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「ホスピタルダイエット」などと称されるタイ製のやせ薬にご注意ください
- 「ホスピタルダイエット」などと称されるタイ製のやせ薬については、これまで、死亡事例を含む重篤な健康被害が報告されています。
- 国内での承認を受けていないこのような製品については、当該医薬品が偽造製品であったり、有害な物質が含まれている可能性があり、健康被害が発生するおそれがあります。
- インターネット等で個人輸入して使用することは、くれぐれも避けていただくようお願いします。また、服用により体調異常が現れた場合には、直ちに服用中止し、医療機関を受診するとともに、保健所にお申出ください。
- 平成17年には、目黒区でも健康被害がありました。
目黒区の事例
- 平成17年8月下旬、目黒区在住の女性が、ダイエットの効果を期待し、携帯サイトを通じて「ヤンヒーホスピタルダイエット」と称される製品を購入しました。携帯サイトは注文の際、身長、体重等を知らせると、海外の病院が処方したダイエット薬をタイ(バンコク)から個人輸入(輸入代行)できるというものでした。製品が到着してから毎日、錠剤やカプセル計6種類を服用したところ、副作用により動悸、胸痛、口渇などの症状を呈し受診、入院しました。幸い重症化せず、後に回復し退院しました。
- 当該品残品を検査したところ、6種類すべてから医薬品成分が検出され、そのうち2種類からは国内で医薬品としての承認がない成分が検出されました。
製品の画像、検出成分
ヤンヒーホスピタルダイエット(錠剤及びカプセル剤)・包装
錠剤・カプセル錠
包装
- 水色と白色のカプセル剤(TRIMの表示)
- 水色の錠剤(表示なし)
- 黄褐色の錠剤(T-Tの表示)
- 白色の錠剤(Dの表示)
- 黄色と茶色のカプセル剤(表示なし)
- 薄茶色の錠剤(T.ovの表示)
1と5は、国内未承認の医薬品成分です
項番 | 検出成分 | 作用 | 副作用 |
---|---|---|---|
1 | シブトラミン | 中枢性食欲抑制作用 | 血圧上昇、心拍数増加、頭痛、口渇、便秘、鼻炎など |
2 | ヒドロクロロチアジド | 降圧作用、利尿作用 | 食欲不振、悪心・嘔吐、腹部不快感、脱力感、低カリウム血症など |
3 | 甲状腺ホルモン | 甲状腺ホルモン作用 | 狭心症、ショック、うっ血性心不全など |
4 | ビサコジル | 大腸のぜん動運動促進作用など | 過敏症状、腹部不快感 |
5 | フルオキセチン | 抗うつ作用 | 倦怠感、頭痛、めまい、腹痛、口渇、食欲不振、睡眠障害 |
6 | 甲状腺ホルモン | 甲状腺ホルモン作用 | 狭心症、ショック、うっ血性心不全など |
類似製品の名称例
- ヤンヒーホスピタルダイエット、ヤンヒ-ホスピタルダイエット、ヤンヒーダイエット、MDホスピタルダイエット、MDクリニックダイエット、ドクターダイエット、ニューホスピ、ホスピタルダイエット3a5など
- 詳細は、厚生労働省ホームページの「ホスピタルダイエット」などと称されるタイ製の向精神薬等を含有する無承認無許可医薬品による健康被害事例についてをご覧ください。
区民の皆様へ
健康被害の事例
「ホスピタルダイエット」などと称される、ダイエットの効果があるとされる製品については、複数の自治体から健康被害の事例が公表されており、死亡事例も報告されています。
健康被害
健康被害が発生するおそれがあるため、このような製品を入手して服用しないでください。また、服用により体調に異変を生じた場合は、直ちに服用を中止し、医療機関に受診するとともに、保健所にご相談ください。
医薬品や健康食品の安全
インターネット等で販売されている医薬品や、いわゆる健康食品の中には、危険な成分が含まれているものがあります。広告、口コミ、評判、ブログ、掲示板、日記など様々な情報が氾濫していますが、すべてが信用できるとは限りません。一般の輸入食品は、輸入業者の責任で安全確認を行うことになっていますが、個人輸入(輸入代行)の場合は、安全な製品であるかの確認は、購入者自身で行わなければなりません。また、インターネットオークションの場合、製品の安全性について十分な知識のない人が取引相手になっている場合があります。安易な購入はやめましょう。
個人輸入(輸入代行)
個人輸入(輸入代行)で購入した医薬品を業として販売、譲渡した場合は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律違反となります。また、個人輸入(輸入代行)であっても向精神薬を輸入することは、麻薬及び向精神薬取締法で禁じられています。
医薬品の使用
医薬品は医師、薬剤師のもとに使用し、自己判断の個人輸入(輸入代行)や使用はやめましょう。海外旅行のおみやげにも注意が必要です。副作用により健康被害が生じても、「個人の責任」と考えられ、医薬品副作用被害救済制度による医療費などの給付は受けられませんのでご注意ください。
ダイエット
ダイエットの基本は栄養バランスのとれた食事、規則正しい生活、適度な運動などです。気軽に自己判断で医薬品やいわゆる健康食品のみを使って健康的にやせられる(効果絶大、簡単に痩せる)ということはありません。
関連するページ
- いわゆる健康食品、サプリメントに関して
いわゆる健康食品やサプリメントに関する、よくある質問です。 - 「ホスピタルダイエット」などと称されるタイ製の向精神薬等を含有する無承認無許可医薬品による健康被害事例について
厚生労働省ホームページ - 健康食品ナビ
東京都健康安全研究センターホームページ
お問い合わせ
生活衛生課 医薬係
電話:03-5722-9529
ファクス:03-5722-9367