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人権啓発のとびら これでいいのですか? 「外国人と思い込み」
ごみ集積所での会話です
近所同士の会話
男性「どうかしたんですか?」
女性「この近くにも、外国人が増えて、ごみ出しのルールを守ってくれなくて困っているのよ」
男性「どうして外国人が出したとわかるんですか?」
女性「夜も遅くまで騒いでるし、何をやるかわからないような外国人に決まっているでしょ!」
わたしたちは考えます
真の国際化に向けて…
国際化ということがいわれて久しいですが、私たちが住んでいる街や商店などでも外国人と接することがごく普通になってきました。しかし、心の中は国際化しているでしょうか。「外国人風の2人組の男が強盗を働いた」等の新聞報道を目にして、最近物騒な事件が多いけれど、外国人の犯罪が増えているのではと感じたり、外国人は何を考えているか、何をするかわからないと思ったりしたことはありませんか。
しかし、実際には外国人による犯罪は増えていません。こうした気持ちが、なんとなく外国人は怖い、何か悪いことをするのは外国人だという発想につながります。関東大震災の際、まったくのデマからたくさんの朝鮮人が虐殺されたことはよく知られた史実です。異質なものをできるだけ排除しようとするのは集団の特性だといいます。また、日本人は、均質文化への志向が強く、皆同じという幻想を抱いていると言われます。しかし、それぞれ違った存在であるのが人間なのです。例えば、同じ親から生まれても、子ども一人ひとり性格も好みも外観も異なります。
私たちは、よく、「日本人は…だ」「外国人は…だ」と言ったりすることがありますが、こうした見方(ステレオタイプ)では、客観的事実がなかったり、あったとしても少数の事例で全体を判断し、決めつけてしまうことになったりしがちです。
例えば、外国人Aさんがルールを知らなくて、あるいは知っていても無視して、ごみ出しの日でない日にごみを出したとします。その事実を知って、外国人全体を判断して、ルールを守らない人たちというレッテルを貼ってしまう。ステレオタイプの見方から偏見は生まれ、差別につながります。
私たちは、人種や国籍などに関係なく、地域社会の一員として、お互いに理解しあうことが必要です。そのためにも、日常的な交流を通してお互いの文化や生活習慣の違いを認め、学びあっていくことが大切ではないでしょうか。
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