更新日:2025年4月4日

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認知症とは

認知症は、加齢によって起こる単なる「もの忘れ」ではなく、さまざまな原因で脳の細胞のはたらきが悪くなる病気で、誰でもかかる可能性があります。高齢のかたに多い病気ですが、年齢が若くても発症することがあります。おおむね65歳未満で発症した場合を若年性認知症と言います。

「ちょっと気になることがある」かたは、医療機関や区の相談窓口(地域包括支援センター)などに相談しましょう。

認知症と加齢によるもの忘れの違い

認知症と加齢によるもの忘れ

目黒区「認知症安心ガイドブック」(3ページ)

認知症の種類と主な症状

認知症は原因となる病気によって、さまざまな特徴があります。症状が軽い段階から適切な治療・ケアを行うことで、症状を軽減したり、進行を遅らせることができます。

年のせいだから仕方がない、もうしばらく様子を見ようと放っておいたり、人に言いにくいからとためらっていると、症状が進んでしまうこともあります。

原因となる病気によっては、治る病気や一時的な症状の場合もあり、早期診断・早期治療が大切です。

アルツハイマー型認知症

脳の神経細胞が減り、脳が小さく委縮してしまう病気です。認知症の原因としては最も多いといわれており、記憶障害が早期からみられます。進行を遅らせる薬もあり、早期に用いるほど効果が期待できます。

主な症状

  • 同じことを何度も質問する
  • 年月や時間、自分の居る場所など状況が把握しにくくなる
  • 物事の段取り(食事の準備等)が悪くなる

脳血管性認知症

脳出血や脳梗塞(脳卒中)等、脳の血管に障害が起き、その部分の脳の働きが低下して起こります。脳卒中が再発するたびに進行するので、再発を防ぐことが大切です。

主な症状

  • 意欲や注意力が低下して複雑な作業ができなくなる
  • もの忘れがあるわりにはしっかりしている
  • 手足のしびれがあり、活動的に過ごす事が難しくなる

レビー小体型認知症

脳に特殊な物質が蓄積されて起きる病気です。パーキンソン症状や幻視を伴うのが特徴です。

主な症状

  • 手足のふるえやこわばり、小幅歩行などのパーキンソン症状
  • はっきりとした幻視(子どもや虫など,その場にいないものが現実にあるように見える)がある
  • もの忘れは少なく、直近の記憶は比較的保たれている
  • 日や時間により症状の変動が大きい

前頭側頭型認知症

脳の中でも理性をつかさどる「前頭葉」と、聴覚や言葉の理解を担当する「側頭葉」という部分が萎縮してしまう病気です。

主な症状

  • 同じ行動をくり返す
  • ルールを守らない、衝動的に行動する
  • 周囲への配慮を欠いた行動がある

その他の認知症

頭のけが、正常圧水頭症、重い肝臓病や腎臓病、中毒(アルコール、薬物など)、ビタミンの欠乏などによっても起こります。

中核症状と行動・心理症状

中核症状

脳の細胞が壊れることにより直接起こる基本的な症状です。

記憶障害

  • 最近の体験や出来事など新しいことが覚えられない
  • 今まで覚えていたことを忘れる

見当識(けんとうしき)障害

  • 日時、曜日、季節感、場所等の感覚が薄れる
  • 道順などがわからなくなる
  • 周囲の人との人間関係がわからなくなる

理解・判断力、実行機能障害

  • 物事の段取りや計画を立てることができなくなる
  • 家庭電化製品、自動販売機、金融機関のATMなどが使いこなせなくなる

行動・心理症状

中核症状によって、日常生活への対応がうまく出来なくなってくると、本人がもともと持っている性格、環境、人間関係など、さまざまな要因がからみ合って、行動や精神状態に問題が起きてきます。

うつ状態

  • 今まで出来ていた事が出来なくなり、自信を失う
  • すべてが面倒で興味がわかない(意欲や気力が減退したように見えるので、うつ病と間違えられやすい)

徘徊(はいかい)

  • 本人にとっては理由がある行動だが、周囲には目的もなく歩き回るように見える
  • 道がわからなくなり自宅に帰れなくなる

ものとられ妄想

  • 自分で片付けたことや片付けた場所を忘れ、探しても見つからないと誰かに盗まれたと思い込む

幻覚・妄想

  • あるはずのないものが見えたり、ありえないことを信じ込む

いまからはじめる健康づくり

加齢に伴い、筋力の減少や、視力・聴力の低下などの身体機能に支障がでると、社会との交流が減ってしまい、日常生活にさまざまな影響がでることもあります。

健康でいきいきと暮らし続けるために、適切な運動や食事の工夫で生活習慣病(高血圧・糖尿病・心臓病など)を防ぐとともに、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の五感を刺激し(歌を歌う、好きな服を着る、季節に合わせた献立を作るなど)、脳を活性化するように心がけましょう。

また、気になる心身の変化を感じたときは、早めに医療機関を受診し、病気や症状の悪化を防ぎましょう。

 

認知症安心ガイドブックP23

目黒区「認知症安心ガイドブック」(23ページ)

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福祉総合課 認知症施策推進係

ファクス:03-5722-9062