ここから本文です。
クリーニングトラブルになる前に
クリーニングは日ごろよく利用するサービスですが、トラブルも少なくありません。単に店側の過失だけでなく、衣類製造者や販売店、消費者の着用の仕方や日常の取扱いの問題等原因はさまざまで、ケースにより対応も異なります。受付・受取時の相互確認と信頼できるクリーニング店の選択が、トラブルを防ぐ最大のポイントです。
クリーニング・トラブルの事例
ケース1 洋服がなくなった
背広上下をクリーニングに出したが、ズボンを紛失された。
(結果)通常一対で着用するものであり、上下セットで依頼していたので、スーツとしてクリーニング事故賠償基準の対象となり補償された。
ケース2 シミが出ている!
春先に上着をクリーニングに出し、ビニール袋に入れたまま保管。冬に着用してみたらシミが出ていた。
(結果)受け取った日から6か月以上経過していたため、クリーニング事故賠償基準の対象にならなかった。
ケース3 コーティングの剥離
4、5年前に購入した合成皮革の上着をクリーニングに出したら、合成樹脂コーティングがはがれてしまった。
(結果)テストの結果、合成樹脂の経年劣化によるとの判断で、この場合は補償の対象にならなかった。
クリーニング事故を防ぐポイント
預けるとき
- シミや汚れの場所、素材や加工の特徴などを店に伝え、確認してもらいましょう。
- スーツ等のセット物は一緒に依頼し、ベルトなどの付属品も、預り証に記載してもらいましょう。
- 預り証は必ず受け取り、内容を確認して大切に保管しましょう。
受け取るとき
- できるだけ仕上がり日直後に受け取り、すぐに状態を確認しましょう。
- 仕上がりに納得がいかない時は、できるだけ早く店に連絡しましょう。
衣料品を買うとき
- 取扱い表示で、クリーニングが可能かどうかを確認しましょう。
- 合成樹脂皮膜等の寿命は比較的短いので、その点を考慮したうえで購入を検討しましょう。
- 異素材を組み合せた製品は、トラブルが多いので注意が必要です。
海外で衣料品を購入する場合
- 万一の事故でも原因調査が難しいことを念頭におき、選択しましょう。
- クリーニング方法の表示がない場合は、購入店に確認しておきましょう。
宅配クリーニングを利用する場合
- 対面で相互チェックができないため、便利な一方で紛失・誤配・仕上がり状態への不満などのトラブルも多くなっています。問い合わせ先を明記している業者を利用しましょう。
- サイトの規約をよく読み、料金やサービス内容(受け取り後の洗い直しなどに対応可能か)を確認し、慎重に業者を選びましょう。
クリーニング事故賠償基準について
クリーニング業界では、クリーニングトラブル解決のための基準として「クリーニング事故賠償基準」を定めています。この基準は、原則Sマーク(注1)とLDマーク(注2)を表示したクリーニング店に適用されます。加盟店以外でも、この基準を参考に交渉するといいでしょう。
(注1)Sマークは、厚生労働大臣が認可した「クリーニング業の標準営業約款」に基づいて営業をしているクリーニング店のマーク
(注2)LDマークは、各都道府県のクリーニング生活衛生同業組合加盟店のマーク
クリーニング店を選ぶ目安やSマーク、LDマークの説明、クリーニング事故賠償基準などが掲載されています。
お困りの際には、消費生活相談をご利用ください。
消費生活相談をご利用ください
相談専用電話03-3711-1140
相談コーナー開設日 月曜から金曜日(年末年始、祝日を除く)
相談時間 午前9時半から午後4時半(電話・来所とも、受付はなるべく午後4時までにお願いします。)
お問い合わせ
電話:03-3711-1133
ファクス:03-3711-5297
消費生活センター