手話読み取り指導、DVD等の制作・出演、雑誌編集、カフェの店員など、精力的に活動を続けています。


佐藤さんの長男


佐藤さんの次女

佐藤さんがカフェで働く様子に密着しました

朝、職場へ出勤

バスや電車は電光掲示板を見ながら移動します。

お仕事スタート!

聴覚に障害があることを知らせるためにエプロンに付けたバッジやカードを示すことで、お客さんの協力を得ています。

手話で話すことを示す手話サインのイラストが描かれたバッジ
バッジ

カードに指のイラストと、私は耳が聞こえません。指さし確認でのご注文にご協力ください。と書かれている。
カード

カフェでの仕事は主に3つ。

(1)注文を受ける・お会計


お客さんにジェスチャーで耳が聞こえないことを示し、注文はメニューを指さしてもらうよう促します。

(2)ドリンク作り

ドリンクを作っている店員の写真。内容を間違えないよう慎重に!
注文内容はラベルの文字で確認します。


「ライトホット(ぬるめ)」などの注文は店で決めてあるサインで、他のスタッフと伝え合います。

(3)ドリンクお渡し

ドリンクをお客さんに差し出す店員の写真。お待たせしました!
お客さんの目を見て、気持ちを表情で伝えます。

佐藤さんが活用しているサービスを教えてください

電話リレーサービスはチャット形式を利用しています。日々の生活にはスマホがかかせません

電話リレーサービス

耳が聞こえない人と聞こえる人との電話を、通訳オペレーターがリアルタイムでつなぐサービス。手話または文字(チャット)を選べます。

スマートフォンのサービス

聴覚サポート

ドアベル、犬や猫の鳴き声、サイレンなど、事前に登録した音が鳴ると、スマートフォンに通知が来ます。

セキュリティーカメラアプリ

玄関に設置しているドアベルやセキュリティーカメラと連動させて、スマートフォンで自宅を見守ることができます。

困っているコトはありますか

エステやレストランの入店を断られる

通訳者同伴にすることで、入店できるお店が増えるとうれしいです。

電話ができないことで、マンション・アパートの入居を断られる

電話リレーサービスなどを活用して、対応してもらいたいです。

聞こえないだけで交流することを諦められてしまうことがある

ジェスチャーや筆談などでコミュニケーションをとってほしいです。

目黒区手話言語条例とは

区は、手話は言語であるとの認識の下、手話に関する施策を推進しています。手話を必要とする人が手話を使って自立した生活を営み、全ての人が障害の有無によって分け隔てられることなく、共生する地域社会を目指すための条例です。

目黒区手話言語条例の詳細を見る

主な取り組み

  • 出張手話講座の実施
  • 手話劇などの手話に関するイベントの開催
  • 手話による動画配信の実施 など

「聞こえない人(聴覚障害者)」はさまざま

ろう者

手話を言語として、意思疎通を図る人

難聴者

聞こえにくいものの、聴力が残っている人。補聴器を使って会話できる人から、わずかな音しか入らない人までさまざま

中途失聴者

音声言語を獲得した後に聴力が下がった、もしくは失った人

盲ろう者

視覚と聴覚の両方に障害のある人

手話を使ってみよう

日常でよく使う手話を紹介します。ぜひ、手話の表現方法を覚えて、いろいろな場面で使ってください。

手話

両手の人さし指を横に伸ばして向かい合わせ、回転させる

ありがとう

左手の甲を上向きにして、胸の辺りに水平に置く。右手を左手の甲へ垂直に下ろしてから上げる

大丈夫

右手の指先を湾曲させて左胸にあて、そのままの形で右胸に移動させる

おつかれさま

右手でこぶしを作って、左手首をトントンと2回たたく

手話に興味のあるかたは

出張手話講座

区内で活動している事業所や団体などを対象に、講師を派遣し、出張手話講座を行います。日常でよく使う手話や、自分の名前の表し方などを、講師が丁寧に教えます。1回90分程度で、初めて手話に触れるかたでも、気軽に参加できます。

出張手話講座を見る

手話通訳養成講座

手話を習得し、区で手話通訳者として従事できるかたを養成する講座です。初級から始まり、中級・上級・専攻クラスと昇級していきます。5月22日から令和8年2月12日まで、原則毎週木曜日に、総合庁舎などで開催します。

手話通訳養成講座を見る

手話通訳士に聞いてみました

両者の文化に配慮して通訳しています


手話通訳士
根岸晴美さん

私が通った小学校は、多様な障害児(難聴・自閉症・小頭症など)が在籍するインテグレーション推進校でした。「将来も彼らと共に生活できる場を創りたい」という夢を持ったのがきっかけで、手話通訳者を目指しました。
手話通訳養成講座で学び、上級修了後5年目で目黒区登録手話通訳者に合格、6年目で手話通訳士に合格しました。
手話通訳で難しいのは、同じ単語でも手話と日本語では意味が異なる場合があるので、話者の意図を瞬時に判断し、両言語をうまく結びつけなくてはならないことです。

東京2025デフリンピックが11月に日本で初開催!

東京2025デフリンピックのロゴマーク

4年に1度開催される、デフ(きこえない・きこえにくい)アスリートのための国際スポーツ競技大会が日本で初めて開催されます。駒沢オリンピック公園総合運動場では、陸上、ハンドボール、バレーボールが開催される予定です。ぜひ、みんなで応援しましょう。
日時:11月15日(土曜日)から11月26日(水曜日)まで
場所:駒沢オリンピック公園総合運動場ほか

東京2025デフリンピックの詳細を見る

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