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特集
認知症を自分事として考えよう
高齢化が進む日本。令和22年には、高齢者の約7人に1人は認知症になると予想されています。また、高齢者だけでなく、若くても発症する認知症もあります。認知症は、決して人ごとではなく、いつ自分や家族、親しい人がなるか分かりません。「おや?」と思った時に自分自身が、そして周囲が認知症に気付くことはとても重要なことです。認知症を、自分事として考えてみませんか。
お問い合わせ:福祉総合課認知症施策推進係(電話:03-5722-9702、ファクス:03-5722-9062)
気になることがあるかたは、お近くの地域包括支援センターに相談してみましょう
知っていますか?認知症のこと?
認知症は、自然な老化によって起こる単なるもの忘れではなく、さまざまな原因で脳の細胞が損傷を受けたり、働きが悪くなったりすることで、認知機能(注釈)が低下し、生活のしづらさが表れる状態を言います。
(注釈)認知機能とは、物事を記憶する、言葉を使う、計算をする、問題を解決するために深く考えるなどの頭の働きを言います
医師の解説
症状
認知症の主な症状はもの忘れで、いったん正常に発達した知能・知性が低下する状態です。もの忘れ(記憶障害)、時間や場所が分からない(失見当識)、判断力の低下、計算できないなど、全ての認知症の患者さんに見られる症状を中核症状と呼びます。また、患者さんによって出たり出なかったりする症状を周辺症状といい、幻覚、妄想などがあります。
認知症の気付き・兆候
認知症を疑う最初の症状のほとんどはもの忘れで、思い出せずに苦労するのではなく、忘れていることに気付かない・忘れている・忘れたことをごまかそうとするなどの症状が出てきます。また、以前できた日常生活、例えば料理などの家事、簡単な計算ができなくなるなどがあれば認知症を疑います。穏やかだったかたが怒りっぽくなるなど、性格の変化が見られる場合もあります。これらの症状は急激に悪くなることもあるので、早めの受診をお勧めします。
早期診断の重要性
早く診断されて適切な治療を受ければ、認知症の進行を遅らせることが可能な場合もあります。現在使われているほとんどの治療薬は、軽度の認知症の進行を遅らせる効果があるとされているので、もの忘れ検診などを受けて、早期発見をすることが重要だと思います。また、検診で認知症でないと診断されれば安心できます。
認知症予防
脳は、ある機能が障害を受けても、他の健常な部位が代償して働くことがあります。例えば、脳梗塞で手足が動かなくなったかたでも、リハビリすることによって脳を刺激し、動くようになることがあります。これは認知症予防でも同じで、日頃から頭を使い、脳を刺激するように心掛けることが大切です。
目黒区医師会会長 |
むやみに認知症を恐れることはありません 認知症になりにくいような生活を送ることは大事です。ただ、認知症になったからといって、人生が終わるわけではありません。認知症は徐々に進行していくので、その中で自分の生活をいろいろ考えること、周りが見守っていくということも大切なのではないでしょうか。 |
記憶に自信がなくなってきたらもの忘れ検診
認知症の早期診断・早期対応を図るため、もの忘れ検診を開始しました。対象者には5月頃、受診券をお送りしました。脳の健康チェックにご活用ください。
日時:令和7年2月28日(金曜日)まで
内容:問診、認知機能検査(20分程度)
対象:今年度に、67歳・70歳・73歳・76歳になる区内在住者
費用:無料(精密検査は保険診療)
「もしかして、認知症?」と思ったら地域包括支援センターへ
気になることがあるかたは、もの忘れ相談窓口である地域包括支援センターにご相談ください。地域包括支援センターでは、区民のかたが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、認知症の疑いのある人の早期発見に努めるとともに、当事者や家族、関係機関などから相談を受け、適切な医療、サービスにつなげる取り組みを行っています。詳細は区ウェブサイトをご覧ください。
地域包括支援センター
日時:月曜日から金曜日8時30分から19時、土曜日8時30分から17時(祝日・休日を除く)
北部 | 目黒区大橋一丁目5番1号 クロスエアタワー9階 | 電話:03-5428-6891、ファクス:03-3496-5215 |
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東部 | 総合庁舎本館1階 | 電話:03-5724-8030、ファクス:03-3715-1076 |
中部 | 目黒区中央町二丁目9番13号 食販ビル内 | 電話:03-5724-8066、ファクス:03-5722-9803 |
南部 | 目黒区碑文谷一丁目18番14号 碑小学校内南西側 | 電話:03-5724-8033、ファクス:03-3719-2031 |
西部 | 目黒区柿の木坂一丁目28番10号 | 電話:03-5701-7244、ファクス:03-3723-3432 |
各地域包括支援センターでは、認知症支援コーディネーターを2人ずつ配置しています。認知症に関する相談は、認知症支援コーディネーターが中心となって、本人や家族の状況に合わせた支援方法を一緒に考えます。
認知症支援コーディネーターに聞きました
認知症支援コーディネーター
これまで担当・体験した事例
少しのサインでも気になることがあったら相談してほしいです
「お父さんが最近もの忘れがすごく多くなっちゃって」「暑い中をいつもフラフラ歩いているかたがいるんですが、大丈夫でしょうか」など、ちょっとした相談や問い合わせでも大丈夫です。少しのサインでも、気付いた時に連絡してくれるだけでずいぶん違います。
自分は認知症とは関係ないと思っているかたが多いです
認知症のかたの中には、社会生活も何とか送れているので、自分は大丈夫と考えているかたもいます。周りのかたが気付いて早めに相談することで、本人とコミュニケーションを図りながら、必要な手段を提案していくというプロセスを踏むことができます。
自分がどうしたいかを聞けるうちに相談してもらいたいです
認知症が進行してからだと、施設に入りたいのか、家でずっと暮らしたいのかなど本人の意思をなかなか聞けなくなるので、早めに相談してもらうことが大事だと思います。
日常生活や仕事の中での気付きが支援につながることがあります
若年性認知症のかたで、会社の同僚のかたが違和感に気付いて相談してくださいました。その後、若年性認知症総合支援センターやケアマネジャーなどと連携し、受診支援を行いました。職場のかたの気付きが支援のきっかけとなることがあります。
できるだけたくさんのかたに認知症のことを知ってほしいです
ある認知症のかたの行きつけの飲食店から、そのかたがお酒を飲んで暴れてしまったと連絡がありました。でも、苦情ではなく、自分たちも認知症のことを理解して、これからも一緒に楽しみたいって言ってくださったので、とてもうれしかったです。
認知症についてもっと詳しく知りたいかたは、みんなで支える認知症安心ガイドブック認知症のかたや家族の立場で、困り事や相談事に活用できる医療やサービスなどの情報や、認知症の進行に応じて利用できるサービスなどを掲載しています。総合庁舎本館2階福祉総合課、地域包括支援センターで配布するほか、区ウェブサイトでご覧になれます。
福祉総合課職員 |
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