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外国人の人権と共生 (めぐろ区報 平成30年6月25日号に掲載した記事です)
6月1日現在、目黒区には8,864人の外国人が暮らしており、区の人口の約3パーセントを占めています。その数は、近年急速に増加しており、2年後には東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催もあることから、外国人と接する機会が、今後さらに多くなると考えられます。
こうした中、国内では言語、宗教、文化、習慣などの違いから、外国人が賃貸住宅への入居を断られたり、入店に難色を示されたりする現状があります。また、特定の国籍のかたを排斥する趣旨の言動が公然と行われるヘイトスピーチも、大きな社会問題となりました。これらの問題の根底には、言語の違いだけでなく、外国人に対するいわれのない偏見や、互いの理解が十分でないことから生じる不安などがあるのかもしれません。
区は、地域で共に暮らす外国人住民との交流や相互理解、出会う機会が増える外国人観光客などへの対応を図るため、29年3月に、めぐろ多文化共生推進ビジョンを策定しました。このビジョンは、世界に開かれた豊かな人間性をはぐくむまちの実現を基本目標に掲げています。
策定に際しては、区民と外国人住民との豊かな共生について議論を重ねてきた、目黒区国際交流協会(MIFA)の「多文化共生区民フォーラム」から提言を受けました。そして、施策の実施に当たっては、区とMIFAが連携して取り組んでいます。
例えば、MIFAが隔月で発行する英文情報紙「KaleidoscopeMeguro(カレイドスコープメグロ)」では、医療、保険、福祉、防災といった情報だけでなく、地域や日本の文化に触れる催しなども掲載しています。
また、異文化への理解と交流を図る取り組みとして、区内の大使館や外国人支援団体、ボランティアの協力を得ながら、各国の文化を紹介する講座やMIFAフェスティバルなどを開催しています。
外国人が地域社会の一員として安心して暮らすことができ、人が人を大切にする社会は、外国人住民だけでなく、私たち日本人にとっても住みよい社会になるはずです。文化も生活習慣も異なる外国人との多文化共生社会は、お互いを知ることから始まります。少し勇気を出して、出会った外国人に自分から話しかけるなど、身近なことから始めてみませんか。
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