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更新日:2024年3月22日

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樹木保護のお話 目黒川の桜の景観を守り続けるために

都内屈指の桜の名所である目黒川。昭和の初めに行われた目黒川改修工事の際に、地域の方々が両岸に桜を植えたことが始まりで、その後、護岸改修工事に伴う伐採や植え替えを経て、現在の桜は、3代目といわれています。

今回は、目黒川の桜の保護のお話です。

2024年1月から、大橋から日の出橋までの約1.6キロメートルにかけて、目黒川沿道の桜の樹勢回復と剪定(せんてい)作業が行われました。近隣をご利用の皆さまにはご不便をおかけしていましたが、先日、無事に終わりました。多大なご協力をいただき、ありがとうございました。

目黒川から中目黒駅を望む様子

この桜の保護の取り組みは、平成30年に策定した「目黒川サクラ再生実行計画」に基づくもので、今回は、314本の桜に対して「樹勢回復」と「基本剪定」を行いました。

「樹勢回復」に当たっては、まず、根元の固くなった土に、直径2センチほどの穴を開け、深さ50センチほど掘ります。その後、圧縮した空気を噴射して固まった土をほぐします。次に、その穴に、肥料や土壌改良剤を入れて、根の健全な成長を促します。浅く、広く根を伸ばす性質のある桜にとって、地面に近い土に酸素が豊富に含まれることは、とても重要なことだそうです。

樹勢回復の様子

根元の土に細い穴を開けて行う「樹勢回復」

 

「基本剪定」は、枝葉を大きく剪定して樹木の骨格を形作る剪定です。枯れた枝や、落ちる恐れのある枝、風通しや太陽の光の妨げになる枝を取り除き、木の形を整えるものです。剪定された樹木は、このような姿となっています(下写真)。
剪定後の桜の様子をご覧になった方の中には、驚かれたかたもいらっしゃるかもしれません。撮影した日は、小雨の降る寒い日。正直なところ、私も一抹の寂しさを感じずにはいられませんでした。でも、安心してください。これから暖かくなってくると、また新しい枝が再生してくるそうです。

 

剪定された桜の木

3月5日撮影

 

目黒川沿いには、約800本の桜があります。両岸から川面を覆うように広がる花枝が、「目黒川の桜」の大きな魅力の一つですが、実は、木と木の間隔が狭いと風通しや採光が不足しがちとなり、木の活力が弱まる原因になってしまっています。いつまでも美しい目黒川の桜を保ち続けるためには、今回のような大きな剪定や、ときには伐採も必要であることをご理解いただけますと大変幸いです。今後、令和6年度、7年度にかけて、日の出橋から下流方向においても、順次同様の取り組みを行っていく予定です。

目黒区では、平成26年「目黒のサクラ基金」を設立し、桜の保全事業に、皆さまからのご寄付も活用させていただいています。目黒川の桜の景観を次の世代へとつなげていくさまざまな取り組みに、ぜひご支援、ご協力をお願いいたします。

広報課:めがねめがね

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