更新日:2020年11月17日

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駒場野公園大池のかいぼり

かいぼりとは?

本来、農業用のため池を健全な状態に保つ管理作業の一つです。具体的には稲の収穫が終わった頃にため池の水を抜いて池底の泥を取り除き、池に水漏れなどがないか、提や水門の点検や補修を行います。魚採りはかいぼりの工程のひとつで、作業をした人たちの労をねぎらうためのお楽しみでした。
現在は、公園などの池の水質改善のために行われることが多く、池の水を抜き、天日干しをすることで余分な栄養を減らし、池の環境を復活させるために行われます。

かいぼりの流れ

  • ポンプなどで池の水を抜く
  • 残された生き物を捕獲する
  • 池の生態系に危害を及ぼすと考えられる生き物以外は飼養する
  • 池の底にたまっている泥をさらう(浚渫)
  • 一定の期間、池の底を天日干しする
  • 水を池に入れて、飼養していた生き物を池に戻す

かいぼりの様子
令和元年度のかいぼりの様子

捕獲したいきもの
捕獲されたヌマエビの一種

かいぼりの効果

  • 水がきれいになります
    池の底に溜まった栄養分を多く含む泥は、水を汚くしています。泥をさらい天日干しをすることで、栄養分が減るため、アオコの発生が抑えられ、水の濁りが改善されます。
  • 外来種を取り除くことで、生態系の調和が回復します
    在来種の生息を脅かし、激減させてしまう外来種がいます。外来種を駆除することで、在来種を保全し、希少種が生息できるようになります。
  • 眠っている水草の種の発芽が期待できます
    池の底泥の中には、たくさんの植物の種子が眠っています。かいぼりによって、眠っていた種子が目を覚ます可能性が期待できます。

駒場野公園大池でのかいぼりについて

大池でかいぼりをする理由

駒場野公園の大池では、池の底に落ち葉が堆積し、それらが分解されたことにより泥になったことで水深が浅くなっています。また、外部から持ち込まれたと思われるコイやミシシッピアカミミガメなどの外来生物がいることや水量の低下により、生態系の単調化や大池下流にあるケルネル田んぼへの水の供給量の減少などの課題があります。さらに大池は東京消防庁の消防水利にも指定されているため、水量を確保し、大池本来のいきものの生息環境を回復するためにかいぼりを行います。

令和2年度のかいぼり

令和2年11月8日(日曜日)に地域のボランティア、区の職員、委託業者の約50名でかいぼり作業を行いました
当日は、午前と午後に1時間ずつ、いきものを捕獲し、仕分けやカウント作業を行いました。

かいぼりの様子1
いきもの捕獲の様子

かいぼりの様子2
いきもの展示の様子

捕獲されたいきもの一覧
種名 個体数(匹)
メダカ 1200
モツゴ 915
アメリカザリガニ 357
ヌマエビ 10
クサガメ 2
アカムシ 5
アメンボ 2
ヤゴ(シオカラトンボ) 1

捕獲したいきもの1
メダカ

捕獲したいきもの2
クサガメ

かいぼり後の予定

かいぼり後は、池底の泥さらいや天日干しを行うため、令和3年1月末ごろまで池に水がない状態です。
公園内にある自然観察舎では、11月11日(水曜日)から池の水をもとに戻す予定の令和3年1月末まで、かいぼりで捕獲したいきものの一部を展示しておりますので、ぜひご覧ください。

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生物多様性保全林事業

かいぼりは生物多様性保全林事業の一環として行います。

お問い合わせ

みどり土木政策課

ファクス:03-3792-2112